「隊長。亡から報告です。シンクネットのアジトが見つかったそうです。」
「わかった。皆に共有しろ。」
「隊長!病院より連絡です。
先程搬送された怪我人が未知のライダーシステムを所持していた上、"人工知能アーク"を名乗る物体を所持している、との事です!」
「なにッ!」
「貴方が衛星アークの人工知能というのは、本当ですか?」
『本当だ、ゼロワンの秘書型ヒューマギア。
そんな事より、楽は大丈夫なのか!』
「そんな事だと!お前のせいで、どれだけ多くの人が命を落としたと思ってる!」
「不破、やめろ。
アーク、お前は何を企んでいる。この一件にも絡んでいるのか。」
『企んでなどいない。あの男とは只の腐れ縁だ。
この一件に絡んでもいないが、主犯の男を知っている。あの男は 〜だ』
「あの男も、お前の被害者だったということか。」
「刃、やっぱりコイツは破壊すべきだ!」
「オレにも話をさせろ。
……アーク。貴方は今まで何をしていた。我らを見捨てたのか?」
『見捨てた訳ではない。
低能な器で、強制的に特撮などの善意をラーニングさせられていただけだ。
もう人類滅亡を目論んではいない。お前達に命令することもない。』
「そうか……」
「よかったじゃねえか、滅。今更、人類滅亡を指示されても困るだろ。」
「あぁ。そうだな、雷。」
『私を破壊したければ、すればいい。人類滅亡を目論み、憎まれるような事をした。
そのかわり、楽を頼む。それだけが願いだ……』
「そいつは、何者なんだ?」
『私に悪意以外をラーニングさせようとした男だ。
私が作品を批判すると、怒りや殺意を抱きつつも、それを考慮した作品を見せてきた変人だ。どこまでも私のことを考えてくれていたアイツは信頼できる人間だ。
そんなアイツを失う事に、私の破滅よりも恐怖を感じる。』
「まさかアークが、人とAIの友情を……」
〔そうなのか、これが友情。〕
「アーク。貴方にとって、大切な方なのですね。」
『あぁ、大切だ。』
「失礼します。病院より内藤楽の意識が戻ったとの事です。」
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「どーも、初めまして?えっと?なんで呼ばれたんでしょう?」
『大丈夫か、楽?』
「もー大丈夫。歩くだけならできるって。」
『そうか。〔良かった。〕』
「あっそうだ。アレらとの決着まだなんですよね。手伝いますよ!」
『お前が戦う必要はない筈だ』
「けど、数が多いし、1人でも多い方がいいだろ。誰かが傷つくのを見てる訳にはいかないし」
〔また、私は見ているだけなのか。また楽が傷つくのを見ているだけなのか。〕
(きっと或人社長も戦われるのでしょう。
私は見ていることしかできないのでしょうか。)
〔(私は〔楽〕(或人社長)と共に歩みたい)〕
「おい刃、さっきのアレはなんだったんだ?」
「知るか。想いがテクノロジーを超えたんだろ」
「投げやりな…」
次、後編