ジョジョの奇妙な教室   作:空条Q太郎

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あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!
続きを考えてはいたものの、感想貰えれば幸いと考えていたが、想像以上の反響と評価に足がすくんでいるぜ。いつのまにか評価バーに色が付いていた

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前回までのジョジョの奇妙な教室

承太郎–胡散臭い学校だぜ

茶柱–下克上…いけるのでは?(歓喜)

高円寺–さす太郎


空条承太郎 その②

 

 

「ようやっと解放されたか……やれやれだぜ」

 

 直立不動を義務付けられる退屈な入学式。教育者は話を短くと意識するらしいが、どうにも校長というひとつの高みに登った者たちは初心を忘れがちなようで、生徒たちの大半は少し聞いて思考を遮断した。

 

 無論、空条承太郎は長時間立ちっぱなしをさせられたところで軸がブレるような柔な身体では無い。

 

 しかし、周りの生徒たちは思考を止めたものから順に姿勢が崩れていった。

 

 担任団の紹介や各教科担当の挨拶を終えると最後に坂柳理事が舞台に立つ。

 

 理事長は手短に『実力を評価する』ことや『クラスで協力』することを話すと式を終わらせたのだった。

 

 人の波が割れて、承太郎は開かれた道を歩み寮に辿り着くと荷解きを始める。

 

「しかし、じじいが薦めてきた段階で何かあるとは睨んでいたが、随分と胡散臭い学校じゃあねぇか」

 

 茶柱は承太郎の質問に回答をしなかった上、何処に出ても結末は変わらないと説明した。

 

 要は現段階では回答しないというのが学校の運営方針であり、支給される生活費たるポイント額の変動が起こるという事を暗に示している。

 

 クラスメイトに『平等に』ポイント支給される事を強調していたことも気になる。

 

 教師への質問では何も解決しないと結論付けた承太郎は行動を起こす。

 

 そう、彼は細かいことが気になると夜も眠れないのだ。

 

「どうやらSシステムとやらを理解することが先決のようだぜ」

 

 Sシステムとは、高度育成高等学校の独自システムだ。

 

 生活費のポイント支給などもこれの一環に当たる。

 

 そして、それを調べるのに現状可能な手段は上級生に接触し確認を取ることだ。

 

 教師が口止めされているため、上級生も二つ返事で明確な答えを言うとは考えにくい。

 

 口止めはされているとみてまず、間違いないだろう。

 

 しかし、たかが学生。必ずボロがでる。万が一出なくても観察から得られる情報はあるはず。

 

 一瞬で此処まで思考した承太郎は、昼食ついでに施設へと繰り出して行った。

 

 時計の針は長針短針ともに十二を指している。放課後のティータイムやらランチに仲間内で出てきている生徒が多く見受けられる。

 

 今日は入学式。生徒会などの運営に関している一部生徒を除いては上級生たちは休日に該当している。

 

 そのため、私服で歩いている者が多く、新入生と見分けることは容易い。

 

 突如厳つい大男に話しかけられる側の気も知らない承太郎は、独りでいる生徒を見つけては声をかけていく。

 

 

 被害case その①

 

「おい、あんた。少しいいか」

 

「え……な、なんでしょうか……」

 

 小柄なメガネの男子生徒は完全に恐怖し、足が震えていた。

 

 承太郎は幾つか質問を纏めているので返事が得られなさそうなものから順に聞く。

 

「Sシステムについて、あんたの知っている事を教えてくれ」

 

「え、え……Sシステム? えっと……」

 

 たじろぐ上級生に承太郎は優しく促すよう声をかける。

 

「そうだ。あんたの知ってることだけで構わねえ」

 

「さ、3年生が……どどど、どうして2年の僕に?」

 

「いいや、俺は一年だ。で、どうなんだ?」

 

「いっ、一年⁉︎ご、ごめんなさいっ、答えられません!」

 

 メガネくんは言い切ると脱兎の如く逃げ去った。

 

「……やはり、1年には言えねえというわけか」

 

 

 被害case その②

 

「おいあんた、ちょっといいか」

 

「んだt……どうかしましたか? あははは」

 

 一般的に体格が良いと分類される、少しチンピラチックな男子生徒は背後から声をかけられ、振り返ると同時に態度も整えた。

 

「少し聞きたいことがある。何年何組だ?」

 

「さ、3年Cクラスだす」

 

 3年の段階で目の前の男が下級生である事は理解しつつもチンピラ君は噛みながら謙った。

 

「3年か。3年ともなると、ポイントの支給額ってのはどれぐらいになるんだ?」

 

「か、確認したいのですが、1年生ですよね?」

 

「ああ、そうだ」

 

「すみませんが答えられません」

 

 言って、ドラゴンなヤンキーが要求する角度で腰を曲げ頭を下げた。

 

「そうか。そいつは残念だ」

 

「そ、それじゃあ」

 

 踵を返そうとするチンピラ君の肩を、圧倒的な質量のナニかが掴む。

 

「まぁ、待ってくれよ先輩」

 

 承太郎の手だ。

 

「は、はい!」

 

「これで最後にしようと思うんだが、先輩の所持ポイント額を教えてはくれないか?」

 

 頼むぜと言う承太郎の手に込められる力が増すのを感じたチンピラ君は、学校のルール上自分が不利になる事は無いと理解しつつも、目の前の神話上の戦士のような男を目の前に恐怖に屈してしまった。

 

 チンピラ君は承太郎に『内密にしてくれ』と念を押した上で所持額を耳打ちする。

 

 承太郎は一言、礼を言って次に向かう。

 

 被害者が五人、六人、そして二桁まで増えていったのは言うまでもない。

 

「今、得られる情報はこんな所か……しかし、厄介な仕組みだなSシステムっていうのは。肝心の査定基準が予想の範疇を超えられねえ」

 

 承太郎がこの数十分で集めた情報をまとめるとこうだ。

 

 ・上級生の所持額からポイント支給額の変動はほぼ確定。

 

 ・所持ポイント額とクラスに一定の関係性が見られることからポイントの支給額は個人ではなくクラス単位に決められる。

 

 ・二学年に共通して、AからDの順で所持額が減っている傾向がある。

 

 さらにここから『実力』に応じた査定やクラス間抗争を推測した。

 

 マジックや謎解き同様に種明かしをされればなんということはない。

 

 しかし、入学日の段階で学校を疑い行動し、自分の考えを持つまで至る生徒がどれほどいるのかと問われれば、それは皆無に等しいと言わざるを得ない。

 

 まさにこの空条承太郎、冷静沈着かつ抜け目ない化け物じみた漢である。

 

「入学時点で生徒を値踏みしてクラス分けしているとは考えたくねえが、現に俺がDクラスに配属されているってことは……無くはないかもしれないな」

 

 殺人こそ犯してはいないものの、承太郎は不良のレッテルを貼られるほどには数々の法規違反を起こしている。

 

 仮にAから順に格付けをするのであれば、社会性の面から最下位たるDに配属されても何らおかしくはないと考えたのだ。

 

 承太郎にしても、高円寺にしても単純な成績で語れば非の打ち所がない。——が、社会適正として見た際に問題を抱えているのは事実なのだ。

 

「随分と不利な戦いになりそうだな」

 

 お決まりのやれやれだぜと呟くと、承太郎は昼食を取るため適当な店を探す。

 

 途中、とあるカフェのテラス席にて高円寺が上級生の女子に囲まれ、食事しているのを見なかったことにして、承太郎はハンバーガー専門店に入店した。

 

 学校の敷地内では学生割引のように全商品が値引きされている、なんて事はない。

 

 学食などを除いたほとんどの施設、店舗で全国どの店舗とも同じような金額設定がされている。

 

 単身世帯の一ヶ月の食費の平均はおよそ四万円前後と言われている。

 

 このことから承太郎は月4万は確保したいと漠然と思うが、基本支給額のわからない現状では打てる手はあまり無い。

 

「いずれにせよ、答え合わせができるのは5月1日。それまでは様子を見るしか無いようだな」

 

 受け取ったハンバーガーを数口で食べると、店を後にした。

 

 その後、承太郎はパンフレットを見ながら、施設内にある店舗を確認することにした。

 

 コンビニやスーパーから、ファッション、娯楽に至るまでありとあらゆる店舗が導入されているとは入学パンフレットにも書かれていたが、いざ目の当たりにすると圧巻だ。

 

 もはや、ひとつの街レベル。

 

 承太郎が監視カメラの位置を確認しながら散策しているとふと、パソコン専門店の店先のディスプレイを真剣に見学している男子生徒に視線が止まった。

 

 制服を着ているためおそらくは新入生だろう。

 

 ガラスに反射する顔を見て、それは確信に変わった。

 

「たしか、外村だったな」

 

 突如背後から声をかけられた外村は一瞬肩を上げて恐る恐る振り返った。

 

「く、空条氏⁉︎一体何でござろう、拙者この通り無一文ですぞ」

 

 承太郎を見るなり外村はなぜかぴょんと跳ねた。

 

「何を言ってる? そんな事よりお前、機械に明るいのか?」

 

「それなりには……としか言いようがないでござるな。自作PCやプログラムぐらいは経験がござるがハッキングやらはからきしでござるよ」

 

「それだけできれば、大したもんじゃあないか。俺はこの手のものに疎くてな、この携帯の機能も実のところあまりよく分かってねえ」

 

 承太郎が取り出したのは学校指定の携帯端末だ。

 

「少し使い方を教えてくれないか? 勿論礼はする」

 

「れ、礼だなんて結構でござる。身の安z——けぷこん、クラスメイトの相談に乗るなど当然のことでござるよ」

 

 素知らぬ顔で引き受けた外村だが、カツアゲと勘違いしていたなどとは口が裂けても言えない。

 

 外村はまだ配布されてから半日しか経っていないにも関わらず入学式中弄り倒したことで、ありとあらゆる機能を把握していた。

 

 途中、承太郎の奢りの飲み物を受け取りつつ丁寧に説明をしていった。

 

「最後にこの画面で登録している連絡先の生徒の位置情報を監視することもできるでござるな。こんな機能をつけた学校側もなかなかタチが悪いでござる」

 

「時間をとらせて悪かった。助かったぜ外村」

 

「このくらいお安い御用でござるよ」

 

 説明が終わる頃には、外村から承太郎に対する過度な恐怖心は形を潜めていた。

 

「またよろしく頼むぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ——翌日

 

 

 

 

 

 

 

 

「やかましいッ!」

 

 

 

 オリエンテーションの続く授業の中で段々と弛緩していく雰囲気の中、私語が目立つようになった四限目。

 

 周りで騒がれる事を好まない承太郎の覇気にも近い怒声が一瞬にして教室に静寂を取り戻した。

 

 本来注意する立場のはずの教師も唖然としているほどの迫力。

 

 お喋りに夢中になっていた生徒たちは顔面蒼白ものだ。

 

 その日、六限まで私語をする者は居なかったのは言うまでもない。

 

 

 

←To Be Continued

 

 

 

 

 

 

 

 




アンケートご協力ありがとうございました。

ダービー戦での記憶力や彼のその後の経歴と私の妄想を加味して承太郎さんTUEEEしていただくために、学力は高円寺相当でいかせていただきます!

ご容赦を

1番脚がグンバツの女子生徒は?※承太郎と何かあるわけではない

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