フィリップは無名の用意した通信機を使いシュラウドを呼び出すことに成功した。
現れたシュラウドにフィリップも若菜もどう声をかけたら良いのか分からない。
そんな中、シュラウドが赤矢に尋ねる。
「それで....私はどうすればいいのかしら?」
「ここにいる面々の治療を頼みたい。」
「それは敵味方関係なくと言うこと?」
「えぇ、そうです。」
「なら、断るわ。
私は無名を信用できない...だから部下である貴方達も信用しない。」
そこに若菜が助け船を出す。
「私からもお願いするわ。
リーゼは私にとっても大切な存在なの...お願い。」
そこでフィリップはシュラウドに尋ねる。
「貴方は...僕の母親なんですか?」
「それは.....」
「答えてください。」
「....えぇそうよ来人。
私は貴方の母親よ.....そして若菜貴女もね。」
「....そうですか。
お母さん、僕からもお願いします。
ここにいる皆を救いたいんです力を貸してください。」
「ここにいるのは貴方の敵となる存在なのよ?」
「それでも構いません。
僕たち仮面ライダーは人を殺す殺人兵器じゃない。
人を街を救う存在なんです。」
「........良いわ。
彼等を全員救いましょう。」
そう言うとシュラウドとフィリップは協力しながら全員の治療を行うのだった。
治療を終えるとシュラウドは立ち上がりその場を去ろうとする。
「待ってください!僕は貴女に聞きたいことがまだ!」
「来人....強くなりなさい。
園咲 琉兵衛を越えられる程、強く......」
シュラウドはそう言うと陽炎と共に消えた。
赤矢は携帯に入った連絡を確認し若菜に伝える。
「分かったわ。
フィリップ....いいえ来人、もうすぐここにミュージアムのメンバーが来るわ。
貴方達がいると危険よここは私達に任せて行きなさい。」
「でも....それじゃあ」
「大丈夫よ!....私は園咲 若菜よ。
貴方のお姉ちゃん何だから信じて....」
「...未だに信じられません。
若菜さんが僕の....お姉さんだなんて」
「私もよ。
でも、お陰で少し納得したわ。
何で貴方といると落ち着くのか....家族だから当然よね。」
「姉さん....」
「来人、私は大丈夫。
今は自分の仲間のことを心配しなさい。」
そう言って優しくフィリップの頭を撫でた。
フィリップはリボルギャリーを操作して翔太郎と照井を乗せるとその場を去った。
それから直ぐにミュージアムの構成員が現れて私達は捕まってしまった。
それから1週間経ち、翔太郎と照井は目を覚ました。
まだ完全に回復していない身体を無理矢理動かして消えた若菜と無名の部下を捜索したが対した手がかりは無かった。
そんな中、若菜の所属する芸能事務所から体調不良により暫くラジオを含めた一切の芸能活動の休止が発表された。
その発表を受けたフィリップの顔には動揺と不安が現れていた。
他にも風都署でも一つの事件があった。
ドーパントに曲がりなりにも荷担していた相模が自ら照井に報告し辞表を出したがそれを泊と凛子に止められる。
「君達には感謝している。
お陰で刑事として恩人を助けることが出来たからね。」
「けど、だからって何で相模さんが辞めるんですか。」
「そうですよ。
私達は相模が悪人だとは思えません。」
泊と凛子の言葉に照井が言う。
「それが組織と言うものだ。
警察は正義の集団....それが根底にあるからこそ俺達は悪人を裁いてきた。
だからこそ、悪に荷担することも染まることも許されない。」
「そう、警察は正義の組織であるべきなんだ。
そして、未来ある若者のために道を譲るのが年寄りの責務だ。
照井課長、彼等三人が行った行動の責任は全て私にあります。
正義くんがメモリを使い続けた責任も私にある。
だから、処分は私一人で済むようにお願いします。」
相模がそう言って照井に頭を下げる中、照井は机から一つの書類を取り出した。
「それは?」
「後藤刑事が私に提出した報告書です。
中を見てください。」
そうして三人は報告書を見る。
「!?」
「これは!」
そこには自分の功名心の為に正義氏をメモリを使う犯人として扱い違法捜査をしたと言う証言と証拠が書かれていた。
「違う!後藤君は悪くない。
全て....私が」
「残念ですが私に通さず後藤は、
この報告書を本部に提出しました。
ご丁寧に自分の辞表を付けて.....
俺も抗議に向かったがもう受理されたからと話を終えられた。」
「何で...後藤はこんなことを?」
「それは本人に聞いてみろ。
今彼は正義さんのいる病棟にいる。
この報告書によって正義さんの疑いも晴れたから面会も簡単な筈だ。」
そうして、泊と麗子は病院へも向かった。
病院でベットに眠っている正義を後藤は見つめている。
そんな彼の横に茶封筒を置くと部屋を後にする。
「後藤!」
そこに走って息が切れている泊と麗子が現れた。
「お前達も来たのか。」
「照井課長から聞いたぞ!お前一体どういうつもりなんだ?」
「照井課長が話したのか....お前達が見た通りだ。
俺の独断専行がこの事態を招いた。」
「それは違う!あれは三人で決めたことだろうが!」
「そうよ、自分一人で責任を被って辞めるなんて自分勝手よ!」
「泊、大門ここでは病院に迷惑がかかる。
場所を変えるぞ。」
そう言って近くのカフェに行くと後藤が話し始めた。
「俺は、警察官として正義を行うには正しさが一番大事だと考えていた。
....だが、この事件で分かったんだ。
正しさだけじゃ足りない...力も必要だと」
「どれだけ正しさを持って行動しても力が無ければ守りたいものも守れず.....逆に守られる立場になってしまう。
俺がこうして生きているのは正義さんが命をかけて俺を守ってくれたからだ。
俺は守るための力が欲しい。」
「なら、警察でキャリアを積めば....」
「それはお前自身が良く分かっているだろう?
その先に俺の求める力はない。」
「.....こっからどうするつもりなんだ後藤?」
「宛ならある。"鴻上グループ"からスカウトを受けててそれを受ける。」
「鴻上グループってあの大財閥の?」
鴻上グループの名は風都にも轟いていた。
そんな企業からスカウトを受けていることに泊と凛子は驚く。
「決心は固いんだな?」
「あぁ、俺は俺のやり方で自分の正義を貫く。」
「.....分かった。
そこまで決意が固いなら止めはしねぇよ。」
「ちょっと!泊君!」
「その代わり、死ぬなよ。
世の中、生きていれば何度だってやり直せる。
だから、生き続けてくれよ。」
「ふん、お前に言われるまでもない。
お前らこそ死ぬなよ。
短い間だったが、同期が死ぬのは目覚めが悪くなる。」
そう言うと後藤は泊と麗子の元を離れ一人風都から去っていった。
「また...会えるよね?」
「会えるさ、あの石頭がそんな簡単に死なねぇよ。
俺達も頑張らないとな....また会った時に後藤に笑われないように」
「.....そうね。」
後藤が正義の元に残した茶封筒には公務員試験の応募書類と手紙、そして警察手帳が入っていた、
手紙には後藤の文字でこう書かれていた。
「拝啓、中島 正義様
先ず、貴方に助けられたことに感謝を伝えます。
貴方のお陰で私は五体満足で今も生きることが出来ています。
貴方には助けて貰った恩がある。
だからこそ言わせて欲しい。
貴方の誰かを守りたいと言う気持ちはよく分かる。
だが、それを貫きたいのなら相応しい役職に就くべきだ。
でなければ貴方の思いは認められない....只の怪物の妄言として終わってしまう。
俺にはそれは耐えられない。
自分のことすら省みず人を助ける貴方の姿は正しく僕の求める正義の姿でした。
だから、これは俺の我儘です。
正義さん、刑事になってください。
暴力が振るえなくても人は守れます。
貴方にはその資格がある。
僕は自分の求める守る力を手に入れる....その為に警察を離れます。
もし貴方が警察官になりそこでもし俺が守る力を手に入れられたらこの手帳を返しに貰いに行きます。
この警察手帳に見合う存在に自分がなれたのなら....」
そして、封筒の中には後藤の警察手帳が入っている。
それを正義は優しく手に取った。
「待ってます.....
自信を持って貴方に会えるように...刑事になって」
その後、正義は公務員試験を受けて無事、風都署の警察官になり超常犯罪捜査課に配属されるのはまた別の話....
Another side
獅子神は自室の物を壊しながら一人暴れている。
「俺が!この俺が!あんな奴に!クソぉぉ!」
その暴れ方は怒りを発散すると言うより恐怖から逃げる様な動きにも見えた。
無名との戦いを終えた後、目を覚ました獅子神は自分の状況を見て敗北したのだと理解した。
みっともなく情けないそんな感情が渦巻きながらも身体を清潔にして園咲邸に戻り琉兵衛に弁明すると優しく獅子神に言った。
「問題ないよ"無名"からも君には"寛大"な配慮を求められたからね。
暫くは謹慎と言うことで天ノ川地区に戻りたまえ...良いね?」
琉兵衛の言葉をそうだが無名が自分に対して寛大な処置を求めたことに獅子神のプライドはズタズタに傷つけられる。
「ふざけるな....この俺を哀れむだとぉ!」
そう言って殴り飛ばしたライトの白熱灯が、割れてその熱によりカーペットから炎が上がる。
その炎を目にした獅子神はそれが"黒い炎"の様に見えると恐怖心から近くにあった水差しを投げ付けて消火する。
「はぁはぁはぁ....うっ!ごぇっ!」
込み上げてきた恐怖と不安の感情が獅子神を支配し地面に胃液を吐き出させる。
あの一件のせいで獅子神は食事すらまともに取れないほど憔悴していた。
こんな姿を見られたら舐められると思い、獅子神はあの一件以降、水島以外とは顔を会わせていなかった。
(もう無理だ、これ以上はもたない!)
獅子神は自室の壁に埋め込まれた金庫に手を掛ける。
何十にも掛けられたプロテクトを苛立ちながら解除していく。
その中にはこれまで獅子神が行ったビジネスや奪われたらマズい品物が保管されていた。
金庫を開けると中から黒い箱を取り出し開く。
そこには一本の金色のメモリが入っていた。
そのメモリを掴むと獅子神か腕に突き刺した。
メモリは体内に吸収されず体内から何かを吸収すると獅子神は冷静になりメモリを肌から離した。
その目には前のような恐怖心や不安の心は写っていない。
「俺は最強だ....最強で居続けなければ行けないんだ。」
そう言うとそのメモリを黒い箱に戻し獅子神は自室から出ていく。
部屋に誰もいなくなるとそこに黒いゲートが現れ中からデーモンドーパントが現れる。
そして、黒い箱からメモリを取り出すと笑う。
「まさか、こんなところにあったとは....探しましたよ。」
そう言って笑うとそのメモリを持って黒いゲートへと消えていくのであった。
外伝 続編の投稿に関して
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