もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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事件は解決した。
俺達とオーズ....いや火野映司の力によって....
俺も何時もの事件を解決してきたが今回の事件は珍しい。


クリスマス特別編 メダルとメモリと明日

映司の咆哮と共に放たれる強力な熱波で周辺の雪が溶けていく。

『なんて強力な力だ。

これがコアメダルの力なのか。』

フィリップが驚きながらも映司が話しかけてくる。

「俺はヤミーを倒します。

だからドーパントは.....」

 

それに答えるように翔太郎が言う。

「あぁ、ドーパントは任せろ!」

そう言い終わると映司はヤミーを捕まえてビルを登り上空へと目指す。

 

そしてある程度の距離まで離すとオースキャナーをドライバーに通す。

 

「scanning change」

 

その瞬間、オーズの前に円上の三つのエネルギーが現れる。

 

「セイヤァァァ!」

 

映司は力を込めてそこを通り強化された爪でヤミーを切り付けた。

ヤミーは絶叫を上げながらセルメダルへと分解される。

そうしてヤミーはオーズの手によって倒された。

 

そして、残ったフライドーパントに向けてWが攻撃を仕掛ける。

 

「XTREAM MAXIMUMDRIVE」

 

『「W XTREAM」』

 

Wの必殺のキックがフライドーパントに当たるメモリブレイクし元の姿へと戻った。

 

こうしてクリスマスに起こった事件は解決した。

 

 

そして、ヤミーを倒し終わって変身解除した映司は倒れてしまった。

アンク曰く、"コンボを使った副作用らしい。"

そうして倒れた映司を回収して今回の事件は幕を下ろした。

 

それから一日寝込んだ映司は目を覚ますと夢見町に帰ると言ってアンクと共に事務所を去った。

彼にも彼なりの戦いがあると理解していた翔太郎達は映司達を見送った。

 

しかし、翔太郎は何か気になったのか帰る前に映司を呼び止め話をした。

 

 

「お前、どうして刑事を庇ったんだ?」

「え?それは刑事さんを助けるためですよ。」

 

「それは分かってる....でもお前は助けるために庇って傷つく選択をした。

オーズなら機材を吹き飛ばして助けることも出来たんじゃないのか?」

 

「でもそれだと刑事さんが怪我をするかも....」

「俺が言いたいことはそこじゃねぇ。

お前は"自分が傷つくことに何の抵抗も感じてない"...それはとても危険なことだ。

自分が仮に死んでも誰かを助けられるのなら良いって考えてるんだろ?」

 

「.......」

「だがなお前が死んでそいつが助けられてもこの後の未来助けられる奴らを助けられない可能性だってあるんだ。

命を犠牲にする考えは俺には変えられねぇ....だけどこれだけは覚えていてくれ。

お前の助けた命は今後誰かを助けるかもしれない。

そんな人達を増やすためにもお前自身は死ぬことを優先してはいけないんだ。

今後、助けられる人を救うためにもな......」

 

「....ありがとうございます。

少し考えてみます。

でも俺もそう簡単に死ぬ気はありませんよ。」

 

そう言って映司とアンクは笑顔で風都を去っていった。

彼は善人なのだろうがきっとただの善人じゃない。

何かが普通の人とズれている。

 

翔太郎は長年探偵として人を見てきた観察眼から映司の中にある狂気に気付くことが出来た。

「誰かを頼る事を覚えれば変わるのかもな。」

 

翔太郎は自分がハーフボイルドだと自覚している。

だからこそ、誰かを頼ることに何の抵抗もなかった。

頼る重要性を理解していたからだ。

(自分一人で抱え込んでいては何れ限界が来る。

肉体か精神か....或いは自分の持つ運のどれかに....

それに気付かせてくれる人に会えると良いな火野 映司。)

 

翔太郎はそう思いながらタイプライターを打つのを止めた。

偶然から始まった共闘はWとオーズ共々、違った刺激を与えたのだった。

 

 

 

夢見町の鴻上ファウンデーションが所有するビルの社長室で鴻上はケーキを作りながら無名の話を聞いていた。

「成る程、ライオンのコアメダルは無事にOOOの元へ渡ったか。

しかも、黄色のメダルのコンボまで......素晴らしい!実に素晴らしい結末だよ無名君。」

「お気に召した様でこちらも嬉しいですよ。

.....では今回の一件は」

 

「あぁ、ドーパントが私の所有物に手を出したことは不問にしよう。

サラ君にもそう伝えておく。」

「ありがとうございます。

では僕はこれで失礼いたします。」

「あぁ、また何かあったら頼むよ。」

 

そう言うと無名は電話を切った。

その直後、里中が鴻上に尋ねる。

「宜しかったのですか?

この一件は上手く利用すればミュージアムとより良い契約すら結べた可能性が.....」

「いや、あの組織は未知の部分が多い。

欲を出すならばもっと準備が必要だ。

下手に手を出せばその腕事、噛みちぎられてしまう。」

 

「そうですか。

では後藤さんにテストして貰った"バースシステム"はどうしますか?

データを見た限りでは問題なく稼働していると真木博士も仰っていましたが....」

「そちらもまだ保留で良かろう。

オーズをもっと強くしてからバースは投入すべきだ。

せめて....あと二つはコンボを使って貰ってからが良いだろうね。」

 

「では変身者に関しては後藤さんに続投して貰いますか?」

「いや、それは止めておこう。」

「何故でしょうか?

十分に使いこなせていると報告を受けていますが.....」

 

「彼がここに来た理由は聞いているだろう?」

「えぇ、"守る為の力を手に入れる為"....と言っていましたよね?」

「そこだよ。

私が気に食わないのはそこだ!

前の彼はまだ青い正義を振りかざして欲望の赴くまま動いていた。

だが今の彼にそれは無い。

守る力を手に入れる為に貪欲になっている。

実際、力を手に入れるためにこのケーキを食べ切れと言ったら一心不乱に食べていたからね。」

 

「なら、結果的に良かったんじゃないですか?

欲望に忠実な人は会長も好きじゃないですか。」

「あぁ、勿論大好きだ!

だが、高潔すぎる。

例え己の手を汚しても力を手に入れたいと言う感情がなくなってしまった。」

 

後藤はオーズのサポートを続けている中で鴻上の命令には常に忠実に従ってきた。

だが、誰かを犠牲にしたり人質を取るような任務は頑なに断り続けていたのだ。

前のライドベンダー隊の隊長が暴走しオーズに攻撃を仕掛けようとしたら身を呈して庇った位だ。

 

「もう彼にとって力とは何かを守るための物へと変わってしまった。

だが、欲望の根元は破壊的だ。

例え全てを敵に回しても壊しても手に入れたい。

自分のものにしたい....それが欲望なのだ。

恐らく彼をバースの変身者に選べばそれで満足してしまうだろう。

私にはそれが耐えられない。

そんな消極的な欲望等......」

 

里中は理解不能と言う顔をしながら鴻上に告げた。

「では引き続きバース変身者の選定を続けます。

....所でさっきから気になっていたのですがそのケーキは一体誰の為のケーキなんですか?」

 

里中は先程から鴻上が作っている真っ黒のケーキが気になっていた。

鴻上は誕生日が大好きだ。

だからこそ、社員の誕生日には自分がケーキを作り送っている。

しかし、そのケーキには何の宛名も無かった。

 

「これは社員のためではない別の人物へ宛てたケーキだよ。」

「それは何方なんですか?」

「ん?分からない。」

 

「え?」

「分からないんだよ。

あの無名と会って気付いたんだからね。

彼の中にいる何かに.....一体何のためにいるのかは分からないが祝わない訳にはいかないだろう?

HAPPY BIRTHDAY!!"謎の存在"よ。

君がこの世界で何をするのか楽しみにさせて貰うよ。」

 

そう言うと鴻上はハッピーバースデーの曲を歌いながらケーキを完成させる。

名前の欄にチョコペンが書く。

 

Happy birthday

 

A mysterious being that descended into this world(この世界に降り立った謎の存在へ.....)

 

 

 

 

 

無名は鴻上への報告を終えると孤島にある自室で寛ぐ。

「全く、この二日間は本当に疲れた。

.....リーゼもお疲れ様。」

無名がそう言ってリーゼを見つめるが彼も無名のベットで寝ている。

 

今回は本当に疲れた。

オーズを助ける為に崩れる機材に向けて黒炎の矢を放ったり、アクセルが変身できる様にリーゼがライトを繋いでいるケーブルの電圧を上げて一時的に光量を上げたりと裏で暗躍していたのだ。

 

それにしてもオーズのあの黄色い姿には驚いた。

コンボと言うらしいが凄まじい熱量と技だ。

仮に余波でも当たっていたら僕は兎も角、リーゼは危なかっただろう。

まぁ、一番大変だったのはヤミーを倒した後に撒き散らされたセルメダルを回収することだったが.....

 

万が一にでも風都でヤミーを誕生させないために戦闘後、人知れずセルメダルの捜索を行っていたのだ(見つけたセルメダルは鴻上の元へと送った。)

 

部下を含めてクリスマス返上で動いた為、大なり小なり批判が出た。

特に家族持ちである黒岩の批判は凄まじかったが何とか事を運ぶことが出来た。

 

それにしてもクリスマスまで仕事漬けとは、どっかの社畜も真っ青だな。

だが、これで仕事も終わった。

ゆっくり休ませて貰おう....と思っていると携帯に着信が入る。

嫌な予感しかしないが電話に出る。

 

「はい、無名です。」

(冴子)よ。

実は無名にやって欲しい仕事があるんだけど良いかしら?」

 

これは断る術がないな......

 

「えぇ、勿論。

僕は何をすれば?」

こうして無名のクリスマスは終わり何時もの仕事が始まるのだった。

 

 

 

 

 

 

その姿を鏡越しにゴエティアが笑っていた。

【全く、彼も大変だな。

そう思うだろ?"読者諸君"。

あぁ、安心したまえ....君の事を知っているのは私だけだ。

それよりも楽しんでくれたかね?

君達の時間軸では今日はクリスマスだ。

無名のように仕事漬けの者もいるだろう。

それか大事な誰かと過ごしているのかもな。

まぁ、どちらでも良いが.......

一年に一度の聖なる夜だ。

今回ぐらいは君達の安寧を祈っておこう。

それではまた何れ...何処かで......】

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