剣士列伝 仮面ライダー剣斬 〜亡き友、此に有り〜 作:キャメル16世
俺はアイツが嫌いだった
ロイミュードは人類の敵であり、アイツもその1人だった
ロイミュードは元々俺の父、蛮野天十郎と
クリム・スタインベルトが作り出した機械生命体だ
人間に擬態し、悪事を働く最低最悪のクソ野郎共だ
だが、1番醜いのは
俺の父親だった
蛮野天十郎はクリムを欺き、ロイミュードさえも自分の実験材料として無下に扱い、更にはゴルドドライブとなって世界を破滅に追いやろうとした
そして、何より許せねぇのが……
ロイミュードにも、心がある
アイツが死んで、初めて気が付いた
アイツは俺のダチだった…
アイツから貰ったシグナルチェイサーとアイツの免許証
「笑えと、言われたからだ」と言っていたこの笑顔
俺はずっと大切に持っている
そして、どうにかしてアイツを生き返らせる方法はないかと、色々試したりしたが
間違えてハートやブレン、メディックが生き返ったり
西堀玲子という愛する女性が出来たり…
まぁなんと言うか…
《俺は霧子を愛しているようだ》
人の事言えねぇよな…
「俺はアイツのコアを復元させて、生き返らせてやりてぇ…アイツも、この世界でやりたかった事がまだまだある筈だ……少なくとも俺は、アイツとやりたい事が山ほどある」
「……」
俺は蓮に何もかもを話した
仮面ライダーマッハとして世界を救った事
姉ちゃんや蛮野の事
そして、チェイスの事
「俺にはアイツが必要だ…」
「…生き返りたいって、そいつは本当に思ってるのか?」
「……え?」
蓮の発言が、妙に耳に響く
しかし、次の瞬間俺の意識は蓮から外へと向いた
街の方から爆発音がした
「……またか」
「いこう、剛」
「…あぁ!」
カメラとバックを持つ俺と、剣を持つ蓮は
ダッシュで現場へと向かった
でもなんだろうか、この胸騒ぎは…
何かとてつもない事が起きる予感だ
「…うわぁぁ!」
「ギャッハッハ!逃げ惑え人間ども!」
「きゃぁぁ!」
「…っ!」
「なんでメギドが…!?それになんだあいつらは!?」
街に現れていたのは蓮がメギドと呼んでいる怪物
そして、大量のロイミュード共だった
「なんで…ロイミュードは全滅した筈だ…!」
そう言うと、俺はマッハドライバー炎を
蓮は風双剣翠風を構えた
SIGNAL BIKE! RIDER!
「…Let's…変身ッ!」
MACH!
俺は仮面ライダーマッハへと変身した
猿飛忍者伝!
「……はっ!」
猿飛忍者伝!双刀分断!
「…変身ッ!」
壱の手、手裏剣!弐の手、二刀流!
風双剣翠風!
翠風の巻!甲賀風遁の双剣が、神速の忍術で敵を討つ!
続いて蓮は仮面ライダー剣斬へと変身する
「大丈夫か!?早く逃げろ!」
「は、はい!」
俺は市民を避難させ、敵の状況を把握した
ロイミュードの中には、コブラ型やコウモリ型など、進化していないロイミュードが多数
その先頭にはボイス・ロイミュード、スクーパー・ロイミュードが立っていた
「雑魚とピラニアメギドとメデゥーサメギドか…デザストは……居ねぇみてぇだな…」
ロイミュードではない怪物は、蓮は知っている様子だった
「行くぞ、蓮」
「あぁ…!」
「…お楽しみは…俺からだ!」
「……別パターンもあるのかよ…」
「はっ!」
「はぁ!」
俺はゼンリンシューターで雑魚共を狙撃しながら敵陣に突っ込んだ
ゼンリン!
「はぁっ!」
「ぐわぁぁ!」
ゼンリンシューターの前輪部分を回転させ、ロイミュードに斬撃を加える
「てやぁ!そりゃぁ!」
「どわぁぁ!」
「ぐへっ!」
「おりゃぁ!」
「ぐわぁぁぁ!」
回転キックなどを駆使し、粗方の雑魚は倒した
「…次はお前らだ」
「……フッ…貴様を激写してやる…!」
「…へぇ…同じ趣味なのは関心だが、ここで倒す!」
俺はスクーパー・ロイミュードと対峙し、攻撃を仕掛ける
「激写ァ!」
「うわっ!」
スクーパーの左肩のレンズからビームが発射される
かつてこいつを倒したのは進兄さんだったな…
でも、同じカメラ趣味なら…!
「どうせならもっといい風景を撮れよ…例えばさ…!」
SIGNAL BIKE!シグナルコウカン!
トマーレ!
俺の右肩のシグナルコウリンのアビリティクレストがコウリンシグナルトマーレへと変化する
「よっ!」
イマスグ!トマーレ!
俺はゼンリンシューターでスクーパーを狙撃する
「うおっ!?」
エネルギー弾がスクーパーに直撃すると、スクーパーは動きを止めた
これがシグナルトマーレの力
相手の動きを封じて動かなくさせる事が出来る
「いい画だね〜」
「くっ…ふざけるなぁ!」
「…っ!」
スクーパーはレンズで俺の近くの建造物を撮影すると、その建造物は崩れるように破壊された
「…なるほど、あれがあいつの力か……だったら、さっさとケリ付けさせてもらうぜ!」
瓦礫を避けた俺はゼンリンシューターにシグナルマッハを装填した
ヒッサツ!フルスロットル!
「はぁぁぁ!」
「ぐわぁぁぁ!」
トリガーを引き、巨大なエネルギー弾がスクーパーを襲う
スクーパーは破壊されたが、中からコアが出てくる事はなかった
「……貴様ァ!」
「…フッ…どんどん来い!」
今度はボイス・ロイミュードが向かって来た
猿飛忍者伝!ニンニン!
翠風速読撃!ニンニン!
「疾風剣舞、一連!」
風のエネルギーと共にシミーに斬撃を加える俺
「へやぁぁ!」
「ふっ!はぁっ!」
ピラニアメギドが迫って来るも、アクロバティックな動きで避ける俺
「正義は強さ、強さが正義!だから俺は強い!」
双剣を駆使してシミー共々ピラニアメギドを薙ぎ払った
「…ふっふっふっ」
「あとはお前だけだ、蛇女!」
「ふっふっふっ…はぁっ!」
「…っ!」
確かこいつの目を見ると石になるんだよな…
「…だったら!」
西遊ジャーニー!ニンニン!
翠風速読撃!ニンニン!
俺はワンダーワールドブック「西遊ジャーニー」を翠風に読み込ませる
「疾風剣舞!二連!」
俺の目の前に筋斗雲が現れ、俺はそれに乗り込む
メデゥーサメギドの周りを旋回する
上手く標準を合わせられないメデゥーサメギドは必死に目を合わせてきた
「…はぁっ!」
「ギャァァァ!」
隙を着いて飛び降りる俺
二本の翠風を交差させて斬撃を加えた
メデゥーサメギドは爆散
「……よし…あとは……ぐわぁ!」
突如、背中に激痛が走った
撃たれたのか…!?
そう思って俺は振り返った
『……』
そこには不思議な形の銃をこちらに向けた機械人間がいた
紫色と黒で禍々しい雰囲気を持っていた
「…だ、誰だ!?」
『……俺は死神…緋道蓮、貴様を破壊する…』
「…なんで俺の名を!?」
『……はぁっ!』
「ぐわぁ!」
機械人間は躊躇なく俺を狙撃する
「…くっ…負けてられるか!」
『…っ』
俺は距離を縮めて機械人間に斬撃を喰らわす
『……なるほど』
Tune...
Chaser Spider...!!
「…っ!」
機械人間は右腕に武器を出現させた
『……』
奴の冷たい目が、俺をどんどん追い詰めて行った
ヒッサツ!フルスロットル!
「はぁぁぁ!」
「グギャァァァ!」
俺のキックで爆散するボイス・ロイミュード
「……ふぅ〜」
俺は頭部のマスクについているイノベントバイザーを展開し、余剰エネルギーを解放させた
「……」
蓮の方は大丈夫かと、俺は蓮の方に視線をやった
「……っ!?」
俺は仰天した
そこには、既に死んだはずのチェイスが蓮を襲っていたからだ
なんで…!?
アイツはもう死んで…
コアの復活に成功したのか!?
でもなんで魔進チェイサーに!?
『…ふっ!』
「ぐわぁ!」
「…っ」
蓮がやられてる……
助けなきゃ…!
『……トドメだ』
「やめろォ!チェイス!」
『……』
俺は蓮とチェイスの間に割り込むように手を広げた
やめろチェイス!
俺に戦う意思はない!
なんでか知らないけど、こんな事もうやめろ!
『……剛』
「……俺の事、分かるのか…?チェイス!一緒に帰ろう!姉ちゃんも待ってる!新兄さんだって!特状課の皆だって!……だから、やめてくれ…!」
『……剛……貴様を破壊する…!』
「…っ!…ぐわぁぁ!」
チェイスはなんの躊躇いもなくブレイクガンナーのトリガー引いた
「……クハッ…」
「……クッ」
変身が解ける俺、満身創痍の蓮
状況は最悪だった
『……今度こそトドメだ』
Execution...
Full break Spider!!
『……はぁぁ…!』
「……クッ…」
「……チェ…チェイス…!」
『はぁぁぁ……っ!』
チェイスは攻撃をやめた
その理由は簡単だ
「…はっ!」
「…っ!?」
「……今度はなんだ…!?」
蓮が質問を投げかける
俺たち2人の目の前には、頭が赤、胸が黄色、足が緑色の仮面ライダーが背中を見せていた
「ふたりとも、大丈夫?」
『……っ』
「……あんた、誰だ?」
「俺?俺はオーズ、仮面ライダーオーズだ」
「…オーズ?」
「なんで俺たちを…?」
「なんでって…決まってるでしょ?」
オーズは振り返って俺に手を差し伸べた
「…ライダーは助け合いでしょ!」
「……フッ…変な奴」
俺はその手を握り返し、促されるままに立ち上がる
蓮も変身を解除し、少し遠くからオーズの戦いを見届けた
『……貴様がオーズか、貴様も破壊対象だ…!』
「…おっと!
オーズは剣型の武器、メダジャリバーを取り出す
「はっ!」
『…っ』
「はぁっ!」
『……ぬっ!』
「せいやぁ!」
『ぐっ…!』
「……っ」
メダジャリバーにセルメダルを三枚装填し、オースキャナーでスキャンした
トリプル!スキャニングチャージ!
「……はぁぁぁ…!」
『……クッ…!』
「せいやぁぁぁあ!」
『ぬおっ!』
オーズの斬撃は建物をも巻き込むが、切られたビルは時間が巻き戻ったかの如く元に戻り、魔進チェイサーのみが攻撃を受けた
「……す、すげぇ」
蓮がオーズの攻撃を見て感心する
『……くっ…!』
「…っ…チェイス!待て!」
立ち去るチェイス
いつの間にか見えなくなっていた
「……チェイス…なんで…!?」
街の平和は守られたが、俺の中には疑問しか残らなかった
「改めまして、俺の名は火野映司!仮面ライダーオーズだ!」
「緋道蓮だ」
「…詩島剛」
「蓮くんに剛くんだね!よろしく!」
火野映司と名乗った20代後半位の男
どこか爽やか系の雰囲気を持っているが、独特な模様の服を着ている
だが、俺が真っ先に気になったのは…
「…なんだ、それ?」
「ん?これ?明日のパンツ!」
「…パ、パンツ…?」
持ち運び出来そうな竿に括り付けられている不思議な模様のトランクス
なんだこいつ、変人なのか?
「俺の爺ちゃんの遺言で、男はいつ死ぬか分からないから、パンツだけは一張羅を
「…は、はぁ…」
よく分からないが、少なくとも変な奴には変わりない
「……それより、なんだったんだい?あの怪物達は」
「…そんなの俺たちにも分かんねぇよ」
映司の質問に対し、剛が嘆く
「…なんでロイミュードが復活してんのか…なんでチェイスが生き返ってんのか…全然分かんねぇ」
「…チェイス?」
「さっきあんたが戦った怪人だよ…だが、あれは本来のアイツの姿じゃねぇ…」
剛は、あの機械人間の事を「魔進チェイサー」と呼ぶと教えてくれた
しかし、それは本来の姿ではなく、チェイスには仮面ライダーチェイサーというれっきとした肩書きがある事も教えてくれた
「…さっき蓮くんが戦っていたのが「メギド」、剛くんが戦っていたのが「ロイミュード」…でも両方とも全滅している、と…」
「……」
映司は今現在の状況を整理していた
俺もまだ整理しきれていない
デザストが生き返ってんのも謎だし
チェイスって奴が生き返ってるのも謎だ
「……これは、また大変な事になるかもね…」
「……え?」
「…いや…それより、困った事があったら俺になんでも言って!俺も協力する」
「…それは大層なこった」
「…まぁ勝手にすれば?」
「……何このふたり…めっちゃドライ…」
「……そうか、オーズまで…」
『……奴は俺が倒す…今度こそこの雪辱を果たす…!』
『おいおい待てよ〜お前の破壊対象は詩島剛の筈だぜ?俺は風の剣士を殺る、オーズはお前でどうにかしろ』
デザストは男を睨む
「……そうだな、では…」
男は立ち上がった
大きなローブを羽織り、フードを深々と被る彼は
いつも顔を闇で覆った
「…今度はこいつに出番をやろう」
男は並んだ三冊のアルターライドブックのうち、真ん中のアルターライドブックを取り、ページを開いた
欲望のアンク!
「……フッ!」
アルターライドブックからページがばらまかれ、それがひとつの人影を生み出した
『……あぁ〜…!』
「お前はどんな活躍を見せてくれるんだ?」
『……あぁ…?』
「……アンク!」
アルターライドブックから生み出されたのは、かつてオーズと共に旅をしていた鳥のグリード「アンク」
『……へっ!』
次回
第3章「剣士とカメラマンとメダルの王」