『み、みさき先輩…いくらデートだからって、いきなり手を繋ぐのは…』
『私は気にしないよ。それに、商店街なら浩平君のほうが詳しいよね?』
『そうだけど…』
『うわー…二人が付き合ってるとは聞いてたけど』
『そ、その声は、雪ちゃん!?』
『…邪魔しちゃ悪いわね。上月さん、帰るわよ』
『あのね』
『お昼、お寿司がいいの』
「よし。いなり寿司に巻き寿司、ちらし寿司。好きなの選んでいいぞ」
…えぐえぐ。
「泣くなよ…折原王国の国家予算じゃ、回る寿司でも厳しいんだ」
『デートなのに甲斐性ないの』
「ちがっ…今日はみさき先輩も一緒だから、寿司屋はマジでヤバいんだ…!」
『わ、繭が泣いてる…』
『おいおい、どうしたんだ?』
『みゅーーっ!』
『あー…てりやきバーガー、地面に落としちゃったのか』
『よしよし、大丈夫だよ。すぐに浩平が買ってきてくれるから』
『え、オレ?』
『ねぇ瑞佳、あんた、だよもん星人なんて呼ばれてるわよ』
『えぇっ、誰、そんな変なあだ名つけたの』
『多分、きっかけはオレだな』
『はぁっ…どうせなら、もっと可愛いのにしてほしかったよ。言ってないのに』
『牛乳星人のほうが良かったか?』
『それも嫌だよ!』
『ほらぁーっ、起きなさいよーっ!』
『悪い長森…あと5分…』
『いくらスマホ鳴らしても起きないし!アラームも止めてるし!信じられないもん!』
『お、おう…』
『夜遅くまで住井くんや柚木さんとモ○ハンしてるからだよっ!ほら、起きて!』
『さすがリメイク…一気に近代化してるな…』
『ひゃっほーう!花見だー!』
『良一ってば、花見でよくあそこまでテンション上げられるわね』
『堂々と女の子たちのお手製弁当が食べられる、数少ない機会だからじゃない?わたしのお弁当は蒼ちゃん専用だけど』
『え、この重箱全部?』
『そう。頑張って』
『(超絶笑顔で言われても無理…!)』
『七瀬、最強の戦乙女になる夢は叶ったのか?』
『戦は余計よ!それより協力してほしいの』
『またキムチラーメン食いに行きたいのか?今月はオレも金が無いぞ?』
『あれ美味しかったわよね…って違うったら!今度、茜にお菓子作り習いたいの。仲立ちしてくれない?』
『お手製弁当で手を打とう』
『里村、今日も雨だから傘に入れてくれ』
『嫌です。なぜ雨とわかっていながら、傘を持ち歩かないんですか?』
『もちろん、里村の傘に入れてもらうた』
『嫌です』
『取り付く傘…じゃない、取り付く島もないな。せっかく蜂蜜練乳ワッフル買ってきたのに』
『早く入ってください。風邪ひきます』
『ほらぁー!浩平ー!起きなさいよぉー!』
『うーん…もう少し寝かせてくれ、長森ぃ…』
『寝てる場合じゃないってば!リメイクだよ!リメイク!』
『メイクがなんだって…?お前はメイクしなくても十分に可愛いじゃないか…』
『そ、そんなこと言っても寝坊させてあげないもん!早く起きて!』
『島も船も…遥か遠くに見えるなぁ…』
『…羽依里、それ春霞だから。船に間に合わなかったのに、現実逃避しないで』
『ゲーセンでの、もうワンプレイがなければ…!』
『…嘆いても仕方ないし。責任、取ってよね』
『とりあえず、クレープ食べに行くか』
『うん』
『あれ、うみちゃん何してるの』
『今日から春休みで暇なので、春らしいチャーハンを作ろうかと思いまして』
『春らしいチャーハン。ざっくりだね』
『一番にさくらチャーハンを思いついたんですが、食用桜がなくて。ひな祭りで余ってたひなあられでも入れようかと』
『米と米の共演はちょっと…』
『さ、寒い…!』
『羽依里、どうしてそんな薄着でいるの』
『もう三月も下旬にさしかかるし、流石に寒くないと思ったんだけど…』
『今日の気温は8度だよ。雨だし、風が吹くともっと寒くなるよ』
『うう…しろは、その体温で温めてくれ』
『どすこい』
『ぐはっ…』
『…でも、手ならいいよ』
『今日は久しぶりの雨だね』
『そうだな。久々の雨だ。畑の作物も喜んでそうだ』
『…ところで羽依里、どうしてずぶ濡れなの』
『久々の雨過ぎて、傘忘れたんだ。港に買い物に来たところを雨に降られてさ』
『それは、ご愁傷さまでした』
『それでさ、住宅地まででいいんで傘に入』
『どすこい』
『じー』
『紬、何見てるんだ?』
『漂着物としてうどんが流れ着きました。開けるべきか否か、悩んでいます』
『いや、そこは開けないの一択だと思うけど。そっと埋葬してあげようよ…』
『真空パックなので、わずかに可能性が残されているかもしれません』
『真顔で言わないで。お願いだから』
『羽依里くん!この“春のおむすび祭り”とやらはどこでやってるんだい!?』
『ファミ…コンビニだな。そのチラシ、どこで手に入れたんだ?』
『蒼先輩がくれたのさ!それで、どこに行けば参加できるんだい!?』
『……』
(キラキラな笑顔で言う識に負け、島でおむすび祭りを開催した羽依里君であった…)
『藍、これ、バレンタインのお返し』
『は?30倍返しと言ったじゃないですか。足りないですよ』
『チルロチョコ一個の30倍返しなんて、この程度だって…そうむくれないでくれよ』
『足りないです』
『そ、そう言われても』
『だから、体で払ってください』
『…具体的には?』
『キ…キスとか』
『ゆいちゃん、誕生日おめでとう』
『小鳥君、くっついてくれるのは嬉しいが、ゆいちゃんはやめてくれ』
『こまりんから、そう呼ぶと喜ぶと聞いた』
『誤解だ。私は…』
『ちなみに3/13の代表的な誕生花はイカリソウ。花言葉は“君を離さない”と“旅立ち”』
『聞いていないな…』
『しろは…聞いてくれ。財布落としたんだ』
『えぇ…どこに?』
『たぶん、島の中だとは思うけど。探しても見つからなくてさ』
『心配しなくても、そのうち誰かが拾って届けてくれるよ』
『でも、中には俺たちのツーショット写真も入ってて…』
『さ、探しに行こう!誰かに見つけられる前に!』
『ひゃっほー、焼肉だー!食いまくるぞー!』
『…良一ちゃん、そこのお肉が焦げてる』
『は、はい!』
『そっちのホルモンも。どうして皮から焼いてるの?皮は最後にパリッと。常識だよね?』
『す、すみません!』
『恐ろしい焼肉奉行だ…良一、哀れなり』
『少年団の皆、今日から鳥白島は春の防災週間だ』
『春になるとそういうの増えるって言うしねー』
『それって防犯じゃないのか?防災?』
『いや、温かくなるとパージする輩が増える。あれは災害だ』
『確かに…奴も“パージが俺を呼んでいる”と言っていたしな』
『シズク、ハイリさん、今日はサウナの日です!』
『そうね。確かに今日はサウナの日だけど…』
『何も灯台の中にサウナを作ることはないんじゃないか?』
『というわけで、3人で入りましょー』
『紬、聞いてないわね…』
『ドイツ式サウナは裸で混浴が当たり前らしいけど…目のやり場に困る…』
『おわっ、目に虫が…!』
『昨日は啓蟄だったからな。元気なヤツはもう冬眠から目覚めたんじゃないか?』
『けいちつ?』
『ほう…鴎よ。その顔は知らないな』
『し、知ってるから!羽依里、ちょっと目薬さして!』
『え、俺?』
『うん!昔から目薬さすの苦手なの!』
『いやでも、近い…』
『羽依里さん、お腹空きました』
『そろそろお昼か…藍は何食べたい?』
『ラーメンが食べたいです。宇都港近くに美味しいラーメン屋さんがあるんですが、女性一人じゃ入りにくいんです』
『藍が一睨みすれば皆逃げてくから大丈…いてて!無言で腕引っ張らないで!行くから!』
「ぴょーん!」
「Q、朝から騒々しいぞ」
「今日、地球は『うさぎの日』らしいので!どんなイベントか想像してたんです!」
「マニアックな記念日だな…一般的にはひな祭りだ」
「ぴょん?」
「確か、男女の人形を並べてだな…」
「人形はないので、私がビットさんの隣に行きます!」
「ち、近い…」
『くーださーいなー』
『い、いらっしゃいませ』
『え、なんでしろはが駄菓子屋の店番を?』
『藍に、たばかられた…スイカバーで釣られた…』
『ああ…』
『そして午前中の店番をスイカバー1本で引き受けた後、時給換算したらものすごく安いことに気づいた』
『時給約30円か…頑張れ…!』