もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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第百三十二話 AtoZ/激戦

キースはこの状況を正しく理解できないでいた。

エデンドーパントになった自分は無敵だと思っていた。

 

何故ならミュージアムへの復讐のためにこれまでメモリを研究し、ユートピアにも勝つことの出来るメモリを生み出す計画の完成形がこのエデンメモリだったのだ。

 

自分自身が強大な理想郷となり世界を支配する。

このメモリの力を知ったキースはその考えに疑いをもつことはなかった。

 

現にWとエターナル....そして無名はキースの一撃により戦闘不能になっていた筈だった。

それが今やWとエターナルは謎の強化をされエデンドーパントの周りを飛び回り攻撃を仕掛けている。

 

Wは背中に現れた六枚の羽を使い空を飛び、エターナルは両手足から紫の炎を放出し空を飛び上がっていた。

そうしてWはプリズムソードでエターナルはエターナルエッジに炎を纏わせてエデンドーパントに攻撃を加えていく。

「こんな事が....あってたまるかぁぁ!」

エデンドーパントは島の底部に無数の砲台を作り出すとそこからビームを無差別に放出した。

 

「野郎、見境なしかよ!」

『底部の砲台を破壊しよう翔太郎!』

フィリップの言葉に従い砲台をプリズムソードで飛びながら切り裂いていく。

「許さん!許さん許さん許さーーん!」

 

エデンドーパントの身体から更に砲台が出現するとWを狙い砲撃が行われる。

Wはこれを回避しながら底部の砲台を破壊しようとする。

エターナルはWを援護するように炎を纏わせたエターナルエッジを砲台に振るい破壊していく。

だが、砲台を破壊することよりもエデンドーパントの生成の方が早く生成された砲台からの攻撃により二人は劣勢に追いやられた。

 

「くっ!数が多すぎる!」

克己がそう言って砲台からの攻撃を迎撃していると砲撃が止みエデンドーパントが急に爆発した。

「何が起こったんだ?」

すると、二人の前にデーモンドーパントが姿を現した。

しかし、疲弊しているのか肩で息をしている。

「ハァハァハァ....何とか間に合いましたね。」

「無名、お前その姿は?」

「今はそんな事よりも目の前の敵に集中しましょう。

砲撃は僕が抑えますので二人は本体に攻撃を」

 

「....分かった行こうぜ。

フィリップ、克己。」

『あっ....あぁ』

「分かった。」

そう言うと二人は空を飛びエデンドーパントへと向かっていく。

エデンドーパントも迎撃しようと砲台を起動する。

「Zone..起動。」

無名が手を向けると砲台から発射されたビームが姿を消しエデンドーパントの頭上から降り注いだ。

 

しかし、それと同時に無名の身体に負荷がかかる。

精神が削り取られる様な痛みを味わう。

「やはり...そう何度も使える力じゃありませんか。

なら、圧倒的な一撃でキースを倒せるチャンスを作るしかありませんね。」

 

「Magma,Heat....起動。」

1つのメモリの力を使うだけでもかなりの負荷がかかるが無名はここで決めるために二本のメモリを起動した。

「ぐぁぁぁぁぁ!」

クリスタルサーバーをかきむしるようにしながら無名は地面に倒れそうになるのを気合いで止める。

「まっ...だだぁ!」

無名が上空に指を向けるとマグマと炎で覆われた大型の火球を作り出した。

それはドンドンと大きくなり、無名の身長を超えたところで大きくするのを止めて、そこに黒炎を流し込む。

太陽の様に光っていた火球は黒く染まり禍々しい黒き太陽へと変わる。

 

それをエデンドーパントへ放つと、無名のドライバーからメモリが排出され人間の姿に戻り、倒れるのだった。

 

 

放たれた黒炎の火球は速度をあげてエデンドーパントへ向かっていく。

それに気づいたエデンドーパントは最大火力のビームを火球に向けて放つが、黒炎はそのエネルギーすら飲み込み巨大化するとエデンドーパントに激突した。

エデンドーパントに当たった火球は爆発すると内部のマグマが流れ出る。

黒炎を吸収しその特性を持った黒いマグマがエデンドーパントの身体を蝕み全ての動きが止まる。

 

『今だ翔太郎!メモリブレイクだ!』

「分かった!だがこんなデカブツ本当にメモリブレイクできんのか?」

『通常のマキシマムでは不可能だ。

だが、エクストリームの能力を最大限発動したツインマキシマムなら可能だ。』

「けど、ツインマキシマムは今の俺達で発動できるのかよ?」

『だからこそ、大道克己、君にもマキシマムを使って貰いお互いのエネルギーを使って暴走を抑制しつつ放つんだ。

だが、これをするには"お互いのマキシマムのエネルギーが同量"である必要がある...つまり』

 

「俺もツインマキシマムとやらをやる必要があるわけだな?

良いだろう.....翔太郎、ジョーカーメモリを貸してくれ。

"エターナルとジョーカー"のツインマキシマムを使う。」

『それなら、僕らの"プリズムとエクストリーム"のマキシマムとも張り合える。

良いねそれで行こう!』

「なら、名前も決めようぜ!必殺技にはお互いの息を合わせる必要があるから...こんな風なのはどうだ?」

 

二人は翔太郎のアイデアを聞いた。

『名前は君の好きにしたまえ...大道克己、君はどうだ?』

「俺もフィリップと同意見だ。

それで構わん。」

「じゃあ、行こうか!」

 

「PRISM MAXIMUMDRIVE」

Wがマキシマムスロットにプリズムメモリを装填するとドライバーを閉じて再度展開する。

「XTREAM MAXIMUMDRIVE」

 

エターナルはWから受け取ったジョーカーメモリをマキシマムスロットに装填した。

「JOKER MAXIMUMDRIVE」

そしてエターナルエッジを取り出すとドライバーからエターナルメモリを抜き装填する。

「ETERNAL MAXIMUMDRIVE」

 

Wのドライバーから黄金の風が吹き出すとWを飲み込み飛び上がる。

エターナルは右足に紫の炎、左足に青色の炎が集まると両手の炎を使い空に飛び上がった。

二人が必殺のキックの体勢を取ると叫んだ。

 

『「ダブルゴールドプリズムエクストリーム!」』

 

「ネバーエンディングジョーカー!」

 

二人から放たれた必殺キックがエデンドーパントに直撃する。火花を散らすエデンドーパントに二人は蹴りを加えながら回転しドリルの様に身体を抉っていった。

そうして二人の攻撃がエデンメモリへと到達する。

「まだまだぁーー!」

「行けぇぇぇ!」

 

メモリに到達しても完全に破壊するまで攻撃を続けていた二人の猛攻にメモリが限界を向かえる。

「ばっ...バカな!こんな事が!...お前達は一体何なんだぁ!」

キースの問いにライダーは答えた。

 

『風都を守る人間で』「そして探偵で」

 

「『「仮面ライダーだ!!!」』」

 

 

 

「ぐあぁぁぁぁぁぁ!」

エデンドーパントは大爆発を起こすと融合していたメモリが解除されてT2メモリが元の形に復元されると飛び散った。

これがW単体のマキシマムならこれで終わりだったがエターナルが協力したことによりそれでもメモリは負荷かかり飛び散った先からメモリが壊れて爆発していく。

 

それはまるで辺り一面の空に花火が起こっているような程、幻想的な光景だった。

 

その光景を見ていた亜樹子の前に市民を守るために動いていた照井が現れる。

「所長、とんだ1日だったが....一緒に花火を見れそうだな。」

「そうだね....竜くん。」

 

二人は誰にも見られないように静かに手を繋ぐのだった。

 

 

 

そんな中、フェニックスメモリがビルへと落下すると、そこに加頭が現れる。

「やはり、負けましたか。

途中までは上手く行っていたようですが....流石は仮面ライダーと言った所ですかね。」

加頭はドライバーを腰に付けるとメモリを起動する。

 

「Utopia」

 

ユートピアドーパントに変身した加頭はフェニックスメモリを手に取るとエネルギーを加える。

すると、メモリからキースの声が聞こえてくる。

「!?....ここは」

「お目覚めですか?キース・アンダーソン。」

 

「貴様はっ!」

「全く、貴方のせいで財団は大変な損害を被りましたよ。

メモリとドライバーの強奪だけならまだしもミュージアムの本拠地である風都を襲うだなんて....お陰でこの後の尻拭いが大変ですよ。」

 

「黙れっ!お前が...お前達が俺の邪魔さえしなければ!」

「しかし、フェニックスメモリを処分してくれたのは有り難く思っていますよ。

あのメモリは危険な"欠陥"がありましたから」

「欠陥だと?」

 

「えぇ、再生の力を持った炎を操り自らも炎になることで不死身に近い能力を得られるこのメモリですが....長時間使用すると再生の炎に意識まで回復されて自分の存在すら忘れてしまい最後には炎その物になってしまうんですよ。

だからこそ、財団でもこのメモリを使うことが出来ず保管するしかなかった。」

「しかし、このメモリには一種の洗脳効果がありまして、適合する人間を強制的に引き付けてしまうんです。

しかも、再生の力のせいでメモリブレイクすら出来ない。

厄介な品物でした。」

 

「だが、貴方がこのメモリを使い別のメモリと融合させた事でその力が弱まったんです。

今なら簡単にメモリを壊せます。」

「そんな....バカなっ!」

 

「まぁ、最後ですから教えてあげますが"財団は貴方の裏切りを予期"していました。

ですから、この際不要な存在や物を在庫処分しようと本部が決定したのです。

貴方が殺した財団の幹部も裏切りの疑いがある男でしたし、ジェット機で護衛を任せていた部下も元々処分する筈だった人物を使ったんです。

予想外だったのはNEVERのクローンを作りメモリを産み出したこと」

 

「だが、そのデータも手に入れる事が出来ました。

これで財団は更に発展するでしょう。

せめてもの温情として慈悲を持って貴方を始末するように言われていますが....」

「貴方は冴子さんに危害を加えた....これは許せることではない。

ですのでこれは私なりの復讐です。」

 

そう言うと加頭はゆっくりとフェニックスメモリを握りつぶしていった。

パーツの一つ一つに亀裂が入り火花を散らすと加頭の手の中で爆発した。

その砕けた残骸を袋にしまいアタッシュケースに詰めるとその場を後にする。

 

 

こうして風都最大の事件は幕を閉じたのだった。

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