元気爆発シンフォギアー!!   作:一種の信者

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2話 魔界獣VSノイズ   観客たち「頼むから他所で戦ってくれ」

 

 

 

 

会場の中央部が爆発する少し前。

 

会場地下で実験していた白衣の女性が血相を変えた頃、突如警報が鳴り響き他の科学者も焦りだす。

 

「何が起きた!?」

 

赤いスーツを着た赤髪の男が状況を聞こうと声を荒げる。

既に非常事態の赤いランプの光が室内を駆け巡り誰が見ても異常事態だと気付く。

 

「上昇するエネルギーにセーフティーが待ち堪えられません!」

「未知のエネルギーにも反応したようで操作を受け付けません!!」

 

想定以上のエネルギーだったのか、或いは突然出て来た青白い男の発するエネルギー反応したのか異常事態が起こっていた。

 

「このままでは聖遺物が起動…いえ、暴走します!」

「!?」

 

その言葉に男は目の前に鎮座する物を見た。

其処には機械からエネルギーが送られ光り輝く化石の様な物がある。

そして、それは爆ぜた。

 

 

 

 

 

 

 

 

会場の中央部の爆発により観客たちは茫然としたり、爆風で倒れたりしている。

急いで避難するべきだろうが突然の事に誰もが立ち尽くす。

そこに、

 

「ん?何だアレは…魔界獣ではなさそうだな」

 

「うわあああああああっ!!!」

「ノイズだッ!!」

 

空中からの突然の攻撃に爆発した場所から青い体をした角の生えたような物が飛び出してくる。

そして、それは一泣きすると緑色の体液を吐き出しオレンジ色の二足歩行した何かと青い地面を這う何かを出した。

それを見て逃げ出す人々。だが、

 

「助けてくれぇぇぇ…うわあああああああ!!」

「死にたくない!死にたくない!」

 

「!?」

 

二足歩行するノイズや異様な速さで這い逃げ惑う人々に追い付く四足歩行のノイズ。

捕まった人は、その捕まえたノイズと共に炭化して消滅する。

青白い男はソレを見て驚いた。

 

 

 

ノイズ

それは、人類の天敵であり数年前の国連で災害級の扱いとなった未知の存在。

人間の武器では傷つけるどころか触れもしない化け物。

それが会場に押し寄せていたのだ。

 

薄い青色をしたノイズや黄色いノイズが逃げ惑う観客を襲う。

追いつかれた者は軒並み、ノイズに接触され共に炭化し消えていく。

この事態に舞台上に居た天羽奏と風鳴翼はステージの衣装とは違う別の物…シンフォギアを纏いノイズと戦闘に入る。

 

「…何なんだ?あの小娘どもは、 おっとそれよりもあの変な物が暴れては人間どもが減ってしまう。ジョキラー!」

『ジョッキラーーーーーーー!!!』

 

人間がノイズの攻撃で炭化するのを見たヤミノリウスは魔界獣ジョキラーにノイズの相手をさせる。

別段、ヤミノリウスが人間を救いたいとかではない。地球を大魔界に変えた後は人間は大魔界の(しもべ)にする為だ。

地球を手に入れても、(しもべ)候補の人間は極力残す必要がある。

 

 

 

 

「うわあああ、怪獣も動きだしたぞ!」

「キャア、助けて!!」

 

尤も、そんな事を知らない観客たちはよりパニックになったが、

 

 

 

 

 

そしてそれはノイズと戦う奏や翼も同じだった。

 

「なっ、奏!」

「怪獣が動き出した!」

 

ノイズを吐き出す大型ノイズが何体も吐き出すノイズを次々と倒していると背後にいたハサミ型の怪獣が動き出したのだ。

ノイズを相手にしつつ動き出した魔界獣に警戒する二人。

 

『ジョッキジョッキー!』

 

逃げる人込みを絶妙に避けながら片腕を振り回すジョキラー。

振り回す腕は鎌状になっていて非常に危ないが、ジョッキラーは平然と振り回し…投げた。

 

「助けてーーーー!!へっ?」

 

その投げた腕は逃げ惑う一人の女性に迫るノイズを一刀両断しジョキラーの腕に戻る。両断されたノイズはそのまま灰となり女性の足元に広がる。

一瞬、何が起きたのか分からなかった女性だが遠くからノイズが迫っているのを見て改めて逃げ出す。

 

「か、怪獣がノイズを倒した!?」

 

しかし、ノイズの相手をしていた翼が思わず動きを止め呟く。

その表情はまさに驚愕の一言だった。

 

何故、翼がこんな反応をしたのか?それはノイズの特性にあった。

 

位相差障壁

 

ノイズをノイズたらしめる特性にして人間の天敵と言われる由縁。

ある科学者が言うにはノイズは世界をまたがっており、此方の物理法則を無視できる。

即ち、現代科学の武器では、倒すどころか傷一つ付ける事すら出来ない。

唯一の例外は、ノイズを強制的に物理法則に縛れるシンフォギアぐらいだった。

 

しかし、目の前のハサミのような怪獣はノイズを苦ともせず一刀両断にして倒したのだ。

これに反応したのか人間たちを襲っていたノイズがハサミの怪獣に向けて進路をとる。

ノイズを吐き出す大型も怪獣を敵と認識したのか、巨大な体を向ける。

 

『ジョキラーーーーーーーーッ!!』

 

魔界獣ジョキラーもノイズを迎え撃つ。

腕の鎌を振るって迫るノイズを切り裂き、上空から突撃して来る飛行型のノイズの攻撃をものともしない。

逆に封り回す腕で切り裂き、会場の一部も紙のように切れる。

 

「うわああああああああああっ!!瓦礫がッ!!」

「怪獣大戦争だっ!!」

 

ノイズから逃げていた人間たちはたまったものではない。

振ってくる瓦礫、戦闘の余波で巻き込まれかける人々はただ慌てふためく。

 

「怪獣とノイズが争ってる!?」

「どっちが勝とうが興味ないが、このままじゃもっと多くの人間が巻き込まれる!」

 

本来、人間にしか攻撃しない筈のノイズが突然現れた怪獣を敵とみなし攻撃をする。

それに驚くが、ノイズと怪獣の戦闘は思いのほか激しく周りを巻き込む。ならばと、奏は怪獣とノイズを同時に攻撃し翼もそれに続く。

 

 

「愚かな、生身で魔界獣に勝てるものか」

 

一方、ステージ台に立っている(幽霊のように足がないが…)ヤミノリウス三世は、シンフォギアで魔界獣ジョキラーと戦う奏と翼を嘲笑う。

 人間たちが自分たちよりノイズにパニックになってるのは不満だが、人間界を混乱させるには十分だろうと判断する。

 

 

     「どけッ俺が先だ!!」

               「お母さ~~ん!!」

 

 

「あの妙な物には驚かされたが、魔界獣の敵ではないな」

 

大型のノイズが口先から液体を出しジョキラーを攻撃するが、少しよろけさせただけで大したダメージは無い。

ジョキラーは自分の陰に腕を鎌を突き刺すと、影が立体化しもう一体のジョキラーとなる。

 

「ゲッ、もう一体増えた!?」

 

奏がジョキラーの影が立体化したことに驚くが、ジョキラーは構わず大型のノイズを攻撃する。

大型ノイズの一体がジョキラーの腕の鎌に一刀両断される。

 

「あんな物に手間取ってるなら、魔界『うわっ、俺を踏み台にするな!!』獣だけで人間界の『痛いっ!!』支配など容『いやあああああああッ!!』易い…って五月蝿いぞ、貴様ら!!」

 

戦況は自分たちに有利だと確信していたヤミノリウスだったが、他の人間があまりにも五月蝿く、声のした方に怒鳴り散らかす。

混乱するのはいいが、悦に浸っている横で大騒ぎされてはたまったものではない。

しかし、其処でヤミノリウスは予想外な物を見る。

 

パニックになった群衆にヤミノリウスの怒鳴り声は聞こえず、慌てふためき会場の出口に殺到する。

問題は、ドミノ倒しになったり倒れた人間の上を平然と踏んで逃げ惑う姿だ。

 男が前を走る女の髪を掴み、友達の女の子の足を引っかけノイズから助かろうとする少女。

迷子になった子供を探す両親にただ泣きわめく子供、狭い通路に入ろうとすし詰め状態になる観客たち。

 

「…ええい、ここまで人間どもが愚かだとはな! これでは大魔界の僕が減ってしまう、サライヤーーーーーーー!!!」

 

大魔界が人間界を征服すれば、人間たちは大魔界の僕になる。

 人間たちが減れば当然、大魔界の僕が減ってしまう。大混乱して欲しいが死んでほしいわけではない。

 このままでは勝手に死ぬと考えたヤミノリウスは腕を群衆に向け魔力を放つ。

 

「逃げっ、何だ!?」

「お願い…足が折れたみたい…助け…なに?」

 

ヤミノリウスの魔力は逃げ惑う群衆、五体満足の者も怪我人も泣きわめく子供も死にかけた者すら包み込む。

 ステージ上では笑みを浮かべつつ額に汗を浮かべたヤミノリウスが居る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何なの…これ」

 

その頃、会場の客席では避難し損ねた少女、立花響が呆然と目の前の様子を見ていた。

恐ろしく夥しい量のノイズと、そんなノイズを蹴散らすハサミ型の怪獣、ノイズと怪獣に攻撃を仕掛けている二人の女性…アイドルであるツヴァイウィングがコスプレした姿。

 

 目の前の光景が信じられないとばかりに呆然とする中、何かが横切った。

 

「え、ニワトリ?」

 

響の視界には、明らかに場違いなニワトリが駆けていく姿だ。 どうやらノイズがあけた穴から逃げようとしているようだが、何故こんな所にニワトリと考えた響だが、

 

「え…ええ!!」

 

響の目は更に信じられない物が映る。

犬や猫、ネズミに馬、サイやゾウと言った動物までニワトリ後を追うように走っている。

これには、ノイズと怪獣の相手をしていたツヴァイウィングの二人も唖然としてしまう。

 

「当たり前だけど、ノイズの横を素通りしてるね」

 

ノイズは人間のみを襲う特定災害だ。

有史以来、ノイズは人間を襲い炭素化させ殺していく。しかしどういう訳か、人間以外の動物や植物に興味はなく、ノイズが現れ壊滅した村や町では犬猫や家畜が傷一つなく無事な場合が多い。

響もその事を知っており、動物がノイズの横を素通りする事に疑問はないが…

 

「でも、あの動物どこから来たんだろ?」

 

見れば、豚や牛も一緒に移動している。それもノイズから逃げるように、

 ただ、この場所は牧場でも動物園でもなくライブ会場なのだ。

別段、動物を使った芸も無い筈なのにと考えていた響だったが突然の浮遊感に襲われる。

響の座っていた客席が戦闘の余波で砕けたのだ。

 

━━━え、私…落ちてる…?

 

突然の浮遊感に慌てながらも頭のどこかで冷静だった響。

落ちていく感覚がゆっくりに感じるが、響の視点はゆっくと下に向く。

そこまで高いとは言えない高さだが響の落下地点には鋭く尖った元会場の一部、折れて尖った剥き出しの鉄骨がある。

 

━━━あれ? このままじゃ私…串刺しに…

 

このままでは串刺しになる。

そう思った響は手足をバタつかせるが空中で方向転換など人間が出来る訳が無い。

このまま尖った瓦礫が体に突き刺さると考え目を瞑る響。

 

━━━! ………?

 

しかし、いくら纏うが体に衝撃や痛みは来ない。それどころかゆらゆらとした感覚がし目を開ける。

黒い靄のような物が響きを包み風船のようになってゆっくりと地面へと下りていく。

そして、響が比較的安全な地面に接触すると、パンと風船のように弾け響の尻は地面に着いた。

 

━━━?

 

「ふむ、間一髪か」

 

今のは一体何なのか?自分の手を見たり地面を触って落ち着こうとする響の耳に男の声が聞こえた。

響が振り向くと、其処にはライブの舞台に現れあの怪獣を召還した男が居る。

さっきの言葉から察するに響はこの男に助けられたようだ。

 

「あの…」

 

「ん?何だ?」

 

「ありがとうございます!」

 

この男はこの混乱の原因の一つだと言えるが、命を助けてもらった以上響としてもお礼を口にする。

何しろ、男に助けてもらわなければ、そのまま瓦礫にダイブし大怪我を追うか最悪死んでいただろう。

 

「アナタのお陰で助かりました!」

 

「ふん、礼などいらん。何しろお前も大魔界の僕となるのだ」

 

「し、僕っ!?」

 

ホッとしたのも一瞬、男の口から語る「僕」に響は硬直する。

よく見れば、男の足も見えない上に肩の部分がやたら角ばっている。

それに体も顔以外全身真っ黒で、到底普通の人間とは言えない。

今更になって響の背中に冷や汗が流れる。

 

「さあ、お前も犬に…」

 

男がそう言いかけた時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は同じく、ガングニールのシンフォギアを纏った天羽奏がノイズの一体を突き刺し穂先を回転させる。

回転した穂先は速度を速め突き刺したノイズを文字通り散らせ、更に穂先から小さな竜巻を起こしノイズたちや魔界獣に食らわせる。

ノイズたちは、その竜巻でも十分ダメージがあり竜巻の落ちた場所には痕しか残らなかったが、魔界獣にはダメージどころか傷一つ無い。

それどころか、魔界獣は攻撃した奏をチラッと見るだけで直ぐにノイズへの攻撃を再開する。

 

「…なんて、固さだ!」

 

ノイズなら十分なダメージを与えられた攻撃が魔界獣にはまるで通用しない。

こんなことは、奏としても初めてだった。

 

怪獣とノイズが争う以上、放置しても問題ないようにも思えるが戦闘の余波が予想以上で会場を破壊している。

これでは奏も怪獣を無視する事は出来ない。

ふと、奏の視線が翼に伸びる。一人では無理だが二人ならと考えた。

 しかし、視線の先の翼は多数のノイズと影が具現化した怪獣に大苦戦している。到底、こっちに来れるとは思えない。

 

━━━ここはアタシ一人でも!

 

そう意気込む奏だが槍を握った途端、何かが下がるような音と槍の光が消えてしまう。

 

「! 時限式はここまで!?」

 

何かの時間が切れた。

 途端に、ノイズが一斉に奏に向け攻撃を開始。人型程度の大きさは細くなり突撃し大型はゲロの様な物を吐き出す。

咄嗟に避けようとした奏だが、自分の背後には響のあの男が居る事に気付く。

会場を混乱させた男は別段如何でもいいが、ただの一般人である響を見捨てられない。

奏は持っている槍を回転させノイズの攻撃を防御する。

 

「うあああああ……」

 

悲鳴にも似た声が奏の口から漏れる。

纏っているシンフォギアはひび割れ。持っている槍も砕けていく。

 

『ジョキラーッ!!』

 

更に運が悪い事に、怪獣が振り回した腕が飛び大型のノイズを切り裂く。その腕がそのまま奏の方に向かったのだ。

 最早、風前の灯火だった奏のシンフォギアにはそれで十分だった。

ノイズの攻撃だけでなく、魔界獣の攻撃も受けた奏のガングニールは爆ぜ槍も纏っていたシンフォギアも砕かれた。

問題なのは、ノイズと魔界獣の攻撃と爆ぜた事で後ろにいた響たちの方に破片が降り注いだことだ。

 

「え?」

 

「なる…何だ?」

 

響が気付いた時には、自分の胸への衝撃と男の頭が吹き飛ぶ姿が目に映り意識が消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 




通常の兵器では傷一つつかないノイズを何故、倒せたか?
魔界獣は人間界とは別の世界の生物、つまりノイズと同じ世界をまたがっている。
=元々ノイズと同じ土俵に立っている。

こんなところです。
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