西の研究所で研究していた研究員の一人は意気揚々としていた。
これまでクオークスの出来損ないでしか実験を出来なかったが今回は死体...しかもプロスペクトから好きにして良いと言うお墨付きも得ている。
研究員はその女を吊るしてある部屋へと入った。
グッタリと疲れた表情をしているが恐らく、酵素が無くなってきたからだろう。
「おやおや?さっきまでの威勢はどうした?」
そう言いながら身体を指で撫でる。
身体が冷たいその感触が彼女が死体であると教えてくれている。
喋る気力は無さそうだが睨むだけの力は残っているようで私を睨み付ける。
(あぁ、これだよこれ。
反抗心のある実験体を痛め付ける時程、楽しいことはない。)
そう考えて興奮しながら睨む彼女を見続けるのだった。
西の研究所にはロイド、シオンを含めたクオークス部隊が研究所を囲むように配置されていた。
普通ならばここを突破することは難しいだろう。
だが、ここにいるのはガイアメモリユーザーとNEVERだ。
正面から堂々と獅子神、京水、堂本が現れるとクオークスと対峙し始める。
正面でそんな戦いが起これば背後が疎かになるものだ。
研究所の背後にある緊急用のドアの警備が少なくなるのを待つと芦原が見張りをしていた者をムエタイの技で地面に沈めた。
「わぁ、スゴいわね貴方。」
サラがその芦原の手腕を誉める。
「見張りは制圧しました。
獅子神様が戦っているお陰で敵は我々の事は気付いていないでしょう。」
「潜入するなら今です。」
その芦原の意見をサラは採用する。
芦原の元SWATとしての知識を活かして内部に侵入していく。
音を出さない様に見張りの者や研究員を格闘で倒していく。
そうして進んでいくと何かが"感電"しているような音が聞こえた。
芦原がそこに向かうとレイカが研究員から拷問を受けていた。
芦原は研究員の持つ帯電バトンを腕ごと止めると組伏せながら腕を折った。
バギッ!「あがぁぁぁぁ!」
小気味良い音と共に腕が曲がってはいけない方向へ曲がる。
グッタリとしているレイカを見る限り、酵素が切れそうなのが分かる。
「サラ様、酵素を!」
芦原の言葉にサラは笑顔で酵素の入ったインジェクターをレイカに注入する。
ギリギリだったのだろう。
打たれて暫く経つと目を覚ます。
「あ....たし..は?」
「おはようレイカちゃん。
ギリギリだったけど間に合って良かった。」
「私はサラ、無名くんの仲間....貴女を助けに来たのよ。」
自分よりも幼い少女が助けに来たと言うことに違和感があるが、それよりも分からないことがあった。
「無名って....誰よ?
克己の仲間?」
「あれ?もしかして知らないの?」
サラの問いに芦原が答える。
「彼女は新入りでまだ無名様とは会ったことが無いんです。」
「あー、そうだったのね納得。
......さてと」
そう言うと芦原に指示を出して研究者を解放する。
折られた腕を押さえながら呻いている彼にサラは尋ねる。
「ここには何の設備があるのかしら?」
「おっ...お前ら一体何者だ?
こんなことをして只で済むと...」
「"もう1度だけ"聞くわね。
ここは何の設備があるの?」
これのトーンが1つ落ちた声で尋ねるが当の研究者はそんな事お構い無しだった。
「貴様らっ!私はドクタープロスペクトお気に入りなんだぞ!
こんなことが許されると...」
「はぁ...もう良いわ。」
サラはドライバーを腰に付けるとメモリを起動する。
「Gorgon」
メモリを挿入するとゴーゴンドーパントへ変身する。
サラの瞳が怪しく光ると研究者の腕が"石化"してしまう。
「うわぁぁぁ!」
自分の腕が石になり恐怖の顔に染まる。
「まだまだ、怖いのはこれからよ。」
そう言うとサラが石化した腕を思いっきり握り潰した。
「あがぁぁぁあ!」
研究者はあまりの痛みから身体が痙攣する。
「私のメモリは視界に入った相手を石化させる能力があるの。
しかも、ただ石になる訳じゃない。
身体の性質を残したまま、石に変える。
触覚や痛覚を残したままね。」
「ねぇ、"腕がバラバラに砕ける痛み"はどう?」
サラから種明かしを受けて研究者は顔をしかめる。
彼女の言っていることが本当ならそんな痛みにこれ以上、耐えられないと思ったからだ。
「なっ....何が知りたいんだ?」
「ここにある設備は貴方達の造り出した
「そっ....そうだ。
クオークスを作るのに使った、超常能力を増幅する細胞を処置するのに使う機材と薬剤がこの研究所には置かれている。」
「じゃあ、財団Xの人はここに来る?」
「だっ...誰の事だ?」
「知らないなら良いわ。
じゃあ、最後の質問。」
「この西の研究所に"貴方より"優秀な研究者はいる?」
「そ...."そんな者"はいない。
私はここの研究所を任されている。
ここの装置や実験についても私が一番知っている。」
「何だ良かった!」
サラの笑顔を見て研究者は自分が助かるのだと悟った。
(恐らく、このクオークスの知識を得るためにコイツらは襲ってきたんだ。
なら、その研究を一番している私は生き残れる。
やはり、私は優秀な....)
「それなら、"皆殺し"にしても問題ないわね。」
「....え?」
「私の仲間にはね
彼より優秀なら生かしても良いかと思ったけどその程度の人材なら要らないわ。」
「わっ...私は誰よりも優秀で....」
「NEVERという新たな知識の検体を得ながら、
自分の欲求のために傷つけるしか能が無い。
そんな"使えない屑"はミュージアムには要らない。」
すると、研究者の額から真っ直ぐ線を引いた。
「線を引いた部分を石化させたわ。
これから真っ二つに裂いて貴方を殺すけど、
多分、死ぬ程痛いから頑張ってね!」
「やっ、止め....あがぁぁぁぁ!」
そうしてサラにより真っ二つに引き裂かれて研究者は地獄を味わいながら死を迎えるのだった。
レイカを助け出した芦原とサラは研究所を出て外に向かった。
外は地獄絵図と言う言葉が相応しい惨状だった。
人が潰されトマトのように赤い塊となっており、
ロイドだった存在は身体が炭化しもう生きてはいなかった。
横ではシオンが絶望した顔でその光景を見ている。
「何故....我々....クオークスは最強な筈...」
しかし、現実は怪物によりクオークスは蹂躙され凄惨な光景を広げているだけだった。
背後には蛇を頭に着けた怪物もいる。
シオンは少しでも生き残る可能性を増やすため戦いを見た獅子神よりもサラに攻撃を加え逃亡するため向かっていった。
シオンの"サイコキネシス"がサラに当たるがダメージなど与えられる訳もない。
サラの瞳が光り、シオンの両足が石化する。
足が動かなくなり地面に倒れたシオンの足を砕く。
「あぁぁぁ、痛い!痛い!」
大粒の涙を流しながら足を抑える。
「攻撃してくるのが悪いのに何を考えているのかしら貴女は?」
「たっ...助けて、助けてください!」
全身で懇願する命乞いにサラは答える。
「死にたくない?」
「はい、死にたくないです。」
「"私もそうだよ"。」
「え?」
「私も死にたくない、苦しみたくない。
だから、絶対に決めたルールがあるの。
"敵対した相手には容赦はしないし、慈悲もかけない"って
貴女は私を攻撃したその段階でもう殺すことは確定してるのよ。」
「いっ、嫌」
ドスン!サラの足が石化したシオンの頭を砕いた。
それを合図に戦いが終わった。
芦原とレイカは他のメンバーと合流し交流を深めていた。
その光景を見ていたサラが獅子神に言う。
「中々、良い光景だね!
こんなに仲良い光景が見れるなら頑張った甲斐があったよ。」
「下らん。
大事なのは結果だ。
西の研究所は制圧できた...後はプロスペクトを始末するだけだ。」
「そうだね。
東の研究所にいるのかな?
だとしたら無名くんに先を越されるかもね。」
「そんな事は分かっている!
おい、お前ら!早く東の研究所に行くぞ!」
そう言って獅子神が先陣をきって東の研究所へ向かった。
それにNEVERのメンバーとサラはついていく。
(さてと、ここからどんなことをしてくれるのかな無名くん?)
彼の目的を考えながら東の研究所へと向かうのだった。
因みに助けに行ったヴィレッジの村人は獅子神の戦いに、呆気に取られていました。
京水と堂本はそんなヴィレッジのメンバーを守りながら戦った感じです。
獅子神ルートではロイドとの戦闘をメインに書いて終わる頃にサラがレイカと芦原を連れて現れる感じでした。
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