もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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翔太郎とフィリップは老けさせ屋について調べていると亜樹子が囮となり遂に本人(相馬)を見つけることが出来た。

だが、自分の正体がバレると彼はオールドドーパントに変身し"オールドクリーク"と呼ばれる精神干渉波を受けてしまう。

その結果、翔太郎は老人に変わってしまった。

それでも何とか事件の調査を行い。
老けさせ屋に依頼をしたのは後藤みゆと同じ自動劇団に通う関根 久美(せきね くみ)の母親である関根 光子(せきね みつこ)だと分かった。
理由は自分の娘を劇の主役にさせる為.....

理由を知った後藤 良枝は報復の為に老けさせ屋に関根 久美の老化を依頼し結果として関根 久美も老婆になってしまった。

そして、その事態を知った芦原 茜は探偵事務所で真相を明かされ喧嘩する良枝と光子に怒りを発した。


第百八十話 Oの依頼/強い願い

「ふっざけんな!」

 

茜の怒号と怒りにより鉄骨に打ち付けた拳からゴン!と言うデカい音がなる。

 

「何が娘の為だ....結局アンタら二人の勝手な喧嘩だろうがっ!

それに子供を巻きこんでんじゃねぇよ!」

その言葉に光子が怒る。

 

「何よ!アンタに何が分かるのよ!」

「これっぽっちも分からねぇよ。

親友を自分の親が蹴落とす気持ちなんて分かりたくもない!」

 

「は?何言ってるの?」

 

 

「私はみゆと何度も遊ぶ内に"親友を紹介する"と言われて連れてきた子がいた。

それが久美ちゃんだ!

劇の主役の話も知っていた....だけど本人達はそれを何とも思っていなかった。

お互いに一生懸命にやった結果で悔いなんて無かった....そう言っていたよ。

気に食わなかったのはアンタ達だけだ!!」

 

「.........」

茜から告げられた真実に光子は黙るしかない。

そして茜の怒りは良枝に向いた。

 

「良枝さん....アンタも何で報復なんて行動取ったんだ!!

そんな事をしてみゆが喜ぶと思ったのか?

親友を老婆にされて喜ぶと本気で思ったのか!」

 

「それは.....」

 

「私は父親がいない。

父は警察官だった....そして仕事の途中で命を無くした。

後で母が教えてくれた。

父は同僚に裏切られて殺されたって.....

私もそいつに復讐したいと思ったさ。

でも母さんは私にこう言ってくれたんだ。

"お父さんはきっと茜に元気で優しくいて欲しいと願っているわ。

常々言っていたもの....俺が働いているのは娘の暮らす平和を守るためだって....."

親って言うのは子供の幸せを考える者だろ?

そりゃ、誰だって怒りや復讐心に飲まれる事だってある。

でも...それよりも何よりも子供の事を考えるのが親の責務なんじゃないのか?

良枝さんの復讐や光子さんの行動は、娘の幸せを考えものだったのかよ。」

 

そう言いながら話す茜は泣いていた。

そんな彼女を心配するように老婆となったみゆと久美が、茜に寄り添う。

「茜おねぇちゃん大丈夫?」

「泣かないで茜おねぇちゃん。」

 

その顔を見て無理矢理、茜は笑うと二人に言った。

「安心しなよ二人とも!

アタシが老けさせ屋をぶっ飛ばしてアンタ達を元に戻してやるからな。」

 

そう言うと茜は一人事務所を飛び出した。

その姿を見て起き上がったのは老人となった翔太郎だった。

老いてしまってはいるがその目には強い信念の光が点っている。

翔太郎は帽子を手に取ると深く被る。

「やれやれ、最近の若いもんは何でも早いのぉ....

ワシが言うべき事すら言われてしまったわい。

お二人さん....もう説教は終わりじゃ。

お主らは二人とも大人じゃ自分の罪ぐらい自分で数えられるじゃろ?」

 

そう言うと翔太郎は杖を取った。

その行動にフィリップが尋ねる。

「翔太郎、どうする気だい?」

「あん?決まっとるじゃろ。

()ちゃんの援護に行くぞ。」

 

「その身体じゃ長くはWになれないよ?」

「関係あるかい!...ワシらは二人で一人の仮面ライダー....そうじゃろ?」

翔太郎にそう言われたフィリップは嬉しそうに笑った。

 

「そうだね。

行こう翔太郎!」

そう言うと二人はオールドドーパントを追う茜を追いかけるのだった。

 

 

 

 

風都にある廃工場....そこに相馬は隠れていた。

 

「いやぁ、随分と目をつけられちまったなぁ。

まさか、仮面ライダーからも狙われるとは.....

こりゃ、暫く仕事場を変えた方が良いかもな。」

そう言って立ち上がる相馬を茜は見つけた。

 

「アンタが老けさせ屋?」

「うん?何君?依頼人?

悪いけど暫く店仕舞いするから仕事は受けられないよ。」

 

そう言うと茜はニヤリと笑う。

「どうやら、今回は当たりみたいだね。

アンタが老婆にした子供二人....覚えてるよね?

すぐ元通りにするなら少しは手加減してあげるけどどうする?」

「何言ってんだこのガキ?」

 

「そう....なら顔面陥没させてあげるわ!」

構えた茜は相馬に一気に近付くと正拳突きを腹部に放った。

ドゴン!と言う音と共に相馬は地面に倒れ伏す。

 

「この....クソガキ....嘗めやがってぇぇ!!」

ブチキレた相馬はメモリを起動する。

 

Old(オールド)

 

起動したメモリを腹部のコネクターに挿すと相馬はオールドドーパントへと変身が完了した。

茜はドーパントの顔面を的確に殴り付けるが全くダメージを与えられない。

 

「只の人間がドーパントに勝てるわけないだろ!!」

「ぐっ!」

相馬が放った蹴りが茜を捕えると吹き飛び地面を転げ回る。

 

「げほっ!ごほっ!....この....」

頑張って立ち上がろうとするがそこにオールドドーパントのオールドクリークが発動する。

 

「今回は大サービスで100年コースだ。

触れた瞬間、老衰で死ねるぜ。」

オールドドーパントの放った精神エネルギーが地面を伝い茜に近付く。

しかし、その攻撃が茜に当たることは無かった。

何故ならその前にオールドドーパントが謎の攻撃により吹き飛ばされて攻撃が解除されたからだ。

 

「なっ!」

オールドドーパントは周りを確認するがそれを許さないように連続で攻撃が当たりオールドドーパントは吹き飛ばされてしまう。

「何だ?一体何が起こってる?」

 

そんな事を話している内に翔太郎とフィリップが茜の元へ追い付いた。

 

 

廃工場の見える建物の屋上で黒岩はコブラドーパントになりライフルギジメモリを使った狙撃でオールドドーパントへ牽制を行っていた。

その隣で無名はスマホを耳に当てながら言う。

「久し振りだと言うのに恐ろしい精度ですね。」

「この程度の動きしか出来ない敵なら問題なく攻撃を当てられる.....それに茜ちゃんは家の娘の友達だ。

万に一つでも怪我をさせるわけには行かないからな。」

 

何故、無名と黒岩が茜を助けられたのかと言うとそれは文音のお陰だった。

フィリップとの定期連絡により老けさせ屋について知ると直ぐに調べ始めた。

 

そして、衝撃の事実を知った。

「老けさせ屋が使っているメモリは恐らくオールドメモリ.....私が与えたメモリよ。」

 

琉兵衛の持つテラーのメモリと似た性質を持ったこのメモリを使い来る戦いに備えて残して置いたのだと言う。

「彼は私が産み出した怪物でもあるわ。」

「その事はフィリップに」

「伝えたわ。

必要なら私が彼を倒すのを手伝うと....でも」

 

「"母さんの罪は僕の罪でもある....それに風都を守るのは仮面ライダーの勤めですから"....と」

「成る程、断られたわけですか。」

「えぇ....だから私は見守ることにするわ。」

 

文音さんがそう決めた以上、僕達もそれに従おうと思っていたがそこに芦原の娘である茜がいることを知り、僕達は動くことを決めた。

とは言え余り派手には動けないので僕一人で行こうとしていた時、黒岩が僕を止めた。

「俺も行こう....茜ちゃんは娘の親友だ。

万が一に怪我もさせられないからな。」

 

そう言ってコブラメモリを取り出す。

霧彦がディガルコーポレーションに潜入した際、奪われていた"コブラメモリとアサガオメモリ"そしてアクセサリーシステムとギジメモリを見つけて密かに奪っていたのだ。

 

そして、そのメモリを使い黒岩が遠くから茜をオールドドーパントから守っていた。

(本当は芦原がここに来たかった筈だ。)

 

芦原にこの事を伝えるが芦原は来ることを拒否した。

「俺はもう死んでいる....それにお前が守ってくれるんだろ?

なら安心だ。」

 

芦原は俺を信用してくれている。

殺し屋としての腕ではなく父親としてだろう。

(お前の娘には俺の娘も助けられている。

だからこそ、絶対に死なせない。)

 

オールドドーパントは狙撃を受けて視界の外へ隠れるがそんな事はコブラメモリとライフルメモリを使っている黒岩にとって無意味だった。

覗いているスコープに力を込めると視界が変わり周りの熱を関知するサーモグラフスコープを発動させる。

これから建物に隠れても意味はない。

 

(だが、壁を抜いて当てるのでは時間がかかるな....ならば)

黒岩は工場の鉄骨に狙いを定めると引き金を引く放たれた弾は鉄骨に当たると跳ね返り壁に隠れていたオールドドーパントへ着弾する。

 

これまで数々の人間を狙撃で殺してきた黒岩にとってこんな芸当は難しくなかった。

そして、狙撃を続けて時間を稼いでいるとフィリップと翔太郎が到着した。

 

「漸くヒーローの到着だな。」

「えぇ、その様ですね。

黒岩さん、Wがピンチになったら狙撃で援護してください。」

「分かってる....それまではお手並み拝見だな。」

 

そう言うと黒岩は狙撃を止めるのだった。

 

 

 

「「変身」」

フィリップと翔太郎がWに変身するとオールドドーパントへ向かう。

翔太郎のボディサイドが手が震えて動きがヨボヨボになっていることからオールドドーパントの能力を諸に受けていた。

原作でもその影響によりオールドドーパントに苦戦し最終的にアクセルトライアルがオールドドーパントをメモリブレイクしたのだ。

 

しかし、この世界での翔太郎は一味違っていた。

オールドドーパントへ攻撃を仕掛けていく事に動きが良くなっていく。

杖無しでは身体を支えられなかった両足はいつの間にか二つの足だけで大地を踏みしめ、震えていた手は止まり正確にオールドドーパントの身体に攻撃を当てられるようになってきた。

 

威力も段々と大きくなり殴った音が変わっていく。

ダメージによりオールドドーパントは身体を抑える。

「ぐおっ!お前、俺の力で老いぼれになってる筈だろ?

なのに何でそんな風に動けるんだ!」

 

その答えをフィリップのみが知っていた。

(デモンドライバーでジョーカーに変身したことで翔太郎とジョーカーメモリの適合率は更に上がった。

老人となった翔太郎の身体をジョーカーのエネルギーが支え補助しているんだ。

今の翔太郎は感情が強くなる程、メモリの力が上がっていく。)

 

そんなことを考えているとオールドドーパントは翔太郎の拳で吹き飛ばされ、オールドクリークを発動する。

「もう良いもう一度、今度は百年コースだ。

これで息の根を止めてやるよ。」

 

しかし、その攻撃がWに当たることはない。

何故なら、Wはエクストリームメモリを発動するとプリズムビッカーにメモリを装填していく。

 

「CYCLONE,HEAT,LUNA,JOKER」

 

「「「「MAXIMUMDRIVE」」」」

 

 

『「BICKER CHARGE BREAK」』

 

盾から抜き放たれた四色のエネルギーを纏った剣はオールドクリークのエネルギーに切り裂いた。

そして、そのまま近付くと精神干渉波ごとオールドドーパントを真っ二つにした。

 

大きな爆発が起こるとオールドメモリは砕かれ元の人間の姿に戻ってしまう。

その影響でオールドメモリの力も消えて翔太郎は元の若々しい姿を取り戻した。

 

「あぁー、やっと身体を動かせるぜ。」

そう言って翔太郎は首を回してストレッチをする。

老人になっていた影響で筋肉が固まっていたのだろう。

 

そんな事をしているとメモリを失った相馬は翔太郎から逃げるように走り出した。

隣にいたフィリップが気づき追いかけようとするがそれを翔太郎が止める。

その理由は直ぐに分かった。

 

逃げようとする相馬の顔面を茜の拳が捕えた。

「ぶへっ!」

「おっらぁぁ!」

思いっきり振り抜かれた茜の拳は相馬の鼻を折り気を失わせた。

 

「成る程ね....合点が言ったよ。」

こうして事件は解決した。

翔太郎は気絶している相馬の身柄を渡そうと照井に電話をかけた。

 

「...よぉ、照井。

風都を騒がせていたドーパントを捕まえたから逮捕してくれ。」

「分かった。

次いでに此方も頼みがあるのだが良いか?」

「珍しいなお前から頼み事をされるなんて....どんなことだ?」

 

照井は翔太郎にとある計画を話すと二つ返事でOKを貰う。

そして、電話を切るとそれぞれが行動を開始するのだった。

 

 

 

 

老けさせ屋を捕まえた茜は翔太郎達と別れると学校に戻った。

みゆを助けるために病欠を出していたからだ。

授業はもう終わっており今の時間は昼休みだった。

 

学校に着くと親友である黒岩 楓(くろいわ かえで)と目があった。

楓は茜に話しかける。

 

「あっ、茜!

体調はもう大丈夫なの?」

「ん?....あぁ、もうバッチリ元気百倍だよ!」

 

「そっか、なら良かった。

あんまり心配させないでよ?

茜に何かあるとお母さんもお父さんも五月蝿いんだから」

「分かってるって....これから気を付けまぁす。」

 

茜は何時も通りの日常へと戻っていった。

 

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