フィリップがT2メモリを収めたアタッシュケースを持つと風都タワーへ向かっていた。
フィリップの姿を見つけたNEVERのメンバーは彼を止めること無く中へと案内する。
中へ通されるとそこには克己とフードを着けたプロスペクト....そして鎖で吊るされ気絶している園咲若菜がいた。
「若菜さん!」
フィリップがその姿を見て悲痛な声を上げる。
しかし、そんな事はどうでも良いように克己が言った。
「よぉ....兄弟。」
「兄弟?」
「お前の事だよフィリップ。
科学によって産み出された存在....俺達は同じ"化け物"だ。」
「....T2メモリは持ってきた他の人や若菜さんを解放しろ。」
「おいおい、お喋りは嫌いか?
折角、来たんだ....少しはお話をしようぜ。
この女が目覚めるまでまだ時間がかかるだろうからな。」
「若菜さんに何をするつもりなんだ!」
「別に、ただコイツは"ミュージアム"の幹部だ。
.....知らなかったのか?」
「ミュージアム?」
そこでプロスペクトが話に割って入る。
「このガイアメモリを風都に広めている組織...と言えば分かるだろう?」
「若菜さんが......そんな.....」
「ショックだったか?だが、現実なんてそんなもんだ。
この女はお前達が倒すべき敵の一人なんだよ。」
「違う!若菜さんはそんな人じゃない!」
その声に反応して若菜が目を覚ました。
「こ....こは?」
「若菜さん!」
「えっ?その声ってフィリップ君?どうしてここに?」
「漸くお目覚めかぁ!さぁ、真実を知る時間だ。」
「どう言うことだ?何故、若菜さんが目覚めるまで待っていたんだ?」
フィリップの問いにプロスペクトが答える。
「君達のやっている茶番を終わらせるようにキースから連絡を受けていてね。
二人ともそろそろ自分の正体を知るべきだろう。」
「正体?....何を言ってるの?」
「先ずは園咲若菜....君の正体だ。」
そう言うと克己は若菜のバッグを取り出す。
「私のバッグ!....何するのよ!」
「こうするんだ!」
すると、克己は地面に中身をぶちまけたすると、中からクレイドールメモリとドライバーが見つかった。
「そんな....若菜さんが.....嘘だ....」
フィリップはその光景を見て膝から崩れ落ちた。
「フィリップ君!これは違うの!...その....」
「騙そうとしても無駄だ....ドライバーを持てるのはミュージアムの中でも幹部だけ、それはお前が一番よく知っていることだろう?」
「そして、次はこれだ。」
プロスペクトが機械を操作すると近くのテレビに映像が映った。
それはアームズドーパントと戦った際の映像でフィリップがファングジョーカーに変身する姿が撮されていた。
「フィリップ君が.....仮面ライダー....」
「何て数奇な運命だろうなぁ!敵同士が禁断の愛に目覚める....劇のワンシーンみたいじゃないか!」
「だが、これは真実だ。園咲若菜はお前にとって倒すべき敵でありフィリップはミュージアムに敵対する仮面ライダーの片割れ....それが全てだ。」
「嘘だ.....嘘だぁぁ!」
「あっはっはっは!...さて、"1つ目の目的"は達した。
次は.....」
「ETERNAL」
「そのメモリを頂こうか....変身。」
克己は仮面ライダーエターナルへと変身すると意気消沈しているフィリップを掴み上げた。
そのタイミングで風の刃が若菜の鎖とエターナルの腕に当たる。
そのダメージからフィリップは自由になる。
「.....この攻撃は、あの女か。」
すると、フィリップの前にサイクロンドーパントが現れる。
「一体何をしているの坊や!...若菜さんを見つけたら合図する約束だった筈よ。」
「マリアさん......」
「誰かと思えばオリジナルのお袋か。
愛する息子の邪魔をするのか?」
「貴方は克己じゃない....クローンよ。」
「そうだな....だが、殺せるのか?俺を
お前の技術で無理矢理ゾンビにさせられた俺を殺す権利がお前にあるのか?」
「確かに私の研究は貴方達を怪物にしてしまった。
それは申し訳なく思っている。
でも、この風都を混乱に貶めたのは他でもない貴方達の意思でしょう?
だからこそ、私が貴方を終わらせる。」
サイクロンドーパントが風の弾をエターナルへぶつける。
「坊や、ここは私が足止めするから貴方は彼女を連れて逃げなさい。」
「そんなの無茶です!一緒に戦えば....」
「迷っている"貴方"を守りながら戦えるほど私にも余裕はないの!.....お願い。」
フィリップは悩みながらもマリアの言いたいことを理解しアタッシュケースと若菜を連れてその場を後にした。
「プロスペクト....メモリとフィリップを捕まえろ。
この女は俺が相手をする。」
「良いだろう。」
プロスペクトはメモリを起動すると喉に挿した。
「FANG」
ファングドーパントへ変わるとフィリップを追う。
「行かせないわ!」
マリアが風の力でファングドーパントを攻撃しようとするがエターナルに止められる。
「俺を忘れて貰っては困るな。」
「邪魔をしないでお願いよ克己!」
「はん!その台詞はオリジナルに言ってやるんだな。」
克己はそうマリアに告げると戦いを始めた。
一方逃げている若菜とフィリップもピンチの状態となっていた。
背後から追ってくるファングドーパントから牙の投擲を喰らう。
それをフィリップはアタッシュケースを使いガードするがケースの中身事、弾かれてしまった。
フィリップは若菜と一緒に柱の影に隠れる。
「無駄な抵抗は止めておけ。
ガイアメモリを使えないお前達を捕まえるのは難しくない。
余計な抵抗をするだけ怪我をするリスクが高くなるだけだ。」
「君達の目的は何なんだ?
T2メモリを使って何をするつもりだ?」
フィリップは時間稼ぎをするためプロスペクトに尋ねる。
「良いだろう....どうせ結末は変わらないから教えてやる。
風都タワーに設置した光線兵器"エクスビッカー"にT2メモリの全ての力を集約させて放つ。
そのエネルギーは"ガイアメモリを使っている人間"に反応し体組織を変化させてNEVERの姿へと変異させる。」
「そんな事をして何のメリットが.....まさか!」
「そうだ、"酵素が無ければ生きていけない身体に変えることでミュージアムを支配"する。
その為にも酵素開発者であるマリアと無名を始末したかったがまぁ良いだろう。
エターナルメモリが発動している以上、勝ち目など万に1つも無い。」
「だが、それをするには26本のメモリ全てとその力をコントロールするプログラムが必要だ。
そんな大量のメモリの管理なんて地球の記憶と繋がれる人物で無ければ出来ない。」
「僕の身体を使う気だね?」
「正解だ....君をエクスビッカーの制御プログラムにする。
その為にも君達にはここに来て貰う必要があった。
園咲若菜は良い餌となってくれたよ。」
自分が餌にされた....その言葉に若菜の顔が歪む。
(私のせいで....フィリップ君が....)
若菜はフィリップの袖を掴むと小声で話をする。
「フィリップ君....私を置いて逃げて」
「何を言っているんですか!そんな事をしたら!」
「大丈夫よ...あの男も言ってたでしょ?私はミュージアムの幹部....だから平気よ。」
「でも.....そんな.....」
「私のせいでフィリップ君に迷惑をかけるのは...嫌なの」
若菜の瞳を見るフィリップは本当に迷惑をかけたくないと思っているのだと理解することが出来た。
今、フィリップの中で"2つの感情"が蠢いていた。
1つは若菜が敵の幹部と分かった以上、見捨てるべきだと言う感情。
もう1つはそんなのどうでも良くてただ、若菜を救いたいと言う感情だ。
(こんな時、君ならどうするんだい翔太郎?)
フィリップがそう考えていると記憶の中の翔太郎がフィリップに語りかける。
『お前はどうしたいんだ?フィリップ。』
『僕は.....若菜さんを救いたい。』
『なら、そうすりゃ良いじゃねぇか。
おやっさんも言っていたろ?』
『男の仕事の8割は....』
「"決断"....だよね翔太郎。」
意を決したフィリップが若菜に言う。
「貴女を置いていく事はしません。
若菜さんがミュージアムの幹部でも、僕にとっては風都のアイドルである園咲 若菜さんなんですから....」
「フィリップ君.....」
「僕がファングドーパントを引き付けます。
その間に逃げてください。」
「でも.....それじゃあ」
「大丈夫です....僕にはまだ利用価値があるみたいですしそれに......」
「僕も風都を守る仮面ライダーの片割れですから....」
そう言うとフィリップはファングドーパントの前に躍り出ると身体に組みついた。
「今です!若菜さん!」
フィリップの言葉を合図に若菜は風都タワーを出る為に走り出した。
「絶対に若菜さんには近付けさせない!」
フィリップはファングドーパントにどんなに殴られ蹴られても掴んだ身体を離すことはなかった。
「ぐっ.....離せ!」
「離さない!.....若菜さんが無事に逃げられるまで!君をここから一歩も動かせない!」
その姿は先程までの気弱な青年ではなく風都を守る仮面ライダーとして誇れる姿であった。
そんな中、フィリップは背中に衝撃を受けると意識を失ってしまう。
背後にメタルドーパントがおり、後ろから殴られてフィリップは意識を失った。
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