剣士列伝 仮面ライダー剣斬 〜亡き友、此に有り〜   作:キャメル16世

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第5章「その匂い、最低で最高。」

『……ふ〜んふ〜ん…相変わらず変わんねぇなぁ…この街も…ヘヘッ』

その日、デザストは久々の散歩をしていた

 

『……匂うねぇ…小鳥の(さえず)りと人の雑音が混じり合う…最低で最高の匂いだ…』

『…それは“匂い”ではなく、“音”ではないのか…?』

『…お前、来てたのか』

いつの間にかデザストに着いてきていたチェイスも

 

『……せっかく1人で散歩しに来たのに…なんで来るんだよ』

『ゴウマに言われた。「デザストを監視して来い」と』

『…はぁ〜…』

呆れたデザストは諦めて足を運んだ

 

『……腹減ったな…ラーメンでも食いに行くか』

『…お前が…?』

『…あぁー……お前が買ってこい』

『……わかった』

『……』

 

チェイスはデザストの言う通り豚骨ラーメンのカップ麺を買ってきた

お湯を注ぎ、スープの元を入れて3分待つ

 

『……もういいか』

『まだだ』

『……もういいか』

『ま・だ・だ』

 

『…よし、良いぞ』

『…あぁ』

割り箸を割って中の麺をスープに絡ませる

かやくともよく混ぜ、デザストは仕上げに麺の中に赤いオプションを入れ込んだ

 

『……これはなんだ』

チェイスは透明な袋に入った赤い“それ”を見て質問した

 

『…あ?ただの紅生姜だ、知らねぇのか?』

『…紅生姜…覚えておく』

『…変な奴だな……ズズッ』

麺を吸い込むデザスト

久々のラーメンは一層美味かった

 

『…これを入れた方が美味くなるのか?』

『…勝手にしろ』

まだ紅生姜を凝視していたチェイスはようやく麺の中に紅生姜を入れ、麺をすすった

 

『……しょっぱいな』

『…それが良いんじゃねぇか』

 

《紅生姜に謝れ…!》

《…ない方が美味い》

 

『……チッ』

 

変な事思い出しちまったぜ…

 

『…さっさと食え、それ食ったらひと暴れすんぞ』

『…しょれは出来りゃい』

『…あ?』

口に麺を頬張りながら喋るチェイス

それを飲み込んで再び口を開いた

 

『…ゴウマに言われている。「しばらく目立った動きはするな」と』

『…またあいつの話か…お前はなんでそぅ言いなりになるんだ?』

『……俺は…命令を実行するだけだ』

『……本当にそれでいいのか?』

『…何が言いたい』

『誰かの言いなりになる人生が、お前は楽しいのか?』

『……』

黙り込んだチェイスを見て再び呆れの表情を見せるデザスト

 

ラーメンを食い終わったデザストはまたしばらく街を歩いていた

なるべく人のいないところを

デザストは歩くのが好きだった

 

『……』

『…お前、昔仮面ライダーだったんだろ?』

『…何故それを知っている…?』

『……さぁな…俺はこの世界の色んな事を知ってみたい。なんでもいい…この世界には物語がある』

『……お前はどんな物語を過ごして来たんだ?』

『…俺に物語なんてねぇよ』

『…?』

『俺は3冊の本をごちゃ混ぜにして作られたメギドだ…そんな俺に物語なんてある訳ねぇだろ?だからこそ俺は戦って、強さの果てを目指した……だが…』

 

《強さの果て…?……そんなもんがあったら、それ以上強くならないだろ!》

 

『……俺は面白い奴を見つけた』

『……』

『…強さに果てなんかない…あいつは俺に無い何かを持っていた…』

『……』

『…ゾクゾクしたぜぇ…あんなド直球な事を言う奴がいたなんてなぁ…』

『……』

『……聞いてるか?』

『…楽しかったか…?』

『…は?』

『……お前はそいつといて、楽しかったか?』

『……俺は…』

次の瞬間、街の方で爆発がした

それに気付いたデザストとチェイスは勢いよく振り向いた

 

『……なんだ…?』

『…あいつか……』

 

 

「グォォォォォォォ!」

街の中で暴れる「武者ヤミー」

2本の刀を振り回してビルを破壊しながら暴れている

 

「モットォ!モットォ!強サヲォォォォ!」

「…っ!蓮くんのヤミー!」

「……アァァ…?」

そこに現れた火野映司はオーズドライバーを腰に装着する

 

「変身ッ!」

 

タカ!トラ!バッタ!

タ・ト・バ!タトバ!タ・ト・バ!

 

仮面ライダーオーズへと変身した映司はメダジャリバーで「武者ヤミー」に斬撃を加えた

 

「…っ!?」

「…モットォ…モットォ…強サヲォォ…!」

「なんだこいつ…!?攻撃が全然効かない!?」

「ウォォォォ!」

「なぁっ!」

反撃をもろに喰らった映司は1度地面に倒れたがすぐに立ち上がりタカ・コアをライオン・コアと入れ替えた

 

「だったらこれだ!」

 

ライオン!トラ!バッタ!

 

頭部が黄金色のライオンヘッドになり、ラトラバに変身した

 

「はぁぁ!」

「ヌォッ!?」

映司はライオネルフラッシャーから光を乱反射させた

「武者ヤミー」は光にやられて目を眩ませた

 

「グォォォ!」

「なっ!?」

しかし、それでも関係なしに突っ込んで来る

 

「…くっ…つ、強い…!」

「…モットォ…モット強サヲォ…」

「何だこの感じ…今までのヤミーとは違う…!?」

 

ゴウマが生み出したヤミーだからだろうか?

弱点が分からない…

こうなったら……!

 

「ここまで来たら、諦める訳には行かないよね!」

 

サイ!ゴリラ!ゾウ!

サゴーゾ!……サゴーゾ!!

 

3枚のメダルをそれぞれサイ・コア、ゴリラ・コア、ゾウ・コアと入れ替えた

仮面ライダーオーズ サゴーゾコンボは、重量系の動物の力で構成された高い防御力と攻撃力を持った近接戦にはもってこいのコンボだ

 

「うぉぉぉぉ!」

腕を胸に叩きドラミングをする

 

「……グヌゥ…!」

「せいっ!はっ!はぁっ!」

「グオッ!」

重たいパンチが「武者ヤミー」の身体に響く

 

「はっ!」

ゾウレッグを地面に叩きつけて地響きを起こし、「武者ヤミー」のバランスをすぐさせる

 

「せいやぁ!」

ゴリバゴーンをロケットのように飛ばし、粉砕パンチを遠距離から喰らわせる

 

「グォォォ!」

「…よしっ!」

 

サイ!ゴリラ!ゾウ!

スキャニングチャージ!

 

「…はっ!」

重力を操作出来るサゴーゾコンボは程よい高さまで浮上し、下降する

辺りは地響きや地割れが起きるが、「武者ヤミー」を捉えるとその部分以外が元に戻り、身動きが取れなくなった「武者ヤミー」が段々とこちらに近付いてくる

 

「……はぁぁぁ…!」

グラビドボーンとゴリバゴーンにエネルギーを蓄積する

後ろに仰け反りパワーを限界まで貯める

 

「…はぁぁぁ…!」

「グッ…!」

「…せいやぁぁぁ!」

 

頭突きとパンチを同時に喰らわすサゴーゾインパクトを繰り出し、「武者ヤミー」は粉々に爆散した

 

「グァァァァァァア!」

「……ハァ…ハァ」

 

やっぱり…コンボは慣れないな……

 

オーズドライバーの傾きを直して変身解除する映司

しかし、彼は1つ違和感を感じた…

 

「……セルメダルが…1枚も出ない…!?」

「武者ヤミー」を倒したのにも関わらず、ヤミーを構成するセルメダルが出てこなかったのである

いつもなら数百枚のセルメダルが出てくる筈なのに、1枚も……

 

「…なんで……っ!?」

彼の違和感は不穏な空気へと変わる

先程倒した「武者ヤミー」、それの身体が陶器のようなもので出来ていたと映司は確信した

爆散した「武者ヤミー」の破片が集合し、またその身体を作り上げていく

破片がパズルのようにはまり合い、「武者ヤミー」は完全に元に戻ってしまった

 

「…っ!……ぐわっ!」

急いで再びドライバーに手を掛ける映司だが

「武者ヤミー」にそれを阻まれてしまった

 

「……っ…!」

「…モット…モット強サヲ…!」

「…っ!」

「……強サノ……果テヲ…!」

「…っ!?」

迫ってくる「武者ヤミー」ははっきりとそう言った

 

「……ッ…?」

次の瞬間、「武者ヤミー」の背中から火花が散った

 

「おっと?それ以上のお触りは厳禁だぜ…?」

「…剛くん!」

ゼンリンシューターで攻撃していた剛は「武者ヤミー」の気を引いてくれた

映司はその隙に再びメダルをドライバーに装填した

タカ、ウナギ、チーターのメダルだ

 

「行けるか?映司さんよっ!」

「…あぁ!助かったよ!」

「…フッ…どういたしましてっ!」

 

SIGNAL BIKE! RIDER!

MACH!

 

「…Let’s…変身ッ!」

「変身ッ!」

 

タカ!ウナギ!チーター!

 

ウナギウィップとチーターレッグを装備したタカウーター

映司達は横に並んで体制を整えた

 

「あいつは俺の知ってるヤミーとは何かが違う!気を付けて!」

「…了〜解っ!」

サムズアップして承諾の意を伝えた剛はゼンリンシューターで遠距離からの攻撃を仕掛けた

 

「はっ!はっ!」

「ヴォ!グゥ!」

「…チッ!すばしっこいなぁ!」

しかし、その攻撃を全て高速移動で避ける「武者ヤミー」

 

「はぁっ!」

「グオッ!?」

「…お、ナイス!」

映司はウナギウィップで「武者ヤミー」を拘束し、それを剛が狙撃する

 

「グォォォ!」

「どんどん行くよ!はぁぁぁ!」

拘束したままチーターレッグで連続蹴りを入れる映司

 

ゼンリン!

 

「てやぁぁ!」

それに合わせてゼンリンシューターで斬撃を喰らわす剛

 

クワガタ!クジャク!タコ!

 

ガタジャタに変身した映司

タジャスピナーを装備しそこから炎の弾を放った

 

「グゥッ!」

「はぁっ!」

「グゥッ!?」

「捕まえた!はぁぁ!」

タコレッグで「武者ヤミー」を掴み、クワガタヘッドの雷撃を喰らわせた

 

「やるね〜!んじゃ俺もっ!」

 

SIGNAL BIKE! シグナルコーカン!

キケーン!

 

右肩のクレストが変わる剛

 

「…これ、危ないよ〜?……はぁぁ!」

 

トテモ!キケーン!

 

シグナルキケーンのシグナルバイクを使って強化したマッハは破壊力に特化している

ゼンリンシューターから放たれたエネルギー弾は何倍にも強化されて射出された

 

「グワァァァ!」

地面に1度倒れる「武者ヤミー」

しかし、そのタフさで再び立ち上がった

 

スキャニングチャージ!

 

ヒッサツ!フルスロットル!

キケーン!

 

「はっ!」

「はぁぁぁぁ…!」

再びタトバコンボにチェンジした映司は空高く飛び上がり、剛はゼンリンシューターを構え、銃口を「武者ヤミー」に向けた

 

「せいやァァァ!」

「はぁぁぁぁぁ!」

「グワァァァ!」

2人の攻撃は命中し、大爆発が起こる

 

「……今度こそやったか…?」

「……ウゥゥ…!」

「…っ!?なんで!?確かに命中したのに!?」

「……まさかこのヤミー…倒す度に強くなるのか…!?」

「…えっ!?」

「……モットォ…モットォ!強サヲォォォォォォォォ!」




次回

第6章「それぞれの戦い、魂の擦り合い。」
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