もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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第七話 Wの契約/恐怖との邂逅

 

無事に大道マリアを説得(恫喝?)出来た無名は、当初の目的であったガイアドライバーの量産と改良に着手した。

だが、結論から言うと無理だった。

"生体フィルター"の改良までは上手く行ったのだが、ドライバーの開発に難航し数ヶ月間、手詰まりの状況が続いていた。

 

(そう言えばシュラウドはWに関連するほぼ全てのアイテムを作り出したんだっけ?

生半可な天才だとは思ってなかったけど....

大道マリアの手を借りてもまだ足りないかぁ。

せめて"ガイアドライバー"があれば研究が進むんだけど)

 

そんな開発の日々を送っていると琉兵衛から屋敷への招待状が研究室に届いた。

要件は書いてないが急いで来て欲しいらしい。

その事をマリアさんに伝えると...

「分かったわ。

こっちの研究は正直、私だけでは務まるとは思えない。

だから、貴方が帰ってくるまで少し別の実験をしたいのだけれど構わないかしら?」

「実験ですか?酵素以外に何をするんですか?」

 

「知ってると思うけどNEVERは傭兵としても活躍してて今、仕事が立て込んでいるのよ。

おかげでメンバーも皆、てんてこまいの状況。

だから、新しい"仲間"を増やすのよ。

克己も新しい仲間を欲していたしね。」

 

(これは丁度良いタイミングだな。)

 

無名は机から資料を取り出しマリアに渡す。

「これは?」

「近日、死ぬ可能性のある人間のリストです。

ミュージアム経由で手に入れたので信頼できます。

どうせ仲間にするなら能力が高い者の方が良いでしょう?」

原作と違う結果が次々と起こっているこの世界で備えておいた布石を取り出す。

勿論、この中には羽原レイカのデータも入っている。

 

「貴方の言う事だから信用した方が良さそうね。

ありがたく受けとるわ。」

「そう言えば、克己さんは?」

「貴方にやられてから各地の紛争に参加して強くなろうとしてるわ。

ドーパントの強さが相当、衝撃的だったのでしょうね。」

 

そんな会話が終わりマリアさんと別れると僕は研究用の服から上等なスーツに着替えると園咲家の屋敷へと向かうのだった。

 

 

 

屋敷につくと、獅子神とサラが先についていた。

サラは僕に手を降り獅子神は露骨に不機嫌な顔になる。

サラが僕に近寄り話し掛ける。

 

「久し振りね無名。

屋敷に殆ど来なくなったって聞いたけど何してたの?」

「ちょっと研究に忙しくてね。

ミュージアムの施設にほぼ缶詰めだったんだ。」

 

「それは大変ね。

けど、聞いたわよNEVERの事、それに"生体フィルター"の改良についてもね。」

「前のコネクタと比べて毒素を50%もカット出来てしかも任意で消すことも出来るようにしたらしいじゃない。」

 

ガイアドライバー製作の副産物ではあるが大道マリアのお陰で生体フィルターの改良が成功した。

メモリの毒素を50%までカットし性能はそのまま、

そしてメモリを刺す時だけコネクターが出現するようにも改良できた。(原作後半のコネクターに毒素半分カットが付いた仕様)

この事はどうやらミュージアム内でも噂になっているらしく部下の研究者づてで話を聞いていた。

 

「それに"テスター"だったかしら?

ガイアメモリの"実験用素体"あれも人気みたいね。」

テスターは再生酵素が出来た時、にナノマシンの比率を弄って作り上げた僕の最新の研究成果だ。

ガイアメモリのテスト用に毒素を測る装置を取り付けた死体で、酵素を打ち込むことで命令に合わせた行動を行わせられる。

因みに犠牲になった遺体は再生酵素実験の際にNEVERに殺害された研究者だ。

どうせ捨てるなら有効活用しようと決めて、テスターを作り上げた。

 

倫理観に反してると言われるかもしれないが僕個人に正義感も倫理観も希薄だ。

救いたいものが救えれば他はどうでも良い。

因みにNEVERのメンバーは僕が救いたいと思っていた人達だったのであんな脅しはしたが本当に殺すつもりはない。(まぁ、元々死んでいるけど)

 

しかし、この精神状態がメモリの副作用からなのかそれとも元からなのか全く分からない。

知りたいとも思ってはいないが...

 

そんな風にサラと談笑していると、この場に園咲 琉兵衛と執事の師上院が現れる。

「よく集まってくれた。

ミュージアムの誇る若き才能達よ。」

「今回来て貰ったのは他でもない。

君達、三人の功績は聞き及んでいる。

充分な実績を積んだ君達を正式に"幹部"として迎え入れようと思う。」

 

ミュージアムの幹部、それの意味する所は園咲家の家族と同等の地位を得ると言う事.....

だが、家族至上主義な園咲 琉兵衛がそんな簡単に幹部として僕達を認めることに違和感を覚えた。

しかし、サラと獅子神はその話を聞いて喜んでいる。

特に獅子神なんて琉兵衛の見る目が歓喜で輝いていた。

 

「幹部となるにあたって君達に私の"本当の目的"を伝えよう。」

琉兵衛は手に持っていたガイアドライバーを腰に付けると右手に持ったゴールドメモリを起動する。

 

Terror(テラー)

 

腰のガイアドライバーに恐怖の記憶を司るガイアメモリが装填される。

琉兵衛の周りに恐怖をエネルギー化した粘着質な黒いエネルギーが現れる。

周りの空気が冷え、意識が変わる。

獅子神もサラもその恐怖に呑まれて顔が歪む。

黒い身体に青色の独特な装飾がなされた頭、

そしてそこから靡く裏地が金色の黒いマント。

テレビの中で見た園咲 琉兵衛のドーパント体である。

"テラードーパント"が目の前に立っていた。

 

そして、告げる。

自分の目的である"ガイアインパクト"について....

 

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