ミス・GW ㏌ 『リコリス・リコイル』   作:こだわり竹刀

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これを読んでいる中で、ミス・ゴールデンウイークを知っている人がどれぐらいいるのか、気になっています。
なので、アンケート取ってみたいと思います。


次の予定

「あのおさげーーーーー!!!」

 

 喫茶『リコリコ』にて、和服を着た千束が雄たけびを上げていた。同じ被害者であるたきなも不満そうな顔をしている。

 

「公衆の面前で大恥をかかせて! かかせて!!」

 

「許せないですね」

 

「リコリコのツイッターにもツイートされているぞ」

 

「あーーーー!!!」

 

 くるみのパソコンを覗き込む千束。そこには、千束の泣き顔とたきなの笑い顔の画像が上がっていた。

 

「本当だ、動画まで上がっている!! うわー、恥ずかし―!!! ――ちょっ、くるみ、再生しないで、止めて止めて!!」

 

「末代までの恥だな」

 

「ミズキ、うるさい!!」

 

 鋭い一撃に声を大きくする千束。目は涙目だ。

 

「たきなの笑い声も上がっているぞ。『この娘、とっても幸せそうに笑っている。可愛い!!』『リコリコで会ったときはクールだと思っていたけど、こんな風に笑うんだ。意外!?』『ギャップ萌え、良い!』とツイートが沢山。人気者だな」

 

「止めてください」

 

「見せて見せて! 本当だ、とっても幸せそう!! 可愛い!!」

 

「千束、止めてください! 今、かなり不幸です!!」

 

 たきなは羞恥で顔を真っ赤にして怒る。

 

「まさに陰と陽だな」

 

「ちょ。私は陰か」

 

「くるみさん、おさげの人がどこに行ったのか、追えますか?」

 

「おいおい。まさか追うつもりか?」

 

「当然です」

 

 怒りに燃えるたきなにくるみは冷静に言う。

 

「追うことは出来るが、何か対策しないとダメだぞ。同じ目に合う」

 

「対策って言っても、何されたのか判らないし」

 

「そうなんですよ。何故か、千束の奇行が急に面白く思えて」

 

「ちょい。これ以上虐める気なら私にだって考えがあるぞ」

 

「すいません」

 

 千束に素直に謝るたきな。

 

「あれ? そう言えば先生は?」

 

「楠木司令に会いに本部に行ったわよ」

 

「店長がDAの本部に?」

 

 いつもは電話でやり取りをしているのを知っている千束とたきなの二人は驚きの表情をする。くるみも興味深げにミズキの次の言葉を待った。

 

「千束とたきなの奇行について、詳しく聞きたいって」

 

「うおおおい!!」

 

 羞恥の雄たけびを上げる千束。たきなも同じように顔を赤くする。

 

「やはり、本部にも話が上がっているんですか?」

 

「そりゃー、電波塔事件のヒーローがボロ泣きしていると知ったら、本部も『何があった!?』って慌てるわよ」

 

「慌てるだろうな」

 

 くるみも納得に意を示す。

 

「ああーーー!! どうしよう、私、定期検査に行かないといけないのに!!」

 

「私は先週行きました」

 

「ズルい、たきな、ズルい!!」

 

「ズルくないです」

 

 ズルい、ズルくないと言い合う千束とたきなを横に、くるみはおさげの画像データを見ていた。

 

 チューリップハットを目深に被っていて、どのような顔をしているのか判らない。だが、何らかのトリックで二人をおかしくさせたのは確かで、そこには痕跡が残るはずだ。

 

「このままじゃ、面白くはないよな」

 

 ウオールナットの本領発揮の時だ。

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 唐突だが、私はこの『世界』に転生して結構長い。

 

 年齢も30を超えている。

 

 その割には若く見られがちであり、この美肌効果も『転生特典』だと考えている。

 

 ……酷い童顔だと言えばそれまでだが、私は何事もポジティブに考える人間だ。

 

 その方が幸せになれることを知っている。

 

 前世含めれば100歳は超えているからな、色々覚えた。

 

 今日は、とある知り合いに電話した。

 

 用件は、この前の『仕事』のことだ。

 

 prrrrrrrrrr――――

 

 ……コール音、長いな。

 

 ――カチャ

 

「もしもし」

 

『――ミス・ゴールデンウイーク。何か用か?』

 

「ちょっと聞きたいことがあって?」

 

『……何だ?』

 

「この前の密輸犯と日本のテロリストの闇取引の件。お金はゲット出来たんだけど、後日、女子学生に尾行された。何か知らない?」

 

『恐らく、それはリコリスだ』

 

 ……あれが、リコリスか。

 

 存在なら知っていたが、本当に女子学生だった。

 

 もっとマッチョな感じだと思っていたけど、かなり華奢で可愛かったな。というか、あんな細腕で銃が撃てるのか。

 

 少し感心。

 

 ――だけど。

 

「リコリスなら知っている。問題は、どうしてリコリスに疑われたのかってところ。私の存在自体、DAに漏れるとは思えない」

 

『かなりの自信だな』

 

 電話先で笑い声が聞こえる。

 

 電話先の彼は自信があると言ったが――当然だ。私がこの世界に入ってどれぐらいのキャリアがあると思っている。

 

 リコリスに対しての警戒も、対策も万全だったはずだ。

 

『判った。俺の方でも調べてみよう』

 

「よろしくお願い」

 

『構うな、俺が紹介したネタだ。それより、次の仕事だ』

 

「次の仕事」

 

『×××の組織の№2。こいつが組織を裏切って香港マフィアと手を組もうとしている。そうなったら面倒だ。殺せ』

 

「了解した」

 

『それと、次の火曜日、こっちから二人応援に行かせる。羽田空港で合流しろ。ターゲットの詳しい情報はそいつらから聞け』

 

「判った」

 

 ツーツーツー、――――

 

 電話を終えた私は、手帳を確認する。

 

 スケジュールの確認だ。火曜日に合流の予定、と書き込む。

 

「……次の金曜、空いてる」

 

 久しぶりの日本、せっかくの東京。仕事の合間、時間を見つけては遊んでいる私なのだが、金曜日の予定は特になく、一日フリーだった。

 

 カラーズトラップに必要な画材の補充は既に済ましてある。能力を向上させるために美術展も行った。

 

「……流行りの店でも、探しますか」

 

 私は『東京 今話題の店』で検索した。

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

「――というわけだ」

 

 DAの本部にて、楠木司令はミカの話を聞いていた。

 

「その動画はこちらにも届いている。だが、どうにも信じられなくてな。誰かが加工した動画ではないかという話にまでなった」

 

「無理もない」

 

 千束は電波塔事件の立役者として、DA内ではかなり有名であり、千束の性格を理解している人間は本部に少なくない数存在している。

 

「千束を知っているなら、加工動画ではないか疑うのは当然だ」

 

「ああ、私も疑った。私が知っているあいつは、もっと強い」

 

「ああ」

 

 楠木司令の言葉にミカは頷く。

 

「おさげの少女に関してだが、こちらでも調べよう」

 

「すまない」

 

「気にするな。この件には、リコリスの何人かが気にしている。DAの為でもある。それより、ミカ」

 

「なんだ?」

 

「お前は何か知らないのか? こんなオカルトめいたことをする人間に?」

 

 楠木司令の言葉にミカは少し黙る。

 

「……知らないが――宛てが一つある」

 

 ミカはとある男を思い浮かぶ。

 

「ほう? それは信用に足るのか」

 

「それは答えられない。俺自身、その宛てが必ずというものじゃないからだ。だが、その宛てが外れるとなると、厄介だとは思う」

 

「何故だ?」

 

 ミカはくるみから見せてもらったおさげの少女を思い出し、少し考えてから呟く。

 

「あのオカルトが才能だとして、同時にそれを隠し通せる才能を持っていることになるからだ」

 

「……才能か。ミカ、私は全く逆のことを考えていたぞ」

 

「逆だと?」

 

「ああ。私は才能を持つ者と、その組織が動き出したのではないかとか考えている」

 

「組織の犯行か」

 

「もっとも『才能』という言葉は好きではないのだが、誰かが言っていたな。域を超えた技術は『魔法』に見えてしまうことがあると。ふふ、まるで魔法だな」

 

 楠木司令はリコリコのツイート動画を見ながら言う。

 

 そこには、楠木司令の知らないリコリスがいた。




ちなみに、たきなさんはワンピースのロジャーみたいに笑っています。
可笑しくて涙が出るほどの大笑いです。

千束は、ミズキ曰く『泣き上戸』です。
酔ってはいないけど、慰めて欲しいオーラ全快です。
※書いた後、このすばのアクアみたいと思いました。

ワンピースのミス・ゴールデンウイーク(その能力)を知っている・知らないについて

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