もう一人の悪魔   作:多趣味の男

231 / 330
無名とWは風都第二タワーの内部に侵入すると直ぐに目の前の景色が歪み変わっていった。

「なっ!?どうなってるんだ?」
『落ち着け翔太郎....恐らく空間をねじ曲げて僕達を移動させてるんだ。』

「そして、そんな事が出来るのは一人だけですね。」

無名がそう言い終わると空間の歪みが消えて風都第二タワーの中心部へと二人は転移させられた。
目の前には大きな機械と玉座....そして、そこに座る"クレイドールエクストリーム"(園咲 若菜)ドーパントが見受けられた。

「ようこそ、この世界が変わる最高の舞台へ来てくれて私は嬉しいわ来人それに無名。」
「若菜姫。」
『姉さん....もう止めるんだこんな危険なことは....』

「あら、何を言ってるのかしら?
私は人類を進化させる巫女なのよ。」
『違う!....貴女がやろうとしてるのは人の尊厳を踏みにじる行為だ。
まだ間に合う....タワーの装置を止めて開いた穴を閉じれば....』

そこまでフィリップが言うと若菜のプレッシャーが強くなる。
「何を言ってるのかしら来人は......
ガイアインパクトはお父様....ひいては人類が迎える最高の偉業なのよ?」
この言葉に無名が反論を唱える。

「偉業....ですか。
人類を予想出来ない怪物に変えることが偉業になるのですか?」
「ふふっ!それではデータ人間となった来人やゴエティアのスペアとしている貴方達も人間じゃない事になるわね。
無論、私もそうだけれど......」

「貴女は、それが分かった上でガイアインパクトを始める気なのですか?」
「勿論。
ゴエティアによって私の身体が超越者へと完成していく中で幾つもの人類が犯した罪を見てきたわ。
そして、理解したの....今のこの愚かな人類が生き残るには種としての存在を完全に捨て去り新たな高次元の存在に進化するしかないとね。」

「その為に....一体、何人を犠牲にするつもりなんですか!!」
その言葉を受けて若菜は笑う。
「うふふふ!安心なさって無名。
これ以上、犠牲になるのは後、"一人"だけですから....」

そう言って笑いながらも若菜の目は恐ろしい程に冷たいことに二人は気付いていた。


第二百十八話 Mの進軍/玉座の王

一方、サブタワーでは天十郎(タワー)堂本(メタル)と克己が二人がかりで挑んでいた。

 

「はぁ!」

堂本のメタルシャフトから繰り出される剛撃を天十郎は余裕も持って捌いていく。

「無駄だ、お前達の動きは既に見切っている。

並行世界を操る私の前では無力だ。」

天十郎の言う通りで堂本と克己の攻撃はその全てが天十郎に届かず、逆に天十郎の攻撃は二人にダメージを与えていた。

 

「ぐっ!ならばこれはどうだ!」

堂本がメタルメモリを抜くとドライバーのマキシマムスロットへ装填する。

 

 

「METAL MAXIMUMDRIVE」

 

「うぉぉぉぉ!!」

 

メタルメモリのマキシマムにより全身の硬度が極限まで上がった堂本は飛び上がると全身を一つの砲弾に見立てて天十郎に向けて高速落下した。

「速いが避けられない程ではないな。」

天十郎はそう言うと堂本の落下を余裕を持って回避する。

 

「避けられるのは予想通りだ!」

堂本はそう言うと今度は落下によって発生した衝撃波が天十郎を襲った。

「なっ!?」

天十郎は衝撃波を受けて全身が浮き上がる。

 

「その状態では攻撃の回避は出来ないだろう。」

堂本はメタルシャフトを握ると浮いている天十郎に振り下ろした。

「堂本、奴が後ろにいる!」

 

克己の声を受けて背後を見るとそこには槍で堂本を突き刺そうとしてる天十郎の姿があった。

堂本はギリギリのところでその槍を回避し距離を取った。

 

「背中を貫くつもりだったが、流石は傭兵だ身のこなしが良い。」

だが、完全には避けられなかったようだな。」

天十郎の言う通り堂本の左肩には天十郎から受けた槍の傷が残っている。

すると、その肩の傷がゆっくりとだがデータとして崩壊し始めていることに気付く。

 

「これは!?」

「私の槍には地球のエネルギーで作られた崩壊の因子が付与されている。

槍に触れたら最後、そこから肉体がデータ化して消滅する。

普通なら触れた箇所から直ぐに侵食が始まり消える筈だが....メタルメモリの力がそれを阻害しているらしいな。」

その言葉を聞いた堂本はまだデータ化してない左肩をメタルシャフトで抉り削った。

 

「......くっ!」

左肩を抑える堂本に天十郎は感嘆の声を上げる。

「素晴らしい精神力だな。

確かに、データ化を防ぐには攻撃された患部を切り離すのは間違いじゃない。

だが、分かっていてもそんな簡単に出来ることじゃない。

君達、NEVERは私が考えているよりも"優秀な駒"の様だな。」

 

その言葉を聞いて堂本が冷たく答える。

「駒か。

随分と傲慢な考えをしているんだな?」

「あぁ、私の言い方を不快に思ったのなら訂正しよう。

私とお前達では生きてきた世界と立場が違う。

お前達は傭兵として自分の価値を示し私は政治の世界で価値を示した。

君達は戦場では英雄になれるだろうがこの町では単なる力を持った集団に過ぎす、私はそんな集団を指揮する立場にいる。

つまりは駒として扱えるんだよ。

現に私はこの風都で駒を動かし町を豊かにした。」

 

「豊か?....ガイアメモリをばら蒔き沢山の犠牲者を出したのにか。」

「だから、対抗策として対ガイアメモリ部隊を設立し過度な犯罪を抑止した。

そして、ガイアメモリの販売により結果的に風都の経済は潤った。

犯罪に怯える物はメモリやそれに対抗する防犯策を練り金を使った。

知っているか?

これによって最も金を使ったのは風都に住む富裕層だ。

そして、その金は風都をより良くする為に使われた。」

 

「結果的に良くなったとお前は言うのか?」

「その通りだ。

何か間違ったことを言っているか?」

 

「あぁ、"間違っている"。

お前ら役人の悪い癖だ。

自分本意でしか考えられていない。」

生前の堂本はかつて森の動物を守るために森林開発を中止させようと動いていたがそこで開発企業の人間に襲われて命を落とした。

 

故に堂本は他の誰よりも理解しているのだ。

人間の持つ傲慢さと非道さを......

 

人は自らが生態系の頂点にいる者だと勘違いしている。

知識の生身の人間が山に放たれたら簡単に捕食され命を奪われるのにそれを理解せず文明の利器を使い人間に置いて都合の良い地球に作り替え続けていた。

その結果、一体いくつの生物や命が犠牲になったか分からない。

 

「人間は地球の支配者じゃない。

共に生きる一つの種なんだ。

それを忘れているからお前達はそんな言葉が吐けるんだ。」

「ほぉ....面白い論理だ。

だが、お前は勘違いしている。

我々はもう人間等という下等な種から進化する。

そのくくりに入れるのは止めて貰おうか。」

 

「!?....お前は人としての尊厳すら捨てるのか。」

「それが進化の代償なら安いものだ。」

 

「お前は危険だ。

ここで俺が始末する。」

「出来ないことは言うものではないぞ?

私の攻撃は一つでも当たれば殺せる必殺の一撃だがお前はただ、身体を硬くするしか能がない。

そんな貴様が私に勝てるとでも?」

 

そこまで優越感に浸りながら話していた天十郎の表情が歪む。

「......大道 克己は何処に行った?」

「........」

 

「答えろ...奴は今何処に!?」

そう言い掛けた瞬間、タワーに謎の衝撃が起きる。

天十郎がタワーにダメージが及ばないようにフィールドを張った筈なのに起こった衝撃.....これこそが天十郎にとっての答えだった。

 

「貴様らぁ....どれだけ私を不愉快にしたら気が済むんだ!」

天十郎は怒る何故ならこの時に天十郎が並行世界で見た未来の記憶は全てのサブタワーを破壊する仮面ライダーエターナルの姿であったからだ。

 

 

 

堂本と天十郎が話を進めている頃、克己はエターナルメモリに触れながら天十郎が仕掛けたフィールドに触れる。

(やはり、攻撃さえしなければ触れても害は無さそうだ。)

 

克己はフィールドに触れながら意識を集中する。

(皆.....頼む。)

克己の願いを受け取る様に触れているフィールドに精神波が流し込まれていった。

 

この精神波はクオークスが生み出した物で元々はガイアインパクトの際に空けられた穴の調べて塞ぐ為の策だった。

克己の首には遠隔でクオークスの精神波を通す装置が付けられておりこれでタワーに発生したフィールドへの干渉を行っていた。

 

尚、この作戦に参加しているクオークス達はミーナやマリアとは別の場所である風都のビルにいた。

彼等はガイアインパクトを止め無名やフィリップを救いたいという思いに賛同した者達だ。

 

この作戦を説明する時に無名は教えてくれた。

「この装置でNEVERの因子が残る克己さんを媒介にしても地球のエネルギーを受けてしまえば命に影響が出ます。

もしかしたら全員死ぬかも知れません。

....だから!」

そこまで良い掛けた所で作戦に参加を決めていたヴィレッジのメンバーだったチョウさんが言った。

 

「無名様.....いや無名くん。

私達は君に感謝しているんだ。

プロスペクトの元に連れてこられてからの人生はとても辛く苦しいものだった。

 

実験動物として扱われ使えないと言われれば処理される毎日....君と克己くんはそんな地獄から私達をすくい出してくれた。

若い者に知識を与え生き抜く力をくれた。

私達、年老いた老いぼれにも仕事をくれ生きる意味を見せてくれた。

そして、ミーナに子供が出来た。

実験動物として作られたクオークスである私達に未来が出来たんだ。

 

だからこそ、私達は君に恩返しがしたい。

若い君達が死んで平和になる世界なんて認めたくない。

その運命を変えられるのなら私達は喜んで命を賭ける。

 

無名くん、だから簡単に自分の命を犠牲にしようとしないでくれ。

君に生きて欲しいと願う我々がいるんだから.....」

 

 

そう言って作戦に参加してくれたクオークスのメンバーの任務はガイアインパクトの始まりの察知とサブタワーに供給されているエネルギーの道を繋ぐ核の発見だった。

 

後者に関しては直接、タワーのエネルギーに触れて調べないと行けない。

自分の魂を精神波に変えてタワーに送り込み核を見つけ出す。

それがどれだけ危険な事か考えなくても分かる内容だった。

 

克己により精神波になったクオークスの面々はタワーのエネルギーへと吸い込まれていく。

地球のエネルギーとは膨大な情報で出来た激流だ。

触れただけで精神が削り取られ魂ごと消滅してしまう空間に入ったクオークス達の魂は次々と消滅していき肉体もそれに応じて死を迎えていった。

 

この空間ではあらゆる苦痛や恐怖も共有される。

生き残ったクオークス達は死んだクオークスが味わった痛みと恐怖に耐えながらも前に進んでいく。

 

声を上げれば消滅してしまう程の強い力を受けても尚、耐えて前に進んでいく。

チョウさんの魂もネジ切れ潰され切り刻まれあらゆる痛みから自分の意思すら忘れてしまいそうになる。

 

しかし、そんな中でも彼等の頭には"未来"と言う言葉だけ残っていた。

(ノコッタモノノ.....ミライノタメニ....)

言語能力すら消失していく中、彼等は進み漸く求めていた道を見つける。

そして、自分達の残った魂を使いそこに印を付けると全てのクオークス達の魂が消滅した。

 

(ミ.....ライ.....ヲ.......)

 

 

克己は装置を付けているため彼等の感情を感じることが出来た。

最後にチョウさんの魂が残した言葉「"未来を"」....

続く言葉をいう前に消えてしまったが克己にはその続きが理解できた。

 

「分かってる....お前達も想いも俺は背負っていく。」

想いを受け止めた克己はエターナルエッジを取り出すとメモリを装填する。

 

「ETERNAL MAXIMUMDRIVE」

 

皆の想いが籠ったエネルギーが刃に集まり研ぎ澄まされていく。

克己は皆が残してくれた印を見つめる。

そこに向けて克己は勢い良く刃を振るった。

 

刃から放たれたエネルギーの斬撃は天十郎の生成したフィールドに当たる。

その姿を見た克己が吠えた。

 

「うぉぉぉあああぁ!!届けぇぇぇ!!」

 

その想いが届いたのかフィールドを貫通したエネルギーがタワーを抜けていく。

その斬撃によりタワーに亀裂が入りそこから穴が空き崩落が始まった。

 

克己は崩落する瓦礫を使い器用に昇っていくとタワーの頂上へと進んでいった。

頂上にはエネルギーを供給するサブタワーのアンテナが立っていたが先程の斬撃で亀裂が入りエネルギーが漏れ空を緑色のエネルギーが覆う。

 

克己を追う様に現れた天十郎は怒りの表情をする。

「貴様ぁ....私のタワーに何ということを

だが、それでも無意味だ。

エネルギーが漏れたのなら塞げば良い。

その程度の量ならタワーに蓄積されたエネルギーを使えばどうとでもなる。

お前の行動は無意味だ。」

「無意味か....確かにここで終わりならな。」

 

そう言うと克己はエターナルメモリを抜き手に持つと起動した。

 

「ETERNAL」

 

起動したエターナルメモリを克己はロストドライバーに装填した。

「まさか、変身するつもりか?

無駄死にするだけだぞ?」

「無駄かどうかなんてお前に分かるわけがない。」

「いいや、分かる。

これから先の未来を並行世界で見てきた。

お前の考えなどお見通しだ。

エターナルメモリのマキシマムを使って塔の機能を停止させるつもりなのだろう?

それは失敗する。

塔のエネルギーを使えばエターナルの力を封じ込めるなど雑作もない。」

 

そこまで聞いて克己が天十郎に尋ねる。

「天十郎、お前が見ていた並行世界には無名はいたか?」

「どういう意味だ?

何故、彼の名前がここで出てくる?」

その問いは天十郎が見てきた世界の中には無い選択だったからだ。

 

「無名の中にいるのはこの地球の歴史を書き換えられる程の力を持った悪魔だ。

そいつによってこの世界は何度も繰り返しているらしい。

まぁ、本人が言っているだけで俺達にはその自覚は無いけどな。」

「それが一体何の関わりがある?

仮にそうだとしてこの状況を打破出来るのか?」

 

その返答を聞いた克己は確信して笑う。

「やはり、お前が見ている世界には無名はいないんだな。

なら、お前にこの作戦を読むことは出来ない。」

「何だと?」

 

「無名にはお前の知らない世界(正視)の知識がある。

そんなアイツが立てた作戦だ。

だから、お前に看破することなんて出来ない。

教えてやるよ。

俺の目的はエターナルのマキシマムじゃない。

そんな"柔な事"を考えるわけがないだろう。」

 

「見せてやるよ。

無名が示した新たな可能性を.....変身。」

克己がロストドライバーを展開しエターナルへと変身する。

 

変身の影響で肉体の崩壊が始まっているのか克己の身体から粒子が散り始める。

そんな中、克己はエターナルメモリをドライバーのマキシマムスロットに装填する。

 

「ETERNAL MAXIMUMDRIVE」

 

そうして、克己は上空に漏れたタワーのエネルギーを吸収し始めた。

「エターナルメモリの持つ永遠の力を使い限界以上のエネルギーを吸収する。

そうすれば一時的に大量のメモリの力を手に入れた状態(原作AtoZのエターナル)になることが出来る。」

「まさか、それで私を倒す気か?」

 

「さぁ、どうだろうな?」

克己が不敵に笑う。

それを見る天十郎だが、彼の見れる並行世界の選択肢には今の行動の未来に類似する現実を見ることが出来なかった。

(これを放置するのは不味い。)

 

天十郎は槍に崩壊のエネルギーを集約させる。

「お前は危険だ。

そのドライバー事、消滅させてやる。」

 

天十郎が槍を克己に向けるがそれを止めたのは満身創痍の中、外に飛び出した堂本のメタルシャフトだった。

「克己の邪魔はさせない。」

「死に損ないが....そこをどけ!」

 

天十郎は焦りから克己に槍を当てようとするが堂本がその攻撃をいなしながら止める。

(ならば、手数を増やすだけだ。)

 

天十郎が能力を使い克己の背後に並行世界の自分を呼び出し攻撃を加える。

しかし、その槍の攻撃を堂本は使えなくなった左腕を振るうことで防ぐ。

 

そのせいで堂本の左腕はデータと化し崩壊するが本人は気にせず本体の天十郎に攻撃を加え続ける。

「クソッ!」

「大体、5秒程度か。

お前の召喚能力で持続できる個体の時間は....そのくらいならば俺の身体を盾にすれば十分に間に合う。」

 

そう言い放つ堂本の目は正に自分の事を犠牲にしても目的を遂げようとする死兵の目だった。

それを本能的に知ったからか天十郎の動きに精細さが無くなる。

 

「私の邪魔をするなぁ!!」

振り下ろされた槍に合わせて堂本はメタルシャフトで回し受けをする。

そして、そのまま天十郎の腹にシャフトを突き立てた。

鈍い音と共に天十郎の身体が曲がる。

 

「お前は相手をはめるのは得意だが戦うのは苦手みたいだな。

大方これまで誰かを利用してでしか目的を達してこなかったんだろう。

だから、追い詰められた時に動きが鈍る。」

堂本の指摘の通り、天十郎はこれまで直接的な行動は全て、部下か灯夜を利用していた。

タワーメモリの全能性に溺れ自分で戦いを始めたが堂本の様に傭兵としての戦いや経験、覚悟はない。

 

自分の身体を犠牲にして攻撃を当てるなど天十郎には考えがつかず動揺してメモリの力を上手く使えなくなった天十郎など堂本の敵ではなかった。

 

堂本は克己を見つめる。

(もう少しかかるか。

なら、俺はコイツの足止めをするだけだ。)

「さらばだ克己。」

 

堂本はメタルメモリを抜きドライバーのマキシマムスロットに装填する。

 

「METAL MAXIMUMDRIVE」

残った右腕にメモリの力が集まる。

堂本は天十郎との距離を一気に詰める。

 

「正面から来るとは愚かなっ!」

天十郎は槍を正面に構える。

しかし、堂本はその槍を避けることはせず自ら刺さりに行った。

その結果、堂本の腹部を槍が貫通する。

だが、そのまま堂本は右手で天十郎の首を掴んだ。

 

「これで....逃げられないだろう?」

堂本の腹部はデータ化が進み崩壊し始めていた。

しかし、そんな事は関係ない堂本の目的は天十郎をここから"突き落とす"だけなのだから.....

 

克己が開けた塔の亀裂から堂本と天十郎の二人は落下していく。

天十郎は抜け出そうとするが首を掴んだ堂本の手が緩むことは無い。

 

塔の真下へと落下していく二人の速度は上がっていく。

そして衝突の瞬間、堂本は天十郎から手を離すと拳を握った。

「最後くらいそのいけすかない顔を殴らせて貰おうかっ!」

 

堂本は地面の激突の瞬間、天十郎の顔面を残った右腕で殴り付けた。

メタルのマキシマムも加わった一撃はドーパントになっていると言えど天十郎の顔を歪ませた。

 

その衝撃で飛ばされた堂本は地面に転がると変身解除した。

ドライバーを繋いでいた下半身がデータ化の影響により無くなった為だった。

元の姿に戻ったことでデータ化の速度が上がり堂本は消滅していく。

 

だが、消えていく堂本の顔に後悔はない。

(死人の悪足掻きにしては.....良い最後だったな。)

 

権力者に殺され傭兵になった。

NEVERの皆や無名と出会って....死後の人生の方が充実していた。

そして、最後には世界を守る為に戦い自分を王だと言うアホ(天十郎)をぶん殴れた。

 

......悪くない。

 

 

堂本は満足しながら空を見上げる。

そこには全身から緑色のエネルギーを放つ克己の姿が見える。

 

 

(頑張れよ....克己。

俺達の未来の為に.....)

 

 

 

堂本は笑顔で克己を見つめながら消滅するのだった。

 

 

 

外伝 続編の投稿に関して

  • このまま続きで見たい
  • 新規投稿で見やすくしたい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。