とある少年の泊地生活   作:屋根裏散歩

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絶望………そして差し込む一筋の光

「長門…」

 

陸奥が心配そうに私の顔を覗き込んでいた。

 

「心配するな………この身に換えても他の者には手を出させない」

 

私は悲痛な気持ちで執務室へと向かうことにした、金剛、川内、間宮、千歳、大淀と共に。

 

「失礼する、長門だ」

 

私は時間を確認すると執務室の扉をノックした。

 

「開いてるから入って」

 

私は覚悟を決めると執務室へと足を踏み入れると、中には既に神通と青葉がいた。

 

「なっ………」

 

前任の我々を辱める為だけに設えていたは趣味の悪い家具は影も形もない無くなっていた…。

 

「これは………どういうことだ」

 

私は思わず言葉に出していた。

 

「妖精さんありがとう、これは報酬ね」

 

 

私の目の前で提督は妖精さん達に、報酬と称して甘味を配っていた。

 

「執務室が余りにも酷い有様でね、とても執務出来る環境じゃなかったから…妖精さん達に頼んで内装を変更してもらったんだ」

 

執務室の内装は何処にでもある事務所みたいなものになっていた。

 

「さてと、長門達を呼んだのは、君達に新しい任務を振り分けるためだ」

 

そう言うと、提督は数枚の紙を手にした。

 

「先ずは………長門」

「はっ」

「中津港泊地 艦隊総旗艦を命ずる」

 

私は提督から辞令を受け取った。

 

「青葉」

「はっ」

「中津泊地 情報部画像解析班を任せる 」

 

「次は川内」

「はい」

「中津港泊地 情報部統合情報班を任せる」

「次は金剛」

「………」

「金剛」

「聞こえてるデース」

 

金剛は提督の呼びかけに応えたくないようだ、

 

「まぁいい、中津港泊地 空母護衛総隊旗艦を命ずる」

 

金剛は辞令を受け取ると、そっぽを向いていた。

 

「次は千歳」

「はい」

「中津港泊地 空母群総旗艦並びに航空総隊司令を命ずる、尚補佐として横須賀軍令部鳳翔が付く」

 

千歳が横須賀の鳳翔と聞いた途端、顔面蒼白になっていた。

 

「あの………提督、横須賀の鳳翔さんとはどのような…」

 

千歳はそこまで聞くのがやっとだった、

 

「僕の祖母だけど、どうかした?」

 

千歳はそれを聞くと少しは落ち着いた様子になった。

 

「じゃあ次は間宮」

「はい」

「中津港泊地 主計科長を命ずる」

「次、大淀」

「はい」

「中津港泊地 作戦室長並びに総務課長を命ずる」

「次は、神通」 

「はい」

「中津港泊地 研修監査部長を命ずる、尚補佐として天龍、龍田を配属とする」

「各員は必要とあらば、部下の配置を指名して構わない、僕には事後承認で構わないから」

 

提督は一通り辞令を渡すと、業務内容を其々に説明をした。

 

「提督、一ついいデースか」

 

金剛が提督に何か聞きたいようだった。

 

「金剛何か?」

 

「貴方は一体何者?」

「なにものとは?」

「先程鳳翔を祖母と言っていましたデースね?」

 

提督はあぁっと言う顔をしてから、説明し始めた。

 

「そうだったね、僕は艦娘とのクオーターなんだ、元帥と鳳翔を祖父母にもち、両親は提督と陸奥なんだ…あとは陸奥の艤装は使えるけど………」

「なっ…クオーターなら殆ど艦娘じゃないヵ」

 

この提督の言葉に私も驚きを隠せなかった、何故なら泊地立て直しに新人提督とは舐めたことをと思っていたが、実際には我々艦娘に限りなく近い人間を寄越したのだから。

 

「この提督なら、我々の痛みや苦しみを理解してくれるのでは………」

 

私の中に希望の光が芽生えていた。

 

 

 

 

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