若菜によりガイアインパクトが執行された。
警察はG3ユニットを使い阻止に向かうが灯夜の作り出したポーンドーパントに止められてしまう。
そんな中、仮面ライダーWと仮面ライダーデーモンが風都第二タワーに現れた。
それを見た若菜は計画の贄であるフィリップと無名が揃った事が分かり笑うのだった。
第二百十四話 沈黙のW/激戦地帯
氷川達を助けるように参戦したWとデーモンの前にチェスドーパントに変身した灯夜が現れた。
「お前はっ!?」
「態々、生け贄になる為に現れるとは手間が省けて助かりますよ。」
「お久し振りですね灯夜さん。
獅子神さんはお元気ですか?」
そう尋ねる無名を灯夜は睨み付ける。
「貴方達が獅子神の邪魔をしなければこんなことにはならなかった。」
「こんなこと....."父親の駒に戻ったことも"ですか?」
「!?」
「駒?.....一体どう言うことだ?」
翔太郎の問いに無名は答えようとしたがそれを灯夜が産み出したナイトドーパントの突進攻撃により防がれる。
「僕の知識を得て何でも知っている賢者気取りか?
ウザいんだよ。」
しかし、無名は咄嗟に持っていた弓のトリガーを引いた。
「SHELD」
すると弓の形から大型の盾に変形しナイトドーパントの突進を防ぎそのまま駒のように回転し攻撃をいなすともう一度、トリガーを引く。
「BLADE」
音声がなると今度は盾から刀へと変形するとその勢いのままいなしたナイトドーパントを一閃で斬り伏せた。
それを見て灯夜が舌打ちをする。
「ちっ!厄介な能力ですね。
好きな武器を作り出せるガジェットですか。」
「えぇ、僕のメモリと相性の良い"アームズメモリ"を使った"アームズライザー"と言うガジェットです。
文音さんが残してくれた僕への装備です。」
デモンドライバーを開発した際に文音が無名の為に作り出したのがこのアームズライザーだ。
握り手とメモリを装填するスロットのみが取り付けられておりそこに純化した"アームズメモリ"を装填することでデーモンメモリの能力が付与された武器を生成し使うことが出来る。
「本当なら貴方の相手もしたいのですが、此方も時間がない。
僕達はタワーに向かわないと行けないんです。」
「向かってどうなる?
若菜様に勝てると思っているのか?
どんなことをしてもガイアインパクトは成功する。」
「世の中に絶対は存在しないでしょう?」
「いや、"逃れられない運命"なら存在する。
ガイアインパクトが無名と来人様にとってのその運命だ。」
そう言うと灯夜は戦闘態勢を解く。
「行け...僕の仕事はそこの警察をタワーに近付けさせないことだ。
お前達は通って良い。」
二人のライダーも目的はタワーだった為、灯夜に進められた道を歩み始める。
その途中でWが止まると氷川に向けていった。
『氷川さん....姉さんが起こしたこのガイアインパクトは僕達が責任をもって止めます。
街の事は頼みます。』
「すまねぇ....俺からも頼む。」
その声を聞いた氷川は自信をもって告げた。
「任せてください。
市民を守るのは私達、警察の義務ですから....」
そうして二人を見送ると灯夜は氷川達、警察官を睨む。
「では、再開しましょうか?」
灯夜がそう言うと氷川が言った。
「その前に教えて下さい。
貴方は何故、ミュージアムに与しているのですか?
彼等の会話を聞いていて貴方が本心ではなく協力している風に聞こえました。」
「.....それはこの戦いに関係ない。」
「いえ、もし本心でないのなら我々が貴方の力になります。
そうすれば無駄な戦いも.....」
「権力に靡くしか能の無いお前らが僕を救う?
......ふふっ、下らないジョークだ。」
「......貴方は警察に何をされたんですか?」
氷川がそう尋ねると灯夜の目は暗く冷えていく。
「僕は警察に教えられたんですよ。
この世界に弱者を助けてくれる存在はいない。
失いたくなければ強くなるしかないとね.....
だから、余計なことを考えず僕と戦うことを薦める。
でなければ無様に死ぬことになる。」
灯夜はそう言うと地面に手を翳した。
「僕のメモリの能力はドーパントの召喚と使役。
希少で強い駒ほど、比例して強力な能力を持っている。
その分、召喚には負担がかかるが若菜様から力を頂いた今なら問題ない。」
氷川達はその言動に嫌な予感を感じケルベロスを灯夜に向けて放つ。
それと同じくして北條もG3マイルド部隊に射撃の援護を命令した。
ポーンドーパントを撃滅した弾丸の嵐が灯夜を襲うが弾は灯夜に当たること無く背後から現れたビショップドーパントが生成したバリアに防がれてしまう。
「無駄だ。
ビショップの力は絶対的な防御力。
ガイアメモリなら未だしもそんな力では傷一つ付かない。
さぁ、絶望しろ...."クイーン"前へ」
灯夜がそう命じると地面に現れた黒い四角から荘厳な姿をした女性の怪物が現れる。
「ビショップか防御ならクイーンは"攻撃"だ。
クイーンよ敵を撃滅しろ!!」
灯夜の命令を受けたクイーンドーパントは口を大きく開けた。
嫌な予感がした氷川が叫ぶ。
「マズイ!?....逃げろっ!!」
「もう遅い。」
突如、クイーンドーパントを中心に地面が砕けると衝撃波が氷川達を襲った。
その攻撃を受けパトカーは吹き飛び地面に落下すると爆発を起こした。
近くのビルはその衝撃により窓ガラスが砕けコンクリートの破片も飛び散った。
その光景は正に戦地と言っても差し支えない程、凄惨な姿だった。
そんな光景を見ていた灯夜は呟く。
「
それを否定する者は誰もいなかった。
氷川と灯夜が戦っている頃、二人のライダーはバイクに乗ってタワーへと向かっていた。
タワーから放たれている光を見たフィリップが言う。
『間違いない。
アレは地球の本棚に流れているエネルギーと同じ光だ。
しかも、太く強い....こんな状況を放置していたら地球を支える外核が持たない。』
「つまりは、地球が終わるってことか?」
「えぇ、アレは水が注ぎ込まれ続けている風船に穴を開けてその穴を無理矢理、開いて水を出し続けている状態と変わりません。
暫くは持つでしょうか何れ風船が限界を向かえて破裂してしまう。」
「クソッたれ!正に地球のピンチって事かよ。」
『解決策は大元の穴を塞ぐ....つまり、あのタワーに仕掛けられた装置を破壊する。
それも、開けられた穴が安定する前に』
「もし、安定しちまったら?」
「同じです。
地球が耐えられなくて崩壊します。」
「....はぁ、何と言うか本当にピンチって感じだな。
少しは楽させて.....!?フィリップ!無名!避けろ!」
何かを感じた翔太郎の言葉に従いバイクを止めると走っていた場所の地面に亀裂が入りそこからタワーと同じエネルギーが走る。
「んだこれ!?」
『このエネルギーは....タワーと同質の物だ。』
「この攻撃.....どうやら、"息子と違って親の方"はそう簡単には通してくれなさそうですね。」
「親?......まさか!?」
攻撃してきた相手に気付くと追撃の亀裂が二人のライダーの足元に現れた。
「あぶねぇ!?」
二人はバイクを捨てて回避する。
亀裂に落ちたバイクは緑色のエネルギーに触れた事でデータとなって消滅した。
「俺らも喰らったらああなるって事かよ。
ったく冗談じゃねぇ。」
「恐らく、サブタワーから攻撃しているのだと思います。
タワーに蓄積されたエネルギーをビームのように放っているんです。」
『それはマズイね。
メインタワーとサブタワーはかなりの距離が離れているハードタービュラーなら接近できたかもしれないが....』
「バイクはあの一撃でおじゃんだ。
....おいどうする?」
翔太郎の言葉に無名は苦しい顔をしながら答えた。
「相手が"カード"を切ってきたのならこちらも"カード"を切るしかありません。
本当なら使いたくなかったのですが.....」
サブタワーで地球から流れるエネルギーを受けていた天十郎は歓喜の声を上げていた。
「あぁ....素晴らしい。
全ての運命を決められる絶対的な力.....そうだこれこそ私が求めた私に相応しい
天十郎はメモリを通して自らの身体に流れるエネルギーを実感しながら答えた。
市民の声を聞く正義の政治家.....そんな表の顔とは裏腹に彼の本性は驚く程、歪んでいた。
代々、政治家の家庭だった雨ヶ崎家には独特の選民思想があった。
"国を動かす我々こそが人類にとって最も有益な存在でありそれ以外は我々が庇護しなければ生きられない脆弱な者達。
故に我々は脆弱な人類を統率し導かなければならない。"
だが、天十郎はこの考えを湾曲して捕らえていた。
"何故、優秀な私が脆弱な人類を庇護しなければならない?
奴等は勝手に増える雑草の様な存在だ。
ならば、優秀な私のすべき事はその雑草に火を付けて私の土地を豊かにすることなのではないか?"と.....
そう気付いてから天十郎は自分の周りの存在を道具として壊れ朽ちるまで利用した。
自分の両親を怨む者にわざと襲わせ自分を悲劇の主人公としてみせたり天十郎の本性を知った妻を苦しめながら殺害しその罪を敵対していた政治家に被せた。
そして、息子に悲劇の主人公としての役を与え天十郎の地位を高めた。
政府の高官共、強いパイプがあった天十郎にとっては警察や法ですら自分に平伏する道具に過ぎなかった。
そんな彼が何故、風都の市長になったのか?
それは全て、このガイアメモリの為だ。
人間を超人に変える魔法の小箱.....これこそ優秀な私に相応しい。
最初はこのメモリを手に入れさせすればミュージアムとは縁を切ろうと思っていたが彼等の計画であるガイアインパクトを聞いてその考えを改めた。
地球のエネルギーを受けることで人類を強制的に進化させる。
.....つまり、優秀な私がより完璧になることを示している。
そうなれば園咲家など者の数ではない。
奴等が強いのはメモリのお陰だ。
私のように優秀なわけではない。
そう、ガイアインパクトが成功すれば世界を統べるのは私だ。
だからこそ、今は命令を聞いてやっている。
私がWと無名に攻撃を加えたのは
融合するだけで良いのなら戦力は出来るだけ削っておいた方が良い。
それに私もこの力を使いこなしておかなければ......"窮鼠猫を噛む"。
私が完璧な存在となった時に反逆されても良いように力の使い方を学んでおいて損はない。
(それにしても.....あの一撃を避けるとは仮面ライダーも中々やると言うことか。
少し、侮りすぎていたかもしれないな。)
最初の一撃はバイクもそうだが二人の両足を奪い取るつもりで放っていた。
だが、攻撃を放った瞬間に二人とも回避行動を取っていた。)
天十郎がリアルタイムで二人の動きを確認できているのはタワーメモリのお陰であり、メモリと同期したタワーならばどんな情報でも手に入れる事が出来るのだ。
しかも、地球のエネルギーを纏ったタワーだ。
その精度はとてつもなく高い。
今の天十郎はリアルタイムで周りで起こっている戦況を確認することが出来た。
(灯夜は警察を仕留めたか。
何時も使わなかったクイーンドーパントを使ったと言うことはそれだけ本気だったと言うこと......素晴らしいやはりお前は優秀な駒だよ灯夜。
Wと無名の方は.....ほぅこのまま歩いてメインタワーへ向かう気か。
余り、攻撃をしてはあの女に不信感を抱かれる。
ここまでにしておこう。)
そう考えていると天十郎のいるサブタワーに向けて一直線に向かってくる
(まさか、このまま突っ込む気か?
愚かな.....その前にデータの塊に変換してやる。)
天十郎は杖を振るいサブタワーに集められたエネルギーを集約しビームに変えて大きな車を真っ二つにする様に放った。
しかし、そのビームを車は紙一重でかわす。
(かわしただと!?.....そんな事があり得るのか?)
天十郎はもう一度、同じ攻撃を放つがまた避けられてしまう。
(一体どういうカラクリだ!?)
そう思っているとサブタワーへと近付いた車が更に速度を上げた。
(させるかっ!)
天十郎はタワーの周囲にエネルギーの壁を作り上げた。
(纏めてデータになって消えろっ!)
しかし、天十郎の思惑通りには行かず車の上部が開くと中から
(何だと!?)
天十郎は突進だけ警戒していた為、壁は高く生成しておらず戦車はエネルギーの壁を簡単に飛び越えるとタワー内部に思いっきり突き刺さった。
その衝撃でタワーが揺れる。
「ぐおっ!奴等の目的は何なんだ?」
天十郎はメモリの力を使い戦車を分析する。
すると戦車の内部から二人の生体反応を検知した。
そして、ここで敵の思惑を理解する。
「まさか、このタワーに入る為に戦車ごと突っ込んできたのか。
.....ふふっ、はっはっは!!楽しませてくれるじゃないかっ!
それでなくては面白くない。」
天十郎はそう言って笑うとタワーの柱に触れた。
「窮鼠猫を噛む.....正しくその通りだな。
良いだろう全力で相手をしてやろう
精々、私を楽しませてくれ!」
そうして天十郎はタワーに入ってきた侵入者の相手を始めるのだった。
時同じくしてタワーに突っ込んだAガンナーに追加で取り付けられたハッチを開け放つと中から堂本と克己が現れた。
「どうやら、潜入には成功したみたいだな。」
「潜入と言うより突撃だがな。」
「違いない。
無名の予想があっているならここにサブタワーを管理している天十郎がいる筈だ。
奴を倒せばサブタワーの機能を奪い取れる。」
「それを使って開けられた穴を閉じようとする訳か?」
「"1つ目の作戦"ではな....失敗したら次の策に移るだけさ。」
そんな話をしているとタワーにエネルギーが覆われていき侵入者を排除しようと変化していく。
「天十郎は俺達をここから追い出すのに本気らしい。
ここに奴がいると見て間違いないな。
堂本.....すまないが」
「分かっている。
その為に俺は来たんだ。」
堂本はそう言うとNEVERドライバーを取り付けてメモリを起動する。
「METAL」
メモリをドライバーに装填すると顔を叩いて気合いを入れる。
「変身っ!!」
ドライバーを展開すると堂本の肉体は変化していき仮面ライダーメタルへと変身が完了した。
その瞬間、手にメタルシャフトが生成されそれを構える。
「さぁ、どっからでもかかってこい!
克己には指一本も触れさせんぞ!」
堂本はそう吠えると変形したタワーとの戦いを始めるのだった。
風都で事件が起こる中、真っ暗な空間の中で京水とレイカは時計を見ていた。
そして、京水が話し始める。
「.....そろそろ時間ね。
準備は良いかしらレイカ?」
「何時でも良いわよ。」
「良かったわ.....それにしても意外だったわ。
貴女がこの作戦に志願してくれるなんて.....
アンタ克己ちゃんに怒ってたでしょ?」
「今でも怒ってるよ。
勝手に死に場所決めて他人の為に死のうとしてるんだから......でも」
「でも?」
「私よりももっと辛い筈のミーナは克己の意思を受け入れて覚悟を決めていた。
それ見たら、何が正しいのか分かんなくなっちゃったのよ。」
「レイカ.....」
「だから、私も知りたいと思ったの
克己が守りたいって言う人の価値を....
だから、絶対にこの作戦は成功させる。」
「....そうね。
失敗したら克己ちゃんにどやされちゃうわ。」
「そうだね。
......ねぇ、京水。」
「何?」
「絶対に...."生きて帰ろう"。
また皆で集まる為に」
「...そうね。
また生きて会いましょう....ん?」
「どうしたの京水?」
「あたし達って死んでるのよね?
なのに生きて帰るってどゆこと?
デスをデスして生き返んの?
それともデスしたままデスをデスして....デスデスデスデス!!」
「あぁ、もううっさいわね京水っ!
良いのよ別にこう言うのはノリと雰囲気なんだからっ!」
「そっ.....そうね。
さっさと始めましょうか。」
京水は空間についていたボタンに手を触れると地面から光が漏れ地面がなくなっていく。
そして、京水達がいたのが輸送機の中だと分かる。
ハッチが開いて見えた景色を見て京水が言った。
「久し振りに来れたけどあんまり変わってないわね。 まぁ、それならそれで好都合だけど」
「出来ることなら簡単に終われば良いけどそうも行かないみたいね。」
レイカがそう言いながら下を眺める。
下では正体不明の輸送機を撃墜する為の砲台が稼働しているのが見えた。
「あれはメイカーね。
仕事はもう終わっている筈なのに熱心に働いちゃって....今回はその勤勉さが怨めしいわ。」
「文句言ってないで行くよ。
この輸送機ももう持たないだろうし」
「そうね。」
二人はそう言ってNEVERドライバーを着けるとメモリを起動した。
「HEAT」
「LUNA」
「「変身」」
二人は起動したメモリを勢い良くドライバーに装填し展開する。
そして、変身途中の状態でレイカは輸送機から飛び降りた。
「ちょっ!レイカっ!」
「砲台を片付けておくからそっちは荷物運び宜しく。」
「まっ!ちょっと!....少しぐらい相談しなさいよレイカ。
.....でもまぁ、悪くはないかしらね。」
そう言うと二人は古巣である孤島に今度は敵として潜入を始めた。
この行動にどんな意味があるのか知る者はまだ誰もいない。
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