もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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園咲 琉兵衛が若菜とミュージアムに示した1週間と言う期限......その間、風都の街は平和そのものとなっていた。

ガイアメモリ犯罪もなく警察も警戒していたがその間は不気味な程、何の犯罪も起こらなかった。


まるで、嵐の前の静けさを彷彿とさせた。
そんな中、照井 竜は一人風都の街を離れていった。

不安だけが募る中.....1週間が過ぎ
いよいよ最後の戦いが始まろうとしていた。


第二百十三話 沈黙のW/終わりへのカウントダウン

風都第二タワーの最上階にある制御室....

その中央に作られた装置は玉座のようにそこを納める存在を待っている。

 

 

それを眺めているのは黒のドレスで着飾った園咲 若菜でもう一人はその姿を悠然と眺める園咲 琉兵衛、雨ヶ

崎 天十郎と灯夜だった。

 

「漸く始まるのですか....ガイアインパクトが」

天十郎が感慨深く言うのを琉兵衛が肯定する。

 

「あぁ、今日程"素晴らしい日"はない。」

「素晴らしい日....ですか?」

 

「君には教えてなかったが来人が泉に落ちたのが丁度、この日なのだよ。

息子が進化した日が人類全てが進化する日になる....」

「それは...また随分とロマンチックな話ですねぇ」

 

天十郎の表情を見て琉兵衛は溜め息をつく。

「はぁ、そう言えば君にとって家族はその程度の存在だったね。

なら、無理に共感する必要はないよ。」

「御気遣い痛み入ります。

ですが、ご安心ください。

ミュージアムへの忠誠は本物ですから....」

 

そんな話をしていると若菜がドライバーを腰に付ける。

「では、始めますわよ。」

クレイドールメモリを起動すると若菜は玉座へと腰掛けた。

メモリが若菜のドライバーに入るとクレイドールドーパントに変身する。

そして、若菜は玉座に着きながら力を解放する。

 

「エクストリィィィィムゥゥゥ!!」

 

突如、若菜の身体から緑色のエネルギーが溢れるとエクストリームの形態へと変化しそのエネルギーが玉座を通じて地下に繋がる装置へと流れていく。

 

エクストリームのエネルギーが装置に送られるとタワーも呼応しエネルギーを増幅させていく。

 

「元々、この第二タワーは再生エネルギーを利用する機構が取り付けられていた。

それを応用しエクストリームのエネルギーをタワーに循環させ純度を上げて地下の装置へと流し込む。

そうすることで地球の中心との道を一気に繋ぐ。

さぁ、見せておくれ.....地球の深淵を....」

 

「はぁぁぁぁ!」

若菜が蓄積された高純度のエネルギーを装置へ一気に送り込んだ。

 

深い緑色のエネルギーは装置から一本の糸の様なエネルギーの線を撃ち出す。

そのエネルギーが地球の中心に当たるとエネルギーが満たされていった。

 

すると、まるで間欠泉の様に撃ち出された方向に向けて地球から大量のエネルギーが吹き出してきた。

エネルギーは装置を通り若菜の身体を包み込む。

「うぐ....あっ!.....」

 

地球に含まれるエネルギーを全身に受けた若菜は苦しみ出す。

いくら、超越者の肉体を手に入れても制御されていないエネルギーを受け続ければ無事ではすまない。

 

だが、それを安定させる術を予め用意していた。

 

「Tower」

 

天十郎がタワードーパントに変わると持っている杖を使い第二タワーを操作し若菜に向けられたエネルギーをサブタワーへと分散した。

協力な一本のエネルギーがメインタワーを中心に3つに分かれると其々のエネルギーがサブタワーへと向かっていった。

 

エネルギーの本流から開放された若菜はメモリを抜いて呼吸を整える。

「はぁはぁ....エネルギーの安定化は?」

その問いに杖を下ろした天十郎が答える。

 

「サブタワーへのエネルギー転送と固定化は完了しました。

計画の第一段階は成功です。」

 

若菜のエクストリームのエネルギーを呼び水として地下の装置から地球の中心へ直接撃ち込む事で強制的に道を開通させそこから上がってきたエネルギーをタワーメモリの力で3つのサブタワーへ分散させて繋いだ道が塞がらないように安定させるのが"第一段階"となっていた。

 

「良かったわ。

家族以外に安定化の大役を任せるのは不安だったけどお父様が認めるだけはあるわね。」

「ありがとうございます。

では、私はサブタワーに向かいます。

あぁ、灯夜はここに置いていきますので好きにお使いください。」

 

そう言うと天十郎は杖を振るうと姿が霧のように消えていった。

それと同じタイミングで外からサイレンの音が聞こえ始める。

 

「へぇ、警察も意外に優秀なのね。

もう、ここの事を嗅ぎ付けるなんて.....

灯夜と言ったかしら?

あの警察官達の相手をしてらっしゃい。

儀式の邪魔をさせないように」

若菜の命令に灯夜は頷くとチェスメモリを取り出し起動した。

 

「Chess」

 

チェスドーパントへ変身した灯夜へ若菜は手に貯めたエネルギーを与えた。

「私の力を一部上げるわ。

これがあれば少しはマトモに戦えるでしょう?」

 

灯夜は若菜から与えられたエネルギーを全身で感じると早速、開放した。

警察の現れた場所に白と黒の升目が現れる。

「ポーン...前へ」

灯夜がそう言うと黒のマスからポーンドーパントの軍団が出現した。

警察はその軍団を見て驚いている。

若菜から与えられた力で大量のポーンドーパントを召喚した灯夜は命令を下した。

 

「ポーンよ...全てを蹂躙しろ。」

チェスメモリにより召喚されたドーパントは灯夜の命令を忠実に実行する。

蹂躙の命を受けたポーンドーパントは展開している警察へ攻撃を行おうと突進するが凄まじい発砲音と攻撃によるダメージで先頭のポーンドーパントが倒れてしまう。

 

「何だ.....何が起こった?」

灯夜が攻撃を放った方向を見るとそこにいたのは巨大な重火器を持った"人型の機械"と"近未来なフォルムをした戦車"だった。

「あれは何なんだ?」

 

その問いに答えたのは若菜だった。

「成る程、あれがG3システムね。」

「ご存じなのですか?」

 

「地球の本棚で検索したわ。

あの戦車は"G2"あの戦闘スーツを着ているのは"G3"と呼ばれているみたいね。

人類が怪人と戦う為に作り出した強化スーツ。

確かにアレならドーパントともやりあえるでしょうね。」

 

「では、如何致しましょう?」

灯夜の問いに若菜は答える。

「所詮は昔の遺物よ。

貴方の力を私が強化出来る以上、時間をかければ殲滅できるわ。

問題無い......」

 

ここまで言いかけた所で外のポーン部隊が爆発に巻き込まれた。

警察からではない攻撃に目を向けるとそこには"仮面ライダーW"と"仮面ライダーデーモン"の姿があった。

その姿を見て若菜は笑う。

 

「あらっ、態々そちらから来てくれるなんて....手間が省けて良いわ。

灯夜、警察の相手は任せますわ。

私は来人と無名を」

「承知致しました。」

そう言うと若菜は玉座に座り直し灯夜をメモリの力で下へと移動させるのだった。

 

 

 

警察がガイアインパクトを察知できたのは偶然ではない。

全て、"計算ずくの事"だった。

 

風都署で氷川は連絡が来るのを待っていた。

照井が風都を離れる前に教えてくれた協力者の連絡先、そこから連絡が来たらガイアインパクトが始まると知らされていたからだ。

 

だからこそ、照井から聞いていた連絡先がスマホに表示された瞬間から氷川は気合いを入れた。

「はい、氷川です。」

端的に告げると電話の相手も同じ様に端的に伝えた。

「風都第二タワーでガイアインパクトの反応がありました。」

 

「了解。

直ちに出動します。」

そう言って氷川は連絡を切ると別の人物に電話をかけながら署長室を後にする。

 

そして、数分も立たずに準備を終えると氷川達は現場へと急行したのだ。

 

 

「全く、氷川も照井課長と同じくらい無茶を言ってくれるよ。」

そう愚痴りながらも刃野は新しく支給された警察車両を運転している。

その後ろには真倉も乗っていた。

「でも、氷川署長も凄いですよね。

こんなハイテクな物を俺達に使わせてくれるんですから.....」

 

二人が乗っている車は氷川が本庁から持ってきた特殊車両である。

見た目は青に銀色のラインが入ったパトカーだが、この車には秘密があった。

 

風都第二タワーに到着すると刃野はタワーを見つめた。

「何じゃこりゃ?タワーから緑の光が出ていやがる。」

どう考えても異常な光景に刃野は困惑している。

周りにいるパトカーの刑事も同じなのだろう。

そしてそのタワーを守るように突如目の前にドーパンドの軍団(ポーンドーパント)が現れた。

 

刃野は無線機で氷川のいる車両へ連絡をする。

「氷川、どう見てもヤバい感じだ!

G3システムを使うぞ...良いか?」

「はい、僕も直ぐに到着します。

ですから、それまで頼みます。」

 

「おぅ!任せろ!」

そう言うと刃野は運転席に付いていたカードが一枚入る穴に懐から取り出したカードを意気揚々とセットした。

 

 

「G3マイルド装着!!」

 

まるで何処かのメタルヒーローの様な掛け声を上げると刃野と真倉の座っていたシートが倒れて内部からアーマーのパーツがアームによって装着される。

 

つまりはこう言うことだ。

 

説明しよう!

この警察特殊車両である"ガードレーサー"に変身認証カードをロードすることで

内部にいた刃野刑事と真倉刑事の身体にG3マイルドのアーマーが素早く装着され"仮面ライダーG3マイルド"へと変身することが出来るのだ!

 

装着が完了した刃野と真倉はドアを開けて外に出る。

「ビックリしたぁ!この車の中でこのアーマーを装着したの始めてでしたけどこうなるんですね。」

「そうだな。

さてと!トランクの武器を着けるぞ真倉。」

 

孫の手を肩にかけたまま刃野と真倉はトランクに近付き触れるとスーツから音声が流れた。

『武器使用許可を確認.....ケースを開放します。』

 

その声と共に開いたトランクの中には二丁の銃と小型のナイフが二本入っていた。

それを二人は一つずつ取ると両足の横に取り付けた。

 

『GM-01....GK-06...ACTIVE(アクティブ)

 

武装を身体に装着することで安全装置が解除される。

全ての装備を着け終わると二人は他のG3マイルドがいる集団に加わる。

目の前にはいきなり現れたドーパントが列をなして待機している。

そこに人としての意思は感じられない所がより不気味さを醸し出していた。

 

「あんなにドーパントが....俺達大丈夫なんすかね?」

不安がる真倉の頭を刃野は思いっきり叩いた。

アーマーにより痛みは無い筈なのに真倉は痛がる。

「バカ野郎!!このアーマースーツを使わせて貰っている俺達がそんな弱気でどうするんだよ。

周りの仲間はもっと怖いんだぞ。」

 

新型のG3システムを搭載したガードレーサーは氷川の立場を持ってしても五台しか確保できなかった。

未確認からアンノウンに続き立て続けに増えていく怪人の被害に対抗する為、"榎田、小沢....そして外部から集められた研究者"により開発されたこの装備は正に警視庁にとって虎の子の兵器であり慎重に運用しなければいけない。

 

氷川も本当なら署員全員分にG3マイルドを配備したかったがそれも叶わず5台のガードレーサーと10人分のG3マイルドが限界だったのだ。

その苦悩を同期として近くで知っている刃野だからこそ真倉の弱気な姿勢を叱ったのだ。

 

「氷川はこの装備を俺達でも使えるって信頼して渡してくれたんだ。

そんな弱気な姿を九条さんに見せる気か?」

刃野の激を受けて真倉は背筋を正し覚悟を決める。

「そうですね.....九条さんに笑われない為にも頑張ります!」

 

そんな話をしていると遠くからサイレンの音が聞こえてきた。

「これは....」

「漸く登場って訳か。」

 

二人が目を向けるとそこにはG3Xの装備が内蔵された"Gトレーラー"とその後ろを並走するG2の姿があった。

 

 

Gトレーラー内部で氷川は馴れた手順で強化スーツを装着していく。

頭以外全て装着し終わった氷川は手足を動かして調子を確認する。

そんな姿を見ていた髭を生やした男が氷川に話し掛けてきた。

 

「やっぱり久し振りに着ると違和感がありますか氷川さん。」

「いえ、逆に違和感が無さすぎて驚いてますよ尾室(おむろ)さん。」

 

尾室と呼ばれた男は嬉しそうに笑う。

「良かったぁ!実は氷川さんがまたG3Xを装着するって分かってから小沢さんと一緒に調整してたんですよ。」

 

彼の名前は尾室 隆弘(おむろ たかひろ)

まだ、G3がアンノウンと戦っていた時、小沢と共に氷川を支えていた開発員だった。

そして、アンノウンを倒すとそのまま昇進しGユニット関連の主任になっていた。

 

そうして、呑気に笑っている尾室をもう一人の男が冷ややかな目で見つめる。

「尾室主任、我々はこれからドーパントの鎮圧に動くんです。

そんなピクニック気分で過ごされては困ります。

そして、氷川さん貴方も主任を甘やかさないでください。」

「す.....すいません北條(ほうじょう)さん。」

「すいません調子に乗りました。」

 

二人を説教しているのは北條 透(ほうじょう とおる)

元捜査一課のエリートであったが、現在はGユニットの分析及び作戦立案を担当している。

 

これは余談だが北條をGユニットにスカウトしたのは他でもない小沢本人であり理由は「尾室が主任になったらGユニットが潰れるかもしれない。

それなら例え嫌みったらしくても北條を入れた方が良い。」と言うことらしく、北條本人はこの言葉を小沢に言わせたことに優越感を覚えてGユニットに移った。

 

尚、この事実は尾室も氷川も知らない。

 

そんなこんなしていると目的地である風都第二タワーが見えて来て北條の空気感が変わる。

「氷川さん今のG3Xで昔と違うのは"中身"だけです。

武装は昔と同じだと思ってください。

火気類はガードチェイサーに搭載しています。」

「あっ....はい。」

 

「氷川さんは全線でG3マイルドの部隊を指揮しつつドーパントの鎮圧を行ってください。

細かい分析や作戦は私が指示します。」

「あの.....」

 

「それと、私はG2を遠隔操作して皆さんの援護に回ります。」

「北條さんそれって結構大変じゃないですか?」

「問題ありません。

これでも長い間、このGユニットで活動してきましたから馴れてます。」

 

「.....おーーい。」

 

「我々は氷川さんと違ってドーパントと対峙するのは始めてです。

敵がどんな能力なのかも未知数です。

ですから、私も作戦を指示はしますがその都度、氷川さんのアドバイスを受けて修正していきます。」

「アドバイス....ですか。」

 

「難しく考えなくて良いです。

ただ、気になったことや違和感を教えてくれるだけで良い。

後は私が勝手に解釈していきますから.....」

「あれ、俺の話聞こえてない?」

 

「では僕の仕事はドーパントと戦いながら気になったことを北條さんに伝えれば良いんですね?」

「えぇ、その通りです。」

 

「あのぉぉぉ!聞こえてますかぁ!」

 

二人の会話を遮る様に尾室が大声を上げた。

その声に話し込んでいた二人は驚く。

「うわっ!ビックリした。」

「急に大声を出さないでください。」

 

「私っ!私の仕事はなんですか!?

これでもGユニットの主任なんですからあるんでしょう?」

北條がGユニットに入ってからは優秀すぎる為、直接的な仕事は全部、彼が行い尾室は命令や承認を下すだけだった。

だからこそ、今回は何かあるのではないかと尋ねたのだがその答えは二人の沈黙だった。

 

「「..........」」

 

「えっ?ちょっとどうしたんですか二人とも黙り込んじゃって!?」

永遠に感じる沈黙の中、北條に天恵が走った。

 

「!?.....応援。」

「......は?」

 

「我々を応援してください.....心の中で....」

「.....えぇぇぇぇぇぇ!!」

 

動揺している尾室を余所に北條が告げる。

「.....時間ですね。

氷川さん、ガードチェイサーに乗ってください。」

「はい!」

 

氷川はマスクを着けてG3Xになるとガードチェイサーに乗り込んだ。

「ハッチオープン....ガードチェイサー、射出します。」

 

北條のその言葉と共にGトレーラーの後部ハッチが開きそこから氷川の乗ったガードチェイサーが地面に降り立った。

そのまま、エンジンを吹かし走らせると既に展開されているG3マイルドの部隊の所へ到着する。

 

ガードチェイサーから降りると氷川は後ろに取り付けられていた"GX-05"に触れる。

すると、マスク内に人工音声が流れた。

 

『GX-05"ケルベロス"ACTIVE』

 

「これは....」

『G3システムに搭載された最新AIの音声です。

武器の管理やロック解除を自動で行ってくれます。

また使用者以外が武器に触れた瞬間、トリガーをロックする事も出来るんです。』

 

北條が通信で説明してくれた。

氷川がそのままGX-05に触れると簡単に変形し昔使っていた六連ガトリング砲が姿を現した。

武器の準備が終わると部隊に合流し現れたドーパントを見つめる。

 

その映像を通信で見ていた北條は違和感を覚える。

『これは?.....もしかして

氷川さんG3Xの生体センサーを起動してください。』

「生体センサー?」

 

『マスクのカメラ部分に触れれば変わります。』

氷川は言われた様にマスクの横にあるカメラに手を触れると映像が変わり現れたドーパントの調査を始めた。

そして、そのデータはトレーラーにいる北條達にも届けられる。

 

『.....成る程、やはりそうでしたか。

氷川さん、今、貴方の目の前にいるドーパントの集団は人ではありません。』

「どう言うことですか?」

 

『簡単に言えば高密度のエネルギーで構成された人形です。

つまり、遠慮無く破壊できると言うことです。

G3マイルドのスコーピオンと氷川さんのケルベロスによる一斉掃射が有効です。』

「分かりました。

皆さん、行きますよ!」

 

氷川がそう言うと周りのG3マイルドは太股に付けた自動小銃である"スコーピオン"を構え氷川はケルベロスを敵に向ける。

 

「撃てぇ!」

氷川の合図と共に放たれた弾丸の雨は軍団に当たり続けるとダメージに耐えられなくなり爆発していった。

「やった!」

『いえ、まだです。』

 

安堵する氷川を北條が諌める。

何故なら、直ぐ地面から同じドーパントが生成されたからだ。

「何っ!?」

『恐らく、何体でも召喚できるのでしょう。

召喚している本体を叩かない限りキリがない。』

 

「なら....どうすれば?」

そうして、悩んでいる氷川の後ろから二台のバイクが氷川達を飛び越してドーパントの集団に突っ込んでいった。

 

「TRIGGER MAXIMUMDRIVE」

「ARMS MAXIMUMDRIVE」

 

『「TRIGGER FULLBURST」』

「DEMONs BULLSEYE」

 

片方の金と青色のライダーは持っていた銃から金色の銃弾を無数に放ち、黒いライダーは手に持つ弓から黒い炎で象られた矢をドーパントに放った。

 

直撃したドーパントを中心に大爆発が起こり空いた隙間にバイクを着地させた。

 

 

 

「君達は....」

尋ねる氷川に二人のライダーは答える。

 

 

 

「俺達はこの風都を守る仮面ライダー」

「そして、この戦いを終わらせる者だよ。」




Another side

警察車両が並ぶ中で一際、異彩を放っている真っ赤な車、その中にいる泊 進之介は溜め息をついていた。

「はぁ.....」
『どうかしたのか進之介?
君が溜め息をつくなんて珍しいじゃないか。』

そうダンディな声で尋ねる人物の姿はない。
何故ならそれは車に設置されたベルトから直接聞こえてくるのだ。

「いや....そんなに悩むことではないってのは分かっているんだけどなベルトさん....でも」
『グローバルフリーズの時に助けられたロイミュード....いや"ハート"について気になるのか?』

"グローバルフリーズ"....機械生命体ロイミュードの産みの親であり俺の今の相棒である霧子の父親、蛮野天十郎。
彼が起こした事件では沢山の被害者が出た。
その時、俺は追っていた反政府組織を同僚の早瀬(はやせ)と共に捕まえる為に行動していた。

その時だ....逃げていた一人の構成員が早瀬に銃を向けたのを見て俺も反射的に銃を構えた。
その瞬間、空間がドンヨリとして全ての時間が遅くなったんだ。

俺はその時のショックで誤って拳銃を発砲してしまったんだ。
その弾はゆっくりと早瀬の近くにあるドラム缶へと進んでいった。

俺は.....相棒をこの手で殺すかも知れなかった。

でも、そうはならなかった。


"赤い怪物"が俺の撃った弾丸がドラム缶に当たる前に弾くと殺人犯に向かっていった。
そして、構成員も同じ怪物に変わると戦い始めたのだ。

だが、その戦いの最中、構成員に変装していた怪物の放った攻撃で建物が崩れて相棒は下敷きになり下半身不随となってしまった。

俺は相棒を失ったショックで俺の脳細胞はエンストしちまった。
そんな俺にもう一度、火をつけてくれたのがこのベルトさんだ。

ベルトさんは俺に怪物の正体であるロイミュードを教えてくれて俺にはそいつらと戦う力があると言われた。
そうして俺は覚悟を決めて仮面ライダードライブになった。

ドライブになった俺は犯罪を起こすロイミュードと何度も戦った。
そこで俺は相棒を助けてくれた赤いロイミュード...."ハート"に会ったんだ。

ハートは俺がドライブになって他のロイミュードと戦うのを止めようとした。
同族を殺させない為と言っていたがその為に市民を犠牲にするのは間違っている。

そう思ってこれまで何度も戦ってきた。
だが、その思いもブレそうになっている。
「霧子の父親である蛮野天十郎がロイミュードを操って犯罪をさせているなんて.....」
『ショックなのは分かる。
蛮野は私の親友だった.....グローバルフリーズから何の音沙汰も無かったがいきなり、あんな宣言をしてくるなんて思わなかったよ。』

それはいきなり、起こった。
突如、通信機器がジャックされて映された映像には蛮野の姿が映っており奴は我々に向けて言った。

『私の名前は蛮野天十郎.....この世界を手に入れる神のごとき存在だ。
これは私から愚かな人類への宣告だ。
私はこの素晴らしい頭脳を使いロイミュードと言う兵器を作り上げた。
私はこれを使い人類を支配し管理する。
貴様ら愚かな人間はその事に感謝し服従しろ。
さすればその者には力と叡智を与える。

だが、反抗するのならばその者には恐ろしい滅びを与えてやろう。
これを見ろ!』

蛮野が手を向けるとそこにライトが当たり一体のロイミュードの素体が映し出される。
見た目はプロトロイミュードに金と黒のカラーリングが施され瞳は青く光っていた。
『これこそ、私が作り出した新たなるロイミュード。
"ゴルドロイミュード"だ!!
コイツは普通のロイミュードと違い戦闘用として造られている。
この意味が分かるかね?
これまで起こっていたロイミュードの犯罪がまるでお遊びと思える程の力を持っているのだよ。
"3日"与えよう....それまでの間に私に従うか死ぬか選ぶと良い。
ではご機嫌よう...アハハハハハ!』

その映像を見た者達は皆、混乱した。
それは勿論、泊も同じだった。

だからこそ、ベルトさんはグローバルフリーズの真実を話したのだ。
「ハート達の行為は洗脳された仲間を取り戻すためだったんだろう?
....なぁ、ベルトさん俺達はハート達と協力するべきなんじゃないのか?」
『....どう言うことかね?』

「蛮野が敵なのは共通認識の筈だ。
これまでの事件だって蛮野が洗脳して起こさせた事なら奴を捕まえれば全て解決するんじゃないのか?」
『....そうかもしれない。
だが、ロイミュードを作り出したのは蛮野だ。
私の発明であるコア・ドライビアを動力源として蛮野が作り出した思考AIと素体が使われている。
つまり、ハートも奴によって造られているのだ。』

「じゃあ、ベルトさんはハートも蛮野みたいになると言いたいのか!」
『そうじゃない。
蛮野の事だ....彼等に何かしらの細工をしていることは考慮すべきだと言っている。
あの男は傲慢だが用心深い。
今回の宣言もきっと何か思惑があるのだ。
ハート達を巻き込んだ思惑が.....』

「......」
『それを暴くまではいくら蛮野と敵対してると言ってもロイミュードである限り、信用は出来ないのだ。
すまない進之介....』

ベルトさんは苦々しい表情をしながら告げた。

そうか....一番悔しい思いをしてるのはベルトさんなんだ。
自分の発明を犯罪に使われ今現在でも人を苦しめている。
それを止める為に自分の意識をベルトに転送して仮面ライダードライブを産み出したんだ。

ベルトさんは基本的には戦いを好まない。
話し合いで解決できるのならそうしたい....そう思う理知的な人だった。

「でも俺は....あぁー!クソッ!いくら考えても分からねぇ!どうしたら良いんだよ!」
『進之介....』

泊はトライドロンのシートを倒すと寝転がった。
何時もの様なエンストした状態ではない。
荒ぶっている思考を落ち着ける為の行為だ。

そうしているとトライドロンの窓を叩く音が聞こえ窓を開けるとそこには泊のバディが立っていた。

「泊さんこんなところにいたんですか!」
「霧子....」

彼女は詩島 霧子(しじま きりこ)
泊の相棒であり蛮野の娘でもあった。

「突入作戦の打ち合わせがあるんですから早く行かないと...」
蛮野の宣告を受けて何もしなかった警察ではない。
発信元を探り奴の根城を見つけ出し突入作戦を立てたのだ。
泊達がいるのもその作戦に参加するためだ。

「ほら!早く行きますよ!」
「うわっ!ちょ霧子!ネクタイ引っ張んなよ!」

霧子は泊のネクタイを掴むと無理矢理、トライドロンから引っ張りだし打ち合わせを行う場所へ向かう。
泊もベルトさんをトライドロンから掴むと共に向かうのだった。



これは風都でガイアインパクトが起こっていた時に起こったもう一つの戦いである。







※これからはガイアインパクトのストーリーとドライブのストーリーを同時に掲載していきます。
何故この必要があるのかその理由は物語が進んでいけば分かると思いますのでお楽しみください。

ストーリーも分かりやすく分けますのでお楽しみください。

外伝 続編の投稿に関して

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