ToLOVEる VII   作:フェンネル

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四者四様?

彩南高校の男子生徒たちは、「町内美化運動」に勤しんでいた。

 

「猿山!女子はメイド服らしいぞ!」

 

「何ィ!?」

 

その情報を耳にした男子達は一斉に女子の元へ向かった。

そしてメイド服を来た美少女達を目にし、歓声を上げていた。

 

「リトーっ!」

 

「うわっ!」

 

飛んできたララもメイド服に身を包んでおり、その可愛らしさは他の生徒の視線を釘付けにする程だった。

 

「似合うかな?」

 

「い、いいんじゃねーかな」

 

「ホント?」

 

照れながらもリトの放った褒め言葉に嬉しくなったララは。

 

「うれしい♡」

 

そう言って飛びついた。

 

「今日も元気でやんすなぁ、2人とも......お?」

 

猿山が辺りを見回すと、思わぬ光景が目に入った。

ヤミもメイド服を来ていたのである。

 

「ちょっとちょっと、ヤミちゃんメイド服似合うねー!」

 

「......プリンセスに誘われたので」

 

「マジ!?着てくれてありがとう!もう最高!」

 

ヤミは何も答えず、少し顔を赤らめてそっぽを向いた。

さらに褒め続けると、耳まで赤くなった。

 

「いっつもあの服着てるからすごい新鮮だよ」

 

「戦闘で破けてしまうので、私にはこういう可愛らしい服は必要ありません」

 

「!?」

 

「な、なんでそんなに驚いてるんですか」

 

猿山は床に突っ伏しながら大量の涙を流した。

突然あまりにも悲しそうにするものだから、ヤミは当惑した。

 

「もったいないじゃないの......」

 

「......変な人ですね」

 

けれども、嬉しそうだった。

 

ある日。

リトの机の中から、一通の手紙が出てきた。

ラブレターと思しき外見だった。

 

「(い、一体誰が......)」

 

「おうリト、どうした?」

 

猿山が声をかけると、リトは手紙を隠してどこかへ走り去って行ってしまった。

 

「なんだあいつ......ん?」

 

そんなリトを目で追うと、廊下を歩くヤミの姿を見つけた。

 

「ヤミちゃんおはよ!」

 

「......何か用ですか」

 

「まぁね。ちょっと......お?」

 

彼女に近づくと、一通の手紙を持っていることに気づく。

 

「その手紙どしたの?」

 

「知らない内に誰かから貰いました」

 

「ラブレターじゃなくて?」

 

「有り得ませんね」

 

猿山は肩をすくめる。

 

「で、本題なんだけどヤミちゃんさ、この間御門先生探すの手伝ってくれたじゃん?お礼したくて」

 

「お礼?」

 

「うん、俺にできることなら何とかするぜ!たい焼きだって好きなだけ買ってあげるさ」

 

猿山は財布の中を見て、十字架を切った。

 

「(さらば、俺の全財産......!)」

 

「そうですね......」

 

「今浮かばなかったらまた今度でもいいからさ、ゆっくり考えてよ」

 

「......はい」

 

「あ、図書室行くとこだったよね。止めちゃってごめんね」

 

「いえ、別に......」

 

何故か、ヤミは去ろうとする様子がなかった。

 

「...........」

 

そして、ちらちらとこちらを見ていた。

何かしらの言葉を待つように。

 

「もうちょっとお話しててもいい?」

 

「......仕方ないですね」

 

「(可愛過ぎて死ぬゥ!)」

 

あまりの可愛らしさに、美柑の時と同じように胸を押さえる。

そしてその感情を顔には出さず、あくまで平静を装った。

 

「リトから聞いたんだけど、最近美柑ちゃんと仲良いんだって?」

 

「まぁ、それなりに」

 

「いやー、ヤミちゃんにも沢山友達ができて嬉しいよ」

 

「沢山?」

 

「美柑ちゃんでしょ、ララちゃんでしょ、リト、春菜ちゃん、古手川さん、里紗ちゃん未央ちゃん御門先生───」

 

指折り数えていくと、思ったより多かった。

皆ヤミを受け入れ、彼女が殺し屋であることなど気にもしていない。

 

「......不思議です」

 

ヤミの反応は、周りに対して疑問を抱えているようなものだった。

猿山は知らないが、先日銭湯でちょっとした戦いがあり、その際美柑の方から「少しは友達を頼れ」と言われたことで、ヤミは美柑を友達として受け入れるようになったのだ。

 

「私とは深く関わらない方が良いはずなのに......美柑達は何故......」

 

美柑にも同じことを言ったにも拘わらず、諦めず自分と仲良くしようとしてくれてきたことが、不思議でならなかった。

 

「そんなの簡単よ」

 

「簡単?」

 

「皆ヤミちゃんが好きだから仲良くなりたいんだよ」

 

「好き......」

 

「そ。”無償の愛”ってやつかな」

 

「無償の、愛......」

 

ヤミの心に、その言葉が広がる。

本の中でも見覚えのある言葉だった。

 

「ヤミちゃんといると楽しいとか、嬉しいとか、そういう君を大切に思う気持ちが皆にはあるんだ」

 

広がった言葉が、身体を温かく包む。

 

「ま、今は分かんなくても......これから分かっていくんじゃないかな」

 

同時に、胸に引っかかるものがあった。

 

「あなたは、どうなんですか」

 

「へ?」

 

目の前の男は、まるで想定していなかったように恍けた声を出す。

こちらの気も知らないで。

ヤミはそう思った。

 

「先程挙げた中に、あなたの名前はありませんでした」

 

「......やっべ、ホントだ」

 

「何がやばいんですか?」

 

「えっ」

 

ヤミは詰め寄る。

猿山の瞳孔が見える程近く。

思わぬ行動に、猿山は後ずさりする。

 

「や、もちろん俺もヤミちゃんの事大事に思ってるよ?」

 

「なら、あなたの”無償の愛”を教えてください」

 

「み───」

 

「皆と同じとか、そういうのはいいです。私は今、あなたに聞いているので」

 

構わず、ヤミは近づく。

 

「どのように?」

 

「......そりゃ喜んで欲しいし、笑って欲しいよ」

 

「それは前に聞きました」

 

「あ、あと泣いて欲しくないし、傷ついて欲しくないし」

 

聞けば答えてくれるこの状況。

ヤミは更に言葉を欲しがった。

 

「他には?」

 

うるさい心臓に、聞こえないふりをしながら。

 

「し、幸せになってほしいというか......」

 

「それから?」

 

猿山は壁際に追い詰められる。

 

「い、いくらでも甘やかせる!」

 

壁が背中に密着し、これ以上は1歩も下がれない。

 

「もっと」

 

気づけば人気の無い所まで来てしまっていた。

 

「こ、困ってたら絶対助けるし」

 

それを聞いたヤミは、身体全体を密着させる。

 

「......絶対?」

 

「ぜ、絶対」

 

身長差から、彼女の顔は猿山の首元にある。

近くで喋っているからか、猿山はくすぐったそうだった。

 

「美柑にも、同じようなことを言っていたそうですね」

 

ヤミの声が、冷たくなった。

猿山の頬を冷や汗が伝う。

 

「(......なんか熱くね?)」

 

けれど、何故か体温は高かった。

ヤミの圧に緊張しながら戸惑っていると、彼女の顔が真っ赤になっている事に気づく。

 

「(あっこれヤミちゃんの体温か)」

 

「......すみません。らしくない事をしました」

 

見られていることに気づいたヤミは猿山から離れ、言い訳をするでもなく正直に言った。

 

「今まで甘えたことなんてなかったので、その......」

 

「(ん”っ、か”わ”い”い”!!)」

 

猿山はこの行動が彼女なりの甘えなのだと思うと、どうしようもなく愛しくなった。

今実際に、「尊死」というものを体験しようとしていた。

 

「さっきも言ったけど、いくらでも甘えてくれて良いんだよ」

 

尊さに何とか耐える猿山。

 

「ヤミちゃんが望むなら”っ!?」

 

猿山が言い切る前に、ヤミは思い切り飛び込んできた。

 

「じゃあ、遠慮はしません」

 

そう言ってどんどん力を強める。

猿山の心臓に耳を当てる。

 

「私が満足するまで、離れないでください」

 

その鼓動を聞き、心を安らげる。

 

「うん。好きなだけこうしな」

 

そんなヤミを、 猿山も大事そうに抱きしめた。

数分後、ヤミは何事も無かったように離れ、図書室へ歩き出していった。

その後、猿山は大急ぎで保健室へ向かった。

 

「御門先生、尊死に効く薬ありますか?」

 

「何の話?」

 

訳を聞いた御門は呆れ、猿山をベッドに投げ込んだ。

 

翌日の放課後。

 

「ララちゃんの妹ぉ?」

 

「昨日ゲームの世界に飛ばされてさ。それがララの妹達の仕業だったんだよ」

 

「マジかよ......俺も行きたかった......」

 

猿山は面白そうな出来事だと言うのに、参加どころか起きていることすら知らなかったことを嘆いた。

 

「先生、心が傷ついたんで寝てもいいでやんすか」

 

「別に良いけど───」

 

そして保健室へ転がり込み、御門から許可をもらい、ベッドでふて寝しようとする。

だが。

 

「何があっても、知らないわよ?」

 

急に背中に重さがのしかかり、耳元からこんな声が聞こえたことで猿山の体が跳ねる。

 

「どうかした?」

 

「い、いやぁ照れるなぁと思って」

 

「あら、嬉しいこと言ってくれるわね」

 

要は、バックハグをされていた。

 

「ご褒美あげよっか」

 

「な、何するつもりすか......?」

 

「......どうして欲しい?」

 

御門はやけに色っぽく囁く。

何だ?自分は何をやらかした?

猿山の顔に、尋常ではない量の汗が出てくる。

 

「(さ、流石に治療費ブッチし過ぎちゃったかな?)」

 

寝る気など、完全に消え失せていた。

 

「(どーか、どーか内臓だけはご容赦を!)」

 

目を閉じて、ただただ祈る。

 

「(......絶対変なこと考えてるわね)」

 

御門はやたらと焦っている猿山を見て、変な勘違いをしていることを察し、心の中でため息を吐く。

 

「せ、先生?今日はなんかいつもと違うというか......」

 

「そう?いつもこんな感じじゃないかしら?」

 

「そ、そうでやんすかねぇ」

 

んなわけねぇだろ!

猿山は心の中で嘆きながら、どうすれば逃げられるか全力で頭を回して考える。

とりあえず御門の表情を伺おうと横を見て、改めて思う。

 

「......やっぱ御門先生ってマジ綺麗っすよね」

 

「え?」

 

思わずそんな言葉が口から漏れ出る。

 

「(やべぇ!今じゃなかったかも!)」

 

不意打ちを喰らった御門は思い切り猿山を抱きしめる。

 

「いでででで!!」

 

そして少し荒くなった息を整えてから離れ、顔に手をやった。

 

「あ、あなたねぇ......」

 

その顔は、少し赤い。

 

「いつからそんな風になったの?」

 

「いやいやいや!俺こそいつも通りでしょ!」

 

急に自分が悪いような雰囲気を作るものだから、猿山の目玉が飛び出る。

 

「急にああいうこと言われると止まらなくなっちゃうからやめて欲しいんだけど」

 

「(何が!?)」

 

危険な方の緊張感で、鼓動が早まる。

これ以上ここにいては不味い。

猿山は直感でそう思った。

 

「じ、じゃあ俺そろそろ帰りますね」

 

「あ、そうね......もう夕方だものね」

 

すぐさま保健室を離れようとしたが、御門のしゅんとした顔を見てまたもや汗がドッと吹き出る。

 

「や、やっぱもう少しいようかな〜、なんて......」

 

とんでもない手の平返しに、自分はなんて単純な男なんだと心の中で涙を流す。

 

「ふふっ、それが良いと思うわ」

 

とはいえ嬉しそうな御門の笑顔が実に可愛らしかったことと。

 

「(ま、可愛いからいっか!)」

 

このマインドがあったので、なんだかんだ問題はなかった。

長居するつもりで椅子に座る。

 

「そうだ。せっかくだしコーヒーでも飲んでいく?」

 

「マジすか!?是非!」

 

「わかったわ。少し待っててね。......いなくなっちゃダメよ?」

 

「も、勿論でやんすよ」

 

ただこのすぐ後、猿山は保健室を出ることになる。

 

「猿山ー!リトが女の子になっちゃったー!」

 

「何ィイイ!?」

 

急な爆弾発言に猿山は保健室を飛び出して、ララの案内の元結城家へダッシュした。

コーヒーを入れて戻ってきた御門は、すでに猿山がいなくなっているのを見て。

 

「......せっかくチョコも用意したのに」

 

寂しそうな声でそう言った。

 

一方猿山は結城家までの道を全力疾走し、到着した瞬間勢いよくドアを開けた。

 

「リト!女の子になっ───」

 

「さ、猿山!?」

 

面白半分で突撃した猿山だが、あまりの驚きに目玉が飛び出てしまった。

 

「あ!猿山さ───」

 

「───ってぇえええ!?可愛いいい!?」

 

「......むぅ」

 

なんと、性別が変わったリトはとてつもない美少女だったのだ。

 

「ちょ、写真撮って良いか!?」

 

「オラァ!」

 

猿山が面白がっているとリトに顔を殴られるが、痛くも痒くもなかった。

その非力さに女性らしさを感じてしまい、親指を立てて踞る。

 

「(あれ?最近俺こんなんばっかじゃね?)」

 

「ご、ごめん痛かったか!?」

 

猿山のリアクションが思った以上に大きかったからか、リトは慌てて駆け寄る。

猿山は少し不安げな表情もまた良し、と尊みを感じながら、リトの手の中で意識を手放した。

その数分後、頬の痛みで目を覚ます。

 

「......ハッ!?」

 

「あ、起きちゃった」

 

何故か、目の前に美柑の顔があった。

 

「あら可愛らしいお顔」

 

猿山がそんなことを言うと、美柑は嬉しそうに目を細めた。

 

「おはよっ」

 

「おはよ......で、美柑ちゃん?このお手手は何でやんすか?」

 

しかし、その手は猿山の左頬を摘んではなさなかった。

戸惑う猿山を尻目に、美柑は急に力を強めた。

 

「いっでぇ!?」

 

「猿山さんさぁ、さっき無視したよね?」

 

「へ?」

 

何の話かと思った数秒後、猿山は自分が結城家に入ってきた直後、美柑のことを思い切りスルーしていた事実を思い出した。

 

「......あ、やっべ」

 

「何がやばいの?教えて?」

 

「や、そのー、リトがあまりにも可愛かったもんだから───」

 

右頬までもが、美柑の指に襲われてしまった。

 

「ぎゃああああ!」

 

それから猿山は親知らずを抜いた後のような腫れを両頬に揃えながら、美柑に捕まっていた。

 

「あれ?そういえばリトは?」

 

「家飛び出しちゃった」

 

「えぇ!?」

 

なんというスピード感だろうか。

写真にも残していないというのに、リトの行方が分からなくなってしまった。

猿山はド級の美少女を逃してしまった惜しさから、肩を震わせる。

 

「まぁ戻ってくるでしょ」

 

そして、すぐに切り替える。

 

「さすがにねぇ?」

 

「にしても可愛かったなぁ」

 

「ね、びっくりしちゃった」

 

それはそれとして。

 

「......美柑ちゃん?」

 

「どしたの?」

 

「今日凄い甘えただね?」

 

猿山が起きてからというもの、美柑はいつもより猿山にベッタリだった。

猿山が足を閉じて座っているのに対して、美柑サイドには優に1人は座れるスペースがあった。

 

「ダメ?」

 

「全然?むしろ嬉しいよ」

 

「......ふーん。じゃ、遠慮なく」

 

そう言って美柑はもたれかかる。

猿山はそれを受け止める。

 

「リトが帰ってくるまで付き合ってね」

 

「当然!」

 

猿山は美柑とヤミという、誰かに甘えなさそうな2人が自分に対してではあるものの、遠慮をしなくなりつつあることを喜んだ。

 

「......ね、猿山さん」

 

「ん?」

 

その喜びも束の間。

 

「ゲームしよっか♪」

 

「じ、上等よ!」

 

「負けたらアイス奢りね」

 

「へぁ!?」

 

結論から言うと、猿山は小学生に泣かされていた。

 

「猿山さんはさぁ、リトの事どれくらい可愛いと思う?」

 

ゲームでボロ雑巾にされた猿山が買ってきたアイスを食べていると、不意に美柑からそんな質問が。

 

「んー?めっちゃ可愛いと思うよ」

 

猿山は特に考えず事実を述べる。

 

「今まで会った中で何番目?」

 

美柑は何故か、詳しく知りたがる。

 

「やー難しいね」

 

猿山の中で、どの女性が1番かという考えはなかった。

美点があればそれで良いじゃないという考えだから。

 

「じゃあ今まで会った中で、この人超綺麗だなーって思った人は?」

 

猿山は考える。

綺麗、という言葉が当てはまる中で自分の記憶によく残る人物といえば。

 

「えー......」

 

答えはすぐに出た。

ついさっきいたではないかと。

 

「御門先生かなぁ」

 

「確か保健の先生、だっけ。どんな人なの?」

 

「マジ大人の女性!って感じかな。ウチの男子からも人気高いんだよね」

 

「......やっぱ猿山さんもそういうのが良いんだ」

 

美柑はむくれながら言った。

 

「えっ何の話?」

 

「......どーせ私は子供だもんね」

 

おや?流れが変わって来たぞ。

猿山は思った。

 

「美柑ちゃんも大人の女性になりたいって話?」

 

「......まぁ、そんな感じ」

 

「大丈夫だって!美柑ちゃんは絶対将来素敵なレディーになるよ!」

 

「絶対?」

 

「ずぇ〜ったい」

 

親指を立てる。

 

「どのくらい?」

 

猿山はまたもや考える。

美柑は小学6年生という、世間一般ではまだまだ子供な年でありながら、非常にしっかりしている。

大人になってからは、その頼もしさにも磨きがかかるだろう。

 

「そうだなぁ......」

 

加えて容姿もさることながら、優しさにも溢れている。

しかし、その内面は寂しがり屋。

そのギャップを知り、尚且つ甘えてなど来られようものなら。

いつぞやの実体験を元に結論を出した。

 

「どんな男でもメロメロになるくらい?」

 

猿山はあの時、危うくキュン死しかけた。

そのインパクトは今でも鮮明に思い出せる。

 

「......それって猿山さんも?」

 

美柑の問いかけに「なぜ俺?」と首を傾げる。

 

「そりゃもちろん」

 

というか実際なってるし。

そう思いつつ口には出さない。

 

「ホント!?」

 

美柑は嬉しそうに目を輝かせる。

 

「おうよ!俺が保証するぜ!」

 

猿山は、それに負けない満面の笑顔で答える。

 

「......なら、それまで待っててね」

 

「へ?」

 

「その時もっかい聞くから」

 

猿山は絶対そうするという意思を感じさせる美柑の圧に押され、とりあえず頷いた。

 

「楽しみだよ。どんだけ綺麗になってんだろね」

 

「猿山さんがメロメロになるくらいかな」

 

「わーお強気でやんすな」

 

 

 

 

 

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