「フィリップどう言うことだ?」
助けた青年に対してフィリップが告げた言葉に翔太郎が尋ねる。
『この事件について調べた結果、野口奏多は自殺ではない可能性が出て来た。
そして、彼を殺したのは万引きをしていたメンバーの誰かなのも分かったんだ。
恐らく、あのドーパントもその犯人を調べるために行動していたんだろう。』
その言葉を聞いていた青年は項垂れた。
「何でだよ....何で仮面ライダーまでそんなにこの事件を気にしてんだよ!
悪いのは全部野口なんだ!そう"決まってん"だよ!」
『決まってる....そう言うってことはやっぱりこの事件には裏があるんだね。
そう言えばこの事件を調べている最中に、面白いことが分かったんだ。
野口が死ぬ前から君達が遊んでいた場所で不思議な事件が何度も報告されていた。
"ガードレールが潰されたり"、"コンクリートの壁が割られたりね"。
それに.....同じ学年の子が事故で亡くなったよね。』
そこまで話すと翔太郎もフィリップが何を言いたいのか分かった。
「おいフィリップ....まさか」
『あぁ、君達のグループの誰かがガイアメモリを持っている....そしてメモリ犯罪を誤魔化すために野口奏多を犯人に仕立て上げて殺した....それが僕の結論だ。』
照井と真倉は水音町の警察署に赴くとガイアメモリ犯罪に関わる情報を調べ上げていた。
「風都以外にもここまでガイアメモリが普及されているとは.....」
その量に照井は驚きを隠しきれないでいた。
「噂じゃ政界の人や上流階級って呼ばれる人達にもガイアメモリが回ってるって話ですからね。
各署で捜査してるみたいなんですが....進みが遅いって同僚が嘆いてましたよ。」
そう真倉が現状を語った。
水音町には現在、ガイアメモリを流通させている組織が二つあるらしい。
元々は一つだったのだが....最近になって増えたそうだ。
しかし、どれもこれも噂レベルの話しか無く物的証拠は皆無であった。
一つは天ノ川地区でも話題となった"セブンス"と呼ばれる組織だ。
獅子神家の者が関わっている可能性があるが詳しいことを捜査することは禁止されている。
もう一つが水音町で噂になっているパーティーを指揮している組織"ナイトタイム"。
上流階級の者ばかり集めてガイアメモリの取引を行っているらしい。
しかし、こちらも情報が少なくそもそも何処でそんな取引を行われているかも分からなかった。
(やはり、あまり有益な情報はないか。
仕方がない...ここで集めた情報をフィリップに伝えるか)
そんな事を考えているとフィリップから連絡が来た。
「どうしたフィリップ。」
「実は至急調べて欲しいことがあるんだ。
新田のことは刃野刑事から聞いているだろう?」
「ガイアメモリの流通に関して調べていた記者だったか。」
「あぁ、それに関連して調べて欲しいのは....」
フィリップからの用件を聞くと照井は快諾した。
「分かった、それとこちらも情報を送るから検索して何か分かったら教えてくれ。」
「勿論だ。」
そして電話を切るとフィリップに言われたことを調べ始めるのだった。
助けた青年を刄野刑事に任せると翔太郎は探偵事務所へと帰った。
「おかえり翔太郎。」
「あぁ、それじゃあフィリップ。お前の推理を聞かせて貰えるか?」
「あぁ、事の始まりは万引きをしたグループのリーダーがガイアメモリを手に入れたことから始まったんだと思う。
その人物はガイアメモリの力を使っていろんな事件を起こした。
本人としては遊びの一環だったんだろうがそれも一人の生徒を殺してしまった事で話が変わってしまう。」
「そして、その事実を見たか知った野口はそれを警察に話そうとしたんじゃないだろうか。
それを良しとしなかったリーダーがメモリの力を使って野口を殺害....そして万引きした事実を公にして罪を全てを死んだ野口に被せて葬った。
これが僕の推理だ翔太郎。」
「そんな.....酷い。」
亜樹子はそう言葉を漏らす。
「残虐な方法だ.....とても同じ人間が考えたとは思えない程のね。」
そう評したフィリップの推理に翔太郎は異議を唱えた。
「なぁ、フィリップ本当にそれだけか?
それが本当に事件の答えなのか?」
「どう言うことだい?翔太郎。」
「俺にはまだこの事件には裏があると思ってるんだ。
聞くがお前はそのメモリを使っているリーダーは誰だと思うんだ?」
「十中八九、角谷尊だろうね。
彼には父親のコネクションもある....それにガイアメモリを購入するとしたらお金がかかる。写真に写っていたメンバーの中では彼が一番犯人として濃厚だ。」
「そこは俺も否定しねぇ....俺が気になってるのは万引きの情報とメモリによる殺害の順番だ。
殺害してから万引きの情報をリークしたとお前は言ったが、それだとどうして写真を撮影した新田はなぜタイミング良く写真を流せたんだ?」
「確かに....不自然よね。」
亜樹子も俺の意見に同意した。
「だが、翔太郎の言う通りだとするとそれこそ順序がおかしくなる。
写真を撮らせてから殺すなんて....」
「いや、俺が考えているのはもっと悪どい事だ。
考えてみてくれ、何で父親である角谷誠司は俺達に依頼をしてきたんだ?
俺達が"得意としている事件"....ここまで言えば分かるんじゃねぇか?」
「......まさか!」
翔太郎の考えに気づいたフィリップは驚愕する。
もしその通りだとすればこの事件は悪辣極まりない物だと思ったからだ。
「兎に角、確かめてみようぜ....フィリップ。」
そう言うと翔太郎は帽子を深くかぶり事務所を出る。
隠された顔には怒りを覗かせながら......
Another side
キメラメモリの実験の際にばら蒔いた20本のメモリ。
その中でもキメラに食われず回収を免れたメモリが三本残っていた。
「ゴムメモリ、トレインメモリ、それとヒーローメモリか.....」
その報告を師上院から受けた琉兵衛はどうするべきか思案していた。
「お望みでしたら幹部に命じてメモリを回収させますが...」
「いや、その必要はない。
三本のメモリには発信器が搭載されているのだろう?
今は何処にあるのかね?」
「三本共、何者かが拾ったらしく使用した痕跡も確認できました。」
「丁度良いならばメモリの稼働実験とデータ収集を行おう。
冴子にそう指示しておいてくれ。」
「承知致しました琉兵衛様。」
そう言うと師上院は部屋を出ていった。
あの一件で井坂君は園咲邸を離れて別の場所へ行ってしまった。
強化コネクターが相当気に入っていたのだろう。
それを言われた冴子が悲しい顔をしていたのが気になるが今はその事はどうでもいい。
重要なのは紛失したクリスタルサーバーの代わりを早急に見つけ出すことだ。
あれを使い若菜を進化させる計画だったが....それも水泡にきしてしまった。
残る選択肢はエクストリームに覚醒したWから採取すると言うものだが、一筋縄では行かないだろう。
何か方法を考えねばならない。
どんな犠牲を払おうとも......
琉兵衛はそう決心すると計画に使える人材を探し始めるのだった。
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