もう一人の悪魔   作:多趣味の男

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「はぁはぁはぁ......」

メディックは崩壊していく建物に目を向けた。
自由になった蛮野がロイミュードを洗脳し起こしたグローバルフリーズ。

ハートとブレン、そして私は仲間を助け蛮野の野望を挫く為、この戦いに参戦していた。
周りには死屍累々の光景が広がり人間、ロイミュード問わず皆、傷付き倒れていた。

「何て非道な....」

私は自分の持てる力をフルに使い傷付いた人やロイミュードを助けていく。
傷を治す度に治した者の感情が流れてくる。

それは怨嗟にも似た慟哭でありその暗い感情が私のコアに影響を与えていく。

「うっ!.....まだですわ。
まだ傷付き倒れている者は大勢いる。
こんなところで倒れてはいられない!」

無名の元にいたお陰で私は人間の醜い部分も美しい部分も知っていた。
そして、それはロイミュードも同じ.....

傷つけられれば怒るのは当たり前だ。
恨むのも当然だろう....だがそれだけが人間の本質ではない。

人の中には誰かを慈しみ守ろうとする者もいる。
私が助けた者の中にはそんな人物もいた。

感謝や幸福の感情が流れ込み精神が安定していく。

これでまだ救える....そう思った矢先にあの男が現れた。
『ほぅ....誰が治療をして入るのか見に来てみれば貴様だったかメディック。』
「蛮野....」

『丁度良いお前の能力は貴重だ。
ここで手に入れておこう。』
「貴方の好きにはさせません!
私は回復だけが取り柄のロイミュードでは無いのですから」

『確かにな。
お前は回復以外にも戦闘もこなせる優秀なロイミュードだ。
それにこれだけの人間を治して悪意に心が染まらない所を見ると面白い進化を遂げているようだ。
そんなお前を倒すのは一筋縄では行かないだろう。
だが、お前は無理でも周りのゴミ(人間)ならどうだ?』

蛮野が指示を出すと洗脳されたロイミュードが私の周りにいる治療中の人間に向けて攻撃を仕掛けてきた。

私は自分の身体を盾にして守る。
「きゃっ!.....傷付いた人間を狙うなんて...何処まで下品た考えを持っているの!」
『良いことを教えてやろうメディック。
人は大義の為なら小さな問題を切り捨てられる合理的な思考を持っている。
私がこれから行う偉業に比べれば周りに倒れているゴミなど無価値で意味なんて無いのさ!』

自分以外の人間に価値がないと言い切る蛮野にメディックは言い様の無い忌避感を覚える。

「貴方は...本当に人間だったのですか?
ここにいるのは貴方と同じ人間なのですよ?
それを簡単に消そうと考えられるなんて....理解できない。」
『当然だ。
私は他の人間とは違う叡智を手にし選ばれた存在なのだからな。
さぁ、お前達、倒れているゴミを始末しろ!あぁ、メディックコイツらを守りたいのなら好きなだけ庇うと良い。』

そうして私は蛮野の策に屈して敗れてしまった。
動けなくなった身体を蛮野に改造され私は蛮野の為に動く人形となった。

思考と身体の操作が出来ずただ凄惨な記憶だけか残る。
私は蛮野に命令されるがまま非道な作戦に手を貸し続けた。

(もうこんなことをしたくない誰か私を殺して....)

そう願いながら生きていたら私の前にハート様と仮面ライダーが現れた。
わたしはやっと蛮野から解放されて死ねるんだ。

そして、仮面ライダーが私のコアに攻撃をした瞬間、私は感謝しながら目を閉じた。
これで地獄が終わると信じて......


第二百二十話α「何故、彼女は操られたのか?」

「メ....ック!」

 

薄れていた意識の中で聞き覚えのある声が聞こえ彼女は目を覚ました。

「こ....こは?」

メディック!良かった意識を取り戻したんだな。」

目を覚ましたメディックはハートに抱き抱えられ横には銃を持った"緑色の仮面ライダー"がいた。

 

「ハー...ト様?」

「無理に喋らなくて良い今は自分のコアの回復に集中しろ。」

そう話していると仮面ライダーがベルトに尋ねる。

「ベルトさん....メディックは」

『安心したまえ進之介。

コアに付けられたチップだけ正確に撃ち抜いているから後遺症もない筈だ。

暫くは回復が必要だがまた動けるようになるだろう。

君の腕はパーフェクトだ!』

 

「そっか...あぁ良かったぁ!

上手く行くか内心ドキドキしてんだよ。」

進之介と呼ばれた仮面ライダーは緊張した顔を緩ませる。

そんな彼を見てハートは言った。

「泊 進之介....お前には本当に感謝している。

お前のお陰で俺は大事な仲間を失わずに済んだ。

本当にありがとう。」

「気にすんなよハート。

俺も同じ立場なら助けてる....でも本当に無事で良かった。」

 

そう話しているとメディックが起き上がる。

「おい、メディックまだ動いては....」

「申し訳ありませんハート様。

私はグローバルフリーズの時に蛮野の罠にはまり操られてしまいました。」

 

「それなら分かっている。

お前には無茶を...」

「いいえ、私は蛮野の命ずるままハート様が大事にしているロイミュードのコアを"改造"して感情を奪い去ってしまったのです。

それだけではなく蛮野に"人間と融合出来るバイラルコア"の開発を命じられ私はそれを完成させてしまいました。

洗脳されていたとは言え私のやった罪は到底、清算できるものではありません。

ですから、この命をもってせめてもの償いを...」

 

そう言ってメディックは持っていたナイフを胸のコアに刺そうと振るった。

 

「止めろ!メディック!」

止めようとするハートだったが先にメディックの手を止めたのは泊の手だった。

 

「君が罪の意識を持っているのは良く分かった。

でもだからこそ、ここで君を死なせる訳にはいかない。」

「離してください!.....私は....到底抗えない罪を..」

 

「抗えない罪だと分かっているなら尚更生きるべきだ!

償うってのは死ぬことじゃない!

"自分の罪を数えて生きて罪を償っていくことを言うんだ!"

......それにもしここで君が死んだらハートとブレンはどうなる?

君を助ける為に二人は命懸けでここまで来たんだぞ!」

泊はメディックからナイフを取り上げると地面に投げ捨てた。

 

泊の言葉を受けてメディックは涙を浮かべる。

 

「では....私は...」

「罪の重さに耐えられなくて辛いなら仲間と一緒に背負って貰えよ。

少なくともハートやブレンはその覚悟を持ってお前を助けたと思うぜ?」

 

落ち着いてきたメディックにハートが言葉を掛ける。

「メディック、君が気に止む気持ちは痛い程分かる。

君の能力は仲間を癒し助けるものだ。

そんな力を利用され沢山の者を傷付けたんだ。

身を引き裂く程に辛いだろう。

でも、だからこそ、私達がいる。

ブレンも私も君がどんな罪を負ったとしても共に背負う覚悟でここに来ている。

だから....死のうとするなんて止めてくれ。

これ以上、大事な友達を失いたくない。」

「...ハート様、ごめんなさい...ごめんなさい。」

 

泣いて謝るメディックをハートが優しく抱き締める。

その光景を嘲笑しながら金色の怪物が現れた。

 

 

 

『三文芝居にしては感動的なエンディングだなぁハート。』

その声を聞いたハートと進之介の顔に怒りが浮かぶ。

「暫く会わない間に随分と見た目が変わったようだな蛮野。」

 

『当たり前だ。

この機体こそ私が真に完成を目指したゴルドロイミュードの完成形なのだからな。

どうだクリム?

素晴らしいフォルムをしてると思わんかね?』

『私の作り上げたドライブに似せているのは私への対抗心故か?

だが、私のドライブの方がスマートだぞ。』

 

『ふっふっふ、大事なのは中身だろうクリムっ!』

そう言うと蛮野はタイプスピード顔負けの高速移動でドライブの目の前まで来ると強烈な前蹴りを加えた。

「ぐあっ!」

『進之介!!....何て威力の蹴りだ!

タイプスピードでもこれ程のパワーは出ないぞ。』

 

『誰がタイプスピードを真似たと言った?

確かに見た目はドライブに近いが性能は段違いに高いぞ?』

「蛮野ぉぉぉぉぉ!!」

 

ハートが叫びながら蛮野に殴り掛かる。

『始めからデッドゾーンを使っているところ悪いがもうその攻撃は効かんぞ?』

蛮野はデッドゾーンにより強化されたハートの拳を軽々しく止めた。

「なっ!?」

『お返しだ。』

蛮野は握り込んだ腕をハートの腹部へ放つ。

 

鈍い音と共に与えられた破壊エネルギーは一撃でハートの膝を付かせデッドゾーンを強制解除させた。

『お前のデッドゾーンはゴルドロイミュードを通じて完全に学習させて貰った。

もうお前だけの専売特許ではない....そしてドライブ!

お前の能力も同じだ。

スピード、ワイルド、テクニックだったか?

使用者の負担なんぞ考えるから分ける必要があるのだ。

その点このロイミュードにはそんな心配はない。

G4システムにより常に最適な動きが可能であり壊れたら同種からパーツをもぎ取れば良い。

このゴルドロイミュードこそが世界を接見する最高の軍事兵器だ。』

 

『兵器だと!?

お前はロイミュードを兵器運用するつもりなのか!』

『勿論、世界を支配するにしても力が必要だ。

これがあれば簡単にその願いが叶う。

私を利用しようとした無名やZAIAもゴルドロイミュードの前に敗れるのだ。

あっはっはっは!!』

 

「んなことさせるかよ!」

立ち上がった進之介はシフトスピードに再変身すると"ミッドナイトシャドー"を手に取りブレスに装填する。

 

『タイヤコウカーン』

 

MIDNIGHT(ミッドナイト)SHADOW(シャドウ)

 

そしてもう一度、イグニッションキーを回してシフトブレスを動かす。

これによりシフトアップした進之介はミッドナイトシャドーの能力により三体へと分身すると高速移動しながら生成したエネルギー手裏剣を蛮野に投げ付けた。

 

蛮野は放たれた手裏剣をデッドゾーンの力で吹き飛ばしながらドライブを観察する。

『本体は貴様だな?』

蛮野は一番離れているドライブに近付くと予めコピーしておいたハンドル剣を地面に倒れているゴルドロイミュードの破片から再構成すると心臓に向けて振るった。

 

「させるかぁ!」

それに気付いたハートがドライブへ向かう刃を握って止める。

『邪魔をするな。

潔く終わりを受け入れろハートっ!』

 

蛮野は力任せに握っていたハートの腕ごとハンドル剣で切断した。

「ぐぁ!」

「ハート!」

『油断している場合か仮面ライダードライブ?』

 

蛮野はデッドゾーンを発動させると今度は右腕を強烈な炎が覆った。

その腕で進之介の命を奪う強さで胸を撃ち抜く。

『させるか蛮野!』

 

咄嗟にベルトさんがミッドナイドシャドーのタイヤを射出しその拳に当てたことで進之介は吹き飛ぶだけで済んだ。

 

ミッドナイドシャドーのタイヤが破壊されるとシフトカーと吹き飛んでしまい代わりにシフトスピードがブレスに装填されタイヤがドライブに収まった。

『今の炎はマックスフレアだな?

もはやシフトカーの力すらコピー出来るとは』

『それだけではない。

この素体の強度ならばデッドゾーンを使いながらお前の作り出したドライブのシフトカーの力も使えるぞ!

さぁ、もっとシフトカーの力を使え!

全て私の物にしてやる。』

 

(ロイミュードやドライブの力をコピーし再現できる能力にG4システムの肉体の負荷を考えない戦闘スタイル。

まさか、ここまで噛み合ってしまうとは.....

どうする?

現状のシフトカーでは蛮野のゴルドロイミュードへの対抗手段は無い。

せめて、"シフトデッドヒート"が完成していれば.....)

 

原作ではハートのデッドゾーンを経験し得たデータからデッドヒートシフトカーを完成させていたがこの世界線では完成させる程のデータは集まっていなかったのだ。

 

(今もっとも有効な策はこれ以上、シフトカーの情報を与える前に撤退すること....だが、そんな事をすれば蛮野がどんな行動を取るかは目に見えている。)

 

そんな考えをしていると進之介がベルトさんに尋ねる。

「ベルトさん、正直に答えてくれ。

蛮野を倒せる策はあるか?」

『.....現状、蛮野を止める手だけはない。

すまない進之介。』

 

「そっか.....良し!

なら、俺達が"時間を稼ぐ"しかないな。」

『!?』

「今、作戦が思い付かないなら戦って時間を稼ぐしかねぇ。

どっちにしても蛮野をこのまま放置するわけにはいかないしな。」

 

『無茶だ!今のドライブでは蛮野に勝つ手段は無いのだぞ!?』

「かもな....でも刑事である俺が諦めたら一体誰が市民を守るんだ?

俺は仮面ライダーの前に一人の刑事だ。

それにハートも諦める気は無いらしいぞ。」

 

進之介が顔を向けるとそこには切断された腕をメディックの再生能力で回復させているハートの姿があった。

「すまないメディック、無茶をさせた。」

「いいえ、ハート様。

これぐらい何ともありませんわ。

貴方が諦めないのなら私やブレンも諦めません。」

 

「そうだな。

ブレンも目的は達したと連絡してくれたからな。

俺も頑張らないとなぁ!」

立ち上がったハートはもう一度、デッドゾーンを発動する。

『無茶をするなハート!?

デッドゾーンは君のコアに多大な負荷をかけるのだぞ。』

 

「構わん!

今は蛮野を倒す為にも力がいる。

その為ならこの力何度でも使って見せる!」

そう言うハートの表情は明るい。

これまでの戦いはメディックを助ける為、我慢した戦いだった。

だが、今は蛮野を倒す闘争の戦いだ。

 

ハートは自分のコアを進化させた感情が闘争の中にあると知っていた。

故にハートは滾る。

目の前の敵を屠る為.......自らの命を燃やして

 

そして、そんなハートの隣に進之介が立つ。

「燃えてる所、悪いが加減はしろよハート。

それで燃え尽きちまったら本末転倒だ。」

「安心しろ泊 進之介。

蛮野を倒したら次はお前だ。

その為にも死ぬつもりはない。」

 

「....やっぱりかハート。

お前、俺とそんなに戦いたいんだな。」

ドライブはハートとは何度か戦闘を行ってきた。

拳を交えたことで両者とも気付いたのだ。

 

自分達が好敵手と言える間柄なのだと....

だからこそ、進之介はハートを信じられた。

(コイツは俺との決着をつけるまでは意地でも死なない。

だから俺も....)

そんな二人を見ていたベルトさんが告げる。

 

『作戦とは言えないが....一つ気になることがある。

ゴルドロイミュードの耐久性に関してだ。

幾ら蛮野が使っているゴルドロイミュードがハイエンドモデルだとしてもデッドゾーンとシフトカーの能力併用はそれ相応のリスクがある筈だ。』

「成る程....つまり限界があると?」

『限界の無い物は存在しない。

どんなに固い物質でも壊れない物が無いのと同じ様に耐久限界が必ずある筈だ。

問題は何れだけ耐えられるのか分からない事とそれを検証するまでハートと進之介が戦いに耐えられる保証が無い事だ。』

 

「ハートは分からないが俺はまだまだ行けるぜベルトさん。」

『進之介....忘れているかもしれないが今の君は重症だった身体を霧子と私がマッドドクターを使い無理矢理回復させたのだ。

今はアドレナリンで疲労を感じないでいるが確実にダメージが残っている。

何時、エンストしてもおかしくないんだ。』

 

「そうか、なら尚更、止まってられないな。

ベルトさん現状で最も高い攻撃力を持つのはどの組合わせだ?」

『シフトワイルドとランブルダンプの近接戦が現段階で最もダメージを与えられる。

だが、今の蛮野に近付くのは危険だぞ。』

 

「覚悟の上さ。

さぁ、行こうぜベルト。」

『.....分かった進之介。

その間に私が蛮野を倒す方法を考えてみよう。』

 

進之介はシフトワイルドをブレスに装填した。

 

DRIVE type WILD(ドライブ タイプ ワイルド)

 

タイプワイルドへ変身が完了するとランブルダンプのシフトカーを手に取りブレスへと装填した。

 

『タイヤコウカーン』

 

RAMBLE(ランブル)DUMP(ダンプ)

 

進之介の肩にランブルダンプのタイヤが装着されるとタイヤについていたドリルが外れて進之介の右腕に取り付けられた。

 

タイミングは同時だった。

ハートと進之介は蛮野に向かっていく。

ハートのデッドゾーンで強化された徒手空拳。

そしてタイプワイルドのパワーを乗せたドリル攻撃。

 

二人はまるで長年の相棒の様に蛮野の身体にダメージを与えていった。

しかし、そのダメージよりも蛮野の反撃の方がダメージが大きく。

段々と二人は追い詰められていく。

 

そして、蛮野のゴルドロイミュードに搭載された学習能力がハートとタイプワイルドの戦闘パターンを分析し対抗プログラムを組み終わると二人の攻撃は蛮野に当たることは無くなった。

 

『愚かな事を.....そんな無駄な行為を続けても結果は変わらないと言うのに』

蛮野は二人を嘲笑う。

ダメージによってボロボロになったハートと進之介はそれでも何とか立ち上がる。

「まだ....まだ....だ!」

「あぁ、俺達は....折れちゃ...いねぇ!」

気合いで立ち上がってはいるが二人ともダメージをちゃんと理解していた。

(デッドゾーンが通用しないとはな。

色々と殴ったがダメージがあった感触が無い....不味いな。)

(身体がふらついてきた....マッドドクターの副作用が出たってことか。

いよいよヤバイな。

ベルトさんが作戦を考えられる時間を稼げたか?)

 

進之介がベルトを覗くとベルトに映し出された表情に変化があった。

蛮野に聞こえないようにベルトさんが言った。

『進之介、蛮野の腹部を見るんだ。

他の装甲には二人の攻撃で小さい傷が付いているにも関わらず腹部だけは傷が全く無い。

彼処だけ使われている装甲が違うんだ。

恐らくそこが弱点になり得るから蛮野も対策をしているのだろう。』

「分かった。

だけどハートと二人がかりでも傷が付かない固い装甲をどう突破すれば....」

 

『それなら一つだけ可能性がある。

ドライブのフルスロットルとハートのデッドゾーンの最高出力のエネルギーをその場所に同時に打ち込むんだ。

そうすればあの装甲の耐久力を上回る威力になる筈だ。』

「良し分かったベルトさん。」

 

『ハートには私から連絡した。

私の作戦に乗ってくれるそうだ。

後は進之介のタイミングに合わせる。』

 

何か企んでいるのが分かった蛮野は二人を笑う。

『これだけ痛めつけられてもまだ勝てると考えているとは愚かを通り越して一層、憐れだな。』

その挑発に進之介がわざと乗る。

「言ってくれるじゃねぇか。

ロイミュードに寄生しなきゃ俺達に手も出せないのにな。」

 

『あっはっは!負け犬の遠吠えとは正にこの事だな。』

「俺達が負け犬ならお前は恥知らずって所か蛮野。」

 

進之介の言葉に蛮野の空気が変わる。

『....何?』

「お前はゴルドロイミュードを自分の最高の発明と言ってはいるがその殆どが借り物の力じゃねぇか。

G4システムもロイミュードの稼働に使っているコア・ドライビアもな。

何一つお前自身の功績じゃねぇのに良く恥ずかしげもなく威張れたもんだな?」

その言葉に蛮野の表情が歪む。

 

『黙れ!

何の才能もない愚民が私を批判するだと!?

そんな事が許される訳が無いだろう!』

「なら、借り物じゃなく自分の力で攻撃してみろよ!

それともそんな事すら出来ないか?」

 

進之介は自分の胸を指差して告げる。

あからさまな挑発に蛮野は反応すると力を解放する。

デッドゾーンとマックスフレア、そして先程コピーし終わったシフトワイルドのパワーを上乗せした拳を握ると進之介の胸に向かって振るった。

 

『死ねぇぇぇ泊 進之介ぇぇ!!』

怒りのままに振るわれた拳を進之介はタイヤのついた肩で受けた。

「うぐっ!」

『そんな防御で私の拳を止められるかっ!

タイヤごと貫いてくれる!』

 

蛮野は力任せのまま拳を前に付き出した。

それを進之介は待っていたのだ。

進之介はタイヤを中心に身体を半回転させた。

拳に全体重が乗っていた蛮野は前へ身体が流され拳が離れてしまう。

「今だっ!」

『ヒッサーツ』

 

進之介は素早く必殺の状態に移行するとエネルギーが纏われたドリルを蛮野の腹部に押し付けた。

フルスロットルにより強化された回転が蛮野の装甲を削ろうと火花を上げるがダメージはない。

『効かないと言っただろう?』

「あぁ、"このまんまじゃな"。」

 

進之介がそう言うと背後に"拳を握り込んだハート"がいた。

『なっ!?』

「俺を忘れて貰っては困るなぁ!!」

そう言うとハートは進之介のドリルに向かって拳を叩き込んだ。

すると、腹部の装甲に亀裂が入りドリルの先端が蛮野の腹部を穿った。

 

『うぐぁ!!.....なっ....舐めるなぁ!』

蛮野はもう一度、拳を握り進之介の心臓に振り下ろした。

近いので今度は避けることも出来ない。

それでも進之介は言う。

「ハート、もう一発だ!

次打ち込めば腹が貫通する!」

 

ハートはもう一度、拳を振るった。

蛮野の拳とハートの拳が同時に振るわれる。

二つの攻撃は強く凄まじい音と共に中心で衝撃波を放つと三人は飛ばされてしまうのだった。

外伝 続編の投稿に関して

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