もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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第十一話 Sとの対峙/髑髏の戦士

目の前に現れた鳴海 荘吉に無名は内心で動揺していた。

(まさか、この場で出会うことになるなんて....

せめて、シュラウドと"接触"してから会いたかった。)

 

何故なら、今この場においてもっとも厄介な存在が鳴海 荘吉....仮面ライダースカルだと僕が思っているからだ。

彼の使うメモリであるスカルは"髑髏の記憶"を宿している。

映画ではそこまで語られなかったが漫画において能力が明かされた。

それは変身中、変身者の肉体を骸骨と同等にすること。つまり、一種の"不死状態"になることが出来る。

 

そして、もっとも厄介なのは生者でありながら死者となっていると言うこの現象そのものだ。

"生と死の境界線上にいるあやふやな能力"....

死と消滅を象徴する僕のデーモンメモリとの相性が悪かった。

 

荘吉は僕を見ると話し出す。

「子供がこんな所で何をしてるんだ?」

僕はその動揺が悟られないよう平静を保ち答える。

「単なる実験ですよ。ガイアメモリを使った」

 

ガイアメモリと言う言葉を聞いた荘吉は顔をしかめる。

「お前はそれの危険性を理解しているのか?

人間を悪魔に変える最悪の道具だぞ。」

「えぇ勿論、理解していますよ。

でも人間なんてメモリを使わなくても元々悪魔みたいな側面を持っている者でしょう?

ガイアメモリはそれを助長させる要因の一つにしか過ぎませんよ。」

 

「.....そうか。」

そう言うと荘吉は懐からドライバーを取り出す。

"ロストドライバー"、片方にメモリを入れるスロットを持つドライバーを荘吉は装着すると帽子を取り、

澄んだ色をした黒いメモリを起動する。

 

SKULL」(スカル)

 

起動したメモリをドライバーに装填し倒す。

「変身」

その声と共に仮面ライダースカルへと姿が変わる。

額についた稲妻の傷を隠すように帽子を被り直すと、

僕を指差し告げる。

 

「さぁ、お前の罪を...数えろ。」

 

僕もそれに呼応するように試作ドライバーを付けてメモリを起動する。

「Demon」

そしてドライバーにメモリを装填すると、

身体が変異しデーモンドーパントへと変身した。

 

「"数える程の罪"なんて僕にはありませんよ。」

僕は荘吉にそう言い放つ。

 

夜の風都で髑髏(スカル)悪魔(デーモン)

怪物同士の殺し合いが始まるのだった。

 

 

先手はスカルから始まった。

距離を積めて格闘をするつもりなのだろう。

無名は黒炎を作り、彼に放つ。

黒炎は、彼を燃やし始めるのだが気にする素振りも無く近付くと拳を突き出してきた。

 

その攻撃を腕で払うがスカルの追撃は止まること無く、そのまま回り蹴りを喰らい僕は吹き飛ぶ。

「くっ!....やはり効きませんか"僕の炎"は」

「そのようだな。」

この炎は生きている者を破壊し消滅させる力がある。

生と死の境にいるスカルにはやはり効果が薄いようだった。

 

そして、これも対峙して分かったが格闘能力も高い。

恐らく、獅子神よりも高く洗練されていた。

風都に現れるドーパントをこれまで倒してきた経験則から来る攻撃は、確実に僕の身体にダメージを与えていた。

(やっぱり"相性"が悪い。

獅子神の様に油断してくれれば良いがそんな可能性は皆無だろうな。)

 

ゲートで逃げようにもそんな時間を与えてくれるとも限らない。

仕方がない"アレ"を使うか。

僕はスカルの目の前に黒炎を放つ。

ダメージ目的ではない目眩ましの為だ。

何かするのを察し警戒した為か時間が出来る。

そこで僕は黒炎をイメージで型どっていく。

すると、黒炎が集束し"黒い刀"へと形を変えた。

 

完成した武器でスカルに斬りかかる。

スカルは回避しようとするが刃が伸びて胸の生体装甲に"一筋の傷"を付けることが出来た。

 

スカルは胸の傷を抑えている。

「その刀...普通の武器じゃないな?」

荘吉の問いに無名は答える。

「ご名答。

この武器は僕の使う黒炎を別の形に変えた物です。

正確には刀ではなく炎の塊です。

黒炎と違いがあるとすれば"純度"の差ですかね。

黒炎の力は"物体や事象の消滅"、

この刀はその中でも物体の消滅の力の純度を上げてあります。」

 

因みに獅子神との戦いで使ったゲートは事象の消滅の力を強く出しておりその力により移動にかかる事象を消していたのだ。

閑話休題。

 

この武器ならばスカルの不死性にも対抗できる。

不死だろうと肉体が無くなれば意味がない。

形があるから不死と言う概念が成り立つからだ。

 

「どうやら、手加減出来る相手では無さそうだ。」

そう言うとスカル専用武器であるスカルマグナムを取り出し僕に向けた。

 

 

 

これからが"第2ラウンド"だ。

 




Another side

仮面ライダースカルとデーモンドーパントの戦いを遠巻きで見ている女性がいた。
顔を包帯で巻き、ライダーススーツに短髪の黒髪に黒いサングラス。
仮面ライダーWに置いて物語を動かす重要なキャラクターであるシュラウド...園咲 文音だ。

彼女がこの戦いを見たのは単なる偶然だった。
風都でミュージアムがガイアメモリの実験を行う事を知り荘吉に知らせた。
それだけで終わりの筈だったが、
あの少年が取り出したドライバーにより話が変わる。

(あのドライバーは私の作った物とは"明らかに違う"。
一体、誰があれを作り出したの?)

彼女が園咲家を出る際に次世代ガイアメモリとドライバーの設計図と研究データを持ち去ったのは園咲 琉兵衛に勝つ糸口を残すのと旧世代のガイアドライバーにこれ以上の改良は出来ないと知っていたからだ。

それにコスト面から見ても量産は不可能だと判断したこともある。
だからこそ、旧世代のガイアドライバーのデータはミュージアムに残したままにしたのだ。

だが、あのドライバーは私の知らない技術が使われている。
ドライバーとしての完成度はお世辞にも高いとは言えないがそれでも出力だけで見れば私の作ったドライバーと同程度の力を出していた。

(これは"危険"かもしれない。
あの少年を放って置いたら何れ取り返しのつかないことなる。)
そんな感情をシュラウドは持っていた。

恐らく、彼が使っているメモリにも理由があるのだろう。
デーモンメモリ..."悪魔の記憶"を内包しているとデータでは書かれているがそれは調査が途中で断念されたからそう書かれたに過ぎない。
過去の実験でも被験者は皆、ドーパントになる前に黒炎に巻き込まれて死んでいる。

故に、ミュージアムやこの私でさえもこのメモリの力を、把握してはいない。
もしかしたらテラーよりも恐ろしい力を秘めているかもしれない。
...."保険"をかけておくべきだろう。

シュラウドはそう考えるとスタッグフォンを取り出し操作を行うのだった。

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