第十五話 Eへの介入/変わる展開
僕は今、身体のダメージを治すため園咲家の別荘の一つで療養生活を送っている。
身体にメモリが適合しているからか回復力も高く、一ヶ月と経たない内に肉体のダメージはほぼ回復した。
だが、琉兵衛からは、
「こちらが決めた休暇はまだ残っている。
この際だ少しゆっくりしていきたまえ。」
と言われた。その言葉を受けて僕の休みは延長しているわけだが、
何もしないと言うのは暇で仕方がない。
暇潰しになることを考えたが、
僕にはガイアメモリやドライバーの研究がその暇潰しだったことに気づき、改めてこの世界に来てからろくな生き方をしていないと自覚した。
だが、変える気もない。
この原作に入り込んだ異物として自ら求める結果を手に入れる。
それこそが僕のしたいことだったからだ。
そんなこんなで休みを利用して自分のメモリを研究していた。
あの一戦の後、僕のメモリは進化した。
正確には僕の身体も含めて変化したと言うのが正しい。
園咲 琉兵衛の様に人間の身体でも黒炎が扱える様になり、
身体能力も強化された。
そして、ドーパント体では黒炎の操作できる最大量が増えた。お陰で刀以外の武器や能力が使えるようになった。
だが、あのビルで使えた自らが黒炎になりすり抜ける技だけは使うことが出来なかった。
何かしらの条件でもあるのだろうか?
ドライバーの開発は難航している。稼働時間は伸ばすことが出来たが30分が限度であった。
やはり、シュラウドが作った現物のドライバーが必要だ。研究データではなく....
変化があったと言えばもう一つ。獅子神とサラ、そして僕は直属の部下を手に入れることが出来た。
まぁ、僕の場合は人間ではないのだが.....
別荘の木に登り景色を見ている"シルバーマーモーセット"と言う品種の猿、名前を"リーゼ"と言う。
それが僕直属の部下だ。
だが、ただの猿ではない。
"禅空寺家"が管理する実験動物の一体、それがリーゼだった。
ガイアメモリの研究で交流を持ち譲り受けた秘蔵の一体だ。
頭が良く暇な時はパズルをしている。
勿論、リーゼにも"ガイアメモリ"と"ドライバー"を渡している。
僕自身が調整したリーゼ専用のドライバーだ。
そして、メモリはシルバークラスが与えられた。
「リーゼ、帰ろうか。」
僕の言葉に反応し肩に乗っかる。
そのまま、別荘に戻ろうとすると携帯が鳴った。
画面には大道マリアの名前が表示されていた。
僕は通話ボタンを押し受けた。
「お久しぶりですねマリアさん。
今日は何の用で?」
大道マリアとは定期的に取引を行っている。
酵素を撃ち込む道具の改良や、武器や乗り物の斡旋。
他にも実験の協力など多岐に渡り協力して貰っている。
だが、通話に出たマリアの口調は焦りを覚えていた。
「貴方に頼みたいことがあるの。」
そこでマリアはいまおきている事を簡潔に話すが僕はこの問題を知っていた。
東南アジアで任務についていたNEVERが突如、超能力を持つ少女"ミーナ"に襲われる。
そして、大道克己はミーナと関わる中で、
永遠を求める地獄の悪魔へと変貌していく。
これはVシネ仮面ライダーエターナルのストーリーだった。
(もうそこに突入したのか。)
そして、マリアの話を聞く限り、酵素が入ったアタッシュケースを無くしてしまったらしい。
メンバーの持つ酵素は緊急用の臨時酵素一本しかなく克己も謎の組織にさらわれてしまったらしい。
あまり、時間がない状況だがその事を嘆いてもいられない。
折角、生き残らせる方向でNEVERに関わったのにここで勝手に絶望されてはこっちが困る。
それにこれはある意味、僕にとってはチャンスだ。
話を聞いた僕はマリアにとある提案をした。
最初は拒否反応を示したが時間がないので渋々了承するのだった。
そして、許可が取れると僕は電話を切り別の人物へとかける。
その方はワンコールで電話に出てくれた。
「琉兵衛様、無名です。
実は折り入ってのお話がございます。」
「"エターナルメモリ"...か。」
「はい、財団Xが製作しているメモリです。」
「君が何故、その事を知っているのかは問うまい。
そのメモリに君は何を気にしているのかな?」
「エターナルメモリの能力にガイアメモリの"機能を停止"させる力があります。
琉兵衛様の今後の計画を考えるとこちらで財団Xにバレず秘密裏に回収しておきたいのです。」
「成る程、確かに留意しておくべき内容だな。
宜しい、部下を連れて早速そこへ向かいたまえ。」
「ありがとうございます。
つきましてもう一つお尋ねしたいことが...」
「何かね?」
「"獅子神"と"サラ"は今何処にいるのでしょうか?」
Another side
マリアは無名に助けの連絡を送ると、
克己らNEVERを助けるための準備を行う。
緊急用の酵素を使っても耐えられる時間はそんなに長くない。
多く見積もって数時間が限度だ。
再生酵素の開発により、記憶の保持など能力は格段に上がったがそれでも効力に時間制限があることは変わらない。
何としても酵素が完全に切れる前に薬を届けなくては
私はミュージアムから買い取った軍用航空機に機材を詰め込む。
そんな中、青年と少女を連れた無名が現れた。
「坊や....」
「ミュージアムの決定を伝えます。
我々はNEVERが捕らえられている島に向かいそこにいる敵勢力の制圧を行います。」
「待って!克己達のことは...」
そんなマリアの言葉を青年が遮る。
「あ?あんな死体のなり損ないなど知ったことか。
俺達の目的とは関係ない。」
「そう言う訳にも行かないと思うがな獅子神。
NEVERのメンバーは琉兵衛様の求めるメモリの近くにいる可能性が高い。
だとしたら助けてメモリの場所を聞く必要がある。
違うか?」
「ちっ!」
無名の言葉に獅子神と呼ばれた青年は舌打ちするとマリアの並べていた道具の中でアタッシュケースを手に取る。
「この中に酵素って奴が入ってるんだろ?
死体もどきを動かすのに必要なんだってな。
俺は、"死体もどき"どもを探す。
お前達はどうする?」
「彼等が捕まっている孤島は大きい三人共別れて動いた方が良いだろう。」
「なら、全員、酵素を持っていた方がいいわね?」
「そうですねサラ。
そう言うことですので獅子神。
僕達にもそのアタッシュケースの酵素とインジェクターガンを分けてください。」
「.....テメェに言われるのは気に食わねぇが理に叶ってるな。」
そう言うと、アタッシュケースを開けてインジェクターガンを一人ずつ、そして酵素入りの瓶を一人3つずつ持った。
「プロフェッサーマリア。
彼等の酵素が切れるまでのタイムリミットは?」
「移動時間を抜いて1時間が限界ね。」
「分かりました。
では早く向かいましょう。」
無名の言葉を合図に三人は航空機に乗り込んだ。
原作では登場しなかった三人の援軍...これが物語にどんな変化を及ぼすのか誰もその答えは知らない。
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