「けーくん、諦めてメイド服着るであります!」
「えぇ~着るのぅ…」
室内からよくわからない会話が聞こえていた。
「仮装なので意表を突くであります」
「でもさぁ~」
「艦娘は度胸、男は愛嬌です、諦めて着るであります!」
うちには居ないあきつ丸の様な口調で誰かが兄弟にメイド服を着せようとする内容の会話だった。
「お兄ちゃん…」
「………」
「諦めが肝心です、さ」
「仕方ないね………仮装思いつかなかったんだから」
どうやら何かの仮装イベント衣装合わせのようだった。
「では、手早く着替えるであります、私達は外で待ってるから………」
そう言うと扉が開くと漣と朧が出てきた。
「うっ、青葉さん………」
そして私と鉢合わせしたのだった。
「へぇ~、二人にメイド服ねぇ………」
私は持っていたスマホで着替え終えた二人を徐ろに撮影した………勿論艦娘ネットにアップロードしていた。
『激カワ!』
『お持ち帰り!』
『写真のコピーよろ』
と色々なコメントが付いた中………。
『ワレ青葉?、うちの子は娘じゃないわよ』
やっぱり陸奥さんも見ていたようだった。
『後で執務室へいらっしゃい………逃げないよにね………漣、朧!』
どうやら激おこなご様子、漣骨は拾ってあげます。
『あと、青葉もね………逃げたらわかってますね』
どうやら私もゲキヤバな状況に置かれたようです。
「青葉、漣、朧です」
私は恐る恐る執務室の扉をノックした。
「入ってくれ」
提督もいる様子。
「青葉、データのコピーを」
「へっ?」
私は削除を命じられるのかと思っていたら、コピーの提出を要求されました。
「コピーでいいのですか?削除じゃなくて」
私は恐る恐る聞いていみた。
「あら意外と似合ってるし可愛いから私達も欲しいだけよ」
陸奥さんから思わぬ言葉が出てきました。
「で、結局は運動会の仮装借り物競争はメイド服なのね」
陸奥さんが呆れ顔で言ってきた。
「ご主人様!キタコレッです」
漣が何時もの様に応えていた。
そして運動会当日。
「陸奥さん、用意は」
私は、車を提督の私邸玄関に停めると、陸奥さんに声を掛けた、
「出来てるわよ、それじゃ行ってくるわね」
陸奥さんが風呂敷包みを持って玄関から出てきた。
「あと扶桑と山城だったわよね」
「そうですね、行けなかった長門さん凄く悔しそうな顔してましたね」
私と陸奥さんは扶桑達が来る迄の間に車でそんな会話を交わしていた。
「おまたせしました」
そう言って、扶桑姉妹も小振りな風呂敷包みを持って到着した。
「それじゃ行きますか」
私は二人が通う小学校へと向かった。
「それではこれより南鳥島小学校運動会を開催いたします」
校長先生の挨拶で運動会が始まった。
「プログラムは………」
私と扶桑がプログラムを確認した。
「二人の最初は三年生と一年生合同仮装借り物競争みたいですね…あとは昼からの玉入れと、リレーの3種目のようね」
扶桑が微笑みながら観ていた。
「三年生一年生合同仮装借り物競争スタート!」
教員によるスタートの合図が聞こえた。
「まずは一年生からです………」
どうやら圭司君は三番目に位置していた。
「圭司君こっちに来ますね」
私は山城に話しかけた、
「扶桑お姉ちゃん!」
圭司君は扶桑さんの手を引っ張って行きました。
「何が書いてあったのか気になりますね」
陸奥さんは笑っていたけど………目が…。
そうこうしているうちに、ゴール…圭司君は2着でした。
「続いて三年生スタートです」
教員による三年生スタートの合図がされた。
「啓太君はトップですか」
啓太君を見ていると………真っ直ぐにこっちに来ます??
「青葉お姉ちゃん、山城お姉ちゃん来て来て」
私と山城さん二人をご指名でした。
「あらあら…私じゃないの?」
陸奥さんの嘆きを聞こえのふりをして、私と山城さんは互いに顔を見合わせながら連れて行かれました。
「1着は田神啓太君!」
「2着は田邉優子さん!」
私達は思わず微笑んだ、何故なら2着の田邉優子さんが何時ものように啓太君と張り合っていたのだから。
そして迎えたお昼。
「いただきまーす」
二人が私達の所にやってきて一緒にお昼を取ることになりました。
「そういえば、借り物競争はなんて書いてあったの?」
陸奥さんが二人に聞いていました、
「お姉さん」
圭司君が答えました、成る程お姉さんだから扶桑さんだったのね、
「啓太君のは?」
私は啓太君に聞いてみた。
「大好きな人………」
啓太君がボソリと答えた。
「へっ?」
私と山城さんは互いに顔を見合わせながら、
「大好きな人??!!」
思わずハモっちゃいました。
………啓太君、青葉本気にします!
どうやら山城さんも同じ事考えたようで………これでもかとキラ付けされてました。
その後のプログラムも進み運動会は終わった。
陸奥、青葉はジーパンにカッターシャツ、扶桑姉妹は着物という出で立ちです。