「HEAT MAXIMUMDRIVE」
「うらぁっ!」
マキシマムにより爆炎を纏ったレイカの蹴りが放たれると島の砲台を飲み込む様に包み込んだ。
炎が晴れた頃には島の砲台は全て無力化されていた。
「良し....これで終わりね。」
レイカが島へ降りてから数分も経たない内に砲台を無力化した影響で簡単に着陸出来そうだが問題の輸送機からは火の手が上がり墜落の一途を辿っていた。
「あぁー、ありゃダメね。
着陸する前に落ちるわ。
この事は京水も分かってる筈だから......良しここら辺かな?」
レイカは上空に飛び上がると足を一回転させて炎のサークルを作り出した。
「京水ならこれで分かるでしょ。」
そう分析していると空から金色に光る球体が落ちて来ておりその後ろでは身体を広げて落下している仮面ライダー
レイカを見つけると京水が叫ぶ。
「レイカぁぁぁ!!ちゃんとキャッチしなさいよぉぉ!」
「....はぁ、分かってるわよ。」
そう言うとレイカは上空に再度飛び上がり球体を全身を使って捕まえると両足を地面に向けながら炎を放つことで落下の速度を緩め始めた。
そして、地面が見える頃には球体は速度を失いゆっくりと地面に着地し....全く速度が低下しなかった京水はレイカが指定した湖の中へと激突するのだった。
「ヘブブブブブファ!!着水成功!京水、孤島に再爆誕よぉ!!」
余談だが通常の人間が着水して生き残れる限界の高さは"10m"とされている。
勿論の事、京水が落下した高さはそれを優に越えるので普通の人間から即死してしまう。
だが、京水は不死身の再生能力を持つNEVERでありまた幻想を司るメモリを使っている影響もあってか。
ほぼダメージ無く着水する事が出来た。
水中から飛び上がるように陸へ上がるとレイカに尋ねる。
「レイカ、荷物の方は平気?」
「アタシの炎による減速と京水のルナの力で作った防御スフィアに入ってたのよ?
傷一つ無いに決まってるじゃん。」
「それはそうだろうけど、ケガしちゃったら可愛そうじゃない。
あんなにイケメンなのにケガしたら......いや!ケガした姿もそそるわね!
傷付いた身体を抱えながら歩く姿....スーッ嫌いじゃないアベぁ!!」
妄想に耽っていた京水の頭をレイカは蹴る。
「下らない事、言ってないでさっさと行くよ京水!
私達の仕事はまだ続いてる。
風都で戦っている克己や堂本の為にも失敗できないんだから」
「そうね。
ちょっとふざけすぎたわごめんなさい。」
そう言って謝る京水にレイカは言った。
「良いよ。
緊張している私をリラックスさせる為に言ってくれたんでしょう?
気を遣わせてごめん。」
「良いのよ。
仲間じゃない?
.....さぁ!とっとと片付けて私達も風都に戻らないとね!」
そう言って京水はスフィア状のエネルギーで囲った荷物を抱えるとレイカと共に孤島の中心地にある研究所へと向かうのだった。
風都第二タワーを囲うサブタワーに突撃した堂本と克己は内部での攻撃に対応しながら上へと向かっていた。
タワーの周りからまるで植物の様に塔の形をした鋼鉄の蔓が現れると二人に襲い掛かる。
仮面ライダーメタルに変身した堂本はその攻撃をメタルシャフトで防ぎながら登り克己はナイフと身体能力を使い攻撃を回避しながら上へと登っていった。
タワーから生成される蔓に最大限の警戒を払いながら登っているので中々、上に迎えないことに克己は舌打ちする。
「ちっ!面倒な能力だなこの蔓は....」
克己がそう言って蔓に目を向けると蔓の先端から緑色のエネルギーがまるで毒のように流れていた。
この蔓に貫かれたガンナーAはそこを中心にデータに変換されるとそのまま消滅してしまった。
「あぁ、だが物体を消滅させるのは緑色のエネルギーが出ている先端だけだ。
そこだけ気を付けていれば捌くのは難しくない。
お前は変身できないからヤバくなったら俺を頼れよ克己。」
そう言って堂本はメタルシャフトで蔓を打ち据えていった。
NEVERのメンバーの中で京水の次に加入したのがこの堂本だ。
生前は猟師として生活しておりNEVERになってからは棒術で戦う傭兵となっていた。
そして、無名と出会い記憶が蘇った結果、堂本は猟師としての経験と野生の勘、そして最も得意な棒術を組み合わせた独自の武術体型を確立させた。
野生で鍛えられた勘の良さを利用した防御技は精度が高く、タワーから現れる蔓の位置を一瞬で看破すると克己が登る邪魔にならないように先頭に立ち攻撃を全て捌いていった。
そして、鍛えられた勘は罠の位置すら見抜く。
「!?...克己!後ろに飛べ!」
堂本の指示に従いバックステップすると克己のいた階段から塔の形をした針山が飛び出した。
「罠のつもりか?敵は俺達を狩るのに本気らしいな。」
「その様だな。
だが、罠の仕掛ける位置が素人だ。
これなら、俺が直感で見つけて無力化出来る。」
「あぁ、ならペースを上げていこう。
無名の作戦通りに進めるならサブタワーを操作している天十郎を仕留めないと進まないからな。」
「あぁ....克己どうやらゴールは近いみたいだぞ。」
堂本がそう言って指差したのは扉だった。
克己達がその扉を開けるサブタワーの中心部でありそれを操作する
「ようこそ、侵入者諸君。
誰が来るかと思っていたがまさか、NEVERとはな。」
「俺達の事を知っているのか?」
克己の問いに天十郎は答える。
「無名が持つ戦力の中でも一際強い集団だ当然だろう?
風都タワーが占拠された時や獅子神の一件....無名が事を起こす時には全て関わっている。
危険視するなと言う方が無茶な話だ。」
天十郎はそう二人を分析する。
「だか、ガイアインパクトが始まった今となっては貴様らも私の敵ではない。
このタワーに供給されるエネルギーを使えば負ける心配はないのだからな。」
「随分と余裕をかましてくれるな。
俺のメモリの力を忘れた訳じゃないだろう?」
「エターナル....ガイアメモリの力を停止させるメモリか。
確かにその力は強力だがなら何故、お前は若菜様に敗北したのだ?
その力でクレイドールの力を無効化すれば良かったのに.....いや、出来なかったのだろう?
だから、お前は敗北した。
つまりはこう言うことだ。
エターナルメモリが無効化出来るのは"メモリに内包された力"のみだ。
若菜様の様に地球の本棚から直接、力を引き出した能力や地球の力を内包したエネルギーは無効化出来ない。」
「私の身体にはタワーから直接、地球からのエネルギーを供給している。
分かりやすく言えば今の私は若菜様と同質の力が使えると言うことだ。
この力があれば貴様らを処理するのも容易い。」
天十郎は手に持った塔の形をした槍で地面を打ち付けるとそこからエネルギーが波のように広がり空間を満たしていくとエネルギーの膜を張り堂本と克己そして天十郎を覆った。
「これは?」
「私のエネルギーで作り出したフィールドだ。
この塔を守る事が、私の仕事だからね。
この内部で行われた攻撃が外に漏れることはない。
さぁ、これで存分に戦えるぞ大道克己....早く変身したまえ。」
天十郎はそう進めるが克己はドライバーを腰に着けようとしない。
「どうした?
まさか、怖じ気づいたなんて事はないだろう。
早くエターナルに変身しろ。」
(コイツ....分かって言っているな。)
克己が次、変身したら死ぬことは若菜により伝えられていた。
だからこそ、そこをついた挑発を天十郎は行う。
「やれやれ....変身すら出来ない雑魚がこの場所に来るとは場違いも甚だしいな。
だから、貴様は若菜様に敗れ死にか....」
天十郎の話を堂本がメタルシャフトを地面に突き立てた轟音が遮る。
「お前は何か勘違いしてるようだな?」
「勘違いだと?」
「お前の相手を克己がする訳が無いだろう?
端役の相手は俺で十分だ。
だからこそ、俺が来たんだからな。」
「私が.....端役だと?
どうやら君達は調子に乗っているようだな。
若菜様がいなければ私が端役になると思っているとは....良いだろう。
そのつまらない挑発に乗ってやる。
大道 克己を始末する前に先ずは貴様からだ。」
天十郎はそう言うと堂本に向けて槍を構える。
「先手はくれてやる。」
天十郎の言葉を受けて堂本はメタルシャフトを天十郎に向けて振るった。
その攻撃を天十郎は持っていた槍で防ぐがその衝撃で身体が後退する。
堂本は息つく間を無くメタルシャフトを操り攻撃を仕掛けていく。
その攻撃の苛烈さから天十郎は防戦一方となっていた。
「くっ!...」
「武器の使い方は熟しているみたいだが戦い方が未熟だな。」
「嘗めるなっ!」
天十郎が槍で堂本を突こうとするがメタルシャフトでいなすとそのまま天十郎の腹を打ち据えた。
「ぐふっ!」
「お前では俺には勝てない。
直ぐに終わらせてやる。」
堂本は腹部を抑えている天十郎に警戒しながらメタルメモリに手を触れようとするが突如感じだ背後の違和感にメタルシャフトを振るった。
すると、ガキン!と言う音と共に背後に現れた天十郎の攻撃を防いだ。
「なっ!どうやって移動した?」
「移動などしていない。
ただ、別の時空の私がそこにいただけだ。」
「何っ!」
堂本はその声に驚き振り向くとそこには槍を堂本に振り下ろす天十郎がいた。
堂本は無理やりメタルシャフトを引き抜き攻撃を防ぐがバランスを崩して倒れてしまう。
「拍子抜けだな。
まだ能力を一つしか使ってないのだがな。」
そう言う天十郎の腹部に当てた筈の傷が存在していなかった。
(一体、どういう能力だ?
分身....いやそんな力じゃないもっと別の何かだ。)
「ほぅ...."分身で無い"と気付くとは目が良いな。」
「!?」
堂本は考えが読まれていることに驚く。
「"思考を読む力もあるのか?"と考えているな。
その答えはNoだ。
私のメモリの力はそんなに"弱くない"。
まぁ、良いだろう。
このまま隠してはお前達があまりにも不利だ。
お前達にハンデをやろう。
私の能力を教えてやる。
タワーメモリは塔に蓄積されたエネルギーを利用して特殊なフィールドを生成する。
そのフィールド内で流れる時間を操作するのが私の能力だ。
まぁ、通常の状態ではその程度の力しかない。
だが、今の私はタワーを通して地球のエネルギーを直接、供給している。
エネルギーの純度と質が変わり私は時空間を操る力を得た。」
「時空間だと!?」
「その通りだ!
多元宇宙に並行世界.....私のメモリはそこにすら干渉できる。
お前を背後から襲った私は並行世界に存在する私だ。
長時間の呼び出しは並行世界の崩壊を起こしてしまうから短い時間しか呼べないが皆、私に協力してくれているよ。」
そこまで説明を受けて克己は最悪な推理をしてしまう。
「並行世界に干渉できるならば.....もしや!?」
「気付いたか?
私は今も起こっている並行世界の時すら見ることが出来る。
お前達の行動も並行世界で起こった事象をなぞっただけに過ぎない。」
「お前達が起こそうとしてる"計画"も私は知っている。」
「「!?」」
その言葉に堂本と克己は動揺した。
天十郎の言うことが本当なら無名の計画は全てバレておりガイアインパクトを阻止することが不可能となってしまう。
これを言われ堂本の表情には焦りが出るが克己は直ぐに冷静になり天十郎に言った。
「"嘘"だな?」
「私がお前達に嘘をついていると?」
「いや、未来を見ているどうこうの話しはある程度はあっているのだろう。
だが、ずっと見てきたのは嘘だな。
本当なのだとしたら俺達がサブタワーに突入する前に仕留めなきゃおかしい。
それにそんなに強い力なら最初から使えばよかったのにしなかった。
条件があったから使えなかったんだろう。
違うか?」
その言葉を受けて天十郎は笑う。
「ほぉ、家の愚息よりも頭は回るみたいだな。
その通りだ....私がこの力を手に入れられたのは若菜様がガイアインパクトの為に地球に穴を開けそのエネルギーをサブタワーに行き渡らせたからだ。
つまりそれ以前の並行世界は見れない。」
「随分と簡単に種明かしをするんだな。
メモリの能力なら隠すのが普通だろう?」
「さっきも言っただろうお前は頭が回ると....どうだ?
無名なんぞを切り捨てて私の元に来ないか?
何なら仲間全員、面倒を見ても良い。」
「どういう風の吹き回しだ?」
「若菜様がガイアインパクトを成功させて人類が新たな種へと進化した時、それを統治する者が必要だ。
それは巫女である若菜様では出来ない。
となれば出来る者は限られてくる。
何故ならこの地球から来るエネルギーを扱えないといけないからなぁ。」
そこまで聞いた克己は天十郎の目的を理解する。
「成る程、お前はガイアインパクトが成功した後の世界の王になりたいわけか。」
「そうだ。
私の元に来ると言うことはこの世界を管理する側に回れる。
お前の身体も地球のエネルギーがあればどうとでもなる何なら不老不死にでもしてやろう。
エターナルの力があれば人を導く存在として申し分無い。」
克己はその言葉を受けて沈黙する。
そして、天十郎に尋ねた。
「お前に聞こう.....お前にとって生きる意味とは何だ?」
「"自分の存在を高らかに示す手段"....それだけだ。」
それを聞いて克己は理解した。
「漸く分かった。
お前は"過去の俺"だ。
改良前の酵素のせいで記憶を失い明日にしか目を向けられない"哀れだった頃の俺"だ。」
「何だと?」
「お前の話す未来には希望を感じない。
人類を新たな存在に進化させてそれを統治する?
そんな誰も望んでいないことをさも世界の為の使命の様に語るアホに付き合う気はない。
.....それ以上に、自分の子供を愚かと称する貴様に付いていく者など誰もいない。
"自分の子すら切り捨てて見ている貴様に他人を導ける訳がない"。」
「.....つまりは拒否と言うことか。
能力は優秀だが所詮は愚かな人間か。
世界を手に入れられるチャンスをふいにするとは.....」
「生憎、世界なんて物には興味がない。
俺が欲しいのは"未来"だ。」
「死ぬ定めしかないお前が未来だと?
笑わせるお前の未来など死しか無いだろう。」
そう言って克己を笑う天十郎を克己は哀れむ。
「俺の未来をその程度の考えでしか見れないならお前は王になんて到底なれない。
お前よりも無名の方が何倍も人を理解している。
やはり、端役は端役だな。」
その言葉に天十郎の目の色が変わる。
それは克己に対しての関心が全く無くなった事を表していた。
「黙れ....愚者は愚者らしく無惨に死ね。」
そう言われ克己は笑う。
「愚者か....だが知っているか?
人は愚かだからこそ知恵をつけ生き残ってきた。
愚者が人の歴史を進めてきたんだ。
それに、俺は愚者じゃない死神だ。
死神のダンスパーティで踊る準備は出来ているか?
地獄を楽しませてやるよ。」
克己がナイフを抜くのに合わせて堂本もメタルシャフトを構え直した。
「行くぞ!」
克己の声と共に二人は天十郎へと向かっていくのだった。
Another side
ガイアインパクトが起こる前、克己はミーナと会っていた。
NEVERの面々とは話し合いを終え曲がりなりにも克己の考えを理解して貰った。
そこで俺は改めてミーナと話しをした。
「ミーナ、どうして妊娠について黙ってたんだ?」
「.....私は克己がどうしたいか分かってた。
だから尊重したかったの貴方の思いを.....」
「それは超能力を使ってか?」
「.....ふっ、言わなくても分かるでしょう?」
ミーナは超能力なんて使ってない。
ミーナはもう何も言わなくても克己の考えが分かっていたのだ。
「子供が生まれたらどうするんだ?」
「
だから安心して行って来て.....仮面ライダーとして」
ミーナはそう言って何とか笑顔を浮かべていた。
最初に出会った頃はずっと苦しい顔を浮かべていた。
ドクタープロスペクトに仲間の命を握られ生きていた時は笑顔なんて出来なかった。
だが、俺達がプロスペクトを倒して仲間と共に自由になったミーナはよく笑うようになった。
その笑顔に惹かれて俺は彼女が好きになった。
それから色んな所に行って色んな顔を見た。
風都でデートしたことを思い出す。
心から幸せだと思っているが故の笑顔.....
だが、今は無理矢理笑っていた。
悲しみが漏れないように伝わらないように....そうさせているのは俺だ。
俺の決断がミーナを悲しませている。
でも....だからこそ伝えないと行けない。
「ミーナ.....俺が戦う理由は仮面ライダーだからだけじゃない。
産まれてくる子供が今のこの世界よりもマシな姿を見せてやりたいんだ。」
ドーパントが溢れ犯罪が横行する今の風都.....きっと俺達が戦わなければこの闇は世界に広がっていく。
「俺の力がそれを止めて世界が今より少しでも綺麗になるなら、そこに産まれてくる俺とミーナの子は幸せに生きられる.....いや"生きさせたい"。
だから、戦う。
父として仮面ライダーとして....それが俺に出来る数少ない事だと思ったからだ。」
そう言うと克己はミーナを抱き締める。
「お前に辛い想いをさせる。
だが、約束しよう。
この先、ミーナ達が生きていく世界を含めて俺が守る。
俺の全ての力を使って守って見せる。」
その言葉を聞いたミーナは涙を克己の肩で涙を流した。
今まで塞き止めていた感情が溢れ涙となって落ちていく。
一頻り、無き終わったミーナは克己に言った。
「克己、お願いがあるの。
産まれてくる私達の子の名前を決めてくれない?
貴方の覚悟が揺れてしまうと思って聞けなかったけど聞いておきたいの.....」
そう言われた克己は笑う。
「実は子供がいると聞いてからずっと考えてたんだ。
俺とミーナの子に相応しい名前を.....」
克己はミーナにその名を告げた。
それを聞いたミーナは笑顔で言った。
「克己らしい良い名前ね。
行って来て、私達の子の為にも......」
「あぁ、産まれてくる大事な子の為に....」
ミーナは克己とのやり取りを思い出しながら一枚の便箋に触れる。
これは克己が産まれてくる子の為に残した直筆の手紙だった。
自分が触れることの出来ない愛する子の為に残す大切な物....そこには克己が名付けた名前が書かれている。
そこを愛おしく撫でながらミーナは克己の無事を祈る。
そこには産まれてくる子への名前が書かれていた。
"俺の愛する子.....
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