もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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第百三話 暴かれたV/怒りの矛先

角谷製菓の本社で仕事をしていた角谷尊は一服するために外に出ていた。

そこにゴムドーパントが現れるとメモリを抜いた。

すると新田当麻へと戻った。

 

「見つけたぞ角谷尊....漸く姿を見せてくれたな。」

その言葉に対して尊は笑いながら答える。

「お前こそノコノコとこの場に現れるとはな。仮面ライダーにも狙われているってのに呑気なもんだな。」

「黙れ!....俺は正義を遂行するんだ!

お前の罪を白日の元に晒すことでな!」

 

「はっ!何が罪だ!

お前も荷担していた癖に良く言うぜ!」

「お前が俺を騙したんだろうが!」

「仮にもジャーナリストなら疑うことを覚えろよ。

まぁでも助かったぜ....お前があの写真を撮ってマスコミに流してくれたお陰で俺はこうして悠々自適に生活できている訳だからな。」

 

「お前は許さない....」

新田はそう言うとメモリを起動する。

Gum(ゴム)

メモリを掌に挿すとゴムドーパントへと変身が完了した。

しかし、そのタイミングでWが二人の前に立ち塞がった。

「お前は.....」

「たっ...助けてください仮面ライダー!あの怪物が僕を殺そうとしてくるんです!」

 

「.....下がってろ。」

尊が下がるとWがゴムドーパントを見据えた。

『「さぁ....お前の罪を数えろ。」』

「罪?....俺にそんなものはない!」

ゴムドーパントはそう言ってWに向かっていく。

Wは挿しているメモリを素早く交換する。

「HEAT,METAL」

ゴムドーパントの飛ばしてきた粘着性のゴムをヒートの熱で溶かすとスタッグフォンを装填しゴムドーパントに近付くと身体を上空にかち上げた。

空を飛ぶゴムドーパントに目を向けながらヒートメモリを装填する。

 

「HEAT MAXIMUMDRIVE」

 

『「HEAT HUNGBURN(ヒートハングバーン)」』

 

メタルシャフトの先端に鍬形に形成された炎の刃が生み出されると落下するゴムドーパントの胴体を挟みそのまま地面に倒した。

マキシマムによりメモリが砕けると新田の姿が現れる。

目には隈が現れており、そのまま意識を失ってしまった。

 

「あっ、ありがとう仮面ライダー!貴方のお陰で私は...」

そう言って近付こうとする尊にメタルシャフトを向けた。

「下らねぇ小芝居は止めろ。

もう全部分かってんだよ。

テメェら"親子"が考えた計画はな....」

 

するとWは新田を利用して野口殺害の罪を逃れたことや、その手口を説明し始めた。

 

「そもそも、順序が違ってたんだ。

万引き事件の写真を新田に撮らせた後、お前は野口を殺した。

恐らく、その事を知った新田はキレたんじゃねぇか?

"自分の正義を利用した"とか言って....

だが、メモリを持っていてかつ大企業の御曹司を相手に出来る程のネタが無かった新田には復讐する手段がなかった。

だが、新田はメモリを手に入れて事件の関係者を襲って真実を公表しようと動き始めた。

 

それを知ったお前は親父に頼んで鳴海探偵事務所に依頼を出させた。

ガイアメモリの事件を専門に取り扱っているって噂を聞いたんだろ。

だからこそ、そいつらを関わらせれば何とかなると考えたんだ。

違うか...角谷尊。」

 

 

「へぇ....凄いねぇ探偵顔負けの推理じゃん!

ビックリしちゃったよ!」

そう言って尊は笑う。

「一つ聞かせろ....どうして野口奏多を殺した?

万引き事件の写真を撮らせてリークしたのなら殺す理由は無かった筈だろ。

それとも余計なことを喋ると困るから殺したのか?」

 

「全然違うよ!あの女を殺す時に邪魔したんだよ奏多がね。

だから、罪被せて殺してやったわけwww」

『あの女....まさか同級生を殺したのも事故じゃなかったのか?』

「当たり前じゃん!あのクソアマ俺を親の脛齧ってるボンボンだってバカにしたんだぜ?

死んで当然だろ....でも奏多がそれを邪魔しようとしたんだよ。

"いくらなんでもやりすぎだ"とか言ってな。

だから決めたんだよ。奏多も殺して罪を全部被って貰おうってなwww」

『.....狂ってる。まるで悪魔だ。』

 

「悪魔?....ちげぇよ、俺はなコイツらみたいな庶民とは違うんだよ!」

「.....もう良い。お前の事は十分に分かったぜ。

テメェみてえな"性根が根本から腐ってる"奴には何を言っても無駄だ。」

「あ?何調子こいた事言ってんだよ?

ムカつくんだよ正義の味方気取りやがって!」

尊は懐からメモリを取り出すと起動する。

 

Violence(バイオレンス)

 

メモリを挿すと尊はバイオレンスドーパントへと変身した。

「フィリップ....サイクロンジョーカーで行くぞ。」

『しかし....分かった。』

フィリップは翔太郎の言葉に従いメモリを交換する。

「CYCLONE,JOKER」

サイクロンジョーカーへと変身が完了するがジョーカー側のボディから紫色の火花が上がる。

 

「姿が変わったからってどうなんだよぉ!」

尊が鉄球のついたバイオレンスの拳で殴りにかかる。

それを左手で簡単に止めた。

「何っ?」

「なら、試してみろよクソガキ...言っとくが今の俺はな」

 

 

 

 

メチャクチャキレてんだよ!

 

そのままWは受け止めた手を投げるように払うと左腕で尊をぶん殴った。

あまりの威力にバイオレンスドーパントの身体が吹き飛ばされる。

Wは尊を追いかけて追撃する。

その強さに尊は全く反撃できず、殴られ蹴られ続けていた。

そして、その強さに共に変身しているフィリップも驚く。

(僕がジョーカーの力を抑えるのに精一杯になるなんて....)

確かにこれだけの力が発揮されるなら、他のメモリではバランスが悪くなっていた。お互いに一番相性の良いサイクロンジョーカーで無ければコントロール出来なかっただろう。

 

 

ジョーカーメモリ、切り札の記憶を内包したメモリであり、変身者の感情に左右されて強くも弱くもなる不思議なメモリだ。

今の翔太郎は過去最高にキレていた。

彼は鳴海荘吉から受けた教えを忠実に守っている。

"罪は憎んでも人は憎まない"....この教えがあるからこそ翔太郎は犯人に対してもある程度、冷静に対応できた訳だ。

 

そしてそれはジョーカーメモリの力を抑えてしまう要因となっていたのだが、尊に関して感じた翔太郎の怒りはその教えを忘れてしまいそうに成る程、強いものだった。

だからこそ、ジョーカーメモリも反応し力が強くなったのだ。

しかし、フィリップはこの状態を良いとは思えなかった。

(このままだと僕の知る翔太郎でいられなくなる。)

直感的に感じた思い従いフィリップは早くこの戦いに決着をつけようとジョーカーメモリを抜き取るとマキシマムスロットに装填した。

その行動に翔太郎も驚く。

 

「どうしたフィリップ?」

『いや....さっさとメモリブレイクしてしまおう。

こんな奴の顔なんてもう見たくない。』

「まぁ、それもそうだな。

分かったぜフィリップ。」

咄嗟についてしまった嘘を信じた翔太郎は、倒れている尊に向かって飛び上がると必殺のキックをお見舞いした。

 

「JOKER EXTREAM」

 

キックが直撃した尊の身体からメモリが排出されると砕けて元の人間の姿へと戻った。

「ぐっ....痛えなぁ....」

「まともに喋れるってことは....新型コネクターで変身してたって訳か。」

『詳しい取り調べは警察の仕事だ。

刃野刑事に連絡しておこう。』

そう言って携帯を取り出すWを尊は嘲笑う。

 

「あははは....俺が警察に捕まる?本気でそう思ってんのか?....あはははは」

「テメェ...何がおかしい?」

「お前らはこの世界の仕組みを知らなすぎるんだよwww

特別に教えてやるよ....俺はお前ら庶民とは違うってことをな...」

 

その言葉に翔太郎は拳を握りこむ。

ドーパントのままだったら確実に殴っていただろう。

『翔太郎....コイツと喋るのは時間の無駄だ。』

フィリップがそう言うと尊の言動を無視して刃野刑事が来るのを待つのであった。

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