「圭司君、上着脱いでくれるかな」
私は傷跡の確認(仕事よし・ご・と!)の為に上着を脱いでもらった。
「目立つ跡は無いみたいね…」
圭司君の方は左腕と肋骨の骨折と軽い打撲で済んだ為、啓太君よりは少しだけ早くドッグから出ることが出来た。
「骨も綺麗に繫がってますね、今週一杯は様子見して学校は休んでくださいね」
私はレントゲン写真を見ながら、経過を陸奥に説明した。
「それじゃ、後は啓太が目覚めるのを待つだけね」
「そうですね、目を冷ますだけなら今日明日中だと思うわね、ただ…あの年頃の男の子が三日間も大人しく寝ていられるか其処が不安材料ですね」
私の説明を聞いた陸奥が安堵し、同じ疑問を感じていた。
「確かにじっとしていられないわね…とはいえ一時はどうなることかと思ったわよ…」
あの時は、鎮守府総ての艦娘が慌てていた、中には犯人を抹殺なんて不穏な言葉が飛び交ったくらいだった。
「それじゃ一旦執務室に戻るわね」
陸奥が工廠から戻っていった。
「さてと…私も休憩にしよっと」
私は後を夕張に引き継ぐと休憩に行こうとした、
「明石、ちょっとまって、啓太君が!」
私は休憩に行くのを止めて、修復ドッグへと戻った。
「夕張ちゃん、何かあった?」
「啓太君が目を覚ましたよ」
私は啓太君の入っている修復ドッグを覗き込んだ。
「あっ…明石お姉ちゃん」
「よかった〜、夕張ちゃん、直ぐに執務室に連絡して陸奥と提督を医務室までって!」
私は夕張に執務室への連絡を頼むと、啓太君に幾つか質問した。
「手の痛みとかある?」
「ないよ〜」
「足は?」
「ないよ〜」
「他に痛いとことかある?」
「どこも痛くないよ〜…お腹すいた」
うん、大丈夫そうね、
「何か食べるもの後で持ってきてあげるね」
私はそう言うと、医務室に戻った。
「意識が戻ったって!」
医務室に戻ると、提督と陸奥が既に来ていた。
「はい、先程意識が戻って、簡単な質問に答えてくれました」
私は啓太君の状況を説明するとある事を提案した。
「あの年頃の男の子があと三日間も大人しく寝ていられる訳が有りません、ですので修復剤をあと1500cc追加します、そうすれば今日中にはドッグから出ることができるでしょう」
陸奥と提督は私の提案を受け入れた。
「確かに………、啓太がじっとしていると訳無いからな…追加投入してくれてれ」
私は直ぐにドッグに戻ると、修復剤を追加投入した。
「完了時間が!」
あっという間に修復完了となった。
「啓太君、もう出てもいいわよ」
私は啓太君にドッグから出る許可を出した。
「終わったー」
啓太がドッグから出てきた…勿論何も着ていない状態で。
「うん?何か音した?」
何処かからカシャという音が聞こえた。
「あ〜お〜ば〜!」
陸奥がコンテナの影めがけて空バケツを投げつけた。
「ぎゃん!」
コンテナの影からたんこぶを作った青葉が出てきた。
「消しなさい」
「えっ…と…」
青葉が消すのを躊躇っていた。
「け〜せ〜!」
陸奥が迫った。
青葉は陸奥の声に怯えたのか素直に画像を消したようだった。
「やれやれ…陸奥さん、啓太君は二〜三日様子を見たいので学校への登校は来週水曜まで休ませてくださいね」
私は啓太君に自室から持ってきたサンドイッチを渡すと、陸奥さんに今後数日の予定を伝えると、啓太君に向き直り家に帰ってもいいと話した。