照井はアクセルに変身するとリボンドーパントと神父のいる場所へ向かおうとしたが突如現れたドーパントに止められる。
「邪魔をするなぁ!」
エンジンブレードでそのドーパントを切り払うと身体が砕けて動かなくなってしまう。
しかし、直ぐ目の前にまた同じドーパントが現れた。
「何!」
「無駄ですよいくら破壊しても無限に現れます。
貴方が彼処に辿り着くことはない。」
そう言う司会者の目の前にそのドーパントはドンドンと現れていく。
一体一体の戦闘力は低いがいくら倒しても出てくるせいでアクセルは進めなくなっていた。
その間にもリボンドーパントは神父をゆっくりと痛め付けていく。
神父の腕と足は片方ずつ無くなってはいるが切断箇所の近くがリボンで結ばれており出血は少なかった。
(失血死すら許さないつもりか。)
神父はその場から離れようと残った腕を使い芋虫の様に這うがその背中をリボンが打ち据える。
金属の特性を持ったリボンが鞭のように振るわれて神父の背中に当たると神父は絶叫した。
「痛いか?あの時に殺した友達もそうだった。
"苦しい、止めてくれ"と言う言葉を聞いてアンタは笑いながら言ったな。
"これは神の思し召しで罰だと"ならこれも罰だ。
もっと苦しめ!これまで殺した皆の痛みをもっと味わえ!」
「止めろ!そんな復讐は意味がない!
痛め付けて殺したところでコイツの罪は清算されない!」
「黙れ!部外者が口を挟むな!
仮面ライダーなのに私達を助けられなかった分際がっ!」
「すまない......だがそれでもコイツを裁くのは司法に任せるべきだ。
コイツの罪なら俺が立証させる!
だから、もうこんな"悲しい復讐"は止めるんだ!」
同じく復讐を目的として生きていた照井が言える台詞でないことは分かっている。
だがそれでもまだ子供である彼女がその道に進むことだけは認められなかった。
「もう無理なんだ!私は友達を殺した!
皆を助ける為でも....殺したんだ!
ならせめてコイツを道連れにしてやる!
それが私の出来る復讐なんだぁぁぁ!」
リボンドーパントがリボンを刃の様に伸ばすと神父の首に向かって振るった。
「止めろぉぉぉ!」
「TRIAL」
照井はトライアルメモリを起動し変身するとマキシマムを発動した。
いくらトライアルの速度でも邪魔をする複数のドーパントを抑えながらあの場所に行くことは難しかった。
そこで照井はシュラウドにより解禁されたトライアルメモリのもう一つの力を使う。
「急に呼び出してどうしたんだシュラウド?」
風都タワーの一件の後、照井はシュラウドに呼び出されていた。
「あなたも強くなった。
だからこそドライバーとトライアルメモリの"セイフティ"を解除しようと思ってね。」
そう言うと照井からドライバーとトライアルメモリを受け取る。
そして大きな装置にドライバーとメモリを入れるとパソコンを使い装置を起動した。
「アクセルドライバーにつけていたセイフティを外せばツインマキシマムを使うことが出来るようになるわ。
そして、トライアルメモリにつけたセイフティを外すとあるシステムが使えるようになる。」
「システム?」
「使うタイミングはトライアルメモリのマキシマムを発動している最中.....今の貴方なら使いこなせるでしょう。」
そうシュラウドが言うと照井が逆に問いかける。
「シュラウド....何を隠している?
今更、セイフティの話をするなんて不自然すぎる。
アンタは復讐のために俺を利用している。
だからこそ余計なリスクを与えないようにしてきた。
ウェザーと戦った時が良い例だ。
そんなお前が何故......」
「別に、ただの"保険"よ。
敵も強くなっている以上、貴方もこのままでは駄目だと思っただけ.....」
そう言うシュラウドだが明らかに顔つきから何か思い悩んでいるのは分かっていた。
だが、照井にはその理由が分からず今は聞かない選択をした。
「それで....トライアルは何が変わるんだ?」
「タイミングは厳しいけど、上手く行けばトライアルのマキシマムドライブの出力が"数十倍"にまで跳ね上がるシステムよ。その分、負荷も凄まじいけどね。」
そう言ってやり方、シュラウドから教えられた照井は今がそれを使うときだと思い、トライアルメモリの秒数を確認する。
("0.8秒"、そろそろだな。)
そうして秒数が"1.1秒"になった瞬間、トライアルのスイッチを押した。
するとアクセルの足に強烈な負荷がかかり出力が一瞬で倍加した。
トライアルメモリに隠された能力はゾロ目の秒数で止めるとメモリの出力が上がっていく。
まるで車のギアを変えるように能力が向上していくのだ。
急激に加速したアクセルは道を塞いでいたドーパントを振り切ると落とされるリボンをエンジンブレードで止める。
「ぐっ!」
トライアルメモリの負荷とリボンドーパントの攻撃により崩れそうになるが耐えると一気に落とされたリボンを弾く。
依然としてトライアルのマキシマムは発動しているのでそのままリボンドーパントに近付きエンジンブレードを地面に刺すとアクセルは駒のように回りながら両足の蹴りを連続で加える。
そして、トライアルメモリを止めた。
「TRIAL MAXIMUMDRIVE」
「6.8秒....これで終わりだ。」
リボンドーパントはアクセルの攻撃によりメモリブレイクされると地面に倒れた。
それをアクセルは優しく抱き抱える。
その光景を見ていた神父は傷付いた身体を抑えながら言う。
「はっ.....はははは!やはり神は見ておられたのだ私は神に愛され.....て?」
笑っていた神父の頭をサラが掴む。
「アンタみたいなクズに神は微笑まないわ。
そして、アンタが最後に見る景色は....」
「Gorgon」
「生きながら自分が引き裂かれる姿よ。」
ゴーゴンドーパントに変身したサラは神父を掴むとバラバラに引き裂き断面を石化した。
少女を助けることに夢中になっていた照井はそれを止めることが出来なかった。
オークション会場にいたコレクターは落札した五本のメモリを持ってとある建物に向かっていた。
到着するとそこには園咲冴子が資料を読んで座っていた。
「あら?
井坂先生なら今、外に出ていますけど.....」
「いえ、今回は井坂先生にお土産を持ってきただけです。」
そう言うと伊豆屋は五本のメモリをその場においた。
「なら、後で井坂先生に渡しておきますわ。」
「お願いします....あぁ、そう言えば今日のオークションで面白い人物と会いましたよ。」
「面白い人物?」
「えぇ、井坂先生を狙う仮面ライダーです。
中々に面白い青年でした。」
その言葉に冴子の顔は曇る。
「井坂先生を狙っていると知っているのなら何故、そこで始末しなかったのですか?」
「おや?井坂先生から聞いていませんか?
私は特定のメモリを持たずメモリを"使い捨て"にしているんです。
ですから丁度、メモリを所持していなかったのですよ。」
「まぁ、良いわ。
それが話したかったことかしら?」
「いえ、問題はその仮面ライダーが現れたオークションが"ナイトタイム"が元締めとして行っていたと言う点ですよ。
後はもうお分かりですよね?」
裏のオークションには取引を円滑にこなす為にも元締めが必ず存在する。
大抵はヤクザやマフィア等の裏社会の者達だが、ガイアメモリを販売する風都においてはそのメンバーが元締めをすることが多々ある。
そして、ナイトタイムを動かしているトップはサラだった。
「まさか、サラがしくじるなんてね.....
でも、困ったわ。
サラには政財界や財閥へのメモリ販売を任せていた。
私でも彼女の代わりは難しいわね。」
伊豆屋をほおっておいて一人思考を始める冴子を無視し伊豆屋は部屋を後にした。
その仮面ライダーにナイトタイムが直々に主催するパーティへのチケットを渡したことを黙ったまま.....
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