翔太郎は無名の管理する部屋に連れて行くと言われた。
デモンドライバーの性能を安定させる為にも変身をして欲しいと....
それに従い翔太郎はデモンドライバーを付けると、
仮面ライダージョーカーへと変身した。
すると無名もデーモンドーパントになりエクストリームの力を使う。
「何をするつもりだ。」
「ジョーカーメモリの力を更に引き出すためにメモリと同期します。
そうすれば安定して力が使える筈です。」
そう言うと無名は翔太郎のドライバーに触れた。
直後、翔太郎の意識が飛び謎のビジョンを見た。
そこにはまだ、ミュージアムに監禁されていた頃のフィリップとその隣で眠っている無名の姿が地球の本棚の中に映っていた。
(無名と.....フィリップ?
一体なんでこの二人が....)
そして無名の方は黒炎に包まれると姿を消しそれに抵抗するフィリップを黒炎を使う何者かが意識を奪ってしまった。
そのビジョンには違和感がある。
何故ならば無名はフィリップと地球の本棚で面識が無いからだ。
なのに何故二人が?
そう考えていると翔太郎が現実に引き戻される。
そこには変身を解除した無名がいた。
彼はとても酷く動揺していた。
「今日は....これで大丈夫です。
暫くドライバーを調整しますので預かります。
セーフハウスを用意したので今日はそこに行っていてください。」
「分かった。
ドライバーの調整にはどれくらいかかる?」
「3日....いや2日で仕上げるのでそれまでは勝手な行動はしないでください。
兎に角、今日はお引き取りを.....」
「分かった。
それまでに玉城の居所を調べておく。」
「分かりました....では」
無名との会話を終えると翔太郎は部屋を出ていった。
事務所の壁を見て目を覚ましたフィリップは起き上がろうとする。
「無理はするな、今は寝ていろ。」
克己によってベッドに戻された。
「どれぐらい気を失っていた?」
「5時間位だな....もうすぐ朝になる。」
「そうか.....」
「あぁ.....」
二人の間に沈黙が流れる。
「結局、"君の忠告通り"になってしまったよ。」
フィリップはAtoZの時、克己と握手した時に耳打ちをされていた。
「"翔太郎の手を離すなよ?"」
「え?」
「アイツはお前にとって唯一無二の存在だ。
代わりなんていない....だから離すな。
もし離したらお前はきっと死ぬ程、後悔する。」
「最初はこの意味が分からなかった。
....けど今なら分かる。
翔太郎を失うことがこんなにも恐ろしく辛いことだったなんて....」
「おまえはこれからどうするつもりなんだフィリップ?」
「勿論、翔太郎を取り戻すよ。」
「出来るのか?今の翔太郎にちゃんと向き会えるのか?」
「.........」
克己の問いにフィリップは黙ってしまった。
あの翔太郎と向き合う。
そう考えただけでフィリップの精神は動揺してしまっていた。
今まで見たことの無かった翔太郎の一面、相棒として否定されたあの記憶...否が応でも思い出してしまう。
身体が震える。
寒くもないのに震えが止まらなかった。
その姿を見た克己が言う。
「フィリップ、先ずはシュラウドと向き合え。
それをしていない段階で翔太郎と対峙するのは夢のまた夢だ。」
「それは....出来ない。
母さんは翔太郎を奪った無名の計画に荷担していた。」
「だからこのまま拒絶を続けるのか?
お前を守り続けてくれた母親を....」
シュラウドは息子である来人の為にこれまでの人生を捧げてきた。
息子を助けるために人の道を外れた。
井坂を作り鳴海 荘吉が死ぬ原因を作り出した。
全ては愛する息子を琉兵衛から守る為に.....
「選択は間違ったかもしれないがそれによってお前を守っていたことも"事実"だ。
それを含めてちゃんと話をするべきだ。」
「まるで兄から説教を受けているみたいだな。」
「ふん……かもしれないな。
俺達は科学によって産まれた怪物だが産まれは俺の方が早い。
そう言う意味では怪物としては歴の長い俺はお前の兄と言うことだな。」
「兄については検索したことがある。
僕にはいなかったから....兄は下の兄弟の為に助言と助力をしてくれる...そんな存在だと。」
「ふん、随分と美化されている知識だな。
それで....どうする?」
フィリップは少し考える決心した様に言った。
「母さんと...話してみるよ。
でもその前にちゃんと寝て身体の調子を万全にさせるよ。」
「そうか、安心しろ。
ちゃんと朝になったら起こしてやる。」
「あぁ、ありがとう。」
そう言うとフィリップは布団に戻り眠りについた。
眠ったのを確認すると克己は言う。
「いい加減出てこいシュラウド。」
そう言うとラボの扉が開き中からシュラウドが出て来た。
顔の包帯を取っているのか謎の染みが顔を蠢いている。
「包帯を取ったのか?」
「もう、これをする意味はないわ。」
「そうか....進捗はどうだった?」
「先ずはジェイルメモリの記憶を地球の本棚から手に入れる必要があるわ。
だから来人にその記憶を取ってもらう。」
「成る程、それを見てから作戦を考える訳か。
その前に翔太郎が動く可能性は?」
「私は無いと思っているわ。
彼に頼まれて作ったデモンドライバーにはまだ改良の余地がある。
私が無名ならそれを改善してから左 翔太郎を動かすわ。」
「なら、少しは時間を稼げるわけか。」
「えぇ、私は自分のラボから道具を取ってくるわ。
朝になる前には戻るから………」
「分かった。
なぁ、ちゃんと会うよな?フィリップと……」
「...........」
「ここで逃げたら本当に家族としての信頼を失うぞ。
どんな恨みや憎しみの言葉を言われようと母親であるアンタは聞かないといけない。
お前は罪を犯した、Wも言っているだろう?
罪を数えろと.....アンタも数えるべきだシュラウド。」
「分かっているわ。
例え、それで私が死ぬことになろうとこの罪は清算するわ。」
そう言うとシュラウドは陽炎に紛れて姿を消した。
「精算か。
死ぬことがフィリップにとって良いわけがないだろう。」
克己はそう思いながらもフィリップの寝顔を見ながら時間が過ぎるのを待つのだった。
風都病院の一室で目を覚ました照井は亜樹子に頼み携帯を耳元に置いてもらっていた。
電話の相手は刃野刑事だった。
「それで....状況は?」
「課長、それは良いですから休んでください。
事故に遭って余談を許さない状況だと病院の人から聞きましたよ。
そもそも何で休んでないんですか!」
「俺に質問をするな。
これだけの事件が起きているのに眠っているなんて出来るか。」
「しかし!」
「報告をしてくれれば寝る。
俺を寝かせたいのなら早く報告をすることだな。」
「.......フィリップ君の通報で雀写真館と付近にいた人の保護や現場の保存は終わりました。
雀写真館にいた人達の中で仮面ライダーに救われた人達は皆、病院に運んでいます。
"東堂 剛"と"玉城"に関しては警察病院で厳重に監視しています。
東堂 剛は左足が完全に切断されていて治療することは出来ませんでした。
手術は成功しましたので命に別状はありません。
問題は玉城の方です。
心臓がまるで爆発を受けたようなダメージを負っていて集中治療室に送られました。」
「.....死んだのか?」
「いえ、ちょうど運良く風都で学会が開かれていて、
その中に"天才外科医"と言われる方がいたんです。
その方に手術をしてもらい一命は取り留めました。」
「そうか、良かった。
それなら会話も出来るのか?」
「まだ重症な事には変わりがないらしいので数ヵ月は治療が必要だと言われましたよ。」
「そうか……報告ご苦労。」
「じゃあ、約束通り寝てくださいよ照井課長。」
「あぁ、そのつもりだ。」
そう言うと亜樹子に電話を切らせた。
何故そんな回りくどいことをするのか?
それは今、照井の身体は指一本動かせない程の重症だったからだ。
「本当に....心配したんだからね竜君。」
「すまない所長。
だが、大丈夫だ先生も言っていたろう?
安静にしていれば問題ないと....」
「そうだけど.....そう言えばあの先生って何者なの?
この病院でも見たこと無かったけど」
「俺が個人的に交流のある医者だ。
"聖都医大"で働いてて腕は良い。」
「確かにレントゲン撮ってから直ぐに処置を始めたよね。」
「あぁ、俺が知る中でも最高の医師だ。」
照井はそう言うとその医者との話を思い出す。
照井が目を覚ました頃.....
「....ここは」
「目を覚ましたかよ。」
「....."花家"。」
「全く、俺が学会でこの近くにいて良かったな。
でなかったらお前死んでいたぞ。」
だから照井と話す時は大我はかなり砕けた話し方になる。
「そんなに酷かったのか?」
そう言うと大我はレントゲンを取り出して照井に見せる。
「胸骨を中心にして骨が折れていてその一部が肺に刺さっていた。
.....まぁ、角度も浅くて直ぐに治せたが重症には変わり無かったぞ。」
「運が良かったと言うことか。」
「……そうだな。
すいませんがここからは患者と個人で話したいので暫く出ていて貰えますか?」
大我が亜樹子に言った。
「えっ?はい分かりました。」
亜樹子は大我の言葉に従い部屋を出ると花家は照井に言った。
「俺には説明してくれても良いんじゃねぇか?
"あんたの身体"の事」
「どういう意味だ?俺の怪我なら運良く……」
「違うだろ。
お前自身の"身体が治しちまってた"んだ。」
花屋 大我は天才と言われる部類の医者だ。
だからこそ、照井の身体のレントゲンを見て違和感に気付いたのだ。
「この骨の折れ方、ホントはもっと強い衝撃があったんじゃないか?
それこそ、生身で受けたら骨どころか身体がぶっ壊れちまう程のダメージを……
だが実際は"胸骨にヒビと折れた骨が肺に刺さった程度"のダメージだった。
なぁ、どう言うことだ?
どうしてそんな事が……」
「大我、俺にその質問をしないでくれ。」
お互いが沈黙するが先に音を上げたのは大我の方だった。
「あーぁ、そう言う時のアンタは本当に頑固なんだよなぁ。
聞くことは難しそうだ....分かったよ。
カルテもこっちで誤魔化しておく。」
「すまないな。」
「アンタには色々と助けられたからな照井さん。
ここからはアンタだけに向けた話だ。
そのペースで治癒されていくと仮定すると数日で動けるぐらいには回復すると思うが油断はすんなよ。
骨もあくまでくっついたって程度だ。
同じところにダメージを食らえばもっと酷いことになる。
今度は死んじまうかもしんねぇからな。」
「あぁ、気を付けるよ。」
そう言うとドアの前にいた亜樹子がノックをした。
「あのー、もう良いですか?」
それに大我が答える。
「えぇ、そう言えば貴方について聞いていませんでしたね?
失礼ですが....貴方は?」
大我がそう尋ねると亜樹子が答える。
「あのえっと……りゅ、竜君の仲間の鳴海 亜樹子です。
竜君が怪我したって聞いて……」
その姿を見た大我は意地悪く照井を見て笑うと亜樹子に告げた。
「私は照井さんの主治医の花家と申します。
照井さんの病状に問題はありませんよ。
ただ、少々仕事熱心過ぎますので貴女が"付きっきりで付き添い"をしてくださいませんか?」
「おい花家!お前.....」
「貴女の言うことなら照井さんも聞いてくれると思うのですが.....」
大我の提案に亜樹子は答える。
「もっ、もちっす!竜君が動かないように見張ってます!」
「それは良かった!じゃあ、私は別件がありますのでこれで失礼します。
後は"お二人"で話し合ってくださいね。」
そう言うと病室を出ようとする。
その際、照井が困っている顔をしながらも笑っている姿を見て、大我も笑う。
大我が照井と始めて会った時はまるで人殺しの様な目をしていた。
だが、今は全く違った顔が出来るようになっていたのだ。
(この風都で大切なものを見つけられたんだな照井さん....俺は応援してるぜ。)
「それにしても俺が人の恋路を応援するとは....もしかしたら、俺も変わっちまったのかもしれないな。」
そう言う大我ではあるがその表情は嬉しさが滲み出ていた。
「まぁでも....悪くねぇな。」
大我はそう思いながら病院から出ていくのであった。
次の日の朝、目を覚ましたフィリップはシュラウドと向かい会っていた。
周囲には克己とマリア、そしてフードを着けたままの霧彦もいた。
シュラウドも包帯を外している。
最初に口火を切ったのはフィリップだった
「その顔はどうしたんですか?」
「....貴方を琉兵衛から救う時にテラーの力を浴びてね。
助かるためにネメシスメモリを使ったの....その副作用でテラーのエネルギーの一部がこの顔に残った。」
「そんな事が......」
「来人、貴方は自分のことを何処まで知っているの?」
「僕の本名は園咲 来人。
園咲家の1人で貴女が僕の母さんだと言うことしか知りませんし分かりませんでした。」
「そう.....」
「他にも僕の知らない秘密があるんですか?」
「あるわ。
でもその前に貴方に謝らないといけないことがあるわ。
.....私は琉兵衛を倒す為に最強のWを作り出すことに固執していた。
だからこそ、左 翔太郎を邪魔だと思っていたの」
「そんな事で!?」
「フィリップ、落ち着け。
今はシュラウドの話を聞くべきだ。」
克己の言葉にフィリップはシュラウドの話を聞くことに戻る。
「だから私は照井 竜を貴方の相棒にさせるため鍛え上げて仮面ライダーアクセルにした。
そして……井坂を作り出したのも私よ。」
「何だって!?井坂を?」
「彼にウェザーメモリを渡したのは私。
彼は琉兵衛の持つテラーメモリを狙っていた。
だからこそ利用出来ると思ったけど私は彼の狂気を見誤り沢山を人を犠牲にしてしまった。」
「どうして止めようとしなかったんですか?
井坂からメモリを奪い取っていれば照井 竜の悲劇も起こる事は無かったでしょう!」
「無理だったのよ。
彼は私のことを良く理解していた。
だからこそ、私の復讐が進むように常に動いていたの。
だから切ることが出来なかったしウェザーメモリとの適合率も高く気付いた頃にはもう私では相手に出来ない程、強くなっていた。」
「でも、だからって」
「そう、私は間違い続けた。
そして、貴方の相棒を来人の手から奪ってしまった。
本当にごめんなさい……許してくれなんて言わないわ。
貴方が望むなら左 翔太郎を助け終わった後、目の前から消える。
でも今回はだけは協力して……
左 翔太郎を救うには貴方と私の力が必要なのよ。」
シュラウドの言葉を聞いたフィリップは沈黙していた。
自分の想像を越える真実の数々....
それを聞いた上でフィリップはシュラウドを許せるのか?
暫くの沈黙の後にフィリップは答えを出してシュラウドに話しかけるのだった。
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