もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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ここは、どこだ?
周りに景色はなく白い空間で覆われている。
ここの事は知らない筈なのに不思議と落ち着く。

辺りを見渡すと一人の少年が倒れていた。
その子は起き上がると僕を向き言った。


「○○○は何故ここに来たんだ?」

僕は答えることが出来ない。
その答えを探すように意識を向けると足場が無くなり暗い世界へと落ちていく。

そして、そこにあったのは一つの"メモリ"だった。


第十四話 見つめるT/目覚める記憶

悪夢から目を覚ました僕は辺りを確認した。

ここに見覚えがある。

園咲家の屋敷だ...だが、僕はシュラウドに追い詰められて....それで....

 

 

コン、コン、誰かが扉をノックすると入ってくる。

そこには師上院と数人のメイドが現れた。

「目が覚めたようだな無名。

ここがどこだか分かるな?」

「はい、園咲家のお屋敷ですよね。」

 

「分かっているのなら早く支度をしろ。旦那様がお前の報告を待っている。」

師上院はメイドに指示を出すと僕の身支度の準備をさせる。

僕は悪夢について一旦置いておくと、ベッドから起き上がり琉兵衛に会う準備を始めた。

 

 

 

準備が終わると師上院の案内で園咲家の家族が食事を行う部屋へと案内される。

「旦那様、無名が目を覚ましました。」

「おぉ、入りなさい。」

琉兵衛の許可が下り中に入ると、そこには琉兵衛と冴子、ミック、そしてまだ幼い園咲家の次女、園咲 若菜(そのざき わかな)もいた。

「あらっ、お父様この人は誰?」

「私の仕事を手伝ってくれている子だよ。」

 

まだ、若菜は中学生にも満たない子だ。

琉兵衛も詳しいことは話すつもりはないのだろう。

「お父様の仕事の手伝いをしている無名と申します。」

「むめい?珍しい名前なのね。

私は若菜、よろしくね。」

純粋な笑顔で挨拶をされる。

その事自体が稀なので僕が面を食らっていると冴子が若菜を叱る。

「若菜、無名はお父様に用があるのよ。

余計な口を挟まないで」

「....すいませんお姉さま。」

 

冴子の叱責で少し空気が悪くなったのを察した琉兵衛が話す。

「若菜、私と冴子は無名くんと大事な仕事の話がある。

ミックと一緒に遊んでおいで」

その言葉を聞くとミックが若菜の元により甘えだし、

さっきの暗い表情が嘘のように明るくなる。

「分かりましたわお父様。

行こうミック。」

そう言って若菜とミックは部屋から出ていった。

 

「では、何があったのか聞かせて貰おうかね?」

琉兵衛の言葉に僕はあったことを説明していく。

メモリの実験中に見たこと無いドライバー(ロストドライバー)メモリ(スカルメモリ)をつけた怪人(仮面ライダースカル)に襲われた事。

そして、謎の砲台(ガンナーA)装甲車(スカルギャリー)からの猛攻により撤退を余儀なくされ、今に至ると....

「謎のドライバーとメモリ...か。」

琉兵衛は心当たりがあるのか顔をしかめているが冴子は全く分からない顔をしている。

 

(冴子はビギンズナイトで初めて次世代メモリとドライバーの存在を知るから無理もないか。

さて、琉兵衛はこの事実を素直に話すのかそれとも)

「兎に角、この風都には謎の敵勢力がいることは間違いなさそうだ。

冴子も気を付けるように」

(やはり、誤魔化したか。)

 

無名による説明が終わると今後の動きについての話が始まる。

「無名くん、君は身体の傷を治したまえ。

ドーパントから受けた傷は自然治癒でしか回復しないからね。」

どうやら、身体を回復する時間を貰えるようだ。

「なら、無名に割り振られていた仕事はどうしますか?」

冴子の質問に琉兵衛は悩む。

「ふむ...獅子神くんは研究者向きではないしサラくんも私の仕事をして貰っている。

兼業させられるほど簡単な仕事でもない。」

 

「ならば、私が無名の仕事を引き受けますわ。

先日の実験のお陰でデータは集まっていますから、

兼業しても問題なくこなせますわ。」

「では、頼むことにしよう。

話はこれで終わりだ...もう帰って休みたまえ無名くん。」

僕はその言葉に従い後ろを振り向き部屋を後にする。

何かのプレッシャーを感じたが、疲れているか気のせいだと思い出ていくのだった。

 

 

無名が出ていった後、冴子が琉兵衛に話しかける。

「お父様...最後のアレは一体?」

「何、無名くんの様子が変だったからね。少し試して見たのだ。」

琉兵衛がやったことは、恐怖のエネルギーを無名にぶつけることだった。

獅子神やサラならば、危機感から振り向くが無名はそうしなかった。

気づかない事はあり得ない。

何故なら、琉兵衛の放つ恐怖のエネルギーは長年テラーメモリを使うことで手に入れた。

人間の状態でも使える能力だったからである。

 

(やはり、"進化"しているな。)

適合率の高いメモリを使い続けるとユーザーの肉体にメモリの能力が付加される。

琉兵衛の様にテラーの力の一部を使えるのだ。

そして、無名の背後からも黒炎が微かに現れていた。

この短期間で何をしたのは分からないが、メモリとの適合率が上がっているのだろう。

 

実に興味深い"個体"だな。

琉兵衛はそう感じながら無名を今後どう扱うか考えるのであった。




Another side

鳴海探偵事務所で報告書を書いていた荘吉は、身体の痛みに一瞬顔をしかめる。
「ん?おやっさん。
どっか怪我してるのか?」
半人前の癖に洞察力が高い左に指摘される。
「何でもない気にするな。」

荘吉のその言葉に少し不安に思うものの左は従う。
荘吉が顔をしかめた原因は昨夜、戦ったドーパントとの傷が原因だった。
突然、繭から出て来たドーパントに攻撃した瞬間、何十体ものドーパントを生み出したのだ。

文音の持ってきたガジェットに助けられて何とか全員倒せたがそのドーパントを産み出した怪物は呻き声を上げて地面に倒れるとそのまま粒子となって消えた。
アイツが何なのかは分からないが少なくとも今まで戦ってきたドーパントとは明らかに様子が違う者だった。

戦いが終わった後、文音に連絡したら文音も詳しいことは分からないらしくあのデーモンドーパントが指揮をしているのだろうと言っていた。
(翔太郎よりも若い坊主があんな悪魔のような実験を....)

荘吉はこれから来るミュージアムとの壮絶な戦いをあの一戦で予感した。
「これから、"嵐"が来るな。」
荘吉は引き出しから取り出した資料を確認する。
そこにはとある孤島の地図とそこに連れて行かれる白いパジャマを着た少年の写真が写っていた。



物語を始める戦い(ビギンズナイト)は近い。

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