小説を書きたい、という意欲はあるものの完結を指せたことがない。なろうに投稿しているけど全て5話以上書けずにエタっている。そんな俺にファンがいるはずもなく、感想はたった一件、つまんね。以上だ。
だがそれでも、小説を書きたい。この気持ちは嘘じゃない。なんとかならないのか。モチベーションを保つ方法がないのか。
そう友人に相談したところ、あにまん掲示板を紹介された。
いわく暇なあにまんまん達が日夜集まる場所であり、誰かしら相手をしてくれる為、集中力を切らせず書く練習になるのではないかとのことだった。
あにまんまんとは何者なのか、疑問はつきなかったが一人しかいない貴重な友人の勧めである。俺は素直に見慣れぬサイトにスレを立てた。
安価でお題をもらって小説を書くスレ
アイデアの数には自信があった俺は安価で小説を書くことにした。書きだすアイデアを決められなかったともいう。そこで手に入ったお題がこれだ。
多種族異能
魔法
科学ファンタジー
いや、むずくね? 異能なのか魔法なのか科学なのかファンタジーなのかはっきりしろ。
仕方なく俺は考えた。まずは多種族。多種族と言えば多種族ハーレム。なんやかんやで科学ファンタジー世界から魔法世界へ異世界転移した主人公が、なんやかんやで科学チートして多種族ハーレムを築く話だ。
最初はうまくいった。神様となんやかんやでなんやかんやと転移するまでは書けたのだ。だが多種族ヒロインのエルフドワーフ猫耳を出したところで、ヒロインが思いつかない。と言うか科学ファンタジーって何?
なんやかんやで出会って四人で強引に四人で冒険に行くことにしたのはいいが、もう限界だ。強引すぎる手法に見てくれているあにまんまん達からの不満の声も届いている。
見てくれる人がほしかった。感想がほしかった。だけど人から罵倒されるのがこんなにしんどいなんて。
くそ、何者なんだあにまんまん。批評ばっかりしやがって。いや負けるか! なんとかこいつらが納得するラストにするんだ!
「なにか、なにかアイデアをくれ!」
「いつもアイデアだけは負けないと言っていたのに、そんなおねだりして恥ずかしくないの?」
「お前は友達だからいいんだよ。頼む」
俺は何としても、にっくきあにまんまんをぎゃふんと言わせたいんだ。今日であったばかりだが、もはや俺にはそれしかないのだ。なので恥を忍んで俺の部屋にいる友人に助けを求めた。
「オチねぇ。そもそも私は小説は書かないんだけど、うーん、あ。ぎゃふんとは言わないかもしれないけど、みんなが満足しそうなオチなら思いついた」
「なに!? 今すぐ教えてくれ!」
「ヒントは今の格好だよ」
格好? 俺はいつも通りTシャツに半ズボンだ。この熱い夏。ごく普通だ。だがはっとする。俺の友達は俺の部屋でいつもコスプレや変な格好をしているので気にしていなかったが、今日は少しでも涼しく過ごしたいとのことで水着を着ている。
真っ赤なビキニが俺のベッドの上に転がっているのを見て、
俺はすぐにその意図に気が付いた。
「そうか、水着、お色気で攻めろと言うことだな!?」
「お色気って……まあ、そうだけど、普通の人はみんな、お色気が好きだからね」
「なるほどな! さすがだなよし! それでいく!」
俺はさっそくその完璧なアイデアを形にした。冒険に行った先の遺跡は大きな泉に沈んでいて、みんな水着になって泳ぎ、ラッキースケベが起こってどつかれながらも遺跡にたどりつきお宝を手にし、何だかんだ俺たちの冒険はこれからだエンドだ!
「ふうぅぅぅ……俺は、やりきったぜ! ありがとうな! 完結できたのはお前のおかげだ!」
正直なところ賛否両論だった。だがこの際だ。スケベええやん、な意見もあったと言うのでよしとしよう。なにより、ついにこの俺が小説を完結させたのだ。これは人類には小さく手のこの俺様には大きな一歩なのだ。
俺は達成感に身をゆだねながら、友人の手をとり感謝をのべた。
「う、うん。まあ、よかったね。君には効果がなかったみたいだけど、水着を着たかいがあったよ」
「おう! お前の水着、似合ってるぜ!」
友人は俺の偉業を笑顔で祝福してくれた。やっぱり持つべきものは友達だな!