その間、風都でメモリを使った犯罪は起きていた。
違うことがあるとすればその対応に仮面ライダーや警察では無く同じドーパントがあたっていると言うことだろう。
「グハッ!」
コックローチドーパントが地面に転がされる。
「何、もう終わりなの?」
そう言うのは両足が鋼鉄になっている
「も....もう止め...」
コックローチドーパントがそう言うがホッパードーパントは攻撃を止めず、その強靭な脚でコックローチドーパントの首を挟むと締め上げていく。
「あ......くぁ....」
「ガイアメモリを使って暴れるなんて貴方も死んでみる?」
そうして締め上げ首の骨を折るかと言った時、一発の銃弾が地面に放たれた。
「そこまでだ。
コイツは俺達が逮捕する。」
銃を構えながら照井が取り巻きを連れて現れた。
「あらあら.....随分と遅い到着ね?
でも良いのかしら?
今の私は政府直轄の組織....そんな私達にケンカを売るつもり?」
「お前らの組織がどうとかでは無い。
ガイアメモリを使った犯罪は超常犯罪課の捜査対象だ。
何処でガイアメモリを手に入れたのか証言してもらう以上、死なせる訳にはいかない。
だから、脚を退けろ。」
「ふーん、でも残念。
私達の対ガイアメモリ部隊の原則は....."ドーパントには死を"....なのよねっ!」
ホッパードーパントが脚に力を入れるとゴキリ!と言う音と共にコックローチドーパントが糸の切れた人形のように倒れると身体からメモリが排出された。
その姿から死んでいることが分かる。
照井は怒りの表情を浮かべて言った。
「何故、殺した!
奴に、戦闘の意思は無かった!」
「関係ないわ。
市長が言っていたでしょう。
風都を一番安全な都市にするって.....それとも私達を逮捕する?」
「ぐっ.....」
そうして、倒れた死体に興味を無くしたホッパードーパントはメモリを抜くと元の人の姿に戻った。
「あぁ、そのゴミの後片付け宜しくね。
市民の味方である警察の人達.....」
そう言って帰っていくゴスロリの女を照井は黙って見逃す.....いや、見逃すしかなかった。
その隣では真倉が不服の顔で言う。
「俺達の前で平然と人を殺しておいて....逮捕できないなんて.....」
その背中を刃野が叩く。
「仕方ねぇよ。
対ガイアメモリ部隊を指揮しているミュージアムとディガルコーポレーションは今や政府直属の機関扱いだ。
氷川も何とかしようと動いてはいるんだが....」
「分かってます。
でも.....対ガイアメモリ部隊が稼働し始めてから明らかにガイアメモリ犯罪が増えてます。
仮面ライダーも倒してはいますが...それよりも対ガイアメモリ部隊が対処するのが増えてます。
しかも、変身していた犯人を全員殺してる....これじゃあ、捜査も何もありません!
単なる殺し屋じゃないですか!」
「真倉!....落ち着け。
何処で聞かれてるか分からねぇんだ。
あんまり、ヤバイこと言うもんじゃねぇよ。」
「でも!」
「一番辛いのは照井課長なんだ。
どんな犯罪者でもちゃんと罪を償わせたいと思ってるあの人が.....」
そう言って刃野は照井を見つめる。
照井は殺された犯人の顔に手を当てて眼を瞑らせる。
「すまない。」
小さくそう告げるとその場を後にするのだった。
鳴海探偵事務所の空気は何時もと違って重い。
それは最近、現れた対ガイアメモリ部隊のせいであった。
照井からまたメモリ犯罪者が現れ殺されたことを聞いた翔太郎は怒りのまま机を叩いた。
「クソッ、また死人が出た!
一体何時までこんなことが続くんだ!」
翔太郎の怒りにフィリップが答える。
「落ち着きたまえ....とは言えないな。
僕も腹に据えかねている。」
二人はあれからWとして急増するガイアメモリ犯罪の対処に追われていた。
照井や克己達、NEVERも尽力してくれているが、ドーパントの出現は減る処か寧ろ加速していった。
それによって街には被害が増えそして対ガイアメモリ部隊が動き、メモリを使った犯罪者を殺していったのだ。
それを見つけた時、Wもアクセルも止めようとしたがそれを糾弾したのは他でもない街の人達だった。
「仮面ライダーは犯罪者の味方をするのか!」
「アイツに娘は怪我を負わされたのに何で助けるんだ!」
「あんな化物死んで当然なのよ!」
今まで守っていた街の人に責められていく事は翔太郎とフィリップの精神を確実に削っていった。
「被害者の痛みは分かる。
でもだからって殺しちまったら意味がねぇだろ!」
「その通りだ。
だが、今のミュージアムは政府直轄の立場だ。
"国が認めた組織"と"認められていない僕達"....何も知らない人からすれば僕らの方が悪だと思われても仕方がない。」
「じゃあ、このままアイツらが殺しを続けるのを黙って見てろって言うのかフィリップ!」
「そうは言ってない!
こう言う時だからこそ冷静に対応するべきだと言っているんだ翔太郎!
ここで、僕達がミュージアムと戦っても天十郎に利用されるだけだ!
だから、母さんと無名が動いているんだろう?
二人なら何の成果も無いなんてあり得ない。
今は冷静になるべきなんだ....翔太郎。」
そう言うフィリップの拳は握りすぎて爪から血が出ていた。
怒りを我慢しているのが自分だけでは無いと分かった翔太郎は深呼吸する。
「.....すまねぇフィリップ熱くなりすぎてた。
そう言えば克己達は何してるか聞いてるのか?」
「あぁ、獅子神との戦いでドライバーを破壊されたから復旧するまで生身でパトロールをしているよ。
"こんな俺達でも何かしたい"と言ってね。」
「そうか、あっちも辛いよな。
仲間が死んだのもそうだが..."メンバーが抜ける"なんて.....」
「あぁ、だが仕方ないだろう。
"彼女等"を守る人も必要だ。」
一週間前の事務所でも話し合いが終わった後、芦原は克己や他メンバーにNEVERを抜けることを相談していた。
「本気なのか芦原?」
そう尋ねる克己の顔を見る芦原の決意は強かった。
「あぁ、この街は普通に暮らすだけでも危険だ。
今までは黒岩が俺と自分の家族を守ってくれていたが今は誰もいない。
俺が彼等を守りたいんだ。」
「「「.........」」」
NEVERの面々も表情は暗い。
分かっていたとは言え仲間が抜けることは中々に容認できないのだろう。
そんな中、克己が芦原に笑顔で告げる。
「そうか、お前にも本当に守りたい者が出来たんだな。
分かった....なら尚更、俺らとの繋がりは絶つべきだ。」
克己の言葉に京水が怒る。
「克己ちゃん!いくらなんでも....」
その言葉の真意を無名が捕捉した。
「NEVERは元々傭兵であり僕と行動を共にしています。
僕らの繋がりを続けているのがバレたらミュージアムは芦原さんと黒岩さんの家族を容赦なく狙うでしょう。
それを避けるためにも僕らの繋がりは完全に絶つべきなんです。」
「そんな....でも....」
珍しくゴネル京水の尻をレイカが蹴り上げる。
「あん!ちょっとレイカ何すんのよ!」
「うっさい京水!私達に迷惑掛けたくないってって言う賢の気持ちも考えなよ!
もし、賢や黒岩の家族が襲われたらアンタ責任取れんの?
だから、賢が一人で何とかするって言ってるのよ!」
「........」
「私達だって辛いよ。
でも、生きている人のことを第一に考えて上げるべきなんだよ。
私達、死人よりも.....」
レイカの言葉を受けた京水は静かになった。
そのタイミングで無名が芦原に頭を下げる。
茜にボコボコにされた後の為、動くのも辛そうだ。
「本当なら僕が守るべきなのにすいません。」
「気にするな....それと茜がすまないな。
その身体、動くのもやっとだろう?」
「はは....でも素直に怒りをぶつけられてちょっとほっとしてますよ。
怒りは溜め込むと復讐心に変わる。
そうなってからでは遅いですから.....」
照井もシュラウドも大事な家族を奪われた怒りから復讐心が起こった。
時間を掛ければ掛ける程、その怒りや憎しみは人を怪物へと変えていってしまう。
だから、その前に止めたかった無名は茜を連れ出したのだ。
無名は自分の机にあったアタッシュケースを芦原に渡した。
「僕の口座から貴方の退職金を入れてあります。
それに、"武器"も....もし何かあったら使ってください。
それと、再生酵素ですが文音やマリアさんと相談して簡易的に作れる装置を開発します。
アタッシュケースに予備の酵素を入れておいてますのでそれが切れる前には開発します。」
「あぁ、そこは信頼している。」
そうしてNEVERから離脱した芦原は家族の元へと向かったのだ。
その事を思い出しながら無名は地下のラボで研究に勤しんでいた。
その手にはボロボロに破壊されたNEVERドライバーが握られていた。
「ふぅ、やはりここまで破壊されては簡単には復旧できませんね。
稼働するのは"芦原さんに上げた一基"だけですか....」
文音とマリアは現在、簡易的に再生酵素を作り出す装置と克己のメモリ製作、そして無名の使う新たな武器の作成を同時並行で行っていた。
「文音さん、マリアさん少しは寝てください。」
無名が二人に声をかける。
二人とも何日もろくに寝てないのかボサボサの髪と机には大量の栄養ドリンクの空き瓶が置かれていた。
「それを言うなら貴方も寝ないとダメでしょう無名?
NEVERドライバーの復旧とロストドライバーの製作、それにミュージアムについての調査をやっているじゃない。」
「あはは、前とは違って
時間が足りなくて大変ですよ。」
「えぇ....それでミュージアムについて何か分かったの無名?」
文音の問いに無名は答える。
「先ず、対ガイアメモリ部隊を推し進めたのは財団Xが取引していた企業です。
恐らく天十郎が焚き付けたんでしょう。
部隊のメンバーは"ミュージアムの処刑人"をメインにしたミュージアムの構成員です。
そして、ディガルコーポレーションについても昔とは変わり今では内部で堂々とメモリ開発を行ってますよ。」
「政府直轄と言う肩書きは厄介ね。
ある程度の不合理が通ってしまうのだから....」
「えぇ、ですがそれも時間の問題でしょう。
政府に警視庁が何度も抗議を送っているそうです。
ですのでこの特例も長くは続きません。
恐らく彼等もそれが分かっている筈です。」
「つまり、この特例が続いている間にガイアインパクトを起こすと思っているのね?」
「はい、ガイアインパクトを起こして人類が強制的に進化すれば特例など関係ない。
人類が皆、メモリを使わなくても怪物になれるのですから....」
「そうなる前に私達が阻止しないと.....獅子神とサラの行方は分かっているの?」
「獅子神が代表だったレオグループはディガルコーポレーションに完全に吸収されました。
本人の行方も不明です。
しかし、雨ヶ崎の息子である灯夜がいると言うことは生きてはいると思います。」
「それはどういうこと?」
「ミュージアムは失態を許しません。
それは幹部でも変わらない。
風城高校での失態は巻き返しが効かないレベルです。
しかし、灯夜は獅子神に心酔してました。
彼を助ける為にミュージアムに下ったんでしょう。」
「そう思う根拠は?」
「獅子神の資産がほぼディガルコーポレーションに抑えられたのに住んでいた家だけは無事だったんです。
不思議に思って調べたら灯夜の所有物になっていました。
そして、自分は住んでいないのに定期的に食料やお金が振り込まれていました。」
「獅子神が動く可能性は....」
「ほぼ無いと思っています。
獅子神のメモリの特性上、心が折れたら一貫の終わりです。
それをジェイルメモリで無理矢理騙して使っていた。
しかし、今はジェイルメモリもなくドライバーも破壊された。
再起不可能な精神的ダメージを負っている。
でなければ表に出てくる筈ですから....」
「そして、サラに関しては獅子神よりも酷いです。
救助には成功しましたが全く意識が戻らないそうなんです。
美頭の回復を使っても一切、起きる気配が無く今はミュージアムを離れた場所で部下と共に養生しているそうです。」
「意識が戻らない.....サラはメモリブレイクされたの?」
「いえ、ドライバーも無事です。
僕も見せてもらいましたが全く外傷が無かったんです。
地球の本棚で検索しても分からずじまい。
ですから、美頭が彼女が目覚めるまで世話をすると言っていました。」
「なら、サラも出てくる心配はないと考えて良さそうね。」
「えぇ、目下の障害は対ガイアメモリ部隊ですね。
彼等を何とかしなければ風都第二タワーに近付くことすら出来ませんから....」
そう言う無名に文音が待ったをかける。
「無名、まだ危険な人物は残っているわ。
井坂 深紅朗よ....奴の行動が掴めていないのは危険すぎるわ。」
「確か、風城高校で獅子神に助力していて加頭さんと争ってから音沙汰が無いですね。
僕も動向は調べてはいますが仲間である伊豆屋の動きも掴めていません。」
「井坂は琉兵衛のメモリを欲していた。
だからこそ、私は彼にメモリを与えた....琉兵衛を倒す駒として.....でも井坂は私の予想を遥かに越えた怪物になってしまった。
彼が本気で暴れたらどうなるか私でも想像がつかない。」
そう話していると無名のスマホに着信が入る。
「翔太郎さん?何かあったのか。」
無名はスマホを操作し電話に出るとその声は翔太郎のものだった。
「無名か!すまねぇが手を貸してくれ。」
「どうしたんですか?」
「井阪が風都第二タワーにいきなり現れたんだ。
それで暴れまわってる。
照井が戦ってるが持ちそうにねぇ!」
「!?分かりました。
すぐに向かいます。」
無名は急いでドライバーとメモリを手に取る。
その姿に文音が尋ねる。
「一体、どうしたの無名?」
「井阪が現れたんです。
今、照井さんが相手をしていますが厳しいので救援に行きます。」
「ちょっと待ちなさい行くならこれを持っていって....」
文音がそう言って小型のアタッシュケースを無名に差し出す。
「貴方に頼まれていた"強化デバイス"よ。」
「もう完成していたんですね。
頂きます。」
そう言ってアタッシュケースを持つと無名は研究所を後にするのだった。
翔太郎が無名に連絡する前.....
風都第二タワーに黒スーツと帽子を被った井坂が訪れていた。
それを聞いた対ガイアメモリ部隊が彼の前に現れると取り囲む。
イナゴを食べながらゴスロリの格好をした女が井坂に問う。
「ミュージアムから抹殺命令が出ているのにノコノコと良く来れたわねぇ。」
「貴女は確か、ミュージアムの処刑人でしたかな?
パーティで一度、お会いしましたかね?」
「今は政府直轄の組織よミュージアムはメモリ犯罪者である貴方と違ってね。」
「あぁ、あれには驚きましたよ。
まさか、私が"指名手配"されるとは....しかし、中々刺激的な経験です。
普通では味わえない経験をくれた琉兵衛さんに感謝を.....いや、貴女に伝えて貰うのは止めておきましょう。」
「は?何言ってるの?」
「分かりませんか?
私は"我慢が苦手"なんですよガイアインパクトの計画を私は大手を降って支持しています。
しかし、それでも欲しいんですよ"テラーのメモリ"が....ガイアインパクトに若菜さんが必要なのは理解できました。
しかし、琉兵衛は"もう必要ない"。」
そこまで話したことで彼女は井阪の目的を理解した。
「貴方....まさか!?」
「えぇ....えぇ、えぇ!!その"まさか"ですよ!
ここまで来ればもう十分でしょう!
計画の成功はほぼ約束された物!....なればこそ私は私の欲望を満たしたいのです!
園咲 琉兵衛が、その建物の中にいるのは知っています。
聞こえていますよね園咲 琉兵衛!!
貴方の"メモリと命"を頂きに来ましたよ!
そこから先は本能だろう。
対ガイアメモリ部隊の面々は一斉に身体にメモリを差し込みドーパントになると生身の井坂に攻撃を仕掛けた。
何時もの様な組織が作り出したマッチポンプの犯罪者に対してではない本物の殺意で.....
しかし、井坂に攻撃が当たる直前で"赤黒い雷"が降り注いだ。
イナゴの女はこれまでの経験から直ぐに回避行動を取ったお陰で右足が雷に巻き込まれるだけで済んだ。
しかし、雷に巻き込まれた右足は一瞬の内に焼失した。
音もなく何の主張もなく消えてしまった自分の義足を触りイナゴの女は戦慄する。
(攻撃の
こんな怪物に勝て.....な.....?)
そこまで思考してイナゴの女はやっと理解した自分の見つめていた景色の正体を雷の攻撃を避けた瞬間、井坂が自分の頭を胴から引きちぎったのだ。
目の前には頭を失い人形の様に倒れている自分の身体を見つめている。
(やら.....れ.....たの?....わ...た......しが....)
自分が死んだことを知覚した彼女の意識は闇へと溶けていく。
そんな最後の中で見たのは....
「やはり、ガイアメモリとは素晴らしい。」
そう言って笑う黒い悪魔の姿だった.....
Another side
0と1で構成された電脳空間、その中で自由に行動する精神があった。
彼はその中で何かを研究している。
データに触れて解析しそれを元に新たなプログラムを生成していく。
その姿はまるで異世界で魔法を使う魔術師にも見えた。
『良し....これで良い。
"G4システムの戦闘補助AI"と"私のロイミュード技術"の融合は完璧だ....これを使えば』
男は一度、殺されている。
自分の研究を利用した者の手により殺され自分に反目したAIに捕らえられ拷問を受け続けていた。
転機となったのが関係したロイミュードに私を支配していたハート、ブレン、メディックのデータが移行された時だ。
私は奴等の目を盗み密かに外へと繋がる回線を作った。
幸運だった私は一発で求める存在へと繋がった。
リオン=アークランド.....戦争を好む愚かな男だが利用価値はあった。
私は奴と取引をした。
私を外に出す代わりに日本政府のデータパンクからとあるデータを盗んでくることだった。
私がその願いを叶えるとリオンは笑顔で私に告げた。
「君と私は良いビジネスパートナーになる。」
『私とお前がか?自惚れるな天才である私が何故貴様の様な凡人に....』
「確かに君の頭脳は素晴らしい.....だが、それは"一人"ならと言う話だろう?」
そう言うとリオンがとあるデータを寄越してきた。
そのデータはとある新聞の記事だった。
そこには"クリム・シュタインベルト、ノーベル賞授賞確実か"と書かれていて中身を読むと彼はコア・ドライビアを使ったクリーンエネルギー生成の論文を発表していたのだ。
「確か、クリム・シュタインベルトは君の親友だったな?」
『バカな!コアドライビアはロイミュードの根幹に関わるシステムだ。
ロイミュードを作ったのは俺だぞ!なのにそのシステムを勝手に発表するとは...ふざけるな!』
その言葉を聞いたリオンは笑う。
「だが、コアドライビアを開発したのはクリム・シュタインベルトだ。
この論文が認められ世間に広まればロイミュードはコアドライビアの"オマケ"として扱われるだろうな。」
『オマケ....だと!?』
ロイミュードはこれまでの人類が到達しなかった科学の結晶だ!
それがオマケ扱いだと!?
オマケは"クリムの研究"の方だ!
そこまで伝えた後、リオンが囁くように言った。
「言っただろう?君の頭脳は素晴らしいが所詮一人ではない。
君が真に称賛される立場になりたいのなら....一人にするしかない。」
『私にクリムを殺せと言うのか?』
「そんな残酷なことは言っていない。
君の作り出したロイミュードの真価を示せば良いんだ。
その為の協力は惜しまない。
私は価値のある者が好きだ。
どうせなら、君の産み出したロイミュードの価値を世界へ知らしめてやろう。」
それから俺はロイミュードを完全に支配下に置くシステムを開発し奴等が根城にしている電脳空間に戻った。
消えていた私が戻ったことでハート、ブレン、メディックから怒りが感じられる。
『"蛮野"....どうやって抜け出したんだ。』
『それは私が天才だからだ....その証明を今してやる!』
こうして私が発動したシステムによりこの空間に存在したロイミュードを全て支配下に置くことが出来た。
(途中で私の意図を察した"ハートとブレン"には逃げられたが....まぁ良いだろう。
さぁ、"復讐の時間"だ。)
そうして私はZAIAのサポートの元、ロイミュードを生産した駒を使いグローバルフリーズを起こしクリムを殺害した。
『あっはっは!良い気味だ!
私の研究を奪おうとした罰だ!』
しかし、クリムは私が現れることを予期していたのだろう。
暴れ回るロイミュードを止めるように"黒と紫色に染められた仮面ライダーが現れた。
そいつの着けている赤と銀のベルトからクリムの声が聞こえる。
『やはり....人類に牙を剥いたか蛮野!』
『そうか....自分の精神データをベルトに転送したのか。
まぁ良い!ここで貴様らを破壊すれば済むことだぁ!』
結果として戦いは両者の痛み分けとなった。
しかし、この戦いで思わぬ拾い物をした。
クリムが作り出したロイミュード..."チェイサー"と名付けられた個体を私は再改造した。
私の敵を滅ぼす最強の悪魔である"魔人"として.....
私の起こしたグローバルフリーズは失敗した。
だが、それはロイミュードに戦闘に特化したシステムを搭載していなかったからだ。
だから私は奪い取ったG4システムの戦闘AIをロイミュードに移植した。
これにより産み出された新たなロイミュードを蛮野は見つめる。
これが正式に動き出せば私の計画は動き出す。
永遠のグローバルフリーズ....そして全人類をデータ化して私が管理する素晴らしい世界の実現だ。
しかし、ベルトに成り下がったクリムはグローバルフリーズを阻止しても諦めなかった。
洗脳したロイミュードをけしかけてカモフラージュしていたがその個体を倒す存在が現れた。
"仮面ライダードライブ"....そして、ロイミュードを保護する為に協力している裏切者の"ハートとブレン"....そして私の子供でありながらまともに機能しなかった失敗作の"霧子"か。
まさか、クリムが警察と手を組むとは思わなかったが構わない。
この新たな戦闘用ロイミュードである"ロイミュードG4"があれば全て抹殺できるのだから....
『ふふっ、あはっ!あっはっは!
待っていろクリム!!仮面ライダー!!お前達の死に様を見るのが楽しみだよ!』
電脳空間で高らかに笑う蛮野の後ろで洗脳されたロイミュードのデータがじっと並んでいるのだった。
《蛮野の目的》
G4システムとロイミュードを融合した新たなロイミュードG4を使った新たなグローバルフリーズを起こして全人類をデータ化する準備を行う。
この世界線ではロイミュードとシグマサーキュラーの元となる素体をZAIAが作っている為、原作のように破壊されたらコアごそ消滅することは少ない。(その前に蛮野が用意した電脳空間にデータが送られる。)
ハートとブレンは仲間を救う為に時にはドライブと協力し事に当たっている。
洗脳されているのはハートとブレン以外のロイミュード全員。
外伝 続編の投稿に関して
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このまま続きで見たい
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