もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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T2メモリの捜索をしていた照井は風都タワーが占拠されたと言う報告を受けて現場へ急行した。固くと座された入り口に入ろうとするのを銃器を持った男が阻止している。

「むっ....無駄な抵抗はっ...やっ...やめろぉぉ!」
刃野が拡声器を使って男に伝えるが男は銃を構えて発砲し拡声器に当てると壊してしまう。
「ひぇっ!たっ....退避ぃぃ!」
警察官は車の裏に隠れた。
それを遠目で確認していた。

「奴が犯人か」
そう言うと照井はドライバーを付けてアクセルへと変身した。
そしてバイクモードになると風都タワーの入り口まで到着した。
アクセルに男は銃を発砲するがエンジンブレードで回避されてしまった。
「無駄な抵抗は止めろ。」
アクセルがそう言うと男は銃器を捨てて手袋を外す。
そして懐から青いメモリを取り出すと起動した。

「TRIGGER」

「ゲームスタート」
そう言いメモリを投げると右手にメモリが吸い込まれてライフルを右手に携えたトリガードーパントへと変身した。


第百十七話 AtoZ/二つの炎

突如、緑の竜巻に巻き込まれたWは気が付くと風都タワーの屋上に立っていた。

「あん?ここは?」

『風都タワーの様だね。』

 

すると、緑の風が集まり緑色のドーパントへと姿を変えた。

『君は、もしかして"サイクロン"?』

その問いに答えること無くサイクロンドーパントは告げる。

「ここに風都タワーを占拠した犯人がいる.....

ここからは頼むわ..."仮面ライダー"。」

『あっ!待って!』

声は変えられていて分からなかったが、その特徴的な言い回しにフィリップは覚えがあり引き留めようとするも、緑色の竜巻に変わると消えてしまった。

 

「どうした?フィリップ。」

『.....いや何でもない。』

「しかし、どうする?

あのドーパントに連れてこられたが、もし奴の言うことが本当ならここに犯人がいるんだろ?」

『憶測でものを言うのは嫌いだが可能性がある以上、調べるべきだと思う。

行こう翔太郎。』

そう言うとWは風都タワーへと侵入するのだった。

 

 

 

Wが風都タワーに入る姿を見ながらサイクロンドーパントはメモリを抜いた。

抜くと身体が元に戻り大道マリアが姿を現した。

風都に到着してマリアはサイクロンメモリを見つけていたのだ。

無名に確認すると持っていた方が良いと言われたので持っていたがまさか、こんな風に役に立つとは思わなかった。

そうしてマリアは携帯を取ると無名へ連絡を取った。

「Wを風都タワーまで送ったわ。

これで克己と共闘できる筈よ。」

「ご苦労様です。

やはり敵はNEVERのクローンでしたか?」

 

「えぇ、連中クローンで作った個体を殺してNEVERの処置を施したみたい。

あのデータから見ても使われている酵素は改良前の記憶が無くなっていくタイプの物ね。」

「となると....実質NEVER対NEVERの戦いと言うわけですか。」

「そうね....そっちの進展は?」

「ミュージアムと財団がキースと交戦した際、謎の消滅をしたそうです。

メモリの能力によるものかはたまた本当に倒されたのかは不明です。

ですので警戒するようにとの報告です。

サラは事情を知って今、風都に戻っているそうです。

獅子神と他の幹部の皆様は風都タワーの占拠を受けて若菜様の救出に向かっています。」

 

「それにしても若菜様も不運ね。

折角のお祝い事なのに....」

「仕方ありません。彼女もミュージアムの幹部ですからある程度は立ち回れるでしょう....問題は克己さんのクローンについてです。」

「克己の....」

「何故、キースがNEVERを作り出そうと決めたのか?

僕なりに考えてみましたが答えはやっぱりエターナルメモリしか思い浮かびませんでした。」

孤島で克己は仮面ライダーエターナルに変身しクオークスの未来を変えた。

 

その力はWやアクセルにも決して負けるものではないと思っている。

「だが、エターナルのことは財団でも秘匿とされていたらしいです。

キースの立場でその詳細を知る事は出来なかった...となれば考えられる可能性は.....」

「"当事者"から話を聞いたしかありません。」

 

「当事者と言ってもクオークスのメンバーが裏切ったなんて聞いてないわ。」

「いるじゃないですか。

エターナルの力をその身に食らい、直接体感した人物が.....」

「.....まさか!?」

「どうやら、この事件は本格的に僕とNEVERへの復讐が目的なようです。

僕も直ぐに風都に向かいます。

これは僕達が解決しないといけない事件でもありますから.....」

 

 

 

風都タワーの屋上から中に入ると、内部に設営された会場に園咲若菜を含めた人質が纏められていた。

『どうやら、犯人によりここに集められているようだね。』

「何としても助けねぇと....」

すると、会場で座っていた"青いメッシュの入った男"が言った。

「おい、隠れてないで姿を現したらどうだ?」

「やべぇ、バレたか?」

『いやっ、違うみたいだ。』

 

その男の言葉に応じてWがいる場所の反対にある扉から会場に座る男と瓜二つの顔をした男が入ってきた。

「よぉ!....お前が俺のクローンか?

随分と辛気臭い顔をしてるな?」

「黙れ.....お前らのようなゾンビ兵士と同じ存在にさせられた俺達の苦しみなんてお前には分からない。」

 

「まぁ、理解は出来ねぇな。

だが、一体誰がお前らを作り出したんだ?

キースの野郎はビジネスマンだが研究者じゃなかった筈だ。

誰が糸を引いている?」

そう言うとフードを被った男が現れた。

「久し振りだな...大道克己、私を殺した時以来か?」

聞きなれた言葉に克己は驚く。

「お前は....そうか確かにお前なら俺達のクローンを作るのも容易いだろうな。」

 

 

 

「"ドクタープロスペクト"」

「ほう...覚えていたか。」

そう言うとフードを外して顔を見せる。

しかし、その両目は白く混濁しており瞳に光は無かった。

「あぁ、これはアイズメモリの副作用だ。

貴様にメモリブレイクされた事で私は光を完全に失った。

まぁ、その代わりに視覚以外の他の五感が強化されたから問題はないがな。」

 

「驚いたな。

お前は俺が完全に殺したと思っていたんだが....」

「あぁ、私は完全に死んだ.....そしてその遺体にキースがNEVERから提供されたデータを元に作り出した酵素を使い復活させたんだよ。

"忌々しいゾンビの姿"としてな。」

「蘇らせたキースの目的は無名とNEVERへの復讐だった。

だからこそ私は協力することにした。

お前らのクローンを作り酵素を研究し最高の兵士を作り出した。

お前の目の前にいるこの克己こそが完璧な兵士でありエターナルメモリの完全適合者だ。」

 

「クローンがお前よりも優秀な個体だと証明することで私の復讐は完了する。

お前の悲痛な叫びを聞くことが私の今の唯一の目的だ。」

「光を無くしゾンビへと成り下がった私はお前らへの復讐心のみで動いてきた。

そして復讐心は鋭く研ぎ澄まされ血肉や骨すら食い千切る牙へと昇華したのだ。」

 

「FANG」

プロスペクトはメモリを喉へ挿すとドーパントへ変身する。

そして、振り上げた牙がWの隠れている場所を襲った。

それを回避するように飛び上がると皆のいる会場へと降り立った。

「そんなところで隠れていないで....もっとこっちに来たらどうだ?仮面ライダーW。」

「俺達の事を知ってんのか?」

「あぁ、キースからある程度は聞いている。

ミュージアムが保管していた地球の記憶にアクセスできる青年を使い、正義の味方気取りをしている存在だろう?」

 

「んだとテメェ!」

『落ち着きたまえ翔太郎。

ドクタープロスペクトと言ったか?

ミュージアムと言うのが僕が幽閉されていた組織の名前なのか?」

フィリップの問いにプロスペクトは違和感を覚えるがその意味が直ぐに分かる。

「お前は記憶を無くしているのか.....

どうやら少し話しすぎてしまった様だ。

さぁ、私の作り出した最高傑作(クローン克己)よ!

今こそお前の力を示す時だ!」

 

その言葉に従うようにクローン克己はロストドライバーを着けるとメモリを起動した。

 

「ETERNAL」

 

「変身」

メモリを装填し展開すると純白の装甲に黒いベルトとマントを携えた"青い炎の模様"がある仮面ライダーエターナルへと変身が完了する。

 

そして、それに呼応するように本物の克己もロストドライバーを着ける。

「ほぉ....お前もそのドライバーを持っていたか。」

克己は手に持ったメモリを起動する。

 

「ETERNAL」

 

「変身」

克己はメモリをドライバーに装填し展開すると仮面ライダーエターナルへと変身が完了した。

一つだけクローンの克己が変身するエターナルとの違いをあげるなら腕と足の焔の模様が赤くなっていた。

 

「やはり、お前も持っていたかエターナルメモリを....だが前よりも随分と弱々しくなったみたいだな。」

プロスペクトが克己を見てそう言った。

 

それを克己自身も分かっているのかナイフを構えて喋ることはしない。

「はっ!図星のようだな。

オリジナルの癖に弱いとは....だがそれならそれで俺の有能さを示せるわけだ。

"さぁ、地獄を楽しみなぁ!"」

二人のエターナルがぶつかる。

その光景を見ていたWが加勢に加わろうとするがそれをファングドーパントに止められた。

 

「君たちの相手は私だ。

私はガイアメモリによって全てを奪われた。

つまり、間接的に君は私の復讐の対象とも言える。

"さぁ、味わいたまえ...復讐の牙を!"」

そうしてWにファングドーパントが向かっていくのだった。

 

一方、風都タワーの外で戦っていたアクセルとトリガードーパントは膠着状態が続いていた。

(近付こうとしたら回り込みながら銃を撃ってくる。

まるで特殊部隊上がりの動きだな。

ならば絶対に補足できない速度で近付けば良い。)

照井はトライアルメモリを取り出した。

しかし、メモリのスイッチを押す前にドライバーに異常が起こる。

そして、照井は変身解除されてしまった。

周りに誰もいなかったお陰で正体はバレていないがそれよりもドライバーに起きた謎の事態に照井は驚いた。

 

アクセルメモリを抜きもう一度起動する。

しかし、いくら押してもメモリは反応しなかった。

「どうなってる、これは一体?」

「始まったか......」

そう言ってトリガードーパントはメモリを抜いた。

「どう言うことだ?」

「もうすぐ、この街は地獄になる....」

そう言うと男は風都タワーへと戻っていった。

そして、空中から落下する二人の仮面ライダーを見つける。

「左と....あれは誰だ?」

すると二人のライダーが変身解除される。

 

「いかん!」

照井はビートルフォンを操作し落ちていく三人の場所に救援を送るのだった。

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