もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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第十九話 Eへの介入/ヴィレッジ

加頭により捕えられた克己は気が付くと汚い廃村の地面に横たわっていた。

そんな克己を見下ろす男がいた。

「気が付いたかね?」

「....貴様は何者だ。」

克己はその問いに不快そうに答える

 

「ゾンビ風情が一端に吠えるじゃないか。

まぁ良い私の名は"ドクタープロスペクト"。

このヴィレッジを管理する"究極の監視者"だよ。」

「ふん!貴様こそ人間の分際で吠えるじゃないか。」

 

「生意気な事を言うね。

実験体のサンドバックとして考えていたが少し気が変わったよ。」

そう言うとプロスペクトは懐からメモリを取り出し起動する。

 

Eyes(アイズ)

 

喉仏にコネクターが現れて刺すと、

アイズドーパントへと変貌した。

「貴様もドーパントなのか?」

「その通り、そしてこのヴィレッジの監視者としてこのメモリは一番ふさわしい。」

 

アイズドーパントが克己に攻撃を仕掛ける。

克己は回避するとそのまま、反撃を行うが簡単に回避されてしまう。

諦めず攻撃を続けるが全て回避され逆に反撃を受けてしまった。

「無駄だ。

ここには"私の目"が複数あってね。

その目に映る者の行動は全て分かってしまうのだよ。」

そう言うとアイズドーパントは克己のがら空きの腹に一撃加えて吹き飛ばす。

「グフッ!」

「克己!」

吹き飛ばされた克己を心配しミーナは叫ぶ。

「これでトドメだ。」

 

アイズドーパントは浮遊する眼を近くに呼び寄せるがそこで、思わぬ乱入者が現れる。バイクに乗った羽原レイカが二人の間に割り込んだのだ。

「お前っ...」

「助けが必要でしょ?」

そう言って乗るように促す。

「やはり、お前は"当たり"だ。」

そう言うとバイクに乗り込みその場を後にした。

追おうとするロイドをプロスペクトが止める。

 

「構わん。

良いことを思い付いた。

彼等には狩られる楽しみを味わって貰おう。」

そう言うとプロスペクトはメモリを抜くと懐から目薬を取り出し点眼するのだった。

 

 

 

逃げ延びたレイカと克己は遠くにある寂れた廃村に姿を現していた。

そこにいる住人は二人を見ると怯えながら家へと隠れていった。

昔の光景を思い出したのかレイカは苛立つ。

「コイツら何なの顔色伺ってムカつく。」

「ここはヴィレッジと言うらしい。

プロスペクトと言う奴の話ではクオークスを作っている実験場だそうだ。」

プロスペクトの名前が聞こえたのか隠れていた一人の老人が克己達に声をかける。

 

「お前ら、ドクタープロスペクトの仲間なのか?」

「いんや、俺達はミーナの仲間だ。」

ミーナの名前を聞くと隠れていた人達が続々と出てくる。

「彼女は無事なのか?」

その老人の問いに克己は答える。

「さぁな、今このヴィレッジにいる。

聞かせろミーナとお前らとの関係について」

 

ここで老人はこのヴィレッジについて話してくれた。

「超能力に覚醒させる手術をして失敗したらここに"捨てられる"...胸糞悪い話だね。」

レイカはそう吐き捨てた。

このヴィレッジには能力に覚醒した者と半端な覚醒した者が分けられておりこの廃村に住んでいるのは半端な能力しか目覚めなかった者らしい。

ミーナは元々この村の出身だったが全ての超能力を備えた個体だった為、プロスペクトに気に入られ村から強制的に引き離されたと言うのだ。

 

自分と同じ実験体だった過去を知りレイカと克己はミーナに同情する感情が湧く。

「てか、あんたらそれを黙ってみてたの?」

「ワシらだってそんな事はしたくなかった。

だが、ドクタープロスペクトは何時でもワシらを殺すことが出来るのじゃよ。」

「それってどういう...」

レイカがそう言いかけた時、村人が額を抑えだす。

そして、顔をあげるとそこには目のような模様が現れる。

その模様に村人は急に怖がりだす。

すると、空から声が聞こえてくる。

 

「諸君、ドクタープロスペクトだ。

今回は諸君らにちょっとしたゲームを用意した。

今、このヴィレッジに無粋な侵入者がいる。

NEVERと呼ばれるゾンビ兵士共だ。

ソイツ等を倒した者はこのヴィレッジの外へ出してやろう。

さぁ、狩りの始まりだ。」

 

 

 

自らの屋敷にあるマイクでの宣言を終えたプロスペクトはソファに腰かけた。

「宜しいのですか?

そんな約束をして」

加頭の言葉にプロスペクトは笑って答える。

「ははは、元々廃棄する筈だった者達です。

殺されたところで問題はありません。

......それに」

 

「それに?」

「どうせ、選別が行われれば不要な存在は皆、死にます。」

プロスペクトが言う選別とはヴィレッジにおいてある電磁パルスでこれを使うことで弱い能力しかないクオークスを一斉に処分していた。

この装置を使えば例えNEVERでも一溜まりも無いだろう。

 

そんな考えが読まれたのか加頭が声の抑揚をつけずに告げる。

「私、恐いです....とても」

だが、そこで発せられた笑顔は恐怖から来るものではないと誰から見ても明らかだった。

そして、この会話を超能力を使い聞いていたミーナは捕まっている部屋を飛び出した。

ミーナはプロスペクトのお気に入りだ。

連れて帰ってきても縛り付ける様なことはしない。

そんな必要はないと分かっているのだろう。

ヴィレッジにはアイズメモリで生成された目が常に徘徊している。

 

プロスペクトの目から逃れる術は無いのだ。

そんな事はミーナも分かっている。

だが、それでも克己を放っておくことは出来なかった。

彼に触れた時、超能力で見た彼の過去。

私と同じように実験体として過ごしていた日々、

だが、その中でも彼は心を失っていなかった。

その理由は分からないが彼ならきっと私達、クオークスを変えてくれるそう思えたのだ。

 

 

私は克己を能力を使い見つけ出すと、その場所まで走った。

背後から何者かが追っていることに気づかずに....

 

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