「ちょっと…田神、あんたの行く中津港泊地って………いい噂聞かないわよ…その何て言うか超がいくつも付くような所みたいよ…」
何時になく金山が心配そうに声を掛けてきた。
半年間の横須賀での研修が終わり、僕達は着任までの三日間を都内観光で楽しんでいるところだった。
「うん、ジィちゃんから大体は聞いてはいるけど………」
僕は答えに困った、何故なら彼女には言えないのだが護衛の艦娘が二艦隊十三名随伴することが極秘に決まっていたのだったから。
因みに護衛の艦娘は父の鎮守府からで、『天龍』『龍田』『神通』『青葉』『足柄』『高雄』『愛宕』『陽炎』『不知火』『時雨』『夕立』と祖母である『鳳翔』の十ニ名だった………元帥曰く、婆さんも私も行くと聞かなかったらしい…おばぁちゃん言わない!と折檻されたらしい。
ーーーーそして移動の当日ーーーー
横須賀駅軍用プラットフォーム
「ちょっと………専用列車の上に護衛艦娘隊付きなの!」
金山が驚いていた、まぁそれもそのはずで僕の護衛艦娘が艤装と共に乗り込んでいたのだから。
「けーくん、久し振り立派になったね」
青葉が僕に声を掛けてきた。
「青葉も皆も変わんないね」
僕と護衛艦娘は挨拶を交わすと………いきなりだった、
「ぽぃ〜」
夕立がじゃれついてきた…全く犬みたいな事を。!
「中津港軍用貨物ターミナル行特別列車………定刻18時出発します」
車掌の車内アナウンスが入った。
「尚、当列車は中津港貨物用プラットフォームに明日の午前10時到着予定です」
僕達を乗せた寝台特急は定刻通りに横須賀駅軍用プラットフォームを発車した。
「当列車の編成は先頭よりシングルデラックス、シングルツイン車両各1両、艤装積載用6ドア車両3両、通常型6ドアシート無し車両2両の7両編成となっています、シャワーはシングルデラックス車両の前方寄りにあります………」
車掌から列車内の設備の案内放送があった。
「皆さん、お夕食にしましょうね」
鳳翔が手作りのお弁当を用意してくれていた。
僕達は先頭車両の空いてある部屋でお弁当を食べることにした。
ーーーーそして翌日ーーーー
「中津軍用ターミナル〜中津港軍用ターミナル〜」
僕達を乗せた寝台特急は定刻通り田尻に有る軍用貨物ターミナルホームに滑り込んだ。
後から聞いた話では………この寝台特急は民間の鉄道会社から買い取った軍の専用列車らしい(車体はどっから見てもサンライズ出雲と中央線だった)。
「金山…頑張れよ!」
「あたりまえでしょ、私を誰だと」
僕と金山はここで別れた、彼女は自分の泊地から迎えの車が来るそうだ。
「さて、僕達も行こうか………」
僕は夕張に声を掛けると、護衛艦娘艦隊を従えて泊地へと向かった。
「田神提督様に対し………敬礼!」
泊地に到着すると所属艦娘が総員整列敬礼をしていた。
僕が答礼し終えると、
「直れ、休め!」
旗艦と思しき艦娘が号令をかけた。
「報告!旗艦『長門』以下25名、集合終わり」
全員が僕を見ていた…怯えたような表情で……………。
「ポィ〜〜疲れたっポィ〜」
夕立が僕にしがみついてきた。
「てってってっ提督様、直ぐにこの痴れ者を!」
長門が慌てふためきながら夕立に手を掛けようとしてきた。
「夕立は………仕方ないなぁ」
僕は手をあげて長門を征すると、夕立の頭を撫でながら、
「前任が何をどう指示命令したから知らないが、僕は僕のやり方で指揮を取る…先ずは前任が出した命令は総て無効とし即時破棄とする、それからその提督様という呼び方は禁止とする、普通に提督でも司令、若しくは名前でも構わない」
僕の最初の命令を聞いた、泊地の艦娘達は呆然としていた。
「今から名前を呼ばれた者はヒトゴウマルマル(15時)執務室に来るように…『長門』『金剛』『川内』『間宮』『千歳』『神通』『大淀』以上解散!」
僕達は一旦執務室に行くことにした………。
シングルデラックス………先頭車両、部屋数は10
シングルツイン……………2両目以降、部屋数は23
6ドアシート無し…………JR東日本の中央・総武線車両でシートが折り畳める仕様の車両をサンライズカラーに再塗装して無理やり連結
中津港泊地所属艦娘(呉鎮守府より変更しました)
戦艦
長門、陸奥
金剛
榛名
4名
巡洋艦
妙高、那智、羽黒
球磨、多摩
川内
大淀
7名
空母
千歳、隼鷹、祥鳳
3名
駆逐艦
吹雪、白雪、初雪、深雪、浦波、磯波、綾波、敷波、
8名
その他補助艦艇
間宮、伊良湖、明石
3名