もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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クリスマス特別編 事務所と作戦と目的

鳴海探偵事務所へ到着するとそこにいるメンバーについて翔太郎が説明する。

 

「先ずは俺の相棒であるフィリップだ。

Wになる時も一緒に変身している。

ヤバイ程の検索マニアだから気を付けろよ。」

「初対面じゃないにしてもその紹介は無いだろう。

改めてフィリップだ。

君の持つメダルやグリードに関してはある程度検索させて貰った。

実に興味深い....ゾクゾクするねぇ。」

 

「次が俺らと同じく仮面ライダーとして活動している照井 竜だ。

後、警察官でもあるからそっちで困った時は頼れ。」

「照井だ....もう一つの名は仮面ライダーアクセル。」

 

「それとこのチンチクリンは鳴海 亜樹子。

気を付けないとスリッパで叩かれるから気を付け...スパン!痛ってぇ!何すんだ亜樹子!」

「まともに紹介しない翔太郎君が悪いんだからね!

改めて鳴海亜樹子です。

この事務所の所長です!宜しく。」

 

相手方の挨拶が終わり今度は映司達が自己紹介をする。

「俺は火野 映司。

仮面ライダーOOOやってます。

そしてコイツはアンク。

グリードですけど俺に協力してくれています。」

「......ふん!」

 

「おう....それにしてもアンクは随分と不機嫌だな。

やっぱりあの怪物を逃がしたのに怒ってるのか?」

「当然だろ!奴を倒せばセルとコアの両方を手に入れられる筈だったのに....邪魔しやがって」

「ちょっと待てよ!

セルは兎も角として何でお前がコアメダルの情報を知ってるんだよ。」

 

「....鴻上に言われたんだよ。

風都にコアメダルが流れたってな。

だったら手に入れるしかねぇだろ。」

「お前なぁそう言うことは俺にも言ってくれよ。」

 

そんな話をしていると照井が声をかけてくる。

「火野と言ったか。

鴻上とはあの大企業の鴻上ファウンデーションと関わりがあるのか?」

「あっ...はい。

メダジャリバーって武器やバイクを使わせて貰っています。」

「その組織で後藤 慎太郎と言う名前に聞き覚えはないか?」

 

「えっ!後藤さんと知り合いなんですか?

あの人にはお世話になってます。」

後藤は火野がオーズとして戦い始めてからも会長の命令だと言って何度も助けて貰っていた。

 

その言葉を聞くと照井の顔は優しくなる。

「そうか....元気そうならそれで良い。」

二人の間に何かあるのだろうとは思ったがそこでアンクが話し始める。

「今はそんな話よりメダルだ。

俺達はあの怪物を倒してメダルを手に入れる....邪魔するなら例え仮面ライダーでも容赦しない。」

 

その言葉にフィリップが返す。

「邪魔をするつもりはないよ。

僕達も風都の街をこれ以上、泣かせたくないからね。

だが、君達だけであの怪物を倒すことは不可能だ。」

「....何だと?」

「聞こえなかったか?

不可能だと言っている。」

 

その瞬間、アンクの腕がフィリップの首へと飛んでいくがすんでの所で翔太郎と映司が阻止する。

「アンク!お前何やってるんだよ!

すいません....こいつちょっと短気で」

「いいや、今のはフィリップの言い方も悪かった。

正確に言えば"お前(オーズ)が力不足で倒せない"訳じゃない。」

 

「本当に腕だけで動けるんだな....益々、興味深い生態だ。

一度解剖して中身を....パコン!

亜樹ちゃん、何で僕まで叩かれるんだい?」

「少しは空気を読まんか!

本当にすいません。」

 

そう言って"猛獣二匹"(腕だけの怪物と知識の怪物)を抑えると話を再開した。

「あの怪物....フィリップが"メダドーパント"と呼び始めたがアレだがどうやらメモリとメダル両方にダメージを与えないとあの怪物は救えないらしい。」

 

「そんな.....」

「ふん、ならば見捨ててメダルを回収するだけだ。」

「アンク、そう言うことなら僕は協力しない。

僕はあの犯人の命も救いたいんだ。」

真っ直ぐと射抜く様な瞳で見られたアンクは溜め息を付く。

「はぁ、だが何か作戦はあるのか?」

「あぁ、だがその前にアンク君に確認させてくれ。

ヤミーに寄生された人間の思考と行動はどうなるんだ?」

 

「基本的には宿主の欲望を食らうためにそれを増長させる。

そして、限界までセルメダルが貯まったら外に出てくる寸法だ。」

「あの泥棒の欲望は盗みをすることだ。

より難度があり難しい物程、盗みたがる。」

「なら、その欲望が強くなっているだろうな。」

 

「けど、そんな都合良く見つかりますか?」

「それがあるんだよちょうど明日の夜にな。」

そう言うと翔太郎がチラシを見せてきた。

「これって、知世子さんが出るって言ってたクリスマスグランプリ。」

 

「あぁ、実はこのイベントでとある財団が時価数千億もするダイヤを展示する予定なんだ。

主催者曰く、イベントを盛り上げる為らしくてね。」

「それでそのダイヤの警護に警察も駆り出されている。

そこに俺達も参加するんだ。」

 

「成る程、それならあの怪物も確実に来るだろうな。」

「でも、危険じゃないか?

そのダイヤモンドはクリスマスグランプリの客寄せに使われるんだろ。

万が一出場者に被害が出たら.....」

 

「それは問題ない。

展示されるのはイベント会場である路上ではなくセキュリティの効いた屋内の展示スペースだ。

そこにメダドーパントが現れてもイベント自体に被害はない。」

フィリップの言葉に映司は少し悩むと決心したように言った。

「....分かりましたその作戦で行きましょう。」

 

「良かった。

一つ問題があるとすれば僕と翔太郎は警備協力としてイベントに潜り込めるが君達にはその手段は使えないだろう。

会場とダイヤの展示室が離れていると言っても相当数の人間がひしめき合うことになる。

何かしらの役職を持って入った方が良い。」

 

「あっ、なら知世子さんに頼もうよ。

そのイベントに俺の知り合いが出るんです。

スタッフとして入れるように頼んでみます。」

 

「では、最後に最も重要な話をしよう。

メダドーパントを安全に倒す方法だ。

今の状態はメモリとコアメダルが軽い融合状態になっていることで起こっている。」

そう言うとフィリップがホワイトボードに書き込んでいく。

「そして、ヤミーに寄生されることであの強さを得たんだろう。

欲望から産まれる力については興味をそそられるが現段階の解決法は"メモリを破壊しヤミーを倒すことでエネルギー供給を絶つ"そうすれば残るのはコアメダルとの融合が解けた者だけが残る。」

 

「つまりはWとオーズが同時にメモリとヤミーを破壊する必要がある訳か?

そんな上手く行くのか?」

アンクの問いに翔太郎が答える。

「この前は"奥の手"を使いそびれたからな。

それを使えば何とかなるだろう。」

「だと良いがな.....」

 

「なら早速、俺は知世子さんに連絡してきます。」

映司はそう言うと知世子さん達に連絡する。

ある程度話すと快く快諾してくれた。

 

そうして話が終わると翔太郎が話し掛ける。

「そう言えば映司は元々この風都にオーズとして来た訳じゃないんだろ?

何の為に来たんだ?」

「鴻上さんからプレゼントされたんです。

風都グランドホテルの宿泊券。

まぁ、旅行みたいなものですね。」

 

「そうなのか....ってか風都グランドホテル!?

彼処って一泊するだけでも相当な値段しなかったか?」

「最低でも一泊10万はするホテルだよ。

ホテルのランクにもよるけど最高クラスなら50万は軽くするだろうね。」

 

「50万!?そんなにあったら事務所の雨漏りの工事や...あんなものやこんなものも買える。」

「そうだったんですね。

俺達はチケットを貰っただけですし....」

「ん?そんなに驚いてないみたいだな。」

 

翔太郎の疑問も最もだが映司は元々有名な政治家の家系に産まれており良くも悪くもそう言ったことには馴れていただけだった。

すると色々と決まって安心したのか映司のお腹が鳴る。

 

「......すいません。」

「気にすんな。

それに腹が減ってるなら旨い店に連れていってやるよ。

映司達にはこの風都の良さを知って貰いたいからな。」

「そうだね。

同じ仮面ライダーの名を持つ者同士だ。」

 

「ありがとうございます。」

「良し!決まりだな。

久々に全員で風麺に行くか!」

 

「風麺?」

「風都で名物となっている屋台のラーメンだよ。

味は保証する。」

 

「おい、そこにアイスはあるのか?」

「はぁ?屋台のラーメン屋にアイスなんてあるわけ無いだろ。」

「チッ!なら行かねぇ。」

 

「我が儘言うなよアンク。

それにたまにはちゃんとした栄養のある食べ物を取らないと信吾さんの身体にも悪いだろ?」

「映司、アンクってのはそんなにアイスが好きなのか?」

「えぇ、それこそ年がら年中食べてます。」

「そうか....ならアンク、風麺を食べ終わったら"風車"って言う駄菓子屋に寄らないか?

彼処にあるアイスは絶品だぞ?」

 

「何、本当なのか?

嘘をついたら只じゃ済まないぞ。」

「嘘つく意味があるかよ。

取り敢えず行こうぜ。」

 

翔太郎がそう言うと全員で先ず、風麺へと向かうのだった。

 

 

 

風麺での会話.....

 

映司は自分の前に出されたラーメンに心を踊らせていた。

 

「アンク!凄いよこの風麺って!デッかいナルトが入ってくる!」

「大声を出すなみっともねぇ!....ったく何でこんなことになってんだよ。」

 

「なっ?旨いだろ。

この風麺は風都の名物なんだよ。

デッカいナルトの中にあるちぢれ麺が鳥醤油ベースのスープと絡まって旨いんだよなぁ。

あぁ、やっぱり何時食べても飽きねぇわ。」

翔太郎の言葉に店長も機嫌が良くなる。

 

「そんな風に言って貰えて嬉しいよ。

はい、そんな翔ちゃん達にサービス。」

店長はそう言うとチャーシューを渡してくれる。

「おっ、ありがとうな店長。

ほら、映司もアンクもどんどん食え。

ここは俺が奢るからさ。」

 

「えっ、良いんですか?」

「おう、おやっさんも言ってたが"人との縁は神様にしか操れない...だから良縁が来たら絶対に離すな"ってな。

きっと、お前らと会えた縁がそうなんだと俺は思う。」

翔太郎の言葉にフィリップは笑う。

「ふふっ、相変わらずのハーフボイルドだね。

その言葉をクールに言えたら鳴海荘吉の様になったのに...」

「うるせぇわフィリップ。」

そうして二人が小突き合うのを映司は微笑ましく眺めアンクは出されたチャーシューを掴み自分の器に入れると一心不乱に食べるのであった。

 

 

 

 

駄菓子屋 風車にての会話.....

 

「おい婆さん!アイスを一本くれないか?」

「.....はい?」

翔太郎は駄菓子屋を経営している婆さんに声をかけるが耳が遠く上手く伝わらない。

 

「おい、あのババァ大丈夫なのか?」

「翔太郎曰く、昔からあの調子らしいよ。」

フィリップとアンクが話していると翔太郎が頑張って駄菓子屋のお婆さんとコンタクトを取ろうとする。

 

「ア.イ.ス!分かるか?

アイスを買いに来たんだ!」

「....ほへ?」

「だーっ!、だからアイスだって言ってんだろう!

もう耄碌したのか婆さん!」

 

「失礼だね!あたしゃまだピチピチの80代だよ!」

そう言って婆さんは翔太郎の頭を肩叩きで叩く。

「痛ってぇ!やっぱ聞こえてんじゃねぇか!

ほらさっさとアイスをくれよ。

アンクが欲しがってんだよ。」

「.....アンコ?」

 

「違うってアンクだよア.ン.ク!」

「アンコならあたしゃこし餡派だよ。」

「だーめだこりゃ」

 

「どうやらダメそうだね。」

「ふん!関係あるか欲しいなら力付くでも手に入れるんだよ俺は」

そうアンクは言うと腕だけになりアイスの閉まっているボックスへと近付く。

しかし、手を掛ける前に婆さんの肩叩きが手に当たった。

「痛って!」

「耄碌しても泥棒の鼻だけは利いてるんだよ。

アタシからアイスを猫ババしようとするなんて良い度胸だね。」

「うるせぇ!元々買うつもりだったんだよ。

だが、気が変わった...絶対に奪ってやる。」

 

それから腕だけのアンクと婆さんによるアイスを賭けた戦いが起こった。

結果としてアンクはアイスボックスに指一本触れられず駄菓子屋の婆さんに敗北した。

 

因みにアイスは映司が頼んだら快く売ってくれた。

しかもオマケ付きで

「.....納得いかねぇ。」

アンクはホテルに帰るまでその事をずっと根に持つのだった。(しかし、アイスは美味しかったらしく映司の分も食べた。)

 

 

そして、ある程度打ち合わせを終えると明日に備えて早めに解散するのだった。

 

 

 

 

その光景を遠くからリーゼと無名は監視していた。

「良し、予定どおりWとオーズが接触したな。

まぁ、よっぽどのアクシデントが無い限りはフライドーパントと接敵出来るだろう。」

 

無名にとって今回の事件は完全にイレギュラーだった。

クリスマス位、孤島でゆっくりと過ごそうと思っていた矢先、サラから鴻上ファウンデーションの所有する金庫から盗難があったと聞いた。

 

監視カメラを確認するとドーパントが写っておりよりにもよってセルメダルとコアメダルの両方を盗んでいった。

しかも、そのセルメダルからヤミーまで産まれたと言う始末だ。

 

サラから「これまでの借りを少しは返して?」と言われてこの事件の解決を請け負ったが正直に言って面倒くさい。

 

何故なら無名にはメダルの知識が殆ど無いのだ。

無名がもとから持っていた知識は仮面ライダーWに関わる知識。

その関連(AtoZ)で知っていただけに過ぎない。

 

だから知っている知識があるとすればコアメダルを使いオーズが変身しセルメダルでヤミーと呼ばれる怪物を産み出せる.....この程度である。

 

 

つまり、無名はこの事件をこれまでの様に完璧に操ることが出来ないと悟っていた。

だからこそ、何とかお膳立てをしようとホテルからイベント等、色々と用意してオーズをおびき寄せた訳だ。

 

無名は腕時計を見つめる。

時刻は22:00を過ぎている....だがメダルを吸収したドーパントがどんな動きをするか分からない以上、気が抜けない。

 

「今日は徹夜確定ですね.....折角のクリスマスなのに残念です。」

無名は誰にも聞こえない様にそう愚痴ると監視を続けるのだった。

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