無名を後ろから追ってくる巨大な装甲車"スカルギャリー"。
どれだけ速度を上げても振りきれず炎を放っても避けながらこちらを捕まえようと追いかけてきた。
この中に、スカルはいないだろう。
遠隔操作で動かしている筈だ。
ではそれは誰なのか?
スカルは今、実験場で暴走したドーパントの相手をしている。
だとすれば該当するのは一人しかいなかった。
(シュラウド...本格的に敵として扱われてしまったみたいですね。)
恐らくは何処かで僕とスカルの戦いを見ていたのだ。
そして、自らの目的である園咲 琉兵衛の打倒に邪魔だと判断された。
ガンナーAを送るだけじゃ飽きたらずスカルギャリーまで出してくるなんて....
けど、不満を言っている場合じゃない。
もうドライバーの稼働限界が迫っている。
一分を切り、そう長くは変身していられない。
この状態でスカルギャリーを破壊して逃亡することは不可能。
逃げに徹したとしても恐らく逃げきれないだろう。
もうゲートを使う余力も残ってない。飛んでいるだけで精一杯だ。
仮に捕まったとしても僕にはワードドーパントとの契約がある。
ミュージアムの情報を話したら死ぬ事になる。
"打つ手無し"。
そんな絶望的な状況であった。
原作の知識を持ちながら始めて味わう苦難。
そして、"死への恐怖"。
僕の心は始めてここが自分の生きている
デーモンメモリを使い始めてから消えていた。
命への欲求が蘇る。
(死にたくない...生きていたい...まだやりたいことがある..こんな所で終わりたくない。)
そんな生への渇望が身体にあるメモリに変化を及ぼす。
それは"強烈な痛み"と"引き換え"に訪れた。
Another side
「さぁ、追い詰めたわよ坊や。」
スタッグフォンの画面に写るデーモンドーパントを見ながらシュラウドは呟く。
ここでこの少年を捕えられればミュージアムの情報を..."来人"の居場所が分かるかもしれない。
どうせなら、荘吉と共に捕まえた方が確実なんだろうがあっちはあっちで今は大変な状況だ。
数十体に分裂したバイラスドーパントをスカルと自動操縦モードにしたガンナーAだけで対処しているのだ。
こちらに時間を割く余裕など無いだろう。
だが、それも関係なさそうだ。
スカルギャリーに搭載された分析用センサーにより、
デーモンドーパントのエネルギーを測ったのだがかなり少なくなっていた。
この減少量は恐らくドライバーが影響しているのだろう。
変身ももう長くは続かない。
そんな状態の相手ならスカルギャリーでも十分に対応できる。
「さぁ、仕上げと行こうかしら...」
スカルギャリーの射撃武装による牽制で高速道路沿いにあるビルにデーモンドーパントを誘導する。
前にはビル後ろにはスカルギャリー...これで詰み。
そう確信した瞬間、デーモンドーパントはビルへと一直線に突っ込み、同時に身体が黒炎に変わってビルの中へと消えた。
「そんな....あり得ない!」
シュラウドは消えたデーモンドーパントを見つけようとセンサーを起動する。
センサーの反応を見るとビルの裏に移動していた。
そんな事が出来るなんて....
早速、デーモンドーパントを追いかけようとするがここでスカルギャリーにトラブルが発生する。
右側の車輪がいきなり全く動かなくなり、
慣性の法則に従い曲がれなかったスカルギャリーはビルへと激突し動きを止めた。
「一体どういうこと?何が起こったの?」
シュラウドは車のチェックを携帯を使い行うが、
車輪に全く反応がない。
まるで車輪全てが別の物質に変わってしまったかのようだ。
これでは追うことは出来ない。
むしろ、早く回収しないとスカルギャリーの存在が琉兵衛にバレたらまずいと考えたシュラウドは携帯を閉じると、道具をバイクに乗せてスカルギャリーの元まで向かうのだった。
Another side
ドライバーからメモリを引き抜くと、
怪人は人間の姿、サラへと戻った。
「無名くんがピンチだから助けてくれって冴子様に頼まれたのは良いけど随分と凄い奴に追われてたんだね。」
無名のいた上空を見ると人間の身体に戻って地面へと落下する無名の姿があった。
「あっ!もしかして気を失ってる?
まずっ!」
サラは抜いたメモリをもう一度起動する。
「
そして、メモリをドライバーに刺すと身体が変異し頭部に何百の蛇が髪のようについた怪人が姿を現す。
そして、その蛇を伸ばすと落下する無名を掴み、
地面へと優しく降ろした。
「ギリギリセーフ。
危なかったぁ。」
そう言うとサラは無名の安全を確認して携帯で冴子に電話をかける。
「冴子様、無名の身柄は無事に確保しました。」
「....そうご苦労様。
彼はこっちで回収するから貴女はもう帰って良いわよ。」
「承知しました。
では失礼します。」
そう言って電話を切りメモリを抜くとその場を後にした。
電話を戻した冴子は目の前に立つ園咲 琉兵衛に話を戻す。
「これでよろしかったのですか?お父様。」
「あぁ、これで良い。
詳しい報告は無名くんから聞くから冴子は別のプロジェクトを始めなさい。」
そう言うと冴子の会社を後にする。
(お父様は何故、無名にこだわっているの?)
父の謎の行動に疑問を浮かべつつも琉兵衛に言われた次の仕事にとりかかるのだった。
名称:ゴーゴンドーパント
身長:164cm
体重250kg
サラが、ゴーゴンメモリを使って変身した姿。
頭の蛇を自由自在に操ることが出来る。
そして、他にも能力が隠されているようだ。
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