Wへと変身した翔太郎を照井と大門は船から流れる映像越しに確認した。
「まさか...あの探偵さんが仮面ライダー?」
しかし、周りの客にとってはそんな事どうでも良いらしい。
「何だ...少しは楽しめそうな奴だったがやられ方が呆気なかったな。」
「そうねぇ、どうせなら血や臓物が飛び出るような映像が見たかったわね。」
「あの仮面ライダーが生身の男を殴った時の音は良かったなぁ....骨が砕けて血肉に食い込む音だ。
あぁ、今度は直に聞きたいなぁ。」
それぞれが感想を言っているが全員が普通ではない反応をしている現場に大門はたじろぐ。
「何なのよこの人達は....人が死にかけているのにあんなに楽しそうに話すだなんて」
「恐らくは日常的にそんな事ばかり考えている狂った奴等なのだろう。
あまり、真に受けるなここは地獄だと思え。」
そして、映像が終わると美頭が話し始める。
「どうやら、彼に出資する者は現れませんでした。
皆様に見初められないとはこの男もセンスがなかったと言うことでしょう。
では、余興は終えてメインイベントへ向かいましょう。」
「今回のイベントは"マーダーズパーティー"...殺人ゲームです。」
美頭の言葉に観客の盛り上がりは最高潮となる。
「殺人ゲームだと!?」
「ルールは簡単です。
今からこの会場にいるお客様の中から無作為で半分の人を選びます。
その人達は殺人者となり選ばれなかった人を殺してください。
選ばれなかった人は逃げ回り生き残る様、動いてください。
タイムリミットは夜明けまでです。
それまでに生き残った方には望むものを差し上げましょう。
そして、殺人者に選ばれた人はの中からより多くの人を殺した人にサラ様から特別なプレゼントがあります。
では....ゲーム開始前の選択を開始しましょう。」
そう言うと全員の付けているマスクから破裂する音が聞こえて中から青い塗料が現れるとマスクを付けていた人の身体に浴びせられた。
「そのマスクの塗料が付着した人が殺人者に狙われるターゲットです。
ではゲームスタート。」
美頭の声が聞こえること恐ろしい殺人ゲームが始まった。
照井は自分の体を見るが塗料が付着してはいなかった。
嫌な予感がした照井は大門に顔を向ける。
大門のドレスには青い塗料がびっしりと染み着いていた。
「あらら、可哀想ねぇ。」
「あの子がターゲットか?....綺麗な臓物をしていそうだ。」
「綺麗な女性が死ぬ姿は興奮するんだよなぁ...あぁ我慢できないなぁ!」
一人のマスクを付けた男が大門を襲いにかかる。
警察官である大門はその男を組伏せた。
「なっ!」
「あらっ?武術の心得があるのかしら....楽しめそうねぇ。」
そう言うと貴婦人はドレスの間からショットガンを取り出し大門へ向ける。
「マズイ!」
照井は近くのテーブルを倒すとそれを壁にして大門の元へと近寄る。
ショットガンから散弾が放たれテーブルに穴を空けるが大門が見えなくなったことにより彼女に弾が当たることはなかった。
「大門!銃を出せ!」
照井の言葉に従うようにドレスに入った切れ目を破くと太ももに付けたリボルバーを取り出す。
そして、照井が警察手帳を彼等に向ける。
「全員動くな...風都超常犯罪課の者だ。
貴様ら全員逮捕する。」
しかし、その言葉を聞いた参加者は笑い出す。
「あはは、何を言うかと思えば警察の人間か。
面白いなぁ普通の人間を殺すよりも楽しめそうだ。」
一人の男がそう言うと懐からガイアメモリを取り出す。
「
男は首にガイアメモリを挿し込みとナイトドーパントへと変貌する。
そして、照井に向かって容赦なく攻撃を加えた。
「何っ!」
「教えてやろうここにいる者達は貴様を恐れることはない。
ここは体裁で塗り固められた私達の欲望を叶える場所なのだ。
金と権力に飽きた人間が辿り着く究極のスリル、それを手に入れるためなら警察など関係ない。」
「何だと!」
「周りを見てみろ。」
照井はナイトドーパントに言われて周りを見るとそこには塗料が"付いた人間"と"付いてない人間"の醜い殺人が行われていた。
「さっさと死ねぇ!」
「うおっ!あぶねぇなぁ 笑」
「あはは、やっぱり銃で吹き飛ばすと血が綺麗に吹き出すなぁ!」
「グハッ!あはは痛い...私は生きていることを実感できる....もっと...もっと寄越せぇぇ!」
ある者はナイフでさっきまで談笑していた人間の胸を刺しある者は持参したライフルで狩りを行う様に人を撃ち殺していく。
そのライフルを持った人は後ろから現れたドレス姿のレディにより刺し殺される。
殺人の連鎖反応、しかもそれも皆が嬉々として行っているその光景に大門と照井は絶句する。
「分かっただろう?
ここでは殺人こそが全て、己の快楽のために他者の命を喰らうのだ....さぁ貴様も私の糧となれ仮面ライダー!」
ナイトドーパントは腕から細身の長剣を作り出すとそのまま照井を斬りつけた。
エンジンブレードの無い照井はそれを腕をクロスしてガードする。
しかし、強化された照井の腕の装甲を突破し照井の腕が斬られてしまう。
「うぐっ!」
「無駄だ!ナイトメモリの真価は作り出した武器の性能だ。
この剣には"あらゆる物質を断ち斬る"力がある。
そして、ナイトにはもう一つの能力がある....見せてやろう!」
そう言うとナイトドーパントの下半身が変化し足が四脚となりその姿はまるで物語に出てくる怪物であるケンタウロスの様にも見える。
「死ねぇぇぇ!仮面ライダーぁぁぁ!」
長剣を構えたナイトドーパントは四脚の力を使い突撃する。
(速度が速い。防御が間に合わん!)
照井は素早くドライバーを外してバイクへと変形するとナイトドーパントへ突進し足の隙間を通り抜けた。
突撃する敵を失ったナイトドーパントは周りで戦っている人間を巻き込み牽き殺していく。
「ほぅ、そんな事まで出来るのか。」
ナイトドーパントは加速した身体を止めるため近くで隠れていた人間の身体に長剣を突き刺し強制的に減速させた。
突き刺された人間は突き刺された身体を地面に擦り付けて削られていく。
ナイトドーパントが停止した頃には身体の半分が削り消えた死体が転がっていた。
その姿を見た照井は怒りの表情となる。
「貴様わざと刺したな?
お前の力なら何もなくても減速できただろう!」
「あぁ、だがお前の意見を聞く必要が何処にある?
それにお前が俺の攻撃を回避しなければ死ぬ事の無かった命だ。」
「この異常者が.....」
照井の言葉にナイトドーパントは笑う。
「あっはっは、何を今さら我々が庶民と同じな訳が無いだろう?
"異常"ではない"選民"なのだよ私達は....そして選民同士で殺し合いを行えるこの空間こそ最もセレブリティの高いパーティなのだ。」
話しにならない....と言うよりも全く噛み合わない。
周りを軽く見るだけでも死体が出ることなど全く気にしていない。
狂喜と血と臓物がこの空間を支配していた。
「何故だ.....何故こんな下らないことで命を賭けられるんだ?」
「下らない?命を賭けて戦うことこそ人類が持つ原始からの感情だろう?
生きるために食うために殺す....これも同じだ。
生きるために殺し生き残り栄誉を手に入れる。
それこそが最も重要なことなのだよ。」
照井の頭には殺された自分の家族の顔が浮かぶ。
「.....人の中には懸命に生きたかったのに手前勝手に命を奪われる者だっている....お前達の行為に栄誉なんか無い!.....お前らはここで潰す!」
照井はトライアルメモリを取り出すとドライバーにセットする。
「TRIAL」
アクセルトライアルへと変身が終わる。
「さぁ、振り切るぜ!」
照井はナイトドーパントへと向かっていくのだった。
照井がドーパントと交戦している頃、大門は数人の怪我人を連れて襲ってくる人間から逃れていた。
「早く!こっちです!」
大門の呼び掛けに怪我をした人達が寄ってくる。
「助けてくれぇ」「私、死にたくない!」「こんなパーティー何て聞いてない!」
どうやら、このパーティの内容を知らずに参加した人間もいるのだろう。
中には強制的に参加を促された人もいる....さっき話していたおじさんもそうだったが逃げている最中にライフルの弾が当たり死んでしまった。
(兎に角、この人達だけでも守らないと!)
大門は警察官としての使命感から彼等を守りながらこの船内を逃げ回っていた。
船の内部は恐ろしい程に広く複数の部屋や建物が建設されていた。
一体どれだけのお金をかけたらここまでの船が出来るのかは分からない程に広大だったのだ。
そのお陰もあり大門達は殺人者から逃げることが出来ているのだが.....
そんな事をしていると逃げている一人の男の前に斧が振り下ろされる。
「ひぃ!」
男は驚き尻餅をついてしまう。
横から血塗れの男が笑顔で現れる。
「みーつけたぁ!」
そう言うと血塗れの男は再度、斧を振り上げて尻餅を付いた男の顔面に振り下ろそうとするがそれをギリギリで大門が止める。
「止めなさい!」
「邪魔をするなぁ!女ぁ!」
そのまま大門の腹部を斧が掠める。
大門の着ていたドレスに斬られた傷が付く。
だが、大門もやられっぱなしではなく素早く拳銃は抜くと相手の両膝を撃ち抜いた。
「痛ぇええ!」
そして、倒れた男に大門は手を差しのべる。
「大丈夫?」
「あぁ、助かっ......!?」
そう言って立とうとすると男の頭がいきなり吹き飛んだ。
大量の血が大門へとかかる。
「あ.....え....?」
その光景を見て大門は一瞬パニックになった。
「あら?....貴女も狙ったのに外しちゃったわね。」
そう言いながらショットガンを構えた婦人が現れる。
「何で....こんなことを!」
大門の悲痛の言葉に婦人はケロっとした顔で答える。
「当たり前でしょう?これはゲーム、より多くのターゲットを殺人者が狩り殺す。
スリリングで興奮するゲームをしているだけよ?」
「こんなこと....絶対に間違っている!」
「アンタみたいな小娘の意見なんて聞いてないのよ。
大人しく死になさい。」
婦人がそう言うと大門に銃を向けると近くの壁が砕ける。
目を向けると複数のドーパントが船内で争っていた。
「暴れることしか脳の無いバカが!」
その光景を婦人は苛立ちげに見つめてそう言った。
すると、ショットガンを下ろしバッグからメモリを取り出す。
「本当ならメモリを使わずに狩りをしたかったけど....これ以上、アイツらを放置していたらこの船も無事じゃ済まなそうね。
少し間引いておこうかしら」
「
婦人はメモリを首に挿すと変異しバラの花と蔓が混ざり合った怪物へと変身する。
そして、未だに暴れているドーパント達を見つめる。
「見た目的に"アンモナイト" "エレファント" "マネー"かしらね?
まぁ良いわ全員"挽き肉"にすれば同じだもの.....」
ローズドーパントは両手をくっつけてから勢い良く離すとバラの蔓で出来た鞭を作り出す。
そして、その鞭がエレファントドーパントへ振り下ろされた。
こちらをみていないエレファントドーパントは防御や回避も出来ずに攻撃を受けてしまう。
そして攻撃を受けたエレファントドーパントの背中はその部分だけ肉ごと削ぎ落とされていた。
しかし、ローズドーパントは間髪入れず鞭の先端を振るって操作し先程、作った傷口へ捩じ込む。
「あがっ!」
「さぁ、これからが本番よ。」
ローズドーパントは持っている鞭を勢い良く回転させるとその回転に合わせてエレファントドーパントの肉と骨が削り取られていく。
エレファントドーパントもそれを止めようとするが大きく振るわれた鞭の起動に手を巻き込まれて肉を裂かれ動かなくなってしまう。
「あらあら、腕の腱が切れてしまったのかしら御愁傷様。
でも、安心して良いわよ....もうすぐそんな事も分からなくなるから」
ローズドーパントの言う通り抉りながら進んでいた鞭はエレファントドーパントの心臓へと進み到達する。
そして、一息の内にエレファントドーパントは絶命しメモリが排出され人の姿に戻った。
その姿を見ると心臓付近に大きな穴が空いていた。
「さぁ、次はどちらにしようかしら?」
状況の不利を悟った二人のドーパントは逃げようとするがその動きを何かに止められてしまう。
その方向に目を向けるとバラの蔦により作られた。
籠のようなトラップに足を絡め取られていた。
「あらら、逃げようとするなんて悪い子ね。
そんな子にはお仕置きよ。」
ローズドーパントが鞭を持った腕に力を込める。
その姿を見て嫌な予感がした大門は生きている人に声をかける。
「伏せてぇ!」
そして、ローズドーパントが横一線で鞭を振り抜く。
高速で振り抜かれた鞭は唸りをあげて二体のドーパントの首へと当たり首の骨と肉を一気に削り取った。
ドーパントの頭は残った皮膚で辛うじて繋がってはいるが絶命しておりメモリが排出されると惨たらしい死体となって地面へと崩れ落ちた。
大門の機転によりしゃがんだことで鞭の軌道を回避できたがその威力を見て全員が戦慄する。
(こんなの触れただけでアウトじゃない!)
大門は手に持っていた頼りない銃をローズドーパントへ向けながら打開策を練る。
狂人達の織り成す殺人ゲームに巻き込まれた二人。
ここは船内....逃れる術はない。
生き残る方法はただ一つ....戦うことだけだった。
Another side
殺戮に彩られた船内をデッキから伊豆屋と一人の男が眺めている。
その男は筆を持ちその光景をスケッチブックへと描いていく。
「絵の進みはどうですか?緑塚さん。」
伊豆屋から緑塚と呼ばれた男性は言う。
「素晴らしいです....人の持つ醜悪な感情をダイレクトに感じられる。
お陰で私の絵にも新たな伊吹が起こっています。」
緑塚がそう言いながら描いている絵を伊豆屋に見せる。
写実的に描かれた絵には苦痛に歪む人間や愉悦に舞う人間が殺し合っている。
「実にリアリティがある作品ですね。」
「えぇ、全ては
そんな緑塚に伊豆屋は尋ねる。
「そう言えばどうして貴方はサラ様を女神と呼ぶのですか?
彼女の部下の一人ならサラ様と呼んだ方が良いでしょう?」
「それは単純な理由ですよ。
彼女が女神だから...だからこそ女神と呼び私は女神の尖兵として彼女のために働くんですよ。」
「....益々、分かりませんね。
彼女を女神と呼び始めた時は何時なのですか?」
「それは勿論、女神と始めて会った時からです。」
彼の描く絵には皆、魅了され称賛の嵐を送った。
だが、当の本人は不満を抱えていた。
この世界には"醜い
美しい景色も人の勝手な理屈で壊してしまう。
人は簡単に嘘を吐き自分の利益になるためなら他者を平気で傷付ける。
何時しか緑塚はこの世界を美しいと思うことが出来なくなっていた。
芸術家にとって絵とは自分の感情や美しさを描くものだと思っている。
故にこの世界の全てを美しいと思えなくなった緑塚は絵を描くことが出来なくなっていた。
そんなある日、緑塚は運命的な出会いをする。
風都の裏路地で怪物達が戦っていたのだ。
そいつらがドーパントと呼ばれる存在だと言うことは知っていた。
あらゆる物を壊す醜さの象徴....そう考えていた。
だが、彼女は違った。
彼女の瞳に写る者は全てが石となり彼女の放つ攻撃により粉々に砕けていく。
私はそこに写る彼女に目を奪われた。
私の最も嫌う破壊の光景の筈なのに"美しい"と思ってしまったのだ。
(何故だ?....何故、美しいのだ彼女の破壊は?)
答えが分からずに私は彼女を見つめ続けていた。
後で聞いたのだが私の見た光景はミュージアムを裏切った者達の粛清だったらしい。
粛清を終えた彼女はドライバーからメモリを抜き人の姿へと戻った。
その光景を見て私は思わず息をすることを忘れてしまう。
破壊と殺戮にまみれた空間の中で悠然と立つ姿を見て私は心を奪われた。
(この光景を....絵にしたい!)
そう思った私は路地裏を飛び出し彼女を呼び止めた。
「まっ....待ってくれ!」
その声に彼女が反応する。
「あれ?
見た感じ組織の人間じゃなさそうだけど貴方は何者?」
「私は緑塚 未来....単なる絵描きだ。」
「絵描きねぇ....もしかして見てたの?」
その問いから彼女が私に殺意を向けてきているのがひしひしと伝わってくる。
「あぁ、気分を害したのなら謝罪する....すまない。」
「別に良いわよ。
ただ、貴方を生かしておくのが危険だと思っただけだから...」
そう言うとサラはメモリを起動しまた怪物へと戻る。
すると強靭な腕で緑塚の首を締め上げた。
「あ....か...」
「悪いけど私も死にたくないのよ。
この粛清を失敗出来ないから貴方を殺すわね。」
そう言って彼女は私の首を折ろうと力を込める。
(私が.....死ぬ?)
言われた言葉を反芻すると緑塚は怒りを覚える。
そして、捕まれた腕を両手で握り返す。
「あら?そんな力が残っているのね?
そんなに死にたくないのかしら?」
「死にたく....ないに....決まっ...てる..だろう。
私には....やるべき...事があるんだ!」
「女神を....描かなければいけない!」
「女神?」
「貴女....だ...貴女を....描く...まで...は」
彼女はそこで首を絞めている手を離した。
「ゲホッ、ゲホゲホ!」
「どういうことかしら?」
「私は貴女の戦いに美しさを....神を感じられたんだ。
醜い世界を石に変え破壊する姿に.....
私はその光景を描きたい...だからこそ死にたくない。」
「私の姿が美しいの?」
「えぇ、貴女の強さには重みを感じる。
きっと、長い苦難の道を歩んできたんでしょう。
だからこそ、貴女の美しさは磨かれている。
それは人間の姿でも変わらない。
貴女はそこら辺にいる存在とは違う唯一無二の存在なのです。」
私はそう言うと彼女にかしづく。
「女神よ....私に貴女を描かせてくれ。
それが叶うのならば私自信の全てを貴女に捧げよう。」
この美しさを描けるのならばどんな物を犠牲にしても構わない。
私のその態度を見て彼女は笑う。
「ふふ、あはははは!
こんな人始めて見たわ。
何だが殺す気が失せちゃった。」
そう言うと女神は私の元から去ろうとする。
「まっ待ってくれ!」
「私の名前はサラ。
私は自分の役に立つ者の意見しか聞く気はないの....
だから、今の貴方には何の魅力も感じない。」
「ならば、私が貴女の役に立てると証明できるのなら....」
「その時は貴方を私の部下にしてあげるわ。」
「....分かりました。
私が役に立つと証明して見せましょう。」
それから暫くして私は無名の作り出したアクセサリーシステムのテスターとして選ばれ正式に
「そんな事が....おや?この真ん中の空白は何なのです?」
伊豆屋が絵を指差して尋ねる。
「あぁ、そこには女神の絵を描こうと思っていてね。」
「サラ様がいないのにですか?」
「神とは信じる者の前に現れる。
そして、私の心に彼女は存在する...だから問題は..」
すると、何かが破裂する音と共にスケッチブックが吹き飛ばされる。
その方向を見るとゲームの参加者がドーパントとなり私達に攻撃をしてきていたのだ。
「私達に気付くとは...中々やりますね。」
「........」
「見たところメモリはマグマですね。
高威力なメモリですが如何せん船上で使うには危険過ぎますね。」
「.........」
伊豆屋は襲われているにも関わらず冷静に敵を分析している。
しかし、緑塚は沈黙し吹き飛ばされたスケッチブックを見ているだけだった。
スケッチブックはマグマから放たれた溶岩弾により燃えている。
「大丈夫ですか?緑塚さん。
面倒なら私が...」
「....さん」
「はい?」
「....."許さん "、我が女神が描かれる場所を汚すなど...万死に値する!」
緑塚はメモリを取り出し起動する。
「
こめかみにメモリを挿すと緑塚はクラブドーパントへと変化する。
そして、右手でギジメモリを起動すると左腕に付いたドライバーに装填する。
「
挿し終わると両手と肉体が大きく肥大化し螺旋状の模様が浮かぶ。
そして、マグマドーパントを睨み付けながら左腕を振るった。
その腕は螺旋状に伸びるとマグマドーパントの首を掴み上げた。
そして、頭部に付いていたハサミが螺旋状に伸びて右腕に装着される。
マグマドーパントもその腕を焼き消そうとするがダメージを受けると発生する泡の回復力には敵わずほぼノーダメージとなっていた。
「貴様の犯した罪は重い....が...私は無駄な殺しはしたくない。
女神からも勝手な殺しは諌められているのでな。」
緑塚はサラがWにやられたことを聞いて憤慨し任務を放り出してWを襲った過去がありその事からもサラから念を押されていた。
「だから、貴様を"作品"にして殺してやる。
安心しろ私は絵以外の作品も作っている。
きっと、素晴らしい物が出来上がるさ。」
そうして、笑う緑塚はマグマドーパントの心臓に向けて斬撃波を放ち一瞬で絶命させると作品を作り始めた。
完成した作品は折れたマストを口から刺され固定され遺体はまるで目の前の相手に懺悔する形をしていた。
両手には燃えて灰になったスケッチブックが握られ目からは血の涙を流している。
その作品を船上デッキに作ると二人は姿を消すのだった。
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