「お兄ちゃん!」
雪絵は兄を見つけると駆け寄り声をかける。
だが、その声に反応することはない。
「残念ですが....彼の意識はまだ戻らないでしょう。
ガイアメモリの毒素とダメージを完全に抜くまでには時間がかかりますから」
「毒素?.....兄は一体何故こんな姿に?」
「ガイアメモリのせいですね。
毒素に身体が耐えきれ無かった。
今、霧彦さんを繋いでいるチューブを通してガイアメモリの毒素を中和しているわけです。」
「そんな........」
「雪絵さん、貴女にはここでお兄さんが目覚める手伝いをして欲しいと思っています。」
「私は....」
「復讐をしたいですか?お兄さんをこの姿にした相手に」
「....正直、分からない。
まだ貴方を信用出来てないのもあるしね。
"人は自分に利益のあることにしか手を貸さない"
私達が二人だけで生きてきて理解した現実よ。
だからこそ、貴女に何の見返りも無いのに私の兄を救おうとするその行動を信用できないの。」
「成る程、実に正しい論理だ。
そんなにその答えが知りたいのなら方法はありますよ。
僕と同じ組織に属すれば良い。
だが、そうなったら最後、貴女は利用し尽くされて殺されるでしょう。
僕はそれを望んでいない。
せめて、貴女の兄を救おうとしている事だけは信じてください。
お願いします。」
僕は雪絵に頭を下げた。
それを見て雪絵は笑う。
「ふふ!私の事を死ぬかもしれないと脅した後にそんな風に頭を下げられるなんて....不思議な気持ちね。
良いわ...暫くこの孤島で貴方の行動を見させて貰う。
それからどうするか決めるわ。
兄が目覚めるのを待ちながら復讐をするかしないかを....」
「ありがとうございます雪絵さん。」
「所で貴方って若く見えるけど幾つなの?」
「年齢ですか....戸籍として登録されている年齢では20ですよ。」
「何その言い方?」
「嘘かと思うかもしれませんが記憶喪失なんですよ僕。」
「本当に嘘臭いわね。」
こうして孤島で生活することになった雪絵は無名について知ろうとあれこれ質問を始めるのだった。
その頃、鳴海探偵事務所では新たな依頼人から話を聞いていた。
「
依頼人の名前は
話を聞くとある日、"風都新聞の記者"を名乗る新田がとある写真が入った封筒を送ってきた。
「これがその封筒だが、くれぐれも中身を口外するのは止めて貰おう。でないとそちらを訴えることになる。」
そう角谷が脅すと封筒を翔太郎に渡した。
中に入っていたのは少年達がスーパーの物を万引きする所が写っていた写真だった。
「何じゃこりゃ?単なる悪ガキの写真じゃねーか?」
「.....新田の要求はここに写っている子供の名前と住所を公開することらしい。
しない場合、この写真をマスコミにリークすると言っている。」
「これの何処がアンタを脅すのに有効なもんなんだ?
ただの悪ガキの証拠写真にしか見えないんだが....」
すると、角谷が金髪の少年に指を指した。
「この子は私の息子である
恐らく、私を脅すためにこの写真を持ってきたのだろう。
この事件の実行犯はもう捕まっている。終わった事件だ。
それにも関わらず蒸し返されるのはこちらとしても困るんだ。
報酬は300万出そう。」
「「さっ...300万!?」」
その額に翔太郎と亜樹子は両方とも驚く。
「受けさせていただきます!」
亜樹子が即決で依頼を受ける。
「おい!亜樹子何を勝手に....」
「私はこの事務所の所長よ!
お任せくださいこの新田って男を調べてご報告させていただきます。」
「そうか....では頼んだぞ。」
そう言うと角谷は事務所を出ていった。
そうして依頼人が出ていくと亜樹子はフィリップを呼び出して検索を開始させる。
文句を言いそうな所をスリッパを取り出して黙らせながら。
「......はぁ、検索を始めよう。
知りたい項目とキーワードは?」
フィリップが地球の本棚に入りそう尋ねると翔太郎が言った。
「知りたい情報は新田の居場所....それとこの事件についても調べてくれ。」
「分かった....先ずは新田の方から行こうキーワードは?」
「新田当麻....風都新聞」
「.....ある程度は絞れたがまだ足りないな。
何か特徴的な事がらは無いのかい?」
「そう言われてもなぁ....」
翔太郎と亜樹子の二人で写真とにらめっこをしていると亜樹子があることに気づく。
「あれ?このスーパー"ここの近くにあるスーパー"じゃない?」
「本当だ....だが不思議だな彼処は平地で高い建物なんて無い筈なのに上からの画角で撮影されてる.....!
フィリップ、キーワード追加..."高い柱"だ。」
するとフィリップの本棚が検索により整理されて一冊の本が現れた。
「ビンゴだ翔太郎。
新田当麻は"ボルダリング"が趣味なようで写真を撮影する際も通常は登れない場所から写真を撮影してスクープを得る方法をとっているらしい。
彼の行きつけのボルダリングの店がこの近くにあるようだ。」
フィリップがホワイトボードに住所を書く。
「よし、俺はそこに行ってみるわ。
フィリップはその万引き事件について調べてくれ。」
「分かった。」
そう言うと二人はそれぞれの行動を開始するのだった。
フィリップは写真を手がかりに事件の検索を始めた。
そして、出て来た情報を一つ一つ精査していく。
「成る程、角谷 尊は受験のストレスを発散させるために同級生の誘いにのって万引きをした。
そして、警察にその事がバレると、万引きを主導した主犯"
遺書も残っており現場に不思議な痕や痕跡が無かった為、このまま捜査を終了し共犯者である角谷 尊は厳重注意で済んだ。」
だが、ここでフィリップは一つの違和感を覚える。
「何故、野口 奏多は自殺する必要があったのだろう?」
自殺するにしては動機が弱く感じたフィリップは、事件を一から調べ直し始めた。
翔太郎は店に到着すると従業員に聞き込みを始めていた。
そこで、刃野さん達と遭遇した。
「あれ?刃さんどうしてここにいるんすか?」
「おっ?翔太郎、お前は相変わらず鼻が利くな。」
「それにしても珍しいっすね刃さんが一人で捜査してるなんて、マッキーはどうしたんすか?」
「....これはオフレコで頼みたいんだが実は今、風都や水音町、天ノ川地区って言った主要都市を対象にガイアメモリを販売してる組織を追ってるんだ。
どうやら、ここに来てた客の新田がその組織を調べてたみたいでな
事情聴取するために探してんだよ。
照井警視と真倉は今、水音町で捜査をしてるから風都は俺がやってるって事な。」
「随分と壮大な話っすね。」
「まぁな、だから翔太郎お前も何か分かったら...」
そう言いかけた瞬間、外から叫び声が聞こえて二人は外に出た。
そこには建物から青年をぶら下げているドーパントがいた。
「クッソ!こんな時にドーパントかよ!」
「おいっ!お前!その青年を離しなさい!」
刃野がマッサージ器具をドーパントに向けながら言う。
「邪魔をするな。コイツには真実を話す義務があるんだ....
さぁ、話して貰おう"野口奏多を殺した"のは一体誰なのか?」
「言っ.....言えねぇよ言ったら殺されちまう!」
「なら、ここで死ぬだけだ!」
そう言うとドーパントはぶら下げていた紐を切ると青年を地面へと突き落とした。
しかし、青年は地面に激突する前にWに変身した翔太郎に助けられた。
「っとお!ギリギリセーフだな。」
「お前は....仮面ライダーか!
俺の正義の邪魔をするな!」
「あん?正義だって?子供を地面に落として殺そうとする事の何処が正義なんだよ!」
「コイツらは罪を犯している。
俺はそれを白日の元に暴き出す!」
そう言うとドーパントがWに殴りかかってきた。
それをかわすとお返しとばかりに頭部を殴り返すが、
その衝撃で頭部を繋ぐ首があり得ない長さまで伸びる。そして、ドーパントは頭部を戻すと再び伸ばした頭をWの胸へと叩き込んだ。
衝撃によりWが吹き飛ばされる。
「痛ってぇなぁ!....何だよこのドーパント。」
『恐らく、敵のメモリは"ゴム"だろう。
打撃だと相性が悪い...ここはこうしよう。』
フィリップはそう言うとメモリを変える。
「CYCLONE,METAL」
そしてメタルシャフトにスタッグフォンをつけるとスタッグフォン側にメモリを装填した。
「CYCLONE MAXIMUMDRIVE」
するとスタッグから緑色の風が発生しメタルシャフトにさすまたのような風の刃が生成される。
『スタッグフォンを使った応用で作り出した風の刃だ。斬撃ならこのドーパントにも有効な筈だ。』
「おっし!なら、試してみっかぁ!」
そう言うとWは刃の生成されたメタルシャフトで斬りかかる。
それをドーパントは身体から生成した壁で防ごうとするが簡単には切り裂かれてしまった。
「分が悪いな....コイツから情報を引き出せないならここに用はない。俺は逃げる。」
そう言うとドーパントは腕から紐を出すと建物につけながらターザンのように紐を掴んで離れていった。
「あっ!待てコラッ!」
『待ちたまえ翔太郎。
今はそこで倒れている青年に話を聞きたい。』
珍しくフィリップが言った提案に翔太郎は従う。
『君は角谷尊と野口奏多の同級生だった子だね?
君に質問があるのだが......』
『野口奏多を殺したのは一体誰なんだい?』
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