もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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目が覚めた俺を最初に待っていたのは肉体の命を終わらせる程の激痛だった。

そして、次に目を覚ました俺は冷たい怪物に変わっていた。
プロスペクトから俺に大道克己の名とオリジナルの持っていた記憶が埋め込まれてから直ぐの事だ。

身体に滅びの兆候が現れ始めた。
髪の色が抜けて肉体が急激に老化する。
プロスペクトの作った抑制剤を打たないと俺は歩くことすら満足に出来なくなっていた。

俺と同じ奴らが4人作られると俺達のボスを名乗るキースから命令を受けた。
「T2メモリを乗せたジェット機を襲いこのメモリを奪え....そして克己、お前が仮面ライダーになるんだ。」

そうしてキースからロストドライバーを渡される。
これに何の意味があるのか分からないまま俺は今も命令に従い続けている。

計画が成功すれば自由になれる....そんな淡い夢を抱きながら


第百三十話 AtoZ/炎の行く末

屋上まで登ってきた克己は風都タワーを見る。

風車部分に26本のマキシマムのエネルギーが蓄積されているのが確認できた。

 

「良し、これだけのエネルギーがあれば問題ない。

俺自身がエネルギーを吸収し街に落とす。」

 

「そうはさせない!」

突如、聞こえてきた声の方向に顔を向けるとそこにはフィリップと翔太郎....そしてオリジナルの克己が立っていた。

「君は風都を混乱に突き落とす悪魔だ...ボクが止める!」

「笑わせるな...俺と同じ化け物に何が出来る?」

クローンはロストドライバーを付けるとメモリを起動する。

 

「ETERNAL」

 

「変身。」

クローンはエターナルへと変身が完了する。

「いや、今なら確信を持って言える。

ボクは化物なんかじゃない!

人の心を持たない君とは違う。」

 

「ボクは人間で....探偵で...そして仮面ライダーだ!」

フィリップの言葉に翔太郎がニヒルに付け足す。

「相棒、それを言うなら"僕達"がだろ?」

「あぁ、行くよ翔太郎!

それに大道克己、風都を守るために僕達に力を貸してくれ!」

 

「良いだろう。

風都は俺の故郷でもある。

さぁ、踊るぞ!悪魔と死神のパーティータイムだ!」

 

「CYCLONE,JOKER」

「ETERNAL」

 

「「「変身」」」

 

三人は掛け声と共にメモリを装填し展開すると仮面ライダーWサイクロンジョーカーと仮面ライダーエターナルへの変身が完了した。

Wはクローンに向けて言う。

『「さぁ、お前の罪を数えろ!」』

クローンは怒りを滲ませながら言う。

「生きることが罪なのなら、俺を殺して見せろ!」

 

Wとクローンが戦い始めるとそこにエターナルが介入する。

「クローンとは言えお前の罪は俺の罪でもある。

だからこそお前は俺が倒す。」

「ふざけるなよ!お前らさえいなければ俺達はぁ!」

 

エターナル同士が戦いを繰り広げている時、風都タワーに何者かが近付いてくる声がした。

「克己ちゃぁぁぁぁぁん!」

見ると鞭を使って器用にスイングしながら現れる京水の姿があった。

風都タワーに到着すると京水は地面に着地しようとするが突如バランスを崩して顔からコンクリートに落下してしまう。

 

「あん!、身体が痛すぎてバランスが取れないわね。」

『君はルナドーパントだった男か?』

フィリップの問いに京水が答える。

「あぁ、ソイツは私のクローンだった奴よ。

私はオリジナル...ここに来たのはWにこれを返すためよ。」

そうして京水はルナメモリを取り出した。

『それってボクのルナメモリ!

どうやって?』

「そりゃ、身体を"まさぐって見つけた"...」

『"まさぐる?"翔太郎!ボクの本体は一体何を....』

 

「兎に角!これは返すわね。

私達はこのタワーを離れるから貴方は克己ちゃんと心置きなく戦って頂戴ね。

それじゃあね!」

そう言うと京水は無理矢理立ち上がり、鞭を使って地面へと降りていくのだった。

 

『一体なんだったんだ.....』

「さぁな、でもルナメモリが返ってきたんだ。

克己の援護をするぞ。」

『そうだね翔太郎。』

 

フィリップはルナメモリを仕舞うと克己達の元へ向かうのだった。

二人のエターナルが専用武器であるエターナルエッジを使って戦っているところにWが乱入した。

サイクロンによる高速の回し蹴りがクローンに向けて放たれる。

それを片手でガードし反撃するがそれをエターナルがサポートして防ぐ。

ナイフを抑えられたクローンにWは"ヒートジョーカー"へメモリを変えると燃える右腕が突き刺さる。

 

クローンが後退った瞬間を狙いエターナルがWからヒートメモリを抜き取ると自分のマキシマムスロットに装填する。

「翔太郎....メモリを借りるぞ。」

「HEAT MAXIMUMDRIVE」

エターナルの右手が白熱すると後退したクローンに向かっていった。

クローンはエターナルの攻撃を回避するため飛び上がるがそこにルナジョーカーに変身したWの腕がクローンの足に絡まり地面に落とされる。

 

そこを狙い済ましてクローンの腹部にエターナルの拳が当たると爆発し上空に吹き飛ばされる。

「ドンドン行くぜ!」

サイクロンメタルに変身したWはメタルシャフトを取り出すと風の力で飛び上がりながらメタルシャフトでクローンに連撃を加える。

しかし、クローンもやられっぱなしではなくメタルシャフトを奪い空中からWを地面に蹴り落とした。

 

そこから追撃を行おうとするかエターナルによりそれを阻まれ、エターナルエッジとメタルシャフトの戦いが繰り広げられた。

お互いのリーチの差からエターナルは防戦一方だったがWが無理矢理近付きメタルシャフトを握る。

だが、その程度ではクローンに奪われたメタルシャフトは取り返せない。

「無駄なことを!」

「それはどうかな?」

エターナルがそう言うとWドライバーに借りていたヒートメモリを差し込む。

ヒートメタルに変身し強化された腕力と炎の力によりメタルシャフトをクローンから奪い返す。

 

そこからルナメタルに変身すると鞭の様に変形したメタルシャフトでクローンを打ちのめす。

「今だ行け克己!」

その言葉に従いエターナルがクローンに突っ込み攻撃を加える。

Wはルナトリガーに変身すると敵を追尾するトリガーマグナムの弾を使い、戦っているエターナルの隙間からクローンに弾を着弾させる。

ボロボロにされたクローンは片膝を付く。

だが、クローンは諦めていないようで持っていたエターナルエッジを振り上げるがそこにサイクロントリガーから狙撃を受けて落としてしまう。

そこで更にメモリを変更しヒートトリガーに変えると高威力の弾を受けて吹き飛ばされてしまう。

 

『もう諦めろ....君に勝ち目は無い。』

フィリップの説得にクローンは憤慨する。

「黙れ!ここで負けたら俺は何の為に......

認められるかぁぁぁぁ!」

 

「ZONE」

クローンのがゾーンメモリを起動してマキシマムスロットに差し込む。

すると、飛ばされたエターナルエッジと散らばっていたT2メモリがクローンの前に集まりメモリがクローンのマキシマムスロットに装填されていく。

 

「ACCEL,BIRD,CYCLONE,DUMMY,ETERNAL、FANG,GENE,HEAT,ICEAGE,JOKER,KEY,LUNA,METAL,NASCA,OCEAN,PUPPETEER,QUEEN,ROCKET,SKULL,TRIGGER,UNICORN,VIOLENCE,WEATHER,XTREME,YESTERDAY,ZONE」

 

「「「MAXIMUMDRIVE」」」

 

これにより風都タワーに蓄積されたエネルギーがクローンへと流れていく。

「メモリの数が違う....これで終わりだぁ!」

そう言ってクローンが蓄積したエネルギーを放とうとするとクローンの身体から"金色の炎"が溢れだす。

 

「何だ?どうなっているんだ?」

『クローンが苦しんでいるみたいだね。』

そんな話を翔太郎とフィリップがしているとクローンの動きが止まり話し始めた。

 

「漸く、メモリの力を取り込んだか....

全く、ここまで来るのにこれだけ時間がかかるとは、やはりクローンは所詮クローンと言う訳か。」

その声は何時もの克己の声では無く翔太郎とフィリップには聞いたことのない声だった。

「一体誰の声だ?」

翔太郎の問いに克己が答える。

「その声は....キース・アンダーソンか?」

「ほぅ....貴様と会った記憶はないと思うが?」

「無名からお前の情報をある程度貰っていたからな。

だが、どういうカラクリで俺のクローンから喋っているんだ?」

 

「そんな事よりももっと知るべきことがお前達にはある。」

そう言うと三人の前にデーモンドーパントになっている無名が現れる。

「どうやら、手遅れだったみたいですね。」

『君は、何故こんなところに?』

「キース・アンダーソンが我が組織の敵でしてね。

その粛清のために動いていたんですよ。」

 

『組織.....ミュージアムの事かい?』

「何故、その名前を?.....いや、キースから伝えられたのですね。」

「その通りだ....真実を知る権利は誰にでもある。

俺は親切心でそれを教えてやっただけだ。」

「まぁ、今はそんな事どうでも良い。

それよりも質問に答えてくれますか?

貴方が何をするのかを....」

 

「良いだろう....そして見ていると良い。

これが新たに世界の王となる私が使うに相応しい。」

 

 

 

「メモリだ。」

 

 

 

こう言うとクローンの身体に付けられていたマキシマムスロットに風都タワーに蓄積された全てのエネルギーが送り込まれると26本のメモリがゆっくりと塵に変わる。

その最中、エラー音の様にエターナルメモリが起動し続ける。

 

「ETERNAL,ETERNAL,ETERNAL,ETERNAL...」

 

そんな中、無名が黒炎を弓矢に変えるとクローンに向かって放った。

だが、その攻撃は金色の炎により阻まれてしまう。

「炎の力が強化されているのですか?」

「当然だ、26本のメモリの力を取り込んだ今のこの身体は何人たりとも傷つけることは出来ない。」

 

そんな中、頭を抑えて意識を取り戻したクローンが言った。

「これは....一体?

俺の身体に何をした!」

「分かっているだろう?

お前は私の作り出した"復讐の道具"だ。

まさか、本当に自由になれるとでも思っていたのか?」

 

「そんな.....だが俺は...エターナルを使える....」

「エターナルメモリを使って私を追い出そうと考えているのだろうがそれは不可能だ。

お前を作り出す時に私に逆らうことが出来ないように遺伝子にプロテクトを入れている。

お前が意識を取り戻したのも俺が許可を出したからだ。

道具にも神の生まれる瞬間ぐらい見せるのが礼儀だと思ったからな。

まぁ、メモリを作り出した瞬間、お前の精神エネルギーも消費されてしまうがな。」

 

「それって.....まさか!」

「そうだ..."お前の意識"もエネルギーに変わり私のメモリを作る糧になるんだ。」

「嫌だ.....嫌だ嫌だ嫌だ嫌だぁぁぁぁ!

消えたくない!消えたく....」

そこまで言うとエターナルの変身が解除される。そしてエターナルメモリも塵と変わると、クローンの体内からフェニックスメモリが現れて塵を吸収していく。

 

そして現れたのは純化されたメモリでありながら骨の造形があるドーパントメモリとガイアメモリの中間のような白いメモリだった。

そのメモリをキースの意識に乗っ取られたクローンの克己が手に取る。

 

「漸くだ....これで私は神になる。

もう、このドライバーも必要ない。」

クローンはロストドライバーを捨てるとメモリを起動した。

 

EDEN(エデン)

 

起動したメモリはクローンの胸にささると肉体を変異させていく。

クローンの身体が金色の炎により燃え広がると巨大な島へと姿を変える。

そして、島の両端に金属で出来た大きな両腕が出来て島の中心に生成された城が顔へと変形する。

 

城の顔が目を開けると既存のドーパントを超えたドーパントである"エデンドーパント"がその姿を現すのだった。

外伝 続編の投稿に関して

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