もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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第百三十七 見つめるA/接触する二人

フィリップと亜樹子は禅空寺香澄からの依頼で禅空寺家とZENONリゾートの調査を行っていたが進める内に後ろ暗い真実が分かってきた。

 

そしてそれを知ったフィリップと亜樹子と香澄はZENONリゾートの社員から命を狙われる事になる。

広大なリゾートを使った命懸けの鬼ごっこが始まっていた。

フィリップは一人囮となって二人を逃がそうとする。

何とか翔太郎と連絡を取りWになろうとするが"ゼロドーパント"にスタッグフォンを破壊されてしまった。

 

(何か....何か考えるんだ!こんな時、翔太郎ならどうする?)

フィリップは思考をフル回転させて打開策を探すがその時、香澄の前に社員が変身した"フィッシュドーパント"が現れた。

 

「きゃあ!」

「まずい!」

フィリップは翔太郎の様に身体が勝手に動きフィッシュドーパントにタックルして下の部屋に落下した。

ドーパントをクッションにしたことでダメージは免れたがそれはフィッシュドーパントも同じだった。

 

「このクソガキがぁ!ぶち殺してやる!」

キレたフィッシュドーパントは隠れたフィリップを見つけ出すため口から水圧カッターを放出した。

手当たり次第にばら蒔くため当たったコンクリートの壁や鉄筋が簡単に切断される。

 

しかし、それはフィリップが切断された部屋の中から一つのアタッシューケースを見つけたことで事態は変わることになる。

フィリップはアタッシューケースを開くとそこに入っていた物に驚く。

「何でこんなものがここにあるんだ?」

だが、今はそんな疑問を解決している暇はない。

それを手に持つとフィッシュドーパントの前に現れた。

「どうした?もう逃げるのは止めたのか?」

「確認だが.....僕たちを黙って見逃す選択肢は無いんだね?」

 

「下らないことを聞くな。

お前達はここで殺してやる!」

「そうか、なら仕方がない。」

フィリップは手に持ったロストドライバーを腰につけるとメモリを起動した。

 

「CYCLONE」

 

そしてメモリをロストドライバーに装填すると展開した。

「変身!」

するとフィリップの周りに突風が巻き起こり緑色の風の戦士に、変身した。

 

そして、変身した自分の姿を見たフィリップは言った。

「今、名付けよう....僕は」

 

「仮面ライダー"サイクロン"だ!」

そう言うとフィリップはフィッシュドーパントへと向かっていくのだった。

 

 

 

舞台は変わり照井は神父を殺害したゴーゴンドーパントを見据えていた。

「何故だ!何故、奴を殺した!」

「分かっているでしょう?これは彼女が望んだ復讐だった。

それを邪魔されたから私が手を下しただけよ。」

「奴は司法で裁くべきだった!

でなければ本当に彼女が救われたことにはならない。」

「彼女を見捨てたのはその"警察であり司法"よ。

現にこれがなければ貴方は事件を知ることすら無かったでしょう?」

 

「それは.......」

「この世界に正義なんて無いのよ。

あるのは多数派に取って都合の良いルールだけ.....

本当に平等が欲しいならこの世界のルールを破るしかない。」

「それは極論だ!

そんな正義は誰も認めない!」

「私達は誰かに認められる正義を求めているんじゃないわ!」

ゴーゴンドーパントの目が光り、違和感を覚えた照井はトライアルの力で高速移動し回避するとその場所が石化した。

 

「お前は.....間違っている!

そんか私刑は許されることじゃない!」

「復讐を望んでいる貴方が言えた台詞じゃ無いでしょう!」

ゴーゴンドーパントはアクセルを視界に収めるように追いかける。

それをアクセルは高速移動で回避し続けた。

「子供に復讐を強要させるのか!

何も知らない子供にそんな咎を背負わせるのか!」

 

「煩いわね!それしか許されない現状を作ったのは貴方達、警察じゃない!

誰も助けてくれない場所で生き残るには自分が強くなるしか無かったのよ!」

ゴーゴンドーパントはまるで心に溜まった怒りを吐き出すように照井に言った。

「俺は.....それでもこの復讐は認めない!」

そう言うとトライアルメモリを抜いてマキシマムを発動する。

そして、照井はエンジンブレードにエンジンメモリを装填するとこちらもマキシマムを発動した。

 

「ENGINE MAXIMUMDRIVE」

 

高速移動するアクセルはゴーゴンドーパントの視界を振り切りながら斬撃を放ち続ける。

そうして、斬撃を加え続けたアクセルはトライアルメモリのボタンを押した。

 

「TRIAL MAXIMUMDRIVE」

 

「8.9秒....これがお前の絶望までのタイムだ。」

アクセルのツインマキシマムを受けて爆発する筈だったゴーゴンドーパントの身体が硬直すると動かなくなる。

「何?確かに仕留めた筈......」

そこからゴーゴンドーパント....サラの絶叫が会場を木霊した。

 

「ガァァァァァァァ!」

 

女性と思えない程、重々しい絶叫と共にサラの身体が変異していく。

身体が大きくなり足が二本生えて四足歩行になる。

口が耳まで裂けて蛇の様に変わり、身体の至るところから瞳が現れると頭部にあった蛇は苦しむようにのたうち回ると尖端が尖り石になっていく。

そして、身体の瞳が一斉に光ると周りの会場を部分的に石化しそれが波のようにうねっていく。

 

その姿を見た司会者が焦る。

「サラ様!落ち着いてください!

"その姿"になってはいけません!」

それはサラの使うゴーゴンメモリの弱点であった。

相手を見ただけで石化させられる強力なメモリではあるが長時間の使用や短時間の内に許容限界ギリギリの攻撃を食らうとメモリの毒素が急増し暴走してしまうのだ。

 

ガイアドライバーⅡを用いても身体に負荷のかかるほどの毒素が生成されてしまうのでこの状態はサラにとってとても危険な形態とも言えた。

司会者の声はサラには届かず、身体に生成された瞳がゆっくりと動くとアクセルに目を向けた。

まるで自分を攻撃した相手を威嚇するように見つめる。

アクセルは高速移動で回避しようとするが波のように揺れながら近付いてくる石の壁に阻まれてしまう。

 

そしてアクセルがぶつかった壁から槍のように尖った石芽現れるとアクセルに向かって放たれ始める。

エンジンブレードを使いその攻撃を耐えていくが、攻撃が途切れる様子はなくアクセルは防戦一方となり動きも止まってしまう。

そんなアクセルにサラは近付こうとするがここでリボンドーパントになっていた少女が目を覚ます。

 

「ここは?....きゃあ!」

目の前の敵に怯えた声を出すとゴーゴンドーパントは少女を見つめると瞳の力を発動させようとする。

「止めろ!無関係な人間を殺す気か!」

照井の声はサラには届かない。

少女の周りの地面がゆっくりと石化していく。

その石化の波が近付いていく様子を攻撃を受けているアクセルは何とか救出しようと防御の構えを解いた。

結果としてアクセルの身体に無数の石の槍が襲いかかる。

 

それをエンジンブレードで無理矢理へし折りながら彼女の前に到達するとエンジンブレードをマキシマムへ移行する。

 

「ENGINE MAXIMUMDRIVE」

 

エンジンブレードから赤いエネルギー波をゴーゴンドーパントの頭部に向けて放つ。

しかし、そのエネルギー波はサラの増えた瞳に全て見られると塵となって消えてしまった。

「なんて凄まじい能力だ。」

アクセルは少女の盾になるようにエンジンブレードを構えるとサラは二人に目掛けて石化の力で攻撃を行うのだった。

 

 

 

 

禅空寺家の事について調査をしていた万灯は出紋により集められた情報を見ることで状況を理解した。

「成る程、財団のエージェントが協力している訳か。

だからこそ琉兵衛さんは私に会いに来てこの事を伝えたのですね。」

財団のエージェントについて調べるとどうやらここで多数の実験を行うために数々の装置をZENONリゾートに持ってきているようだった。

 

その中にはクリスタルサーバーを切除できる機械も含まれている。

「それにしてもロストドライバーまで用意するとは...このエージェントは何を考えているんだか」

財団は基本的に個人の仕事に関してはノータッチだ。

自分の仕事の邪魔になることでもない限りは介入はしない。

だが、逆に言えば邪魔になるのならば介入すると言うことでもある。

「先ずは成功率を上げるためにも"彼"に声をかけましょうか。

他はまだ使える段階までいっている人物はいないですからね。」

万灯の言う使える段階とは"ハイドープ"になっているかなってないかの事である。

 

適合率の高いメモリを使い続けることで特殊な能力や力が発現する。

井坂の言う過剰適合者とはまた別の状態であったが万灯にはそれがガイアメモリを使う人間の到達点と言える極致だと思っていた。

そして、今その段階にいるのは万灯を含めて"二人"だけだった。

「出紋さん...秀夫(ひでお)さんに連絡を

少し手伝って欲しい要件があると言ってください。」

すると出紋はペンを出すと腕に先程、万灯から言われた用件を書き記す。

 

「出紋さん....前も言いましたけどメモを取るなら手ではなくメモ帳や携帯を使ってください。」

「すいません。

でもこれだと安心なんですよ。」

そう言うと出紋は万灯に一礼し部屋を出ていった。

万灯は琉兵衛から渡された資料に目を通す。

(これを手に入れられれば、私の計画に必要な最高のドライバーが作れる。)

 

万灯が何故、無名からの依頼を受けたのかと言えば一重にこのシステムを手に入れたかったからだ。

当初の予定では暫く、無名からの依頼をこなし信頼関係を築いてから琉兵衛に接触し欲しようと思っていたシステムがこの仕事をすることで手に入ることに万灯は自然と笑顔になる。

 

「さて、完璧にこなす為にも情報は集めておいた方が良さそうだ。

財団のエージェントを出し抜くにしてもまだ分からないことが多い。

少し見に行きましょうか。」

万灯は電話で車の用意を申し付けるとZENONリゾートへ先に向かうのだった。

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