「おい!あぶねぇぞ!」
Wの声を無視するように歌恋が周りを見ながら言った。
「お父さん!お父さんなのね?
私よ!お願い姿を現して!」
「父?一体どう言うことだ?」
アクセルが立ち上がって歌恋に近付こうとするとまた謎の力により吹き飛ばされた。
「止めてお父さん!お願い!」
『うっ.....カレ...ン...逃げる...んだ...』
そう声が聞こえると謎の攻撃が止んだ。
「どう言うことだ?」
『恐らくこの場から消えたんだろう。
それにしても一体どんな能力なんだ?』
残ったのはWとアクセル、そして呆然としながら周りを見る歌恋だけだった。
「あの時助けてくれたのは....
歌恋は風都署で照井達に自分の事情を説明していた。
「あれは久し振りにお休みを貰って父と一緒に風都でぶらついていた時だったんです。
刑務所の脱走事件に巻き込まれて....」
(真島の一件か....)
「そこで囚人と黒服の集団を見てしまったんです。」
歌恋と正幸は安全な場所へ向かおうと隠れながら移動していた。
そこで、偶然に囚人の一人と鉢合わせてしまう。
「あ?テメェら」
そこで正幸が娘を守るために囚人に組み付いた。
「お父さん!」
「歌恋!走れぇ!」
その言葉に従って私は逃げました。
そして、息を整えると黒いバンを見かけて助けを求めようとノックした。
「助けてください!お父さんが私を守るために!」
窓が開くと、中からオールバックで黒服を来た集団が出てきた。
その内の一人が中にいる人物に声をかけた。
「おじき....女がここに来たようですがどうしましょう?」
「此処の場所を喋られると面倒だ....殺れ。」
「へい。
お前らその女を
私はその言葉を聞いて恐怖により足がすくんでしまい地面に座ってしまいました。
そうして近付いてくる黒服の前に父が現れたんです。
身体は傷だらけで囚人と一悶着あったのが分かりました。
「むっ....娘に手を出すなぁ!」
「全く、次から次へと」
黒服の一人がそう言って父を睨み付けていました。
そんな父が手に持っていた物を黒服に見えるように出しました。
「なっ!何でテメェがメモリを持ってやがる?」
「娘は傷つけさせない!」
「
父はメモリを身体に挿して怪物に変身すると車ごとその場から消えたんです。
そして、助かった私はマネージャーに連絡して保護され、警察にも事情を説明したんですが結局今の今まで父の行方は分からないままでした。
この話を照井が通話状態にしていた携帯から聞いた翔太郎とフィリップ、亜樹子の三人は顔を曇らせる。
「あの事件の裏でそんな事が起きてたなんて....」
「フィリップ、お前はどう思う?」
翔太郎の問いにフィリップが答える。
「恐らく、囚人から奪ったメモリで金本正幸は変身したんだろう。
あの事件ではコネクター手術の必要がない様に改造されたメモリが使われていたからね。
誰でも使用できた筈だ。
そして、今日襲ってきた謎の敵も正幸氏で間違いないと思う。」
「話を聞きながらメモリの検索をした。
"トレインメモリ"にはここではない別の空間を移動する力があり、そこから現実世界に戻る能力も備えている。
攻撃する瞬間だけ戻っていたから敵の位置や攻撃方法が分からなかったんだ。」
「じゃあ、俺達を襲った原因は何なんだ?
歌恋ちゃんに手を出すように見えたとかか?」
「それは無いと思う。
もしかしたら、何かしらのトラブルが彼に起こっている可能性がある。
引き続き検索するよ。」
そう言うとフィリップは自室へと戻り翔太郎はメールで照井に状況を説明すると通話を切った。
メールを見終わり話を聞き終わった照井は歌恋を部下に任せて部屋を出ると、入り口で揉めている集団を見つけた。
「あの
あの女こそ犯人じゃないのか!」
「そうよそうよ。さっさと逮捕してよ!」
どうやら、あの会場に参加していた人達の中で歌恋の事を怪しんだ者達がその事を言うために警察署に来たらしい。
(やれやれ....面倒だがこのまま放置しておく訳には行かないな。)
そう言ってその集団に照井が向かおうとするとその集団に声をかける人物がいた。
「全く、論理的でない主張だな。」
この言葉を受けて集団はその人物を見る。
そこにはタブレットを持ちメガネをかけた男性がいた。
「そもそも、君達や私を襲ったのは怪物の集団だ。
そしてその怪物達は彼女を狙っていた。
以上の点から彼女を犯人と断定して動くは論理的に破綻している。
犯罪とは目的を遂行するために行う手段だ。
そして、警察はその犯罪を調査し解明するプロフェッショナル....君達の様な素人の意見が通ることは無い。」
「なっ....何だと!」
「もう一つ付け加えるなら犯罪を犯していると言うのなら彼女より君達の方が適切じゃないかね?
事情聴取の為に待っていて暇だったから、君達と過去の事件を照らし合わせてみた。
何件か怪しい項目がヒットしたよ....その事を今刑事さんに確認して貰っている。」
そう言ってタブレットを見せられるとさっきまで吠えていた集団は血の気を引かせて黙ってしまう。
「どうした?顔色が悪いようだが....もう少しで刑事さんが来てくれるから、そこでさっきみたいに喚いても良いんだぞ?」
その集団は男性の言葉を聞くと皆、散り散りとなりその場を後にした。
そこに照井が現れる。
「失礼、貴方は一体?」
「超常犯罪捜査科室長の照井警視ですね?
こうしてお会いするのは始めてですが、私も捜査に関わる仕事をしているんですよ。」
そう言うと男性は懐から名刺を取り出す。
そこには"風都大学教授" "
「風都大学の教授ですか。」
「えぇ、良くこちらの署で捜査協力をしています。
私の専攻が犯罪心理学ですので.....」
「成る程、と言うことは私の部署に関することも?」
「えぇ、ガイアメモリの事は存じていますよ。
この街に住んだら否が応でも目にする事件ですから」
「参考までにお聞きしたいのですが赤矢教授は今回の事件をどう考えますか?」
「そうですね。
歌恋さんが狙われたのには何か別の理由があると思います。
歌恋さんの命を狙うのなら博物館ではなくもっと人も少なく確実性の高い場所を狙うべきです。
それをしなかったと言うことは.....」
「囮と言うことですか?」
「えぇ、その可能性が高いと思います。
彼女を守って逃げたドーパントこそ....」
「真犯人の本当の目的です。」
Another side
「おじき....申し訳ありません。」
そう言って黒服の男は地面に頭を擦り付けている。
頭を下げさせている"おじき"と呼ばれる男はタバコに火をつける。
「まさか、仮面ライダーが出張ってくるなんて.....
この借りは必ず返します。
ですのでもう一度チャンスを...」
「お前、何か勘違いをしてねぇか?
俺は別に仮面ライダーに敗れた事について咎めるつもりはねぇよ。」
「え?」
「俺達の世界は確かに面子を大事にする。
仮にも代紋を掲げているからな。
お前らを送り出すときも証拠になりそうな者は持たせなかった。」
「俺がお前達を送り出したのはあの男からアタッシュケースを取り返すこと....それだけが目的だった。
あのアタッシュケースには俺達よりももっと上の立場の連中が使う物が入っている。
万が一奪われたことが奴等にバレたら俺達は組織ごと消されるだろう。
だからこそ、仮面ライダーが出張って来たのなら潔く撤退すれば良かった。」
「だが、まぁそれは良いだろう。
まだ巻き返しが聞く...」
「おじき、ありがとうございます。
この恩は....」
「だが、お前は"取り返しのつかないミス"を犯した。」
「お前はコックローチメモリの販売価格を知ってるか?」
「いっ....いえ」
「"一本500万"だ。
あのランクのメモリでさえこの値段になる。
後はアノマロカリスとアームズ、それにお前が使ってたドッグもあったか....」
「おっ....おじき?」
「アノマロカリスは"850万"、アームズは"1200万"、ドッグは"1650万"だったか?
つまりお前は"4200万"の金をドブに捨てたわけだ。
この落とし前はどうつける?
お前のポケットマネーじゃ到底払いきれない金額だ。」
「人は安く買える....だがメモリは別だ。
これの価値はお前らの命よりも重い。」
「おっ....おじ!」
「だからこれは"損切り"だ。
これ以上の出費を抑えるためのな。」
黒服の男は突如、出現した穴に落ちていく。
そして、穴を閉じるとおじきは携帯を取り出した。
「俺だ....兵隊を集められるだけ集めろ。
この際だあのメモリの実験とアタッシュケースの確保、両方やらせて貰おう。」
そう言うとおじきは身体から抜いた"H"のイニシャルが書かれたメモリを眺めるのだった。
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