ゼロの人造人間使い魔   作:筆名 弘

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筆名と申します。

今回、初投稿させていただきます。
ドラゴンボールとゼロの使い魔のクロスオーバーSSとなります。
拙い文章となりますが、よろしくお願いいたします。


 序章 

 

「さらばだ!!」

 

 

 これで決着が着くはずだった。

 自爆から復活し、完全体を超えた完全体となったこの私、人造人間セルの放ったフルパワーかめはめ波が哀れな抵抗を続ける孫悟飯を太陽系ごと消滅させ、すべてを闇に還すはずだった。

 その瞬間。

 

 

 ドン!!

 

 

 気功波が私の頭部を直撃した。大した威力ではない。だが一体誰が? 気功波が放たれた方を確認すると息も絶え絶えなべジータだった。すでに超サイヤ人ですらない。無駄なあがきを。

 だが、私はわずかに意識を逸らしてしまった。それが命運を分けた。

 

 

 「うわあああぁー!!!」

 

 

 それまで私のかめはめ波に完全に押されていた孫悟飯が、雄たけびとともに爆発的に気を高め、私のそれを遥かに超えるかめはめ波を放ったのだ。

 

 

「ぎええええええ!!!」

 

 

 私の全力を込めたかめはめ波をも飲み込んだ途方もない気の奔流が私の肉体に直撃した。

 

 

「ばか……な……」

 

 

 真の力を開放した孫悟飯と互角以上の力を得たはずの『超完全体』があっけなく崩壊していく。

 

 

「こ……の……わた……しが……」

 

 

 ピッコロの細胞を持つ私は、核さえ残っていれば無限に再生できる。だが、核どころか細胞の一欠けらも残さず消滅してしまってはどうしようもない。

 このまま私は負けるのか。あんな少年に敗れるのか。私は『超完全体』となり、すべてを超越したはずではなかったのか。

 

 

 私は……わた……し……は……

 

 

 

 

 

 天才科学者ドクター・ゲロのコンピューターによって創造された究極の人造人間セル。彼は孫悟飯をはじめとするZ戦士たちとの戦いに敗れ、完全に消え去ろうとしていた。

 だが、彼の核が消滅するその瞬間、銀色に輝く鏡のようなゲートが現れたことに気付く者は、誰もいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「宇宙のどこかにいる私の下僕よ! すべての世界で最も神聖で美しく強力な使い魔よ! 私は心より求め訴えるわ! 我が導きに応えよっ!!」

 

 

 地球とは異なる次元に存在するハルケギニア大陸。その大陸を構成する一国であるトリステイン王国に設立された魔法学院。メイジたる貴族の子弟を教育するこの学院において、二年生に進級するための召喚の儀が執り行われていた。

 そして、この日の儀式において最後に最も多くの回数『サモン・サーヴァント』の魔法を繰り返した少女。桃色の髪と鳶色の瞳を持ち、王家に連なる名門貴族ヴァリエール公爵家の三女、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールは、その日最大の集中力と大声をもって杖を振り下ろした。

 

 

 ドォン!!

 

 

 それまでの『サモン・サーヴァント』で起こった爆発に数倍する爆発が巻き起こり、たまらずルイズは地に伏せて爆風をやり過ごす。

 この時、ルイズや周りの学友たちそして担当教師のコルベールも気付いていなかった。

 『サモン・サーヴァント』の爆心地に何かが存在していることを。

 

 

 

 




序章をお届けしました。

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