蛮野の宣告を受けて警察は蛮野の潜伏先への突入作戦を行う。
そこに仮面ライダードライブである泊の姿もあった。
ロイミュードの真実を知った泊はこれまで通り、ロイミュードを倒すことを悩む。
彼はどんな決断を下すのか?
※書き直しましたが詩島 剛はまだこの段階では仮面ライダーマッハにはなっていません。
エピソード的には11話の後らへんです。
ドライブもデッドヒートにはなれません。
使えるフォームは"スピード" "ワイルド" "テクニック"のみです。
第二百十四話α 「何故、俺達はこの作戦に参加したのか?」
霧子に引っ張られて作戦会議を行う部屋へと到着した泊の顔は歪む。
何故なら、そこにいたのは泊や彼の所属する特状課を目の敵にしている存在がいたからだ。
「おやぁ....会議開始時刻に来るとはぁ十分前行動も出来ないのは流石は特状課だなぁ。
今時の"小学生"でも出来る行動だぞ?」
嫌みったらしく扇子で自分を扇いでいるこの男は
その光景に嫌気が指しながらも霧子は謝る。
「申し訳ありません。
少しトラブルがありまして....」
「トラブルぅ?そんな言い訳が通じると思っているのかね?
流石は"犯罪者を父に持つ娘"だなぁ。
随分と傲慢に育てられたようだ。」
「「「!?」」」
明らかに霧子を侮辱する言葉に霧子は顔を伏せ泊は怒りで強く拳を握る。
「あの野郎....言わせておけば」
「なっ!?何をする気だ!?」
その言葉を無視して、仁良の元に行き殴りかかろうとするのを特状課の課長である
「仁良課長....全員揃ったのです。
そろそろ、作戦について話すべきではありませんか?」
「おやぁ?特状課風情が私に意見するのか?」
挑発する様な言葉に笑う。
「いえいえ、ただ重要な会議前に人を侮辱するのは良くないことは"幼稚園児"でも知っていると思っただけですよ。」
「!?」
「さぁ、仁良課長始めましょう。」
有無を言わせない本願寺の威圧に仁良は負けると舌打ちしながら言った。
「....ちっ!それではこれより作戦の説明を始める!」
仁良が苛立ちながら戻ると本願寺は泊の肩に手を置く。
「課長」
「泊くん怒る気持ちは分かりますが今は冷静に......
感情的になれば相手の思う壺です。」
そう言われ冷静になった泊が霧子達のいる場所へ戻っていく。
霧子の周りには彼を心配するように同じ特状課の"
「気にしなくて良いわよあんな性悪の男の言葉なんて....」
「家の霧子ちゃんを虐めるなんてあの陰湿な男のパソコンの中身を全部ネットの海に晒してやろうか。」
「止めとけ西城それは流石に犯罪だ。
.....だが、霧子ちゃん。
同じ捜査一課として君には謝罪する。
あれは警察官の本分を逸脱する言葉だ。
申し訳なかった。」
「いえ....良いんです。
父が犯罪者なのは事実ですから.....」
蛮野が自分の正体をバラしたことでその娘である霧子は警察内部でも白い目で見られていた。
それでも彼女が警察官として働いているのは彼女なり理由があった。
「でも、必ず捕まえます。
それが娘だった私に出来るただ一つの事ですから....」
そう言うと霧子達は席に着いた。
すると、仁良が作戦を話し始める。
「我々、捜査一課のたゆまぬ調査の結果、ZAIAが保有していた廃工場から電波ジャックを行った形跡を発見した。
奴等はロイミュードを使い工場内を武装している可能性がある。
よって、特例として警視総監がG3ユニットの使用を許可した。
G3マイルドとG3Xの編成部隊を使い工場内を制圧。
中にいる蛮野天十郎を逮捕する。
一課の面々はG3ユニットの受領と逮捕の準備を行え。
作戦については以上だ。」
そう言って話を終えようとする仁良に泊は質問した。
「あの....俺達、特状課は何をすれば?」
「あ?.....お前達は私達の食べる弁当でも運んでおけば良い。
....いや、寧ろ現場ではなくこの部屋の掃除でもしていろ。」
「なっ!?」
「お前らみたいな落ちこぼれを捜査に参加させたら作戦が失敗する危険があるからなぁ。
ここの地面がピッカピカになるまで磨いてろ。」
そう言って笑う仁良に泊は純粋に苛立つ。
その怒りが分かったのかスーツに隠されたベルトさんが小声で告げる。
「進之介...大丈夫だ。
特状課もちゃんと参加できる。」
「それってどういう....」
すると、部屋にノックが行われ一人の警官が入ってくる。
「失礼致します。
仁良課長....本庁から追加連絡が来ました。」
「そうか、ご苦労。」
そう言って渡された書類を仁良が受け取り中身を見るとみるみる顔が歪み驚く。
「ふわっ!何だとぉ!」
驚きながら後退りすると本願寺を睨み付ける。
「本願寺課長、一体どんなコネを使って....」
「はて?仁良課長何の事か分かりませんね。
それでその書類には何と書かれていたのですか?」
本願寺の問いに歯ぎしりしながらも答えた。
「.....本庁から作戦の責任者として"照井 竜警視"がいらっしゃられる。
本人のたっての"希望"でお前達、特状課は警視のサポートをしながら....本作戦に参加して貰う!!以上だっ!」
この作戦は元々、風都の対ガイアメモリ部隊成立に根を回した企業に対する調査を目的として行われており警視総監が選び出した責任者達が作戦を指揮していた。
照井竜もその一人であり彼が来ると言うことはこの作戦でのトップは仁良ではなく照井に変わる。
つまり、彼の要望を拒否することはいくら作戦を指揮している仁良でも出来ないのだ。
その言葉を受けて本願寺は満面の笑みを浮かべて答える。
「特状課の任務、確かに拝命致しました。」
「!?ぐっ!以上だ!作戦開始まで待機だ!
さっさとここから出ていけ!」
負け犬の遠吠えに相応しい怒りを向けられながらも特状課の面々は部屋から出ていった。
作戦説明が終わり誰もいない部屋の中で仁良は誰かに電話をかけていた。
「あぁ....特状課を作戦から外す作戦は失敗した。
何?仕方がないだろう!俺より上の立場からの要請を断れるわけがない。
!?...分かっているアンタには恩がある裏切ったりはしないよ。
だから、"あの映像"をバラすのだけは止めてくれ。
作戦については失敗させる策がある。
風都から"面白い刑事"を見つけている。
分かるだろう?"ガイアメモリ"を使うんだ。
奴の能力があればG3の部隊は完全に無力化出来る。
その混乱を気にアンタは逃げる。
そして、俺はその責任を被せて逆な反逆者を捕まえた英雄として昇進する。
これでWin-Winだ。
......あぁ、また連絡する。」
そう言って電話を切ると仁良は怒りから携帯を地面に投げ付けた。
「クソッ!何で俺があんな犯罪者に下手に出ないと行けないんだ。」
全ての始まりは仁良が行っていたビジネスからだった。
彼はサラや獅子神を通してミュージアムと取引をしていた。
ガイアメモリの輸出の黙認、それに気付いている警官の密告を行い金を稼いでいた。
ちょっとした罪を隠すだけで大金が手に入る簡単なビジネス。
そうだと思っていたが泊 進之介の父であり仁良の同僚だった
それを知った仁良は焦った。
英介は正義感の塊の様な警察官だ。
同じ刑事からも慕われている奴に自分が犯人だと分かって逃がして貰うことなんて不可能だろう。
自分が犯罪者になる恐怖に耐え兼ねた仁良は恐ろしい犯罪を実行に起こした。
今から五年前、警察から銃を奪い車で逃走する強盗団をパトカーで追っていた仁良と英介。
その際、仁良はわざとパトカーで車に体当たりして事故を起こした。
何とか起き上がった仁良は気絶している強盗団から銃を奪うとその銃で英介を殺害した。
証人が仁良一人だけだったと言うこともあり強盗団が逮捕されたことで事件は解決したかに思えたがそうはならなかった。
ある日、仁良のパソコンに英介を射殺する動画が送られてきたのだ。
その正体が蛮野であり彼はこの映像をこの世界から消す代わりに自分に協力するように言ってきた。
仁良に断る選択肢は無く今日まで蛮野の命令を聞いてきたのだ。
だが、裏切ることは出来ない。
順調に出世してきた仁良にとって英介殺害の映像は自分のキャリアを終わらせる必殺の武器となるのが分かっていたからだ。
だが、今回の作戦を成功させれば解放される。
何故なら仁良は蛮野だけでなくZAIAとも取引を行い、今回の作戦を失敗させたら蛮野の持つ殺害のデータを削除させる契約を取り付けたからだ。
この作戦さえ失敗させれば俺は自由になれる。
だからこそ、成功は許されない。
その為に仁良は風都にいた獅子神の元部下をスカウトした。
獅子神が倒れた後に捜査線上から身を隠したかったと聞いた仁良は彼を抜擢し自分の下に置いたのだ。
その理由は一つ。
彼の持つメモリが人間に対して絶大な威力を発揮するからだ。
奴が私の言う通り働けば上手く行く。
そう仁良は確信していた。
早く作戦が始まるのを彼は固唾を飲んで待っていた。
作戦室から追い出された特状課の面々は与えられた一室を綺麗にしていると扉をノックされる音が聞こえる。
そして、中に入ってきたのは赤いライダースーツと鋭い眼光をした照井 竜だった。
その威圧から追田と西城、霧子には緊張が走り、りんなは照井がイケメンだったことで目をハートにしていた。
本願寺と泊だけが照井を見て笑っていた。
本願寺の前まで来ると話し始める。
「お久し振りですね本願寺さん。
短い間ですがお世話になります。」
「こちらこそ、久し振りですね照井警視、元気そうで何よりです。
こちらこそ宜しくお願いします。」
挨拶を終えると照井に泊が話し掛ける。
「お久し振りです照井課長....あっ!いや照井警視。」
言い直した泊を見て照井は笑う。
「ふっ....ここは風都じゃない。
階級で呼ぶのが正しい。
今後気を付けろ....久し振りだな。
少し顔つきが変わったか?」
「えっ、そうですか?」
「戦う男の顔をしている。
刑事らしくて良い顔だ。」
「ありがとうございます。
また、一緒に仕事が出来て嬉しいです。」
そんな話をしていると追田が泊に尋ねる。
「おい、進之介。
照井警視とはどういう関係なんだ?」
「あぁ、実は俺、実地研修で風都に勤務していた時があってその時の上司が照井警視だったんです。」
「成る程....そう言う訳か。」
そんな話をしていると西城がネットで調べた知識を披露する。
「照井竜 警視、風都の超常犯罪課の課長。
主にガイアメモリ犯罪を中心に捜査を行っており検挙率は.....常に90%を切らない!?
しかも、風都署長の不正を暴いてからは副署長代理として風都署で勤務しているぅ!
めっちゃくちゃエリートじゃないかっ!」
そう独り言の様に話していると照井が言った。
「お前が西城 究か。
この短期間でそこまで調べあげるとは優秀だな。
流石は特状課のサイバー担当だ。」
「ぼっ....僕の名前を何で!?」
「本願寺課長から色々と聞いている。
貴女が沢神 りんなさんですね。
優秀な電子物理学者でありロイミュードにも精通している。」
「えっ!私の事も知っていてくれてるだなんて.....これはモテ期到来!?
あっ....あのぉ、照井警視は現在お付き合いされている方は?」
りんながそう尋ねると照井は少し悩んで答えた。
「付き合っている....と言える人はまだいません。」
(よっしゃあ!優良物件見つけたぁ!!)
「でも、風都に戻ったら告白するつもりの人はいます。」
(ガァァァン!終わったぁ!私の恋が秒殺でぇぇぇ!!)
あまりのショックで追田に向かって気絶したりんなを追田は優しく抱き締めた。
そして、霧子に照井は目を向ける。
「詩島 霧子巡査。
君の優秀さも本願寺課長から聞いている。
お父様の事についても....」
「照井警視....私は!」
「だが、ここでハッキリ言っておく。
私は君の父親が犯罪者だろうとどうでも良い。
それが君の全てを決定づける訳じゃない。
大切なのは君自身がどういう道を歩むかだ。
"罪を憎んで人を憎まず"......風当たりが強いのは分かっているが私は今の君を見てどんな存在なのか判断するつもりだ。」
「.......」
「だから、示してみろ。
自分が何者なのか。
それを見て私は君が刑事か判断する。
以上だ。」
強い言葉ではあるが自分を励ましてくれる照井に霧子は敬礼をすると部屋を出ていった。
その後を本願寺を残してついていくのだった。
照井と本願寺だけになった部屋で本願寺が照井を見て笑った。
「君も随分と変わりましたね"照井くん"。」
「貴方にもそう見えましたか"本願寺教官"。」
本願寺は過去に警察学校の教官を勤めておりその時に照井は生徒として学んでいた。
故に二人っきりになると昔の様に話し始める。
「えぇ、優しい目が出来る様になりました。
ご家族を失ってから貴方は復讐に取り憑かれた目をしていて心配だったのですが風都で良い出会いをしたみたいですね。」
「はい、良き仲間と大切な人を見つけました。」
「そうですか。
それはとても良いことです。
私は今の貴方を応援していますよ。」
「ありがとうございます。
......話しは変わりますが最近、そちらに現れている"謎の仮面ライダー"」
「仮面ライダードライブですね。
はい、"彼"には助けて貰っています。」
「泊がその仮面ライダーですね?」
照井の推理に本願寺は感心する。
「その推理の理由を聞いても?」
「一つ目は貴方の発言です。
貴方は仮面ライダーを"彼"と言った。
それは変身しているのが誰か知っているからだ。
二つ目は泊の目です。
風都にいた頃と違って強く責任を背負っている。
あの年であの目が出来るのは何か大きな力と責任を手に入れてしまったから....そう考えました。」
「素晴らしい推理です照井くん。
正解です。
泊くんは仮面ライダードライブとしてロイミュードと戦っています。
これを知っているのはりんなさんと霧子さんだけです。」
「やはり、そうでしたか。
泊が仮面ライダーになったんですね。」
「....やはり、心配ですか?
後輩が自分と同じく仮面ライダーになるのは」
本願寺は照井がアクセルだと知る数少ない人物の一人である。
照井はそう言われ白くなったアクセルメモリを取り出す。
「風都では仮面ライダーは市民がつけてくれた街を守る象徴なんです。
つまり、そうなってしまう程の力と責任がのし掛かる。
本音を言ってしまうと少し心配です。
泊がその重圧に耐えられるか。」
「ならば、貴方が彼に見せてあげてください先輩の背中を.....そうやって若手は学んでいくものです。」
「俺の背中.....ですか。」
「貴方は昔と違う。
もう"復讐"だけじゃない。
"刑事"として"仮面ライダー"としての大事な信念がある筈です。
それを後輩である彼に見せてあげてください。」
「随分と難しい注文ですね。
俺がそう言うのが苦手なのは教官が良く知っているでしょう。」
「はは!教官だから言うんです。
教えることは自分の成長に繋がりますから.....」
「.....努力してみます。」
照井の返答を聞いて本願寺は警察学校時代と同じ様に優しく生徒を見つめて笑うのだった。
二人の刑事が成長することを願いながら......
こうして、準備が整った面々は遂に突入作戦を開始する。
待っているのは地獄かそれとも.......
その答えを知る者は誰もいない。
原作との相違点
・泊 英介は12年前ではなく5年前に亡くなっている。
(丁度、進之介が警察学校を卒業した辺りで亡くなっている為、それが進之介のトラウマになっている。)
・早めの内に蛮野が正体を現した為、霧子の警察内での肩身は狭い。
・クリムは警察とG3の開発を協力している為、原作よりも密に連携が取れる。
・クリムと本願寺だけが照井が仮面ライダーアクセルだと知っている。
外伝 続編の投稿に関して
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