「ねぇ、何処かでお昼食べない?」
青葉が運転しながら問い掛けた。
「いいね、丁度お腹もすいたしね」
明石も同意し、
「何処で食べる?」
と聞いてきた。
「ウ~ン………ファミレス?」
夕張が当たり障り無いファミレスを提案した。
「いや…市内の此処に」
僕は金山から聞いた鱧が美味しいと云う割烹屋さんを口にした。
「ちょっ…けーくん」
青葉がひくついていた。
「そんなに高くないらしいよ」
僕は金山の金銭感覚を忘れていた、
「じゃあ、其処にする?」
青葉が車を割烹屋さんの駐車場に停めた。
「いらっしゃ………提督かっ」
僕達が店内に入ると嫌そうな顔で女性店員さんが出迎えた。
「4名だけど?」
「こちらへどうぞ」
僕達は個室へと案内された。
「ちょっ………けーくん………何か凄く高そうだけど」
明石と青葉がびくついていた。
「此方がお品書きです」
店員さんからメニューを受け取りそれを見ると固まった、そりゃあそうだろうね………なんたって割烹料亭でしかも鱧料理とくれば。
「鱧のこの五千五百円の懐石コースを4人前で………」
僕は腹を括ると、鱧の懐石料理を注文した。
「ちょっ………」
僕以外が慌てた。
「ダイジョウブ」
僕は大見得を張った。
「ごちそうさま!」
僕以外が満面の笑みを浮かべた。
勿論料理は最高に美味しかった。
「お会計2万2千円になります」
僕は会計を済ませると、青葉の車へと戻った。
「けーくん良いの?」
夕張が心配して聞いてきた。
「大丈夫だよ」
そう、この時までは…何故なら山城が護衛にと偵察機を飛ばしていた為に其処からバレて拡散されていた。
ーーーーーーー
店員サイド
入り口のドアが開いたのでいつものようにお客様を出迎えようとお店の入り口に立つと、其処には艦娘さんらしき女性3名を連れた若い男性が1名立っていました。
「4名だけど?」
「いらっしゃ………提督か、こちらへどうぞ」
私はどうせまた艦娘さん達を後ろに立たせて自分だけ豪華な食事をするものとばかり思っていたのですが、
「鱧のこの五千五百円の懐石コースを4人前で………」
その若い男性が全員の分を頼んだのでした、そしてそれは今迄のデブタ提督とは明らかに違う行動でした。
「会計を」
「お会計2万2千円になります」
その若い男性は、艦娘さん達の分もお支払いしたのでした、そしてお店の駐車場から楽しげそうな艦娘さん達の声が聞こえてきました。
「けーくん、ごちそうさま」
「どういたしまして」
しかしどう考えても不思議です、上司部下というよりはかなり親しい友人と接するような態度でした。
只理解できるのは、以前の様に虐待されてはいない様子であるということです。