で名前の意味合いは似ている。
お互い共に生きる希望や願いを力に変えている。
二つに決定的違いがあるとすればユートピアは概念的な力を使いエデンは理想郷その物が力を持ったものとなっている。
従って両者の強さは似ていながらも比にならない程かけ離れていた。
「何だあれは?本当にドーパントなのか?」
翔太郎の問いにフィリップが答える。
『恐らく過剰なエネルギーを供給された結果、それに比例するように肉体が巨大化したんだろう。
だが、それにしても大きすぎる。
これが26本のメモリを集めた力なのか。』
上空からエデンドーパントが二人のライダーとドーパントを見下ろしている。
そして、悠然と喋り出した。
「さぁ、見るが良い!これが神の力だ!」
エデンドーパントの胸から巨大な砲台が現れるとそこからビームが照射される。
「不味い!この攻撃を止めるぞ!」
克己はそう言うとエターナルメモリをマキシマムスロットに装填する。
「ETERNAL MAXIMUMDRIVE」
「俺の攻撃に合わせてあのビームを迎撃するんだ!」
『分かった翔太郎。
エクストリームメモリを使うよ。』
「分かったぜ相棒。」
Wは呼び出したエクストリームメモリをドライバーに装填する。
「XTREAM」
「CYCLONE,HEAT,LUNA,JOKER」
「BICKER FINALUSION」
Wとエターナルの持つ最大攻撃である必殺技を放たれるビームへと叩き込む。
エターナルから放たれた青色の斬撃は簡単にビームの中に飲み込まれ、その余波を喰らった克己は吹き飛ばされてしまう。
「ガハッ!」
「克己!」
そして、次にWの持つプリズムビッカーへと攻撃が当たる。
「グッ!....重い。」
『何て威力だ....プリズムビッカーのマキシマムでも抑えきれないなんて...』
余りの威力からWも吹き飛ばされそうになるがそれを気合いで耐える。
何故ならここでWが負けてしまったらビームは風都市民のいる場所へと当たってしまうことが分かっていたからだ。
エデンドーパントもそれを分かった上でこの位置を攻撃しているのだろう。
「ぐおおおおおおぁぁぁぁぁ!」
翔太郎が叫びながら無理矢理プリズムビッカーを上にかちあげた。
ビームが風都タワーの風車に辺り切断されて落下し始める。
そして、疲労困憊のWに向かってエデンドーパントは追撃のミサイルを放つ。
ミサイルが直撃するとWは風都タワーから落下した。
「翔太郎!フィリップ!」
克己が二人に向かって手を伸ばす。
「無駄だ、トドメを指してやる。」
「させるわけないでしょう!」
無名は勢い良く飛び上がると生成した槍を投擲する。
だが、通常サイズのドーパントなら致命傷の攻撃でも今のエデンドーパントのサイズは小さな島1つ分は軽くあった。
蚊に刺された程度のダメージしかないエデンドーパントはお返しとばかりにビームを乱射し無名を撃ち抜いた。
撃ち抜かれた無名とWは落下していく。
そんな最中、地面から何か声が聞こえてくる。
「仮面ライダー!」「頑張れー!」「負けるなぁ!」
「倒れないでぇ!」
それは風都市民が俺達仮面ライダーに向けて応援してくれる声だった。
その声が力となり風都に風を巻き起こす。
「フィリップ!風だ!風都の風が!」
『僕達に、力を!』
Wドライバーのエクスタイフーンがその風を吸収しWの中心部分であるクリスタルサーバーを金色に染め上げていく。
仮面ライダーW
その中、克己はからだが動かなくなり意識が段々と薄れ始めていた。
(酵素....切れ...か。
こんなところで俺は終わってしまうのか?)
そんな中、色んな人のことを思い出す。
(これは....そうか...走馬灯という奴か....)
浮かぶのは仲間の顔や母親の顔....そして克己にとって大事な存在であるミーナの顔だった。
(ミーナ....俺が死んだら、アイツはどうなる?)
風都に来る前にミーナと話した言葉を思い出す。
「克巳、約束して。必ず"生きて帰る"って」
「どうしたんだいきなり?」
「.....不安なの、いつか風のように消えてしまうのではないかと思っちゃって」
不安がるミーナを克己が優しく抱き締める。
「約束する....必ず生きてここに戻る。
それにデートする約束も果たしてないからな。」
克己の言葉にミーナは笑顔になる。
「そうね...約束破ったら許さないからね克己!」
(そうだ...俺はミーナと"約束"したんだ。
必ず生きて帰ると!
こんなところで死んでたまるか....俺にはまだ生きる理由がある!)
克己の生への感情の高まりに"ロストドライバー"が反応した。
ロストドライバーから"紫色の炎"が吹き上がる。
「こっ...れは!」
紫炎がエターナルの身体を包むと両手足が黒く変わりそこから紫色と青色の炎のグラデーションが入った紋章が続いていた。
両手を見るとエターナルの青い炎と紫色の炎が混ざり合い黒色に近い炎へと変わっていた。
そして、克己の身体に起きていたダメージが回復していくのを感じた。
「これなら、行ける!」
克己は飛び上がりWの隣に立った。
「克己!どうしたんだその姿は?」
「分からん...だがこの状態になってから力が沸き上がってくる。」
するとフィリップがエターナルを見て言った。
『これは....興味深いね。
翔太郎、君は彼のドライバーを使って変身したかい?』
「あぁ、ジョーカーメモリを使うために克己のドライバーを借りたが」
『恐らく、それが今彼に起きている状態を作り出したんだ。
ジョーカーメモリとの適合率が高い翔太郎がロストドライバーで変身した時にメモリのエネルギーがドライバーに残留していたんだ。
それが克己の変身するエターナルメモリと反応してエネルギーが融合した。
今の克己は僕達、Wと同じ状況になっている。
さしずめ仮面ライダー"エターナルジョーカー"と言った所か。』
「エターナルジョーカー、"永遠の切り札"か。
気に入った。
お前達も強化されているようだな。
今の俺達ならばあの
「そうだな。
じゃあ、行こうぜフィリップ!克己!」
そう言うとWとエターナルはエデンドーパントへ向かっていくのだった。
二人のライダーがエデンドーパントと戦っている最中、無名はビルに激突し部屋の中まで吹き飛ばされていた。
辺りの機材や窓ガラスや鏡が砕けて散乱している。
【随分と無様な姿だな?】
鏡に写る
「この展開も....貴方が望んだ事なんですか?」
【まさか、"想定以上"だよ。
キースが敵になる未来は何度かあったが、エデンメモリを作り出しドーパントになったのは初めて見た分岐だよ。】
「そうですか。
ならここからは貴方も知らない展開と言うことですね?」
【付け加えれば私はこの事態に介入する気は無いぞ?
お前との"融合"が果たせた以上....もう無駄なリスクを負う必要はない。
君が意識を失えば私がその身体の主導権を握る。】
【君が死なないのならば私は傍観者としていさせて貰う。
どうせエデンドーパントに君は勝てない。
そうだな....この前の答えでも】
「勝てないだと?....ふざけるなよ。
勝手に俺の中に現れて訳の分からない問題を出したり身体を乗っ取ったりした挙げ句、傍観者を決め込むなんて許すわけがないだろう。」
無名は痛む身体を無理矢理起こし鏡を睨み付けた。
【君に何が出来る?私に勝つつもりか?】
「今の僕では無理でしょうね。
貴方はこの世界の存在からしても異質の存在....いや特異な存在と言っても良い。
未だに貴方の存在も分かりません。
しかし、僕の身体を使って生きていることには代わりが無い。」
そう言うと無名はメモリを抜き砕けたガラスの破片を手に取ると首に当てた。
【何のつもりだ?】
「見ての通りですよ。
貴方は私と融合していると言った。
なら、ここで私が死ねば融合している貴方もただではすまない。」
【言った筈だ君が死ぬのなら私はこの世界に介入し...】
「だから"取引"ですよ。
僕の身体に勝手に住み着いたんです...."家賃"代わりに貴方の力を貸してください。」
【もし断ったら?】
「ここで死んでも良いですし、例え操られても僕が意識を取り戻したら直ぐに死ぬ行動をします。
この世界を見ていたい貴方にとってそれは望ましくない筈ですよね?
それでどうします?断りますか?」
無名の姿を見つめるゴエティアは一息置くと楽しそうに笑い出した。
【..ふふふっ...あっはっはっは!素晴らしい!
そう来なくちゃ面白くない!命令を聞くだけの犬の様な存在と対峙しても退屈なだけだ。
良いだろう!その取引を受けてやる。
それで....お前は私の何を欲しているんだ?】
「その前に確認です。
琉兵衛様が保管していたクリスタルサーバーは今何処に?」
【分かっているだろう?君の中だ。
今は君の身体と細胞レベルまで融合している。】
「つまり、原作のクレイドールエクストリームの様な状況というわけですか?」
【いいや、それよりも純度の高いクリスタルサーバーを使っての融合だ。
地球の本棚の力に干渉出来るレベルまで力を使うことが可能だ。】
「改めて聞くとデタラメな存在ですね貴方は...」
【誉め言葉として受け取っておこう。
それで取引の内容は?】
「僕にエクストリームの力を使わせてください。
エデンドーパントに勝つには二人のライダーだけでは不安が残ります。
貴方の力を使えるのならば逆転できる可能性が上がる。」
【構わないが....覚悟はできているのか?
人間の身体で地球の本棚に干渉し力を引き出せばそれなりの代償があるぞ?
下手すれば意識が地球の本棚に吸収される可能性もある。】
「それぐらいのデメリットなら甘んじて受けますよ。
僕はこの世界が好きなんです。
この世界と人を守るためなら、その程度のリスクは請け負いますよ。」
【良い覚悟だ、分かった。
君に"エクストリームの力"を与えよう。
その力で何をするかも君の自由だ無名。】
そう言うとゴエティアは鏡の中から姿を消した。
そこにはもう
無名は吹き飛ばされた穴に向かうとメモリを起動する。
「Demon」
ドライバーにメモリを装填しデーモンドーパントに変身するとゆっくりと胸に手を当てて言った。
「......"エクストリーム"。」
無名の言葉に反応するように胸からクリスタルサーバーが現れると肉体を変異させ、無名の意識は"地球の本棚"へと繋がった。
そこはフィリップのいた本棚と違い暗い書斎の様な空間で辺りには赤い表紙で覆われた本が並んでいた。
無名は本棚に手を置くと言った。
「Zone....起動。」
その瞬間、無名の前に赤い表紙でZONEと書かれた本が現れると本が開き力が無名に流れ込んできた。
「うっ!ぐぁぁぁぁぁ!」
自分の意識がZONEの記憶で塗り潰されそうになるのを
必死で耐える。
(これがっ....ゴエティアの言っていた代償ですか。
だけど!)
「負けるわけには行きません。」
そう言うと無名はZONEの力を起動しその姿を風都タワーまで転送させるのだった。
Another side
無名が出ていった空間に一人残った琉兵衛は辺りを見回す。
フェニックスメモリの力により幹部の殆どが戦闘不能に陥っていた。
その中で井坂深紅郎が起き上がった。
「井坂くん....起きたのかね?」
「えぇ、どうやらこの強化アダプターに救われたみたいです。」
そう言って井坂は黒い強化アダプターを触る。
井坂専用の強化アダプターはガイアメモリの毒素を増大させる代わりにメモリの出力を上げる能力がある。
つまり、常時身体にダメージを受け続けている状態だったのだ。
その為、フェニックスメモリの再生の炎が+に働き井坂は動くことが出来るようになっていた。
「丁度良い井坂くん。
倒れている他のみんなの診察を頼んでも良いかね?」
「それはキースの処分を私にはさせないと言うことですか?」
「いいや、奴なら仮面ライダーに倒される。
それよりも今は組織の建て直しが急務だ。
私は組織を...君には人を治して貰いたいそれだけだよ。」
井坂は琉兵衛の意見に少し疑いの目を向けたが直ぐに切り替えた。
「良いでしょう。
今は彼等の治療をすることの方が優先度が高そうです。
屋敷のスペースをお借りしますよ琉兵衛さん。」
「頼んだよ井坂くん。」
井坂が部屋を出ていくと琉兵衛は手に持ったテラーメモリを見つめながら呟いた。
「これも君の計画通りなのかい?」
「"ゴエティア"。」
琉兵衛の問いに誰も答える者はいない。
外伝 続編の投稿に関して
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