剣士列伝 仮面ライダー剣斬 〜亡き友、此に有り〜 作:キャメル16世
今回から仮面ライダーマッハ編です!
それでは続きをどうぞ!
第8章「その死神はなぜ微笑まないのか」
「……ん…あぁ〜…!」
大きく背伸びをする俺は今日も一日の朝を謳歌する
「……お前、その格好寒くねぇの?」
「全然?これ結構通気性いいし、オススメだよ?1枚いる?」
「…いや、いらない」
俺は蓮くんに俺の明日着る予定だったパンツを差し出した
が、丁寧に断られ
蓮くんはテントの中に戻って行った
パンイチで外に出るのがそんなに変なのかな〜…
別に誰も見てないし、良くないか…?
「……」
何処までも続く青空を見て、俺は目を細めながらもさんさんに光る太陽を眺めた
「……明日もきっといい日になる。その為に、今日を精一杯生きる」
「……」
「……」
「…それが、俺の生き方だからさ」
「…いや、答えになってねぇよ」
「とりあえず、服着ようか」
「…はは…ははははは」
朝もドライなこの2人を連れて、俺はこの日街に赴いた
『ぐっ…ぐうぅぅ…!』
「……」
過剰なエネルギーに耐えきれなくなったチェイスは魔進チェイスから変身が解ける
『ハァ…ハァ…』
「…やはりダメか……この程度のパワーに耐えられないようでは、私の役には到底立てない。やはりデザストを失ったのは大きいな……」
『……ゴ、ゴウマ……俺は…』
「長生きしたければ、結果を出せ。貴様の人権はその後に与えられる……まぁ、怪人である貴様らには、最初から人権など無いがな……」
『……』
呆れるようにその場を立ち去るゴウマ
『……』
そんな2人の会話を聞いていたアンクは、静かにその場を立ち去った
「……スゥ…気持ちのいい休日だよね〜!」
「…まぁ、悪くはねぇな」
「…あれ、そういえば剛くんは?」
「……さぁ…まぁ、あいつなら時期に戻って来るでしょ」
そう言ってアイスキャンディーを頬張る蓮くん
俺も同時にアイスキャンディーを頬張る
冷たい
美味しい
そう思えるのが当たり前だったが、その当たり前がかけがえのないものものだと分かったのは、きっとアイツのおかげだろう
「……うわっ!」
すると、すぐ側で走っていた男の子が転んでしまっていた
膝を擦りむき、半べそをかいていた
「…あらら……蓮くん、ちょっと待ってて……あれ?」
俺がその子の介抱をしようと思い、蓮くんの方を向いたら、もうそこには蓮くんはいなかった
「大丈夫か?」
「……グスッ…」
「…泣くとかマジないわ…男だろ、泣かずに前に進むんだ」
「……」コクッ
目を赤らめながら男の子は頷いた
「……蓮くん…」
「…よし、これで良いぞ」
「…ありがとう!おにいちゃん!」
応急処置をした蓮くんはしゃがみながら男の子の頭に手を置いた
「…いいか?お前は強い、だから泣かない」
「……うんっ!ぼくなかない!」
そう言って笑顔で男の子は去って行った
「……あ」
しかし、その男の子はまたしても転んでしまっていた
「……っ」
「ちょっと待ってなって…」
「…っ」
いてもたってもいられなくなった俺だが、そんな俺を蓮くんが止めた
しばらく男の子を見ていると、男の子はそのまま立ち上がり、鼻水を垂らしながらまたその場を去って行った
「……フッ」
「……優しいね、蓮くんは」
「…は?マジないわ…俺が優しいとか」
「…え?自覚ないの?」
「ないね」
「……ハァ…」
花束を持った剛はひとつの墓石の前に花を手向ける
墓石には、詩島澄子と書かれている
大きな木の下で、彼女はいつまでも眠っている
「……久しぶり、母さん」
俺は母さんとの思い出がない
約20年前に、母さんは帰らぬ人となった
姉ちゃんはたまに母さんの話をしてくれるけど、俺は他人事に聞こえて仕方が無かった
だから、墓参りに来たのは姉ちゃんとだけだった
「……蛮野は死んだ」
俺は日本で起きた事を墓石の前で話した
仮面ライダーの事、姉ちゃんの事、進兄さんの事、特状課の皆の事、そして……
「……やっぱり、分かんねぇな」
俺には親が分かんねぇ
親父さんを心から尊敬していた進兄さんには感心するけど、俺にそこまでの感情は湧いてこない
俺の父親は最低最悪の悪魔みたいな男だった
そんな男を愛した母さんには、もっと疑心感を持ってしまう
「……っ」
すると、近くの木に同じように手を合わせている男を見つけた
服装が蓮に似ていたから既視感を持った
「……おい、あんた」
俺は気が付けばその男に声をかけていた
振り向いた男はにこやかな顔で応えた
「こんにちはっ!貴方も墓参りですか?」
「…あぁ…母親にな…」
「そうですか…僕は家族に会いに来たんです!」
男は墓石に目をやる
墓石には長嶺謙信と書かれていた
「…あんた、名前は?」
「僕は、新堂倫太郎と申します」
「…新堂…?あぁ…あんた婿入りでもしたのか?」
「いえ、結婚はまだ……彼は、僕の師匠なんです」
「……師匠…?」
訳が分からない
師匠なのに家族って……
「これが、今の僕の家族です」
倫太郎が俺に見せたのは集合写真だった
男女が肩を組んで笑顔で映っていた
「……大家族だな」
「僕たちはソードオブロゴスという組織で、世界の均衡を守って来ました。彼らは僕と共に世界を救った大事な仲間なんです」
「……これがあんたにとっての家族か」
「はいっ!」
またもや倫太郎ははつらつな笑顔を見せる
家族の形にも、色々あるって事か……
「……ん?」
ここに映ってんの…蓮じゃね?
「……っ!」
「うわっ!」
すると、俺たちの足場に急に火花が散った
「……っ!」
『……』
「…チェイス…!」
人間の姿のチェイスはブレイクガンナーを向けながらこちらに歩いて来ていた
「…お知り合いなんですか?」
『……剛…お前を破壊する』
「……クッ…どうしても戦わなきゃ行けねぇのかよ!」
Break up!!
SIGNAL BIKE! RIDER!
「…Let's…変身ッ!」
MACH!
チェイスは魔進チェイサーへ、俺は仮面ライダーマッハへと変身した
「えぇ〜!?貴方も仮面ライダーだったんですか!?」
「そうそう…え?貴方…も?」
「はいっ!僕も世界を守る仮面ライダー…そして、剣士です!」
倫太郎は鞘に収められた剣のようなドライバーを腰に装着した
聖剣ソードライバー!
そして、青色のワンダーライドブックを取り出し、ページを1枚めくった
ライオン戦記!
この蒼き鬣が新たに記す、気高き王者の戦いの歴史…
ライオン戦記ワンダーライドブックをソードライバーの真ん中に装填し、鞘に収められていた剣を抜刀した
それと同時にワンダーライドブックが開く
流水抜刀!
「…変身!」
ライオン戦記〜!
流水一冊!百獣の王と水勢剣流水が交わる時、紺碧の剣が牙を剥く!
倫太郎は胸に青色のライオンの顔面がある、仮面ライダーブレイズへと変身した
「はぁ〜!?」
「僕は仮面ライダーブレイズ…この水勢剣流水に誓う。世界の均衡は、僕たちが守る!」
『新堂倫太郎……貴様は破壊対象では無い。消えろ』
「そんな訳には行きません!」
水勢剣を構えながらチェイスに向かっていく倫太郎
俺は呆気に取られながらもゼンリンシューターを構えて後に続く
「はっ!」
『……っ』
「おりゃぁ!」
『……クッ…』
「「はぁっ!」」
『…グッ…!』
以外にも息の合った攻撃でチェイスを追い詰めていた
「君、なかなかやりますね!」
「俺だって負けられないからな!」
ゼンリン!
「はあっ!」
『……はっ!』
「何っ!?」
ゼンリンシューターで斬撃を与えようとするも、それを凌がれた
『……舐めるな…!』
「……っ」
Tune...
Chaser Bat...!!
右腕にウイングスナイパーを装備するチェイス
至近距離からの射撃に俺は吹き飛ばされる
「うわぁぁあ!」
「あっ!君っ!」
ライオン戦記!
倫太郎はワンダーライドブックをタップする
すると、そこから青色のライオンが飛び出してきた
「ライオンワンダー!」
青いライオンはチェイスに突っ込み、噛み付き攻撃や爪での斬撃を与えていたが、そのうちチェイスによって破壊されてしまった
『……』
「……なんか…前より強くなってねぇか…?」
『…当然だ…俺はゴウマによって更なる進化をしたんだ…お前に、俺の新たな力を見せてやろう』
そう言うと、チェイスは金色のバイラルコアを取り出した
先端部に刃が付いている
「……まさか…!?」
Tune......Rhino!!
Super Break up!!
チェイスの身体は黄金に輝き、更なる進化を得た魔進チェイサー…超魔進チェイサーへと変身した
『…これが死神の究極の姿だ』
「……フフッ」
「…っ…ゴウマ!」
「何しに来やがった!」
突如街に姿を現したゴウマ
「…今の私はすこぶる機嫌がいい…だからお前たちに見せてやろうと思ってな……」
「……何をだ!?」
「…私の……全知全能の力を…」
すると、ゴウマは地面に大量のセルメダルを出現させ、そこにあるものを置いていった
「……まさか…それは…!?」
「これは私が作り出したコアメダル…ムカデ、ハチ、アリ。シカ、ガゼル、ウシ。エビ、カニ、サソリ。セイウチ、シロクマ、ペンギン。サメ、クジラ、オオカミウオ。君が1度目にした未来のコアメダル達だよ」
「…なんでそんなものを…!」
「私はね…この世界には飽き飽きしているのだよ。この世界にはもっと刺激が必要だ……だが、お前たちのような存在がいるせいで、日常が…退屈な日常が保たれてしまっている!」
ゴウマは天を仰ぎコアメダルを1枚1枚セルメダルの上に置いていった
「私はこの世界の退屈を覆す事が出来る…この世界の革命の為に、私は命をも投げ捨てよう。勿論、犠牲は付き物だがね」
「…犠牲だって…?そんなものあってたまるか!」
「お前たちは何も分かっていない!この世界に必要な力とはなんなのか……それは、神の力だ」
「……神?」
「…見たまえ…これが、命の創造…神の力だ!」
すると、15枚のコアメダルと大量のセルメダルが中に浮き、それぞれが人型に形を変えて行った
「ムカデ、ハチ、アリのグリード…ムチリ!」
こいつは以前戦ったことがあるグリードだ
頭部はムカデの顔になっており、後頭部からムカデの胴体が垂れている。身体はハチを模したレリーフで構成されており首にはミツバチの毛、両肩にはハチの顔。腕はハチの腹部のような造形で手の甲から毒針が伸びている
下半身はムカデが巻き付いたようなラインがはいっている
「シカ、ガゼル、ウシのグリード…ガウバ!」
ガウバの頭部にはシカのような角。身体は角が胸から突き上がっているようで、肩からも2本づつ角が飛び出している
膝やつま先からも角が飛び出す、全体的にトゲトゲした見た目だった
「エビ、カニ、サソリのグリード…ビニオ!」
ビニオは節足動物系のグリードだけあって装甲が厚い見た目だった。というより、鎧武者怪人のような見た目で顔まで装甲に覆われていた
「セイウチ、シロクマ、ペンギンのグリード…セピロ!」
セピロは女性的な見た目で雪女に近い見た目だった
セイウチの牙のような爛れ髪、着物ようなシロクマの毛皮
下駄はペンギンの足のようだった
「サメ、クジラ、オオカミウオのグリード…シジカミ!」
シジカミは以前戦った仮面ライダーポセイドンを怪人化したような見た目で、似たような槍の武器を持っていた
5人の新たなグリードがゴウマの前に並ぶ
「グリードが…5人も!?」
「……マジ…ないわ…」
「……ふはは…ふははははは…ハハハハハハハハハ!」
ゴウマの高らかな笑い声だけが、そこに響いた
次回
第9章「本当のダチとは何か」