もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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第百二十六話 AtoZ/追う者追われる者

最初に目を覚ましたのはクローンの克己とドクタープロスペクトだった。

エクスビッカーが破壊されたことが分かった克己は怒りを機械にぶつけた。

 

「クソッ!何故だ何故何故何故何故ぇ!」

「落ち着け....タワーにエネルギーは充分に溜まっている。

お前のエターナルならそのエネルギーを町に落とす事は可能だ。」

 

「成る程....ならば俺はエネルギーを落とすために最上階に行く。

お前はコイツらの始末をつけろ!」

そう言うと克己はゾーンメモリとエターナルメモリを持つと部屋を後にした。

 

「やれやれ、やはり精神性ももっと強化しておくべきだったか。」

そう言いながらプロスペクトは地面を探りファングメモリを探す。

そして、一本のメモリが手に触れ笑うとそれを起動する。

「FANG」

 

そして、ファングドーパントに変わると倒れて気絶しているフィリップに腕の刃を降ろうとするが起き上がったオリジナルのエターナルのナイフにより止められる。

「貴様は最後まで私の邪魔をするのか!」

「どうやら、そうみたいだな。」

 

そんな話をしていると扉が開き京水が中に入ってきた。

「あらっ!面白いことになってるわね。」

プロスペクトが京水に指示を出す。

「ルナメモリで変身してこの男を始末するのを手伝え京水。」

「良いわよ..ごめんなさいね克巳ちゃん。

でも安心して、死んで死体になっても私が愛してあ・げ・....」

 

「させないわよぉぉぉぉ!」

そう言うと飛び上がってきたオリジナルの京水が振るった鞭がクローンの首に絡み付く。

そして、それを思いっきり振り抜いた。

「ぶぶぶ、ぶっ飛びぃぃぃ!」

「いやぁぁぁぁぁ!」

そのまま前に割られた窓からクローンの京水は吹き飛ばされてしまった。

 

「克巳ちゃん!無事ぃ?」

「まぁな!お前こそまだまだ元気そうだな?」

「当たり前じゃないの!....約束通りアイツは貰っていくわ....っとその前に」

そう言うと京水がフィリップの前に行くと拝むように両手を構えた。

「失礼します!」

そう言うとフィリップの身体をまさぐり一本のメモリを抜き取ると落ちて行ったクローンを追いかけるように京水も割れた窓ガラスから追っていった。

 

そして、このタイミングで翔太郎とフィリップも目を覚ます。

「ここは!」

「気絶してたのか。」

「漸く起きたみたいだな...早く屋上を目指せ!

俺のクローンはまだ諦めてないぞ!」

「何だって?やるしかねぇか。

行くぞフィリップ!」

「あぁ、翔太郎!」

 

 

そう言うと二人はその場を出て風都タワーの屋上へ向かった。

「逃がさん!」

「それはこっちの台詞だぁ!」

追おうとするファングドーパントを捕まえると部屋から出て手すりから落下してエントランスまで落ちていく。

二人は着地するとお互いに睨み合った。

「やはり、お前こそが私の人生の最大の汚点であり障害のようだな。」

「そう言うな。もうお前は人生など考える必要もないんだ...俺達と同じゾンビなんだからな。」

 

「つくづく、癪に触るなお前は.....」

そうしてお互いに戦いを始めようとした時、彼等の真ん中に一個の"赤いメダル"が転がってきた。

エターナルの足下に転がってきたそのメダルを拾い上げる。

「何だこれは?」

「返せ!」

そう声が聞こえると怪物の様な右腕が空を浮いてメダルを掴んだ。

「んなっ!」

 

そして腕がそのまま後ろに下がると二人の青年の片方に繋がった。

すると、目付きの悪い金髪の男に変わるとその繋がった腕を撫でて隣の男を怒鳴り掴みかかる。

「おい映司(えいじ)!俺の大事な"コアメダル"を落とすなんて何考えてんだぁ!」

対して映司と言われた男は申し訳なさそうにしながら言う。

「ごめんごめん、だってコアメダルしまってた"パンツ"に穴が空いてて中身が落ちるなんて想定外だったんだから仕方ないだろ?」

「そもそもコアメダルをパンツにしまっておくな!

もっと、大事な場所に入れておけ!

何でパンツ何かに入れてんだよ!」

 

「"アンク"お前パンツ、バカにしたなぁ。

大事なことなんだぞ明日のパンツは!

罰として今日のアイス抜きにするぞ!」

「おまっ...それとこれとは話が違うだろう!」

そうしてアンクと映司と呼ばれる二人の青年がいい合いを始める。

それを克巳とプロスペクトは見つめていた。

 

「何なんだコイツらは?」

「お前の知り合いではないのか?」

プロスペクトの問いに克己が答える。

「こんな奴等は知らん...無名の仲間か?」

その問いに映司が答える。

 

「あっ!僕達は鴻上会長から頼まれてミュージアム...って言う人達に協力しろ言われてきたんですよ。

えーっと...どっちがミュージアムの方ですか?」

映司の問いに克己が答える。

「俺達だ...ってことは無名の仲間か。」

「あぁ、良かったぁ。実は予定よりも早く着いたんですけど、アンクがアイス食べたいって駄々こねたせいで着くのが遅れちゃったんですよ。」

「あぁ?俺のせいかよ!」

「あぁ、はいはい僕も悪いから...えっと先ずは自己紹介俺は火野 映司(ひの えいじ)、んでコイツは"アンク"。」

 

「"仮面ライダーOOO(オーズ)"やってます!」

 

 

 

Another side

 

落下するクローンの京水は咄嗟にルナメモリを起動しルナドーパントになると伸ばした腕で建物を掴むとその屋上に着地した。

あっぶないわねぇ!無茶苦茶して来るじゃない私のオリジナル!」

そんな事を言っていると遠くから声が京水の声が聞こえてきた。

 

「あーあぁぁぁぁぁぁ!」

まるでターザンのように鞭を使いビルをスイングしながらルナドーパントのいる建物に到着した。

「ふぅ、漸く追い詰めたわよ。

私のクローン。」

 

「あらあら、それにしても驚いたわぁ!アンタが私の事を追ってくるなんて、アンタ女には厳しいんじゃなかったのかしら?」

「あら?流石私のクローンね。私の事をよく知ってるじゃない。

そうよ....私は女に厳しいわ。

でもそれは"敵に対して"よ。クローンとは言えレイカを敵と見るなんて...アンタ何考えてんのよ?」

 

「はぁ?アンタこそ何言ってんの?

所詮は他人....どうせ死人なんだからどうなったって構わないじゃない?

一番大事なのは自分と克巳ちゃんだけよ。」

「.....そう。

どうやらアンタとは友達になれそうにないわね。

それに死人がどうとか言うなら貴女も同じよ。

だから貴女も克巳ちゃんに大事に何かされないわ。」

 

「は?何言ってんの?」

「他人を大事に出来ない人間が大事にされるわけ無いでしょう!....そう言うことよ。」

 

「訳分からない事言ってないで、早く始めましょうよ。

それともビビって手が出せないとか?」

「焦るんじゃないわよ...押しの強い女はモテないわよ。」

そう言うと京水は懐から"青色のロストドライバー"を取り出すと腰に着けた。

「それは何?」

「無名ちゃん達が私達、NEVERの為に開発してくれたドライバーよ。

これを使えば私達は安全にメモリを使いその力を使うことが出来る様になる。」

「さっき言ってたわよね、私は女に厳しいって....クローンなら覚えときなさい。

私は女にも厳しいけど......」

 

「オカマにはもっと厳しいのよ!」

 

そう言うと京水は先程、フィリップから奪ったルナメモリを取り出した。

そして目を瞑り祈る。

「レイカ....私に力を貸して!」

そう言うとメモリを起動した。

「LUNA」

そして、ドライバーに装填すると両手を大きく開きまるで舞うようにドライバーを展開した。

「変ぅ身ん」

 

京水の身体は黄金の光に包まれ三日月の様なマークが頭に着いたライダーへと変身した。

そして、ルナドーパントへ告げた。

「私の名前は"仮面ライダールナ"!

さぁ、この風都に代わってお仕置きよ!」

 

仮面ライダールナはルナドーパントへと向かっていくのだった。




off shot

レイカがやられたことを知った時、堂本は怒りからそのまま外に出そうになっていた。
それを芦原が止める。
「落ち着け堂本!冷静になれ!」
「冷静になれるかぁ!....レイカがやられたんだぞ!
しかも、俺達のクローンに...仇を討たなきゃ気が済まねぇ!」

暴走をする堂本を芦原は殴って止めた。
「お前だけが怒っていると思うなっ!
俺だって今すぐにでも殺った奴を撃ち殺したい!
....だが克己がいないこの状況でまともに動けるのは俺達だけなんだ!」
それで堂本は我に返る。
キースを始末したお陰で二人は自由になったが逆に言えば他のメンバーは今、動くことが出来ていない。
克巳に関しては言わずもがなだった。

「俺達は先ず、京水が連れて帰ってくるレイカを助けることが重要だ...違うか?」
「....すまん、熱くなりすぎた。」
「いや、良い。」
そう言うと二人は少し冷静になった。
そこで芦原がもう1つ話をした。

「なぁ、気にならなかったか京水の報告。」
「報告?」
「そうだ....レイカを殺った犯人を"NEVERのメンバーのクローン"って言ったんだ。」
「そりゃ、顔が見えなかったとかじゃないのか?」
「だとしたら謎の人物で良い筈だ。
それなのにNEVERを付けたのは動揺していたからだと思う。
じゃあ、京水が動揺する程の事って何だと思う?」

「そりゃ.....まさか!」
堂本も芦原と同じ答えに辿り着く。
言わなかったのは言いたくなかったから...自分のクローンが親友を痛め付けて殺しかけたという事、
いくら、京水がNEVERのサブリーダーでもレイカが親友だと言う事実は変わらない。

それが分かる光景などそれこそ沢山、仲間はみてきたのだから....
だからこそ、芦原と堂本は京水の心中を察する。
「なぁ、芦原。」
「何だ?」
「もし、京水がその相手を自分で仕留めると言ったらどうする?」
「俺は賛成する....お前は?」
「これで"二票"か。
克巳も賛成するだろうから仕方ないが京水に相手を譲るか。」

そう言って笑う堂本を見て芦原も少しだけ笑うのだった。

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