「そうですか、はい、はい、それでは今週の土曜日の十一時にお店に伺います」
僕は市内にあるとある自動車整備工場に電話していた。
「提督、それでどうでした?」
横で電話を聞いていた神通が尋ねてきた、
「うん、MZ−20ソアラ有るって」
ソアラが有ると聞いた神通は嬉しそうにしていた。
「それじゃ土曜日の十一時に行く約束だから」
僕が神通と話していると、長門がやってきた。
「私達も行っても良いか、車を買いたくてな」
「構わないけど…僕と青葉、衣笠、長門、那智、神通だから………青葉、悪いけど車だしてくれ
る?」
僕は青葉にも車を出してもらえるか聞いてみた、
「あっ、私の車だします」
青葉が答えるより早く神通が答えた。
「神通有り難う」
そして迎えた土曜日
「あの………私達も宜しいですか?」
当日の朝、明石と大淀が僕の部屋にやってくると同行の許可を求めてきた。
「構わないよ、それじゃ大淀は僕の車に、明石は神通の車に」
「はい」
僕達は其々の車に分乗すると、市内の自動車整備工場へと向かった。
「おはようございます、朝からすみません」
僕は整備工場の事務所に顔を出した、
「構わないよ、MZ−20ソアラだったね…解体ヤードに有るからついてきなさい」
そう言うと、社長が自分の車の後ろについてくるようにと言って、解体ヤードへと向かった。
『〇〇商会 特選中古車』
「へぇ中古車も扱ってるんだ」
僕達は空きスペースに車を停めると、社長の案内で目的のソアラを確認していた。
「まぁ下取りで入った物だからね、走行も多いし外観もそれなりといったところだね」
神通がソアラを隈なく見ていた、
「これって丸々1台買うと幾らくらいですか?」
どうやら神通は予備部品取りとして丸ごと買うつもりのようだ。
「そうだなぁ…丸ごとだと…5万と輸送費2万の合計7万でどうだい」
社長が格安な価格を提示してきた。
「買います」
神通が即金で支払うと領収書を受け取った。
「今日の昼過ぎには持っていけるけど、どうかな?」
どうやら今日中にも運んでくれるようだった。
「はいお願いします」
神通の買い物は終わった………。
「この車は!」
僕は中古車展示場にあった1台のピックアップトラックに目が行った。
「三菱のストラーダR………しかも程度良さそう」
「昨日ディーラーから下取りで入荷したばかりでね、まだ値段はつけてないけど…そうだなぁ………コミコミで75万でどうだい、勿論ディーラー整備込で」
余りに魅力的な金額を提示してきた。
「けーくん…スープラ私に売ってくれない?」
唐突に衣笠が僕のスープラを買いたいと言ってきた、
「スープラを私に譲って、80万で」
「いいよー」
「社長さん、このスープラの名義変更もお願いできますか?」
「うちは構わないよ、必要書類さえ揃っていればね…だけどこの70スープラ相場よりも安く売っちゃうみたいだけどいいのかい?」
社長が金額の心配をしてくれた、
「家族に売るのに市場相場ではねぇ………」
「艦娘さんが家族?これは面白いことを言うな…前任の提督とはえらく違うな…艦娘さんとお揃いの指輪?なるほどな」
いきなり、長門が爆弾を投げ込んだ。
「この青葉と婚約したし、それに赤ん坊の時から艦娘達に育てられたそうだからな…私達といるのが自然体なんだよ」
長門の言葉を聞いた社長がしきりに頷いていた。
「時に社長さん、あのデリカ見てもいいですか?」
長門もどうやら車を決めたようだった。
「あのグリーンのデリカね、ちょっと古いが走行距離も少ないし無事故車ワンオーナーで、そうだなぁ…コミコミで50万でどうか「買います、現金で!」な」
長門は即決していた…。
「ディーラーで整備の上での車検となるけどいいかな」
このデリカも整備はディーラーの整備工場に出すようだ、ある意味自社で整備してディーラーでも二重にチェックをしてから車検を受ける流れだ。
「済まないが、社長さんあのダットサントラックは?」
那智も展示してあった車を見ていた。
「あの黒のダットラだと………ちょっと高くて100万…オプションフル装備で社外のナビやコンポ、フロントバンパーが付いてるからね」
「試乗しても?」
「構わないよ、敷地内だったら動かしてもいいから」
那智は社長から鍵を受け取ると入念に確認していた。
「これにするよ…現金でいいかな?」
「助かるよ」
そう言うと那智も現金で支払っていた。
「毎度あり、それじゃ車検無しの車は直ぐに整備して車検取れる状態にするから書類の用意をしてくよ」
僕達は社長と別れると泊地への帰途についた。
那智………ダットサントラック ダブルキャブ
長門………三菱デリカ スターワゴン
啓太………三菱ストラーダR
衣笠………スープラ