コレクターが舞台へ呼ばれた時に作動させた腕時計の装置はフィリップ特製の発信器でありこれで居場所を警察の特殊部隊へと送信していた。
照井はこのオークションに参加しているメンバーを摘発するために潜入捜査を行っていたのだ。
腕時計の装置がちゃんと作動しているのを確認するとコレクターを祝う演技をした。
そこにコレクターが一枚のチケットを持って帰って来た。
「素晴らしい、正に格の違いを見せつけましたね。」
「ありがとう.....そうだこれも何かの縁だ。
このチケットは君に上げよう。」
「宜しいんですか?」
「勿論、私はもうチケットを持ってるし正直、君の事は気に入った。
パーティ当日に会うのを楽しみにしているよ。」
そう言ってコレクターは照井にチケットを渡すと会場から出ようとする。
「もう帰られるのですか?」
「あぁ、目的だったメモリも競り落とせたしここから先の"余興"には興味がないのでね。
君と話せて楽しかったよ。」
「あの"お方"に復讐の炎を燃やし続ける仮面ライダーである君とね......」
「なっ!何故....」
「では失礼。」
そう言うとコレクターはその場を後にし照井は彼を追いかけようとするがその前に背後から起こった割れんばかりの拍手に目を向けた。
「それでは本日のメインイベントである"リベンジゲーム"を始めましょう!」
(リベンジゲーム?)
「ルールはシンプルです。
これからこの会場に復讐する者とされる者が現れます。
復讐される者には大会から武器が支給されていますが復讐する者は何も持っていません。
このままでは敗北は必須ですので皆様が復讐する者に武器を提供してください。
その後、両者のどちらかが死ぬまで戦うゲームです。
では、デモンストレーションとしてナイトタイムが用意したゲームをご覧下さい。」
そう言うとボロボロの服を着た少女とまるで特殊部隊の様なアーマーを着た男が現れた。
「彼は元々教会で働く神父でした。
しかし、彼には苦しむ子供の顔を見ることで興奮する性癖があったのです。
そんな彼の毒牙にかかり何人もの孤児が命を落としました。
さぁ、何か弁明はありますか?」
その問いにアーマーを纏った男は挙動不審になりながら答える。
「わっ....私は悪くない!あれは全て合意の上だったんだ。
それに全ては神の思し召しだ。
彼らが死んだのは天命だったんだ!」
悪びれもなく言う男にボロボロの服を着た少女は怒りの目を向ける。
「ふざけるな!お前は笑いながら私たちが死ぬのを眺めていたじゃないか!」
「彼女はその孤児院の唯一の生き残りです。
孤児院で殺人事件が起きたお陰で助かったのです。」
「助かってない!.....私も人殺しだ。
神父の犯した殺人は全て事故として処理された!
そんな状況で仲間を助けるためにはここで事件が起こる必要があった.....だから」
「彼女は孤児院から自分と仲間を抜け出させるために共謀していた友達を殺しました。
その事に弁明は?」
「無い....例えどんな理由でも人を殺したことには変わり無い。」
そう言う少女を神父は弾圧した。
「何て穢れた魂をしているんだお前は!
恥を知りなさい!」
そう言って詰め寄ろうとする神父を司会の男が取り抑えた。
「貴方はこのゲームの大事な駒なんです。
勝手な行動は謹んで貰いましょう。
では、このリベンジゲームで復讐を望む少女にナイトタイムが与えた武器は....こちらです。」
そう言うと一本のガイアメモリが少女に渡された。
それを見た神父が激怒する。
「なっ!こんなの不公平だ!私がこのアーマーと銃なのに何故この餓鬼がガイアメモリを....」
「貴方の言い分を借りるならこれも神の思し召しと言うことですね。」
少女はメモリを起動する。
「
そしてメモリを腕に挿し込むとメモリが身体に吸収され少女はリボンドーパントへと姿を変えた。
その姿を見た司会者が皆に告げた。
「さぁ、それではリベンジゲームスタートです!」
「うっ....うわぁぁぁぁぁ!」
神父は叫びながらリボンドーパントへ銃を放った。
弾は全弾リボンドーパントへ命中し火花が出るがダメージは無かった。
リボンドーパントは放たれた銃弾を掴むと背中のボビンが回転しきらびやかなリボンが展開した。
「リボンドーパントには触れた物質の"性質"を持ったリボンを作り出す力があります。
それを使えばこのような戦い方も出来る訳です。」
司会の解説と共にリボンドーパントは生成したリボンでアーマーを着けた神父を攻撃した。
神父の着けていたアーマーがいとも簡単に切断される。
「ひぃ!」
だが、神父の身体に傷はなかった。
「こんなものじゃ終わらせない。」
リボンドーパントはそう言うと神父の両手足にリボンを結び付ける。
銃弾を掴み金属の特性を得たリボンの一つを勢い良く引くと神父の右腕が螺旋状に切断された。
「ぐぎやぁぁぁぁ!」
神父は絶叫し右腕のあった場所を抑える。
(遅い!.....このままではあの男が殺されてしまう。)
特殊部隊の突入を待っていた照井は痺れを切らし舞台に躍り出る。
それを司会者が止めた。
「お客様、その様なイベントへの参加は厳禁ですよ。」
「ふざけるな、早くあの少女と止めろ。
このままだと本気で殺してしまうぞ。」
そう照井が忠告するが司会者は全く意に返そうとしない。
「寧ろ、それが目的ですよ。
あの場で説明したことは全て真実です。
この復讐も彼女が望んだことです。
警察に行っても相手にされず、神父の罪を暴けずただ自分が人殺しとしてでしか生きることの許されなかった彼女が最後に手に入れたチャンスです。
それを奪う権利は貴方にはありませんよ。」
「いくら、貴方が"仮面ライダー"でもね。」
「....知っているのなら話は早い。」
そう言うと照井は隠していたドライバーを装着するとメモリを起動した。
「ACCEL」
「変....身!」
照井は仮面ライダーアクセルに変身するとエンジンブレードを司会者に向けた。
「復讐したい気持ちは分かる....だがあの子はまだ子供だ。
そんな子を修羅の道へ歩ませる訳には行かん!」
「お前らを倒してあの子を救う!」
そう言うとアクセルは会場へと向かっていくのだった。
Another side
風都にある人材育成企業"カイ・オペレーションズ"。
その会社で若くしてCEOにまで上り詰めた
「一体、誰だ?」
万灯が、そう聞くと出紋が答えた。
「はい、園咲 琉兵衛です。|
「園咲....ミュージアムの頭目が一体何の用があるのか。
通してくれ...それと最高級の紅茶と菓子を。彼には最大限の礼節を持って接しなければならないからね。」
そして琉兵衛が万灯達のいる部屋へ招かれた。
万灯は琉兵衛を一目見て引き込まれてしまう。
(これは....まるで恐怖その物を支配するような圧倒的存在感。
一目見ただけで私が恐怖の感情を抱く何て.....)
「ようこそいらっしゃいました園咲琉兵衛様。
本日はどう言ったご用件でこちらに?」
そう尋ねると琉兵衛は笑顔で答える。
「何、無名が新しく我がミュージアムの協力者に選んだ君を見ておきたくてね。
無礼かとは思ったが、最近そちらの組織の者に手痛い仕打ちを受けたばかりなのでね。」
万灯は財団Xに所属するエージェントの一人であり、今回キースが起こした反乱についても把握していた。
故に万灯の表情は少し歪む。
(成る程、抜き打ち検査と言うわけですか。
ガイアメモリを開発した組織とパイプを持てて喜んでいましたが、全く余計なことをしてくれましたね。)
「それは本当に申し訳ありません。
しかし、私はミュージアムと敵対する意思はありません。
寧ろ、共に商売を行うパートナーとして考えています。」
「だが、口では何とでも言える。
あの
「では、どうすれば信用していただけますか?」
万灯がそう言うと琉兵衛はとある写真を見せる。
「これは?」
「財団が保管していたクリスタルサーバーと呼ばれる物質だよ。
これを渡して貰いたい。」
「これは加頭さんが回収しミュージアムに提供した筈です。
ですからもう財団にも残ってはいないと思います。」
「ならば、代わりの物を渡してくれないかね?」
「代わりですか?」
「風都に住む君ならば知っているだろう仮面ライダーを...」
「えぇ、確かWとアクセルでしたか?」
「そうだ、そのWからクリスタルサーバーと同じ物質が生成される。
それを渡してくれれば良い。」
「しかし、そう上手くは行かないですよ。
それ用の装置も調達しなければならないでしょうし」
「それならば問題ない。
禅空寺家の使えば良い。」
「禅空寺....風都の海岸一帯を所有している富豪ですね?
確かに彼らと財団は繋がりがありますが」
「近い内にそこで"事件"が起きる。
恐らく仮面ライダーも出てくるだろう。
そこで回収してくれれば良い。」
「では、禅空寺を調べてから返答させていただいても宜しいでしょうか?」
「良いだろう。
だが、このままでは君に旨味が無い。
そこで、君がこの仕事を完遂したらこれを差し上げよう。」
琉兵衛はとある資料を万灯に見せる。
「これは....」
「今の君が最も欲している情報の筈だが、どうかね?」
「分かりました。
これを下さるのならば何としても琉兵衛様の御期待に答えて見せましょう。」
「期待しているよ。」
そう言うと琉兵衛は退出し万灯は出紋に指示を出し調査を始めるのだった。
外伝 続編の投稿に関して
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